xxxxxx 表面張力(仮)

虚実入り乱れても記録
20010802--



2001年11月30日(金)

明るく透明に空間を隔てる境界面でもって

 もう11月も終わる.
 風が強いらしい.窓の外を見ると,並んでいる銀杏の木々から黄色い葉がぱらぱらと落ちていく.あれは千鳥だっけか?遠い昔の授業の記憶を呼び起こさせる光景.
 冬になる.


 論文の〆切もカウントダウンを始めるようになる.頭痛.

 自分の気分の浮き沈みの原因を知っている.仕事がうまく進まないから,ただそれだけ.あと数ヶ月もない時間に焦らされているだけ.
 進めば軽くなる.やるだけだろ.



 姉と一緒にカードを購入した.ユニセフのカードである.支払ったお金の一部は寄付に廻るのではなかったか.気に入ったカードが買えて寄付したことになるなら,なんとなくお得な気分だ.
 シンプルな,でも洒落たカードを選ぶ.
 クリスマスにはボスと助ボスと元ボスにこのカードを送ろう.



 最近のBGMは再びスピッツで,といっても持っているCDが少ないのでずっと同じモノを聴いている.
 7枚目のアルバムなのか.『インディゴ地平線』を今は繰り返している.この中のある曲の歌詞が気になっている.多分リズムも好みなのだろうけれど.

 自分が今,寂しいことを知っている.

 穏やかに穏やかに,ただ寂しがっている,それだけだ.だからこのフレーズが,切ないわけでも哀しいわけでもなく,ただ気になってしまうのだろう.
 強い風の音を聴いている.高い空を見上げている.
 明るく透明に,一人でいる.




 珍しく寂しいと伝えると,そちらは昼間だというのに電話をくれる君.
 だから,そんな言葉は零せない.もう伝える言葉でもない.なのに電話をくれた君の声はとても柔らかく,嬉しく思う自分がここにいる.
 間にある感情はなんだろう.もうその種類はわからなくなっている.なんて混沌とした,曖昧模糊としたその形状と色.溺れて窒息してしまえばいいのにと,ふと思う.


2001年11月29日(木)

受動的

 Dさんに「何に対しても受動的」と言われる.

 図星.
 昔は能動的だったとは言わない.どちらかというと受動的だったような気もする.ただそうでないコトを示すような記憶もあるので何とも言えないけれども.
 どうしてそうなったのかは知らない.ただ,現時点の自分はちょっとこの「受動的な自分」を嫌がっていることは知っている.嫌がる理由もわかっている.
 このように,自覚しているけれど何もしていない自分が最もイヤだったりもするのだが.自覚しているからいいじゃん的に居直っているあたり.


 かつての自分にふと曲がり角かなにかで出会ってしまって狼狽えている.
 そんな感覚.


 助ボスさんが長期出張からお帰りになった.「おかえりなさーい」と言いに行き,修論の進行具合の御報告(進行していないコトの御報告?).明日明後日くらいに話を聞いて頂く予定.
 今夜はもう少し進めよう.うんそうしよう.てなことで進め中.


 一悶着のあった一部の学生間で,そのうちの一人が一時期だけどこっそりわかりやすく貼っていた文句.
 友人が教えてくれたが,読んでみたら笑えた.さすがにもう外したのだろうな.そう信じたいところではある.それくらい.
 あのさ,やめておきな.
 失うモノをきちんと自覚して抱えていくことこそだと,ワタクシは思うけれどね.


2001年11月28日(水)

逃避から戻る途中

 昨日の日記(なのか?)は別に特定の相手を想定していたわけではなかったりする.ただ,人とマジで向かい合おうとするときに心掛けていることの一つなだけ.関係性の種類を問わず.
 マジ中のマジで向かい合えないのならば私は何もしない.できない.無責任なおちゃらけた発言はしたくはない.意見を求められればマジで考えるしマジで発言するけれど,それ以上のことはできない.
 不確かだからという理由で何も言わない/しないのは,安全ではあるけれど発展性はないだろう.それは弱点.けれど何もしないでいられるわけではない.だからできるだけ慎重になる.言葉を選ぶ.選ぶために考える.考えられるように知識や多方面からの意見を集める.
 そして,想像力だけでは補えないことを知りつつも想像する.それだけやっても哀しい結果に終わることがあることもわかっている.
 でも,それ以外に何ができる?


