⊂熱風⊃
2003年05月31日(土)

水草が、無力にたゆたい。
灯もない水嵩の深く。
ようやくひらける濡れた闇の空。
風下で唸る渦巻きの溝。
夜の空、そんな風だった。
台風過ぎて、晴れてしまうかな。
家にいる日なら雨が好いけれど、お出掛けする日は曇りが好い。

バイト大変。
指先が火傷だらけで、皮膚の奥がヒリヒリと疼く。
小指だけでグラスケースを持ったら、皮の中でお肉がずれた。
ヒリヒリヒリ。
明日もバイトで、11時間勤務。
今日は9時間の筈だったのに、お客さんひかなくて結局、最後まで居た。
夕べ全然寝付けないまま4時間以上が過ぎて、眠ったのは30分きり。
それでお仕事してたから、後半は頭の中がぐらぐらして気絶しそうになってた。
今日は寝れるか。
お薬飲もう。
もう眠くなった。


⊂眼帯⊃
2003年05月30日(金)

昨日、電車の中で嘘眠りをしながら。
もう目が見えなくなれば良いのに、と思ってた。
今日、バイトに行く電車の中で、爪の白い半月が前より大きくなったことに気付いた。
あたしは生きてて、最近は毎日忙しくしています。
ギターを弾き続けた小指の先が腫れて、お肉が潰れて、痺れて、感覚が無い。

腕が切りたいなぁ。
血を見たい。
時々、一瞬、血錆の臭いがすると、発作のように腕が反応する。
だけど、理性の有る人間として、バイトの事を考えてしまう。
接客業は好きで、腕の傷は飲食店に無い方がいい。
それは少し分かってきた。
腕を切る病だなんて、何も知らない人にとっては有り得ないことで。
あたしの腕を見て、角で引っ掻いたかなんかだと思っている。
でもそう思われていた方がいい。
だってあたしの左腕はまだ使えるもの。
これからこの傷だらけの躯を、何年引き摺って行くのか考えた。
今日できた傷も、明日できる傷も、未来であたしが決して失くすことはない。

色んなことを思い出してた。
恐い夢も見た、また追いかけられて、一晩中逃げてた。
死んでしまったひとも、忘れてしまったひとも。
あたしの記憶の中には居る。
夢で話した。
自分だけで終わることはない。

8月20日。
また来るその日。
また来る、あたしの終わりたいやまい。


⊂てのひらの陽⊃
2003年05月27日(火)

地震こわかった。

居なくなる太陽に灼かれてた富士山の映像が綺麗で、見入った。
今日から少し学校がお休みです。
でもバイトも同じだけお休みなのでやることない。
いま、曲を渡されてて、詞を書いてます。
うまく出来ない。
でも書いてる。
頭の中で、たくさん自分の言葉を探してます。

うたをうたいたくなくなる気分の時があって。
あたしはもう、うたわないひとなんだと思う。
死にたいと思いながら生きている時と同じ感覚で、そう思うけれど。
やっぱり生きているように、結局うたいたいと思ってた。
分かり難いこの脳味噌。
身体は傷付けたいと思うし、傷付きながら生きることが普通なのもわかるけれど。
疲れて仕舞って、全部がいやになる。
あたしはまだまだ大人に成れない。
成りたくもない。


またあとで。


⊂ねこいらず⊃
2003年05月26日(月)

気持ちが悪い朝、泣きそう。
眠ったけれど、足りない。
イライラする言葉は、選ばれない言葉。
愛想笑いの食堂に、目障りなひとたち。
見ただけで吐き気がした、だから違う部屋で朝食を摂った。
甘い味。
パンも、バターピーナツも、半熟の黄身もフルーツ缶も。
甘ったるい、喉の奥が熱くなるような、気分の悪い味。
あぁ、何処かの部屋で電話が鳴ってる。
大嫌いな音。
ヘリコプターも嫌い、雨を嫌って雨の日を不幸がるきみが嫌い。
あのひともあのひとも全部いや。
昨日の楽しさも、今日の苛立ちも、明日の虚しさも、全部いや。
音楽も聴きたくない、何もうたいたくない。
喉を潰して、声を枯らした。
不自然な楽しさ、愛想笑い、目障り。
眠い。
誰も見たくない。
ひとより、あたしが消えれば善い。


⊂断熱⊃
2003年05月22日(木)

