ナナとワタシ
ナナとワタシ
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2003年11月28日(金) きょんさんを大事にしなよ

先日、きょんと派手にケンカした晩、たまたまナナから電話がありまして。

「きょんさんも元気なの?」と、ナナがごきげんうかがいをしてくれ、うっ、と答えにつまるワタシ。

「んー」

「(笑)なに?そのビミョーな返事。ケンカしたの?」

「今まさに真っ最中。 きょん、プチ家出中」

「マジ?   プチじゃないかもしれないじゃん。どうするのー?」

「べつに。帰ってこなくていいよもう。本人にもそうお伝えいたしました」

「・・・・・・ひどいんじゃないそれー」

「・・・・・・・」

「きっと今、すごく心細いと思うよ、きょんさん」

「だって自分から出掛けていったんだもん。ワタシが追い出したわけじゃないよ」

「あのさあ、そこって、じょりぃの家なわけじゃん?」

「うん」

「じょりぃの方が、圧倒的に立場が強いわけですよ。他のことにしても、アナタ、いつも威張ってるんでしょ?」

「うん」

「立場が強い人が弱い人を追いつめるのってどうかと思うよ。 何が原因でケンカになったにせよ、『帰ってくるな』を言った時点で、じょりぃが全面的に悪いです

「え!」

「反省しろー」

「は、はい」


すっかり説教をくらってしまいまして。


で、何が原因でケンカになったの?と訊かれ、概略を説明。

「それってさー、きょんさん、さびしかったんじゃないのー?」

「まあ、心細いからついてきてほしいってことだったんだと思うけど、向こうも言わなくていいこと言っちゃったわけだし」

「あたしいつも思うんだけどさ、きょんさんがさびしがってるんじゃないかって、すごく気になるの」

「は?」

「例えばじょりぃがあたしんちでごはん食べていくときとかあるじゃない? ああいうときでも、あたし、ホントに気になっちゃうんだよ。きょんさんがさびしがってるような気がしちゃって」

「ははははははははははははは」

「笑い事なの?」

「たぶん。 ワタシがいないときは、ひとりの時間をのんびり満喫してるみたいだよ。好きなモン食べられるし」

「その気持ちはあたしもよくわかるけどさ・・・・ホントにさびしくないのかな?」

「うん。怖い番組を見たりしなければ大丈夫。それも『さびしい』じゃなくて『怖い』だし」

「じょりぃと泊まりで出掛けるときもすごく気になっちゃって」

ナナがこういうことを言い出すのはこれが初めてじゃないんですが。
ていうか、既に何回か同じ話をされてるんですが。
いーーじゃんか、べつに、誰がさびしかろーと。考えたってしょーがないじゃんかー。
現にきょんはさびしがっていないんですし。