 ということを.
 最近の様々な出来事から考えてみたりして.



 で,ワタシの日常は.
 言葉にしたくはないくらいだったり.痛.我ながら痛くて笑えてしまうですよ.
 人の優しさに寄っかかって息をしている.
 相手を傷つけていることを知りつつ視線を外さないでいる.

 逃避から大学に戻る途中の銀杏並木.今日はとても晴れていて,木々と塀に囲まれたその道は空気が暖かい色で染まっているかのようで,それがあまりにもワタシに似合わない.


2001年11月27日(火)

想像力の欠如

 人と人は分かり合えない.そんなこと,知ってる.
 痛いくらいに.

 この,空間をわける境界面が邪魔をする.肌と肌を重ねたら溶けてじゅるじゅるに混じり合ったらいいのに.そしたら君のことがわかるのだろうか.
 そんなことを夢想する.それくらいにわからない.

 わかるわけがない.
 ワタシと君は違う眼球で違う景色を見ている.違う耳で違う音を拾う.違う舌で違う味を感じ,違う肌で違うモノに触れて,違う鼻で違う匂いを嗅ぐ.
 異なる感覚器.異なる対象物.異なる経験.
 そして異なる神経の束.
 同じモノなど何一つないのに,どうしてわかることができるのさ.
 そう思わないか.ねえ.

 そして.
 だからこそ想像力というモノがあるのではないのか.寄り添うために理解する努力という,まるで海の水を掌ですくって空にするような途方もないコトをするんじゃないのか.わかることはないというコトを痛い程わかっていながら敢えてする.
 そうしないと君と生きていけないから.
 君に近づけないから.


 知識を吸収して,よく観察して,考えて考えて人の意見もよく聞いて,それでも理解なんてできない.できないできないできない.
 だからワタシは想像する.君の痛みを.哀しみを.歓びを.
 得てきた知識で,観察結果で,人の意見で,自分の経験で,これらを総動員で想像力を使う.想像に過ぎないことがわかっていても,たとえ自己満足に終わろうと,それでも想像せずにはいられない.
 君の感じていることを感じたい.
 ワタシの言葉で君に無駄な傷をつけたくない.
 よりよい方向に,お互いに歩いていきたい.


 たとえ.
 どうやっても分からなくても納得できなくても.
 その結果,一緒に歩いてはいけなくても,それでも余程のコトでない限り,ワタシは君の道を大事にしたい.君を大事にしていたい.
 余程のコトだったら?
 その時に考える.たくさん考える.
 少なくとも,想像力が欠如した状態でいることはないようにするさ.



2001年11月24日(土)

ライン

 終わらせようと考えていたオシゴトは終わったけれど,いったい何をしているんだか,という一日.
 最近のワタシは靄の中にいる.
 クリアな視界がない.淡々としているけれど鮮やかな色彩がない.しなければならないコトはとてもよくわかっているけれど,鈍い音を立てている自分を知っている.
 というわけで明日は休み.
 大学の停電を理由にして家で転がっている予定.ただし,論文は持ち帰り.
 転がって読めるだけありがたい話だ.


 放っておいてもメールが届いた.明日から3日間はメールを送れない環境にいくので,仕方ないから返事を書いておく.
 少しずつ間隔をあけていくつもりでいる.先がどうなるかなんてわからないけれど,今のワタシのためにはその方がいいと考えている.自分で許せないような行動はとりたくない.

 ワタシはおそろしくプライドの低い人間で,大事にしてきた美意識などまで踏みにじるようなコトを自らしていたりするけれど,それでも「許せない行動」というものはまだ残っている.
 それだけはしたくない.そこまでは行くつもりはまだない.
 失うものなど,まだまだ残されている.それらをわざわざ失うつもりはワタシにはない.





+++業務連絡+++
えーと,こちらから.久々に更新したので御連絡.
デスクトップ用の画像です.以前作ったモノを少し改造したモノ.久々に見てみたら意外とサワヤカだったのでのせてみます.
下に並んでいる四角の赤色(名無しの矢印)からも行かれます.
オマエはそんなに暇なのか?というツッコミはご遠慮します.さくっと痛いので.


