夕方、雨が降った。豪雨だった。地下鉄が地上に抜けてもぐる頃、東京の空は真っ黒に染まった。駅をでてカバンで頭をおさえて走ればいいか。それでもこのどしゃぶりじゃパンツも書類もびしょ濡れか。まちぼうけ、雨はやまない、傘は花咲く鳴り響く着メロの奥で、機械は通信者を特定しその耳の奥まで到達すると。なにもかもが変わってしまうような気がした。