緑色のマニキュアを足の爪に塗った。
明日からバイトだよ。

気付いたら学校で上手くやれてるみたい、あたし。
昨日、クラス半分以上の女子に集中突っ込み入れられてた、あたし。
何故か好きだと言われたけれど、あたしには誰かを好きだと言える余裕も無い。
あたし、崩れてゆくようで。
やっぱり誰にも触れない。
あたしはあたし。
此処からは誰も何も入れない。

平均睡眠時間がまた日に日に少なくなってる。
なんて寝付きが悪いのかしら。
晴れたら太陽がすぐに窓枠から光り入れてくるから、もう寝るなと云われてるようで。
短すぎる夜。
夏は近い。
宇都宮に行きたい。
たくさん雨が降って、雷が響いたら、蛙たちが祈るように啼いて。
あたしは眠る、窓を開けたまま、そんな贅沢なお昼寝がしたい。
なんだか忙しかったりする毎日。
時間を巧く食べれない。

あのひとたち、みんなで嘘吐いてるみたい。
そんな気がして、疑い続ける。
居心地の悪い、1時間30分。
腕を。
腕を。
腕を。
刺したい。
傷付けたい、自分。
醜いあたしを、その場で殺したい。

僕の背中にカッターの刃を。


⊂君の不幸を願わない日は⊃
2003年05月18日(日)

あのひと喜ぶと腹立つ。
喜ばないで、潰れたまま、いて。
あんなこと言って、ひとを否定しても。
一番ひとを想っていないのは、あのひとだわ。
あのひとに抱く嫌悪感は、いまでも変わらない。
嘘ついてばかり、知ってるのよ。
皮肉混じりの御見舞いを云った。

母乳や涙の成分中に痛みを鎮める効果が見付かったんだって。
モルヒネに近い効果、ってどのくらいなんだろう。

風邪を引いた。
声が枯れて、安心して。
なにも喋らないで過ごしたい。


⊂ビニール傘⊃
2003年05月15日(木)

傘を買った。
コンビニでビニールの、透明な傘。
今年の雨はこれで大丈夫。
雨の傘より太陽の傘が欲しい、雨より光のがいや。

言葉って怖い。
信じてる、とか見えない圧力だよね。
忘れてた。
あぁ、とても重たい。
いいこにしてろ、ってことね。

午前中は先週から続く吐き気と胃痛で、お薬を飲んで寝込んでたけれど。
授業に出るべく午後は学校へ行った。
そう、ビニール傘と飲物を買って歩いた。
今日は生楽器とうたったけれど、ドラムの音がとても怖かった。
破裂しながら、心臓と噛み合わなく、肺が余計に叩かれて痛かった。
ドラムとベースの音が好きだったのに、嫌になった。
威圧の音がしてた。
帰りに本屋さんに寄ったけれど、突然胃が痛くなってしゃがみこんだ。
暫く病院になんて行って無いし、これからも無理そう。
明日も晴れなくていい。
もう少しの間、太陽は見たくない。
雨の音だけ聞いてたい。

そういえば、実家のてっせんが咲いてた。
綺麗だった。


⊂罰⊃
2003年05月14日(水)

これ以上、腕へ行ったらバイトも何も出来なくなるの。
知ってるから、じゃぁ次は何処にしよう。
痛めつけるのは、駄目な自分を、殺しても殺しても。
殺し切れないくらい、駄目でどうすればいい。
頭の中で思考が溢れ出し、痛くて眠れなかった。
頑張れない自分、いつもそう。

これからまた、うたの時間。
みんなで仲良く、おうたをうたう。
今日も明日もうたを。


雨降った。
沖縄も奄美も梅雨入りしたって。
傘、買わなきゃ。

心が戻ってこない。
眠るだけ眠っても、頭痛いが続いていやね。
うたをうたいたくなかったけれど、うたわなきゃいけないから。
好きな曲をかけたけれど、部屋の中をただ反響するだけで。
耳の中に来なかった、背中から響いて、音だ、と感じるだけだった。
トロいあたしに、現実は以外と早くてね。
朝なんて、すぐ来る。
そして夜になって、終わる。
瞬きのたびに空は明るくなって、うんざりする。
あぁ、うんざりする、地球も太陽も。


⊂黒⊃
2003年05月13日(火)

バイトが怖い。
バイトはしていたけれど、何時、不安になるのか。
何時、疲れるのか、何時、息が出来なくなるのか。
何時、眠たくなるのか、怖かった。
笑えなくなった時あの、ひとの群が疎ましくなって。
悲鳴を上げてしまう様な気がする。
でも頑張らなきゃ、生きれない。
普通には生きれない。