「だから、あたし、きょんさんも一緒に行けばいいのにーって、本気で言ってるんだけど」

「いや、それはきょんは望まないと思うよ。疲れちゃうんじゃないかな」
ワタシも疲れますし。

「そうか・・・・ねえ、じゃあさ。もし、出掛けようとしたときに、きょんさんが『さびしいよー行かないでー』って言ったら、どうするの?」

「言わないから」

「だから、もし、だよ」

「具合が悪いのか確認して、さびしいだけなら『ちょくちょく電話するよー』と微笑みながら出掛ける」

「ええええええええ?」

「ななななななに?」

「・・・・・冷たくない?」

「え!」

「今日だけはどうしてもひとりになりたくない、って、涙を流しながら(笑)言われてしまったら?そしたら出掛けるのやめる?」

「説得する。だって、事前に決まってたことなわけだしさ。  でも、どうだろうな。想像できないんだけど。だいいち、うざいなあと思ってしまうかも」

「(冷笑) マジつめてーよじょりぃ」

「だって、なんでわざわざ今?と思うじゃん。いい大人がさー」

「わざわざ今、そういうことを言いたくなることがあるかもしれないじゃん」

「ということは、キミはあるんですか?」

「ない(笑)」

「ほらみろ」

「でもー・・・・・あたしは、相手を試すためにやってしまうかも。『今だけはそばにいてよー。さびしいんだもーん。行かないでよーー』って、だーだー泣いてみたり」

「ヤなオンナだなーーー(笑)。 試すの?そんなことして?」 

「うん。試したくなるかもしれないじゃん。どれくらいあたしのこと大事なの?みたいな感じで。心が不安定なときなら、わかんないよあたし」

「試されてるんじゃ、キミにもし泣かれるようなことがあったら、とりあえず出掛けるのをやめておかなければ(笑)」

「(笑) で、『わかった、じゃあ出掛けないよ』って言葉を聞いた途端満足しちゃって、『ううん。行ってきていいよ。ばいばーい』とか言ってそうなんだなあたしがまた(笑)」

「ああ。まさに。 態度が急に冷たくなってるんだよきっと」

「そうそう。 けっこうもうしらけちゃってたりしてね。なんでまだいるの?みたいな(笑)」

「オソロシイヒト」

「まあとにかく、もしきょんさんがさびしがったら、なるべく側にいてあげることだね」

「・・・・もしキミが出掛けるときにパパが『さびしいよー行かないでよー』と泣いたらどうするの?」

「パパがーー?!(笑) でも、そういう風に言われたら、あたしは出掛けないよ。一緒にいてほしいのなら。かわいそうだもん。心配だし。気になって、出掛けても楽しめないし」

「ふうん。 ワタシよりやさしいんだね。 ていうか、ワタシって冷たいのかな?」

「冷たいんだよ」

もしワタシがさびしいって駄々をこねたら? と訊きたかったのに訊けませんでした。
意気地なしじょりぃ。
だって
「はは。『ごめーん、元気出して』って言って、出掛けるみたい」
とか、ポップにイジワル言いそうなんだものこのヒト。



話はまたきょんとのケンカについてに戻り、またお説教されるじょりぃ。

「じょりぃ、きょんさんがいなくなってしまったら、絶対さびしいと思うよー。それはもう、想像を絶するさびしさだと思うな」とナナ。

「そ、そんなに?」

「うん。 なんて言うのかなー・・・あたしとパパよりもさー・・・・」

「ん?」

「ううううううううう・・・・・なんて言ったらいいのかわかんないーー(笑)」

「(笑) あたしとパパより?」

「なんていうか、  ううううん・・・・・・・・・さびしいよきっと(笑)」

「なんだそりゃ」

「あたしとパパが離れてしまうより、じょりぃときょんさんが離れた方が、きっとさびしいんじゃないのかな」

あたしとパパより愛が強い。  と言いたかったのかしら?もしや。
それとももっと単純なこと?

どうも、ナナがワタシときょんのことをどのように定義しているのかが不明なので、よくわからないんですが。


「ワタシときょんのほうが、そちらのご夫婦よりも仲がいいってこと? だとしたらそっち、問題あるんじゃないの?(笑)」

とぼけてみるじょりぃ。

「でもあたし、このことについては自信あるよ。 じょりぃときょんさんが離れてしまうほうが、あたしとパパが離れてしまうよりも、ショックも大きいし、すごくさびしいだろうと思う」

「・・・・・・ふうん・・・・・」

「だから大事にしなよ、きょんさんのことー」

「   んー   」  フクザツじょりぃ。




トータルでずいぶんな時間と真面目さを費やし「きょんを大事にしろ」と力説されたような。



はっ。



ナナったら、  もしや   きょんのこと!





ないないない。





ないよねえ。 た、たぶん。


2003年11月25日(火) 試してみる価値はある

前回と同じ電話で、Aセクシュアルの流れから、こんな内容の話になりまして。


「・・・・そう考えてみると、結婚してるけど、実はえっちとかはキライって人、案外いそうな気がするなあ」とナナ。

「いるかもね。社会の洗脳により、そんなこと考えてもいけない、という抑制がかかって、気づけない人だっているかもしれないし」

「洗脳?」

「洗脳」

「どんな洗脳?」

「男と女は結婚して当然。そして結婚すればえっちして子供つくって当然。それが人間としてあたりまえ、という洗脳」

「それって洗脳なのかあ?」

「(笑)もちろん、愛し合っていれば自然にえっちしたりすることになるほうが圧倒的に多いだろうけど、そもそも『結婚』というシステムが、社会整備のために後からつくられたものであるわけじゃん。そのための洗脳」