2001年11月23日(金)

壊して欲しくて

 壊して欲しくて,近づいてみたけれど残念ながら絶不調.
 それはもう仕方ない.そんなときに悪さはできない.ただ,少しだけ構ってくれてそれでお終い.ココロの中で詫びる.ごめんなさい.

 でも,ほんのちょっとだけ,壊して欲しいよ.ねえべいべー.




 計算結果の表.グラフ作成.条件の比較.
 今夜も,続きを.




 ふと気を抜くと,厄介なモノに絡め取られるから緩んではいけない.コツは何も考えずに手を動かすこと.Dさん,忙しくて良かったねと言う貴方の言葉はとても正しい.
 一人の思考が一番キケン.
 掴まるモノもなく墜ちていくだけになるから.




 計算結果の表.グラフ作成.条件の比較.そして検討.
 明日には終わらせる.これは終わる仕事だ.


2001年11月22日(木)

波に揺られて

 キューブが直ってきた.
 長い修理の旅を終えてやっと我が腕の中に戻ってきた.嬉しい.嬉しいけれどセットが面倒.片付けて掃除をしてやっと設置.その後,データやらなんやらを移していたら既に夜だ.
 けれど,昨日の日記に書いた事柄は終わったとも.ええ,それ程時間がかかるモノでもないのだから,さっさとやっておけという感じでございまするよ.ちょっと反省.かなりショック.
 最近,おかしかったからなあと回顧してみたり.…今もおかしいと言えばおかしいか.


 奴のメールを読みつつ,少し吹っ切れてしまった.なんというか,していることが同じなのだ.なんて弱々コンビ.そっくりさんである.
 だからワタシも何にも言えない.笑えてしまって言えなくなってしまう.
 もういいよ.似たもの同士で弱々だからここまで続いたんだから.
 多分,これからしばらくの間は感情の波がどんぶらどんぶら激しいのだろうけれど,ま,仕方ないから揺られているさ.


2001年11月21日(水)

fade out

 真夜中にメールを送り,その返事で電話がかかってきた.
 向こうにしてみれば仕事の時間.奴にとってはすごく貴重で「そういうこと」を話したがらないはずの時間帯.その時間を割いて話をしただけでも評価しよう.
 すっきりした.多分,どこかはすっきりしていないだろうし,するはずもないのだけれど,敢えて自分に言い聞かせる.ワタシはすっきりしたんだ.だからこれでもういいじゃないか.
 だからもういいよ.関係は切れなくても,少しずつフェードアウト.


 王様が立ち去ったあとの風景.





 とにかくさっさと忙しくなろう.事実,哀しんでいる時間なんてワタシにはないのだから.
 ていうか,ホントに青春なんてしてらんないだろ.残り時間的に.

 誰かワタシの論文を書いてくれ,なんてコトは言わないが,誰か英語を書ける脳味噌を貸し出しくれ.二人羽織でも可...その前に内容がまだ固まっていないけどな.まいがっ.
 今日はもう貧血気味で帰って寝るけれど,明日にすることは決まっているさ.
  (1)計算用の組成を決めて(2)パターンシートを作って(3)分析室で計算するのさべいべー.
 (宣言しておいて自分を追い込む作戦その壱)
 明日,日記に言い訳書いていたら哀しいよなー...自分が.


2001年11月20日(火)

足下の影

 友人に送ったメールが余りにも美文なので一人悦に入っている.内容は単に愚痴で,まあ要するに自己満足なのだけれど,書きながら自分の感じているコトがなんとなく見えてくる.
 言葉にするコトは,それまで形のなかったものに輪郭を与える.もちろん,それが悪い方向に働くこともあるけれど.
 ワタシは把握したい.自分の見ているモノを.感じているコトを.考えているコトを.
 それが自分を果てのない場所に立たせることになっても,それは仕方ないことだと受け入れるから.


 ワタシは取り残されている.
 そこがカラッポだったことなんて知っていた.虚飾にまみれた場所だなんて自覚していた.似て非なるモノを後生大事に抱えて座り込んでいる自分をずっと見ていた.
 わかっていた.それでも他にどうすればよかったのだろうか.