うたをうたったら、雲は無くなるようだったけれど。
雨は降った。



自分の言葉が見付からないから、もう寝る。


⊂きゃぁぁ⊃
2003年05月11日(日)

地震が大嫌いなあたし。
東京に上京してから始めての地震体験に恐怖しています…。
4階に住んでいるのですが、建物が転がるように揺れてるの恐ぃ。
あたしが倒れそうな訳じゃないのよね?
これ地震よね…?
そのうえ、椅子の上にお座りしていたから更に揺れて恐いのよ。
床にへたり込んだ…。
あぁ、おさまったぽい。
よかった。

木曜日の授業は、ひとが身体だけしかなかった。
あたしが下を見すぎているの、誰の頭も見えなかった1時間半。
苦痛 場違い 早く帰れ 居なくなりたい、居たくない と、
頭の中でたくさん繰り返した。
駄目なあたし、気持ちが何処かで棄てられた。
あまりに冷静過ぎて、あたしは其処に居ず、気がちがいそうで、俯いた。
足下、には何が見えるの。
あたしの足が、一瞬浮いた。
うたえない場所、うたわせてくれないひと、うたえないあたし。
今日も明日もうたをうたわなければいけない。
声を出したら吐いてしまいそう。
でも、言葉をはなすより、うたったほうがとても楽。
喋れないあたしは、うたう。

あたしはもう大人なんだ。
あたしはもう子供じゃない。
あたしが否定している。
大人だけれど、大人じゃない。
子供じゃないのに、子供のようだ。
未成長の肝心な心が、足の甲から、あの日の場所に杭打った。
あの頃の泣きたかった地面に、あたしは立っている。


⊂忘れびと⊃
2003年05月08日(木)

青空に溶けてしまいそうな一本道。
あたしはオレンジ色のサンダルで、紛れてしまわないように歩いた。
夜になり、湿気帯びた生温い風は、増々の強さで沸きあげて。
脱走を斡旋するかのように、背中から強く吹いた。
走って、見付からないように。
あたしはうたう。
音楽の活動が、一応決まった。
今後の活動状況と音楽性、あたしのペースに因っては潰れて仕舞うかも知れないけれど。
うたう場所は出来た。
目に見えて、続かない。
はぁ、駄目だあたしはきっと。
だけどみんないいひとで、よかった。
空は濁り、流れてたよ、今夜。

あたしらしく居るための大切な事に、今日気が付いた。
でも学校を当て嵌めて考えたら、少し違ってた。
普通な事は学校に行く事だけれど、あたしの普通は音楽がやりたいこと、で。
学校に行く時間を割いて、音楽づくりをしているあたしは間違っているか、とか。
脳内迷子。
思いきりうたいたい、喉の粘膜が裂けて血が出てもいい、耳が潰れるくらい。
なにか叫びたい。
なにか、を強い力で、つぶしたい。


⊂水没⊃
2003年05月07日(水)

パチンコ屋さんの自動扉が開いたら、
エアコンの冷風と煙草の匂いが、生暑い道に流れ出した。
苦くて乾いていて、裏山の淵の匂いと似てた。

思い出す夏に何時もあたしはひとりで、視界は橙に霞んでる。
毎日たくさん友達と遊んでいた気がするのに、あたしはひとりで庭の中。
何処かとても閉鎖的な気配と、何時の間にか得意になってたひとり遊びの中、屈折してゆく誰かの面影。
裏山には魔女が棲んでいて、あたしも何時か魔女になろうと決めた。
無意識にも居場所を探しはじめてた9歳の夏に、あたしの側には誰も在なくなっていて。
青々と匂い立つ庭も、蝉の耳鳴りも、夕立の唸り声も、あたしには違う側に在る何かだった。
誰かよりも、優しかった。
傷付けず、傷付けられず、息をしているだけの、生きる。
太陽の差す光に含まれて、じめり、と少しだけ夏はあたしを嘗めた。
砂利道に横たわるイメージ。
地球から生まれた草が身体を突き破り、空へと伸びて行く。

焦げた血の匂いを思い出して、明日は今日に繋がり続く、眠りも境にせずに。
一生を昨日と明日に分けて仕舞いたくないのよ。
眠っている間も生きているし、今日の死骸が昨日なわけでもない。


⊂脱走⊃
2003年05月04日(日)

