仔猫と箱庭の収容所



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体温


体温を欲しがる手で。


ただあなたの体温が欲しかった。


此処1週間熱っぽい。
三十七℃一分。


ただその手の平に触れていて欲しい。


あたしだけの体温。




2004年01月29日(木)


毒入りヂュース


1日24時間ぢゃ足りない。 
 

毒入り林檎は御姫様。


あたしの血液は毒入りヂュース。
ぐつぐつ煮込んで何に成る??
何に成る??


海に成る成る。
海に成る。


1日24時間ぢゃ足りないと思わない??


毒入り林檎は作られる。
作られる。
食べられる。 


あたしゎ死なない。    
2004年01月26日(月)


数学


1度駄目に成ると
もう全てが崩れてしまう様な科目。


訳が分からない。


滅数を数えましょ。
それだけ出来れば十分な筈。


何をあたしに求めているか知らないけれど
とにかく
あたしにはこれ以上求めないで下さい。


数をかぞえます。
必死に。




2004年01月18日(日)


最後の人


いつもあたしは最後。


何故取り残されるのでしょう。


あたしはあなたと一緒に居たくない。


苛々とした時間が進む。
のろのろとまるで蝸牛みたいだ。
秒針の音が気に入らない。


暖かい場所を想像しては駄目。


そうあたしは最後の人だから。




2004年01月16日(金)


鼻声


風邪をひいた君は

鼻声であたしを呼ぶ。



それがなんとなくいつもとは別人みたいで

ドキりとさせられる。





でも君の声がいつもと変わらなくても

それでも

やっぱり心臓がドキドキするのは変わらないのだ。





鼻声でも

君は君だから

あたしはいつでもいつでも,ドキりと心臓が高鳴るんだ。







「早く風邪治ると良いね。」



「有り難う。」





ほらまた。



ヤラレてしまう。




2004年01月15日(木)


回る廻る


くらくら
眼の前がくらむ。


歪んだ天井に圧し潰されそうだ。


ゆらゆら
たあしの魂がさ迷う。


ふわり
ふわり。


ほら
もう脳味噌はぐちゃぐちゃ。
魂は飛んでいった。


回る
廻る天井




2004年01月10日(土)


無題。


暖かい場所を探し泳いでた。


最後の離島で
君を見つめていた―――




2004年01月07日(水)


歌を唄う猫


しなやかに動く。
くねる躯。


あぁ。
あたしの心は
あなたに全て持って行かれたのです。


唄う猫の声
響いて


あたしは
もう空気に溺れる。


あぁ。




2004年01月04日(日)

*仔猫と箱庭* 弥甫

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