 足下にある影は消えない.光があたればあたる程,影は濃さを増してその存在を確かにする.暗闇に堕ちてしまえば見えなくなるけれど,少しでも光を欲しがると,その瞬間,地面に影があるのを見ることになる.
 影は離れない.それは仕方ない.
 この不信感も蔑視している世界の一部も,嫌悪する自分も丸ごと抱え込んでいかなけりゃならないことを知っている.いや,自覚させられている.
 そしてそれは多分,人々にとって等しく起こるコトのように思う.


 自覚的に生きていく努力.果てのない場所.気味の悪いくらいに抜けた青空.
 誤魔化しのきかない輪郭.「本当のこと」と問い続ける終わりのない禅問答.

 掴めないのは地面の影.





 シゴトを恐ろしく真面目にこなし,それはもう夜中まで分析してしまうくらいのマジメさで,そのせいで寝不足のまま直接大学に登校.この勢いで研究ができればいいのに.
 自分のコトになると雑音が入ってくる.性格のためか?



2001年11月18日(日)

時間は残酷なくらいに遠慮なく流れゆくから

 調子が出ない.
 まあ,致し方あるまい.昨日の今日だ.それでも私は,この感情がどこまで居座るのだろうと哀しむほど子供ではない.いつのまにか消えているものだということを知っている.時間が残酷なくらいに遠慮なく流れゆくものだということを知っている.
 いつか消える.そういうものだ.

 ワタシはただ,自分の感情に溺れないようにしていればいい.


 どちらかっていうと,それよりも自分の研究の進行具合にココロ砕いてほしいところである.どれくらいやばいかって,本気でチョモランマ級なんであるからにして.
 明日明後日は自分の研究はできない.なのに本日の進み具合はあまりにも嘆かわしく,ばあやがさめざめと涙を零してしまうレベル.同時に愚痴もこぼされるシチュエーション.
 別にばあやもじいやも執事もいないけどな.


 昨日は,資金の問題でイヤーカフスは買えなかった.ヒップハングのジーンズを買ったので,それに併せて下着類を更に購入.マフラーが欲しかったので安めのボルドー色のそれを購入.泊まり込みのシゴトのために目覚まし時計を購入.
 \30.000近くまでのお買い物となった.ワタシにしては散財.
 それでもいいのだ.ワタシがすっきりした.

 ジーンズは少しだけ色あせた感じの黒.前々から,多分高校生の頃からこのようなジーンズが欲しかったはずなのに,どうしてか微妙に違うモノばかり買っていた.探すのが下手なのだ.ていうか,探すことに飽きるのだ.
 慣らすために本日から着用しているけれど,気に入ったモノは気分がいい.さっさと店員さんに訊いていればよかったとつくづく思う.


2001年11月17日(土)

自分の内側に沈み込む/感情は自分を滅ぼす

 いろいろと書いてみたけれど,これは多分,引き出しの奥底にしまっておくコトだろうと判断して削除する.昨夜も削って削って書いていた.書きたくないということではなく,むしろ言葉にしたいのだけれど,表に出したくないだけなのだろう.そして紙に書くこともしない.
 自分の内側で言葉にできればそれでいい.

 今は静かな言葉が並ぶ.電話で話すことによって落ち着いたらしい.
 私って大人だよなと自己満足しつつも,その歪みを別な形の歪みにしている自分を知っている.それは大人のすることではないことも.けれどそれは別の話.今はただ自分の中に沈み込むだけだ.
 何をしたって誤魔化せるわけではない.滑稽でも惨めでも愚かでも,それが私だ.しかたあるまい?
 変に曲げるな.それだけだ.



 一応,計算をしているけれどさすがに本日は早く帰ろう.というか.買い物をしてしまおう.
 私はこういうときにでかい買い物をするのが本当に好きなようだ.しかもファッション系.土曜だから人混みだろうなとうんざりしつつ,ジーンズとイヤーカフスを買ってやろうじゃないか.
 (ていうか,こういうときにイヤーカフスを買うのが好きだよな,我ながら)
 そして明日は計算を始めてしまおう.オシゴトの準備もしないといけない.息を止めてしまいたくなる前に,歩くことを始めてしまおう.別に,白と黒に世界はわかれているわけではないし,0か1かしかないわけではないのだから.
 感情に負けたくはない.私の感情は自分を滅ぼす.


