2007年03月21日(水)



【腐敗】


腐って、朽ちて
跡形もなく土に還ってしまえば
良いのに、などと
取り留めの無い事を考えながら
手のひらを見つめた


指の隙間から広がるのは
何も無い
自分の部屋の天井
白い壁紙


この手のひらにも血が通っていて
意思の通りに動いていて
ふと何気なく手を伸ばして見るけど
白い壁紙はまだ遠いまま


なんで腐れないのかなぁ
血が止まれば良いのに
どうして心臓は今も動いているのだろう
ポンプの役割をしている心臓が止まり
血の流れが止まり、体が硬くなって
腐っていくのはそれから先のこと
まだまだ遠い先


だから
こうして見つめてる手のひらが
ポロポロと壊れていく様子を想像して
ちょっと安らぐ
そうして眠りにつく


朝なんて来なければ良いと思いながら









2007年03月19日(月)



【そら】


何も見えないと
嘆いていたら
本当に僕は
何も見えなくなってしまった


優しさとか
温もりとか
嘘ばかりだって
突っぱねて
孤独を選んでは
淋しいと泣いた


いつだって矛盾している僕の未来に
今もまだ光は見えず
立ち竦んだまま動けずに居る


窓を開ければ空はただ青く 高く
僕には二度と手の届かない世界だと
そんな事ばかりを考えて
工事現場の音が虚しく胸に響いた


あの何度も僕を慰めた歩道橋は
取り壊されるんだってさ
空に近づけるあの歩道橋が
取り壊されるんだってさ


その音をただ僕は 虚しく胸に留めて
空を仰いだ






 


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