コンビニで温めてもらったお弁当を食べながら、泣いた。
どうしても哀しくて虚しくて、堪らなく苦しかった。
携帯の電源を切って、本当は、電車に乗る前から、ずっと泣きたかった。
案の定、あたしはあの場所で喧噪という孤独に潰されていた。
あまりにも騒がしくて、目の前が分からなくなって、少しだけ鼻の奥がツンと、泣く合図をしてたから。
あたしは逃げ出すように、さようならの挨拶をする余裕もなく、駅へ向かってた。
あたしは今の自分をまだまだ、誇ることは出来ない。
駄目な生き物。
今日、何回にげた。
本屋に逃げた時は死んで仕舞いたかったし、トイレに逃げた時は腕を切って仕舞いたかった。
とても疲れた、でも明日も続く。
あたしはちゃんとひととお話を出来るようにならないと。
出来ない。
脳味噌の真ん中に、石が在るみたいだわ。
何処か引っ掛かって、割れない。
それだけが、どうしても出来ない。

ニュースを見ないと不安で眠れない。
何処かの国で争いが始まる頃から、眠る前、目が覚めた時、携帯でニュース速報を見る。
テレビも何時もニュース。
不安で生きれない。
戦争の反対を街の中で叫んで、意味がないとは思わない。
どう思ってもなにも変わらないなんて、ただ興味がないのと同じ。
幸せを祈る間にも世界中でひとは死に続けて。
誰かの為に涙を流す暇もない。
あたしは今日、とても楽しい時間のあいだ、其れ以外を忘れていたけれど。
座り込んで、気付いて、あたしが楽しんでいた間にどんな事件が起ったのかと思ったら。
ちいさな罪悪感がうまれて、動けなかった。
そんな事を思い始めたらキリが無いの、分かっているのに。
聞き分けない。

明日もあの場所へ。
元気で居れますように。


⊂点滅⊃
2003年05月02日(金)

目がちゃんと覚めるように、携帯の目覚ましを掛けて眠った。
夕べみた夢はひとつきりしか覚えてない、いつもは3つ4つみたのを覚えているのに。
目が覚めた時も朝か夕方か夜か分からなかった。
何もないのだから何時でも良いんだけれど。
でも変な不安だった、目を覚ました病院のベッドの上みたいに。
此処は何処だろうと思って、目を閉じるのが恐かったから、起きた。

夢はなんだろう。
やりたいこと増えて、あたしは何時まで何を出来るか考えた。
やりたいことがあればあるほど、ひとつづつは軽くなりそうでいや。
全部ちゃんとやりたい。
でもひとつのことはひとつ、其れ以外は何時でも捨てれる。
でもそれはいや。
出来る限りの色んなことを真剣にやりたい。
あぁ、難しいな。

心臓が鳴って、耳障り。
目を閉じると腫れ上がったような圧力で心臓が鳴る。
寝ようかなぁ、なんだかずっと眠たいままだから。
明日はお出掛け。
明後日も、明々後日も。
たくさんのひとのなか、もうあたしが呑まれることはないけれど。
でも何か場違いさと、拭い切れない虚しさが取り巻いているようで。
ひとりになりたくないのに、孤独にされる場所へ飛び込む。
ひとの声も、耳鳴りも、同じよ。
ひとりでいればいいのに、あたし。


⊂無着色⊃
2003年05月01日(木)

長い休みはただの長い休みなだけで、やることない。
やることあるけれど、体内時計が壊れてて、眠い。

昨日は良く電話した。
その子は友達の言葉に傷付けられて、苛々が移ったらしい。
其れを上手く宥めるのは苦手だけれど、話をすり替えて楽しい事を話せばいい。
笑うことは忘れることかしら。
でも、忘れたいのだろうから、其れで十分に都合が善い。

テレビを観ていたら、深夜に電話が来た。
打ち合わせ、と1時間以上も喋っていたけれど結局、ひと恋しくなっただけだって言っていた。
いままでひとりで居れたものが、何故ひとりで居れなくなったの。
あたしは彼の中身を崩したかしら。

月曜日にお母さんがコーヒー味のワッフルを買ってくれた。
地元から東京へ戻る、電車の中で食べなさいって。
あれは正夢だったかな、改札口までお見送りに来てくれた。
あたしはお母さんの家に泊まっている間、出来る限り努力して良い子を勤めた。
口ごたえはしなかったし、食器も全部洗うのはあたし、朝ご飯も作ったし、お湯も沸かした。
お布団も干して、妹の代わりに犬の世話も。
怒らせないように、喜ばれるように。
また、出て行け、と云われない為に、目の前のすべてを元に戻した。

あぁ、なんか眠たいけれど、今寝たら夜が眠れなくなる…。
お出掛けしようかな、ジャスコに。



My追加
 << 足跡  すべて  糸 >>



由弥 [御手紙]