2001年11月16日(金)

ちょっと息の根を止めて欲しくなる/ご報告

 納得.
 まあそれなら仕方ないさ.そんなこと,一年以上前からわかっていたことなのだから.ただ認められなかっただけ.いや,認めたくなかっただけの話.
 そしてワタシがこの方面に対して「0か1か」「白か黒か」の思考しかしないというコトだ.
 何かを振り切るように地下鉄への階段を駆け下りる.





 閑話休題.

 えーと.
 かなりご報告が遅れましたが.
 亜沙子さんのところで代打しました.14日です.亜沙子さんは私が・・・・しているとても素敵な女性です.そしてとても素敵な日記を書かれています.
 現在は他の方々が代打日記をされています.今夜は右京君でした.わぁい.


2001年11月15日(木)

それでも計算中

 母とコートを購入してから大学に来たので,少し遅くなった.
 なのに,奴は来ていない.夕方になってやっと現れた.他大との共同実験が終わってすぐに帰郷したので,疲れていて寝ていたそうな.すぐに海の向こうに戻るし.
 なんというか,嬉しくても表面に出てこない.出せないんだなとちょっと思う.奴がどうなのかは知らないが.
 一枚の膜があるようだ.
 さすがに「諦める」宣言をしてしまって一月だ.メールだけのやりとりでは気づかなかったけれどその膜は今,確固たる存在感でワタシタチの間にある.
 こうやって終わっていくんだ.多分きっと.
 それはワタシが選んだこと.そうなんだ.そうなんだけどさ.


 奴の土産を肴に,助ボスさんが買ってきたワインその他でちょっとした飲み会になる.周囲の人に声をかける.奴は,自分では動かないけれど,人が自分のために来てくれるのはとても喜ぶ.
 長話ナガバナシ長話.話は結構,弾んでいたように思う.助ボスさんはご機嫌.奴は気分良く酔っぱらったようで.
 準備した手前,最後まで残って片づけ.


 小腹が空いていたのはコンビニで買った食物で補う.一緒にラーメンを食べられなかった.ワタシは引き留めることはできないし,奴は留まらないで帰宅した.言い出したのはあちらさんだけど,それでも.
 わかってる.仕方ないよ.仕方ないんだけど.
 なんて邪魔な膜なのだろう.自分で作ったくせに,やるせない.


2001年11月14日(水)

今朝の珈琲の味はちょっとだけ苦い

 敗北.
 朝になるまで起きて論文紹介の準備をしていたけれど,この出来で人様の30分は潰せない,というレベルまでしかいけなかった.仕方ない.
 諦める.これは無理だ.
 助ボスに謝っておこう.別に謝ることではないけれど,あれだけ心配して下さったのにと思うとやるせないだけだ.来ている時間帯だろうと部屋を出ると,ちょうど助ボスがコピー機のところにいた.
 ワタシが疲れて笑っていたのか,「寝る前でなんだけど,コーヒー飲む?」ときかれる.
 ありがたく頂戴した.


 眠いはずなのに眠れない.気分をさっぱりさせようと思ってシャワーを浴びたら目が覚めて更に眠れない.どうせ学校だし?と眠るのも諦める.とりあえず起きて作業でもしよう.
 作業中,友人に電話をかけて少し相談.賛成されてほっとする.誰かに背中を押してもらいたかったらしい.相談内容を実行するかどうかはわからないが,賛成されるだけでよかったのだ.
 午後になって少し眠くなる.机に突っ伏してみる.
 この,とろとろと溶けてしまいそうな引きずり込まれそうな感覚が好きだ.

 が.
 セミナーでは話を聞きながら舟漕いでしまいましたけど.


 やるしかないことはよーくわかっている.わかっているから,やろうよべいべー.
 動かないと進まない.進まないと終わらない.終わらなくても締め切りはやってくる.提出期限は近づいてくる.
 時間は等しく過ぎ去っていくのだから.


 明日,奴が来る.
 なんて顔して会えばいいのか,よくわからなくなっている.


2001年11月11日(日)

お喋り

 朝の7時まで計算ソフトを用いて計算していた.限界になって倒れ込むように寝る.足が氷のように冷たくて,手で握っている間に寝入ってしまったようだ.1時間たって目が覚める.足は少し温まっていて,寝られるのならと手を離して横になる.
 そして寝過ごす(気分的に).

 目覚まし時計で目を開けたコトを覚えているのに,どうしてまた寝てしまったのかと,ただそれだけで哀しくなる.せっかく,昨日で気分が明るくなったのに.
 哀しみながらとりあえず,計算結果をまとめている.助ボスさんが話をきいてくれる.
 それだけで今日は救われる.


 結局.
 研究内容は,自覚的ではあったけれど更にすっきりして頑張れそうな気がする.少し感情のためにあやふやになっていた部分が明確になった.
 そして何より,数時間もただのお喋りに助ボスさんがつきあってくれた.多分きっと,どっからみてもやばそうだったのだろうよ,ワタシ.なんというか,涙ぐんで計算方法を説明しているところとか.

 支離滅裂のただの愚痴だったのだけれど,危うくなく話を聞いてくださる人がいるということがどんなにココロが軽くなることか,と思う.本当のコトなんて話せないから実は誤魔化した話なのだけれど,そういうことではなくて.
 話を聞いてくれているというそのコウイが.



私信>>>>
ここをご覧になっているでしょうか.どうでしょう,どうかなあ.
えーと.
今日はもう帰ってしまうので,メールは遅れてしまいます.ごめんなさい.気分は明るくなったのだけれど,切羽詰まっていることにはかわらなかったです.ごめんなさーい.


2001年11月10日(土)

おかしいくらいに張りつめた糸が少し緩んで

 寝坊して,慌てて支度をして渋谷へ行く.約束の時刻に遅れることは滅多にしないので,しくしくと心が痛む.携帯に電話を入れて「ご飯を食べていて」
 結局,30分の遅刻.開演にはまだまだ余裕がある.
  『RASHOMON』演出:野村萬斎
   Bunkamura シアターコクーン
 ずっと前からの約束.ヤフオクでやっと獲得してもらったチケット.確かにワタシは切羽詰まっている.けれど,見栄と根性で見に行くわけで.
 感想は友人と語り合ったのでここには書かないが,ワタシと友人はまた何かあったらまた一緒に行こうと約束した,というところである.レポートのような感想を書いたアンケートを係の人に手渡しながら.


 その後,友人と「結婚とか考える年齢だよね」などと縁のない話を笑いながらしていた.この友人とは「誰も聴衆はいないのに笑いをとらずにはいられない会話」を怒濤のように繰り広げてしまう.お互いがお互いを高めながら暴走するのだ.
 誰か止めてくれ.
 けれど長時間,顔の筋肉を痙攣させるまで話していてだいぶワタシの中がすっきりした.昨日までのおかしいくらいに張りつめた糸が悪くない緩み方をしたようだ.
 妙に緩むわけにはいかないが.それは当然だが.
 昨日は,もう危険だというくらいに張りつめていて,論文を読んでも頭に入ってこない,計算をしていてもその意味が掴めない.自分の周りに膜が張られたような感覚で,膜の内側ではいつ切れてもおかしくない糸が張りめぐらされていた…ようなもんだと表現すれば近いかもしれない.
 それが少し消えた.ほっとする.
 シゴトの進行具合から見れば昨日一日は確実に無駄になっているのだが,まあ致し方あるまい.おかしいときはおかしい.今夜どうにかがんばろう(というか現在進行形で作業中).


 とにかく.
 一つ,気づいたことがある.そして逃走する必要あり.これはきちんと行う.そうしないと迷惑になる.だって,別に彼は全てを代表しているわけではないのだから.
 奴はもうこちらにいるだろう.無事にシゴトができているだろうか.


2001年11月09日(金)

相談

 実はいろいろちょっとだけ,大変だったりする.
 その全ては,とりあえず論文が(執筆・内容の詰め共に)進まないことによるモノなので,自分のすべきことはわかっている.ただ,あまりにうまく進まないのでやさぐれているらしい.
 無気力やら倦怠感やらが復活してきてしまった.
 どうしてこう,厄介なときに厄介なモノを持ち出してくるのか,自分の脳味噌ながら,その行いが理解できない.できないのだが,論文の内容を固めていくのも執筆を進めるのもコレなのでどうしようもない.
 最後は力業でどうにかしよう.動け,ほれ.ほれほれほれ.うらうらうら.


 ただ,本日はさすがにまずいと判断し,ボスに「詰まっているのでセミナーが終わったらきますー」とふらふら言った.そうしたら直後に助ボスさんからメールがあった.
  時間があれば話においで
 最初に断っておくが,我が研究室の方針は「放任主義」であり,学生が来なければ放っておくようなところである.「俺の背中を見て育て」的なところがある.んー,お父さん.
 その中でこのような心温まるメール.
 温まりすぎて一瞬にして溶けてしまった.そんな自分に驚いて,かなり自分が詰まっていることに気がついてしまった.もう少し早めに気づけよ.


 更に.
 余りにも別件が何なので,少し専門的なところに相談をしてみる.別に求めるモノを具体的に頂けたわけではないが,すっきりした.その後,それについて友人Hに報告したら「海棠も進歩したな.大進歩じゃん」とお褒めの言葉を頂戴した.
 まあその後,当然ながら説教も頂戴し,ついでに「奴は止めておけ」と言うお言葉も頂戴した.んー,そうしているつもりなんだけど,ごめんよ.まだココロは残されてしまっているようだ.困ったね.
 うん,でも君だけはワタシのことを嫌いにならないでいてくれることはきちんと分かっているからさ.これについては今は許してくれ.


 でも,ちょっと気分が軽くなった.よかった.
 もう少しがんばろ.踏ん張りが必要な期間はわかっているのだし.



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遊び連絡(そんな暇あるのか?おい……というツッコミは痛いので御遠慮します)
KOKOROの風景の千絵胡椒さんが「web日記占い」をやったと書かれていました.面白そうな結果になるようなので行ってみました.
以下のようになりました.そうなんだぁ…


海棠 さんは 大人日記 を書くと多くの人を魅了します。
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あなたは特に人間関係を題材とした現実的で匿名であることにより,より生々しいリアルな日常の日記を書くと成功するかも知れません。
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海棠 さんが書く日記の性質

 人間度 50 精神度 16 思考度 40
 変態っぽさ 75 やましさ 33

海棠 さんの日記のオススメの題名

 才色兼備日記

今日書く日記のネタが無いあなたへ
海棠 さんが今日書くと良い話

 よせば良いのに納豆のほうを あの時飲んだ
 誰かに部屋を 口紅の跡

上の言葉をすべて使って 一番驚いた話 風にまとめると良いかも。


今日の日記はもう書いてしまったので,今度,頑張ってみようかと思います.
もう皆様,ワタクシの大人の魅力にくらくらですわよ.なんてったって「大人の日記」で「変態っぽさ 75」でございますから.
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2001年11月07日(水)

別人になり続けているワタシタチ

 セミナー準備と,論文のための計算と,あとは,なんだろう.
 淡々と一日が過ぎていく.夜中になってほっと息をつく.いろいろしているような気分でも,したことを数え上げると哀しいほどに少ないものだ.一日にできる作業は,考えるより多くはない.
 だからこそ,きちんと予定をたてて行動しないと,後で破綻することになる.


 昔を語れるような年齢かどうかは別として.

 昔はできたことが,今のワタシにはできなくなっている.それは加齢や環境という問題ではなく,まあイロイロで.
 もしかすると昔からその要素は持っていて,ただマシだっただけかもしれない,などと疑い始めると止まらなくなる.けれど少しだけ確かなこともある.だから,多分,少し変わってしまったのだろう.
 別人に.

 それは哀しいことではあるけれど.ただ,人は生まれながらの細胞を基本的には死ぬまで持っていられないわけでして,どんどん細胞は新しく生まれかわり取り替えられていく.
 血液から肌から筋肉から内臓から.

 ワタシタチはカラダレベルで別人になり続けている.

 そう考えると,当たり前のことであって特に哀しいことでもないのかもしれない.
 別に「イロイロ」があろうとなかろうと,その時々にあるワタシなりにそのようにやってきてたのだろうから,そんな,考えても仕方ないことをぐるぐるしていても仕方ない.
 さっさと手を動かそうじゃないか.
 ワタシにはできないこともあるけれど,できることもある.


 とりあえず,君の安全を祈っている.祈ることしかできないから.


2001年11月06日(火)

指の軽さに慣れない

 オシゴトから(大学に)戻ってきて,少しずつでもなんでもいいから進めている.
 先程,少し友人ムと話した.気が紛れるのかどうなのか.けれど,不慣れな場所にいたからだろう,やはり気が紛れて助かる.
 一人でいると,どうでもいいことまで考え込んでしまうからだ.

 現在,するべきことは自分の研究を進めるコト.
 それがなくては就職だってできないだろうが.


 暗いことを引きずり出しすぎて,少し沈む.どうしてこう,ワタシの脳味噌は期待通りに働いてくれないかな.こういうときには出してくるモノが違うだろう.
 もうちょっとさ,明るくて希望に満ちあふれたモノとか.
 闘志がわいてくるモノとか.
 まあ,確かに.
 ワタシに似合うかどうか,という点では疑問だけれど?



 自分が捨てたモノのはずなのに,どうしてこう,よけいに欲しくなるのだろう.
 中指の軽さに慣れないでいる.


2001年11月04日(日)

意識的に行われる取捨選択

 筋肉痛どころか少しだけ腫れていた.
 どうりで痛いはずだ.歩くことや立ち上がるのが少しだけいやになる.
 そのせいかどうかわからないが,今日はそこはかとなく哀しい気分に支配されているようだ.それとも秋だからか.どちらでも構わないけれど,余り考えたくない事柄なのでやめてくれ.
 意識的に捨てようとすればするほど存在価値が高まってしまうのだから.


 壊されてしまいそうになって,実感したのは筋肉の衰えと柔軟性のないカラダ.
 後半に差しかかったとはいえまだ二十代だというのに,嘆かわしいこと甚だしい.勿論,そういう問題じゃあないだろう,というコトもわかっているけれど?



 セミナーのための論文を探しておかないといけない.そんな時間があるのか,というツッコミもあるけれど仕方ない.単位を頂かないといけない学生の身分なのだからにして.
 最近読んでいる論文は少し古い.別に重要性では劣りはしないけど.最新の情報をレビューするという目的からは外れてしまう.さて,どうしましょうか.
 それに計算と自分の論文.計算はいい加減にケリをつけろよ.悩んでいたって終わりはしない.


 先程.
 化粧室で一人,考え事をしていて,あ,この日は‥‥‥だからだめじゃん,と思った瞬間に自分の滑稽さに気づいてしまい,笑ってしまった.
 笑いすぎて少し泣けた.


2001年11月03日(土)

雨の夜に

 イロイロとありまして.
 残ったモノは以下の三つ.

  ・筋肉痛
  ・怠さ
  ・オシゴト

 それぞれは別の事柄に由来していますけどね.



 ちょっと,どうにかしてくれようという気分だったりする雨の夜.


2001年11月01日(木)

くちびるの使い方

 恋心を抱いてなくても,抱かれることはできる.抱くこともできる.
 なら,キスは?
 キスはできるのか?



 カラダを売る人が,キスは拒むという話を聞いたことがある.本当かどうかなんて知らないし,本当である必要はない話だろう.このハナシが意味することは,それが真実かどうかは関係ない.
 キスだけは好きな人でなくてはできない,ということを言いたいのだ.
 つまりは,ココロまではあげられないのよ,みたいなことか.
 そんなコトを伝える目的の漫画か本でみたことがあるのだろうと思う.
 けれど,それは本当にそうか?
 好きな人でなくてはできないのか?


 ただ,唇を重ねるだけではないか.
 そこに何か,意味はあるのか.


 少しだけ思うのは.
 快楽の道具として唇を使う場合,その関係に恋心は必要とではないだろう.唇は(そして舌は)とても敏感であり,それを使用すれば更に快感は生まれてくるのだから,それを使わない手はない.
 快楽を貪るときに唇を重ねるのは,それは自然であるといえるかもしれない.
 けれど,会話はそこにはない.
 ただ貪る口があるだけで.
 何か言葉にならないモノを交換する行為はそこにはない……ように思う.思うだけさ.
 それだけ.


 別に抱かれることもキスもできるだろうけど,会話のようなキスの方が好きだなと思うだけだよ.



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