ことわっておきますが。

これは一般論とか、「これが正しい理屈だ!」とか「じょりぃの主張、ここにあり」、とか言うわけではなく、あくまでもワタシが個人的にナナと話している会話の流れの中で出てきた理屈であります。
細かくきちんと、ワタシの考えを世間一般に向けてお伝えしようとするならば、また違った表現になるかと思いますが、このテキストの中では、あくまでも「ナナにとりあえず、今話していることを納得してもらうため」というスタンスで話は展開しています。
なので、けっこう偏った論旨展開になってますが、そのへんはあまり熱く考えず、友人二人の軽いディスカッション、という感じで「ふーん」と読み流していただければと。
もちろん、言いたいことがある方は遠慮なくどうぞ、なんですが。一応、ことわり書き。



「じゃ、あたし、洗脳されてるのか?」

「されてる部分もある、という話。 そういった洗脳のせいで、自分の本来のセクシュアリティとか、何がイヤで何がスキなのかってことが見えなくなってしまう人もいるかもしれないってことだよ」

「でも、じょりぃの言う『洗脳』がなかったとしても、あまり事態は変わらないんじゃないのかなぁ。それに、洗脳って、やっぱピンとこないよ。大袈裟じゃない?」

「そうかな? でもワタシたちは物心つく前から、男の子なら男の子らしくって育てられて、女の子は女の子らしくってピンクとか着せられたりするじゃん? そういう固定観念をいっさい取っ払って育てて、異性をスキになるのがあたりまえ、って考えも取っ払って育てて、『好きな子ができた』って子供に打ち明けられたときに『ホント?どんな子?男の子?女の子?』なんて世の中だったとしたら、それでも今とまったく同じ状態になると思う?」

ここまで力説してしまうと、もはやワタシ、カムアウトしたも同然かも、と心配しつつ。
あるいは「セクシュアリティ解放運動者」みたい、と思いつつ。
なぜか力説。

「それは・・・どうだろうね。 よくわかんないけど、今あたし、話を聞いててふと思ったんだけど、 ハダカってさ」

「ハダカ?」 突然ですね。

「うん。 あたし、ハダカって、男の人より女の人の方が好きだ」

「ああ」 ノンケの人でも、そういう人って多いですよね。

「男の人のハダカって、ちっとも見たいと思わないけど、女の人のハダカって、きれいだなーって、なんか見たくなったりする」

「そういう人は多いよね」

男のハダカのが全然スキ!女のハダカ、キョーミなし!って女性も、もちろんたくさんいらっしゃいますが。
しかしそう考えると、ナナも100%ノンケってこともないかもしれませんね。

「確かに、今この話が出なければ、あたしはそのことに気づきもしなかったかもしれないね。 ということ?」

「ということ、も、あるかも」

「あたしも、同性愛も試してみる価値はある、ってことだね(笑)」



え”。


一瞬、答につまるじょりぃ。



「そういう人もいるかもしれない、 ってことだね」 お茶を濁すじょりぃ。

さっきまでの鼻息の荒さはどこへ?



でも、今このように書きだして、読み直して、会話を思い出してみて思うのですが、やはり今現在「今の結婚というシステム」が現実に存在し、そのシステム上で家庭というものが成り立っているということを考慮すると、余計な知識はないほうが、「家庭の幸せ」というものは守られるのかもしれませんね。
奥さんが急にいろいろと自分自身について内省し始めて、「実はあたしはセックスが嫌い。あたしを尊重するならもうやめてください」と言い出したり、「どうも実は女性の方が好きみたいです。どうしよう」とか言い出したりしたら、家庭の平穏は乱れる可能性が高いですから。
「個人の幸せ・個の尊重」と「家庭の幸せ・夫婦の平穏」のバランスって、実はとても難しそうですね。

もちろん、これらがバッチリマッチして、幸せに暮らしている方々も山盛りいらっしゃると思いますが。
そして、自分のセクシュアリティと格闘しながら、家庭と自分の幸せに奮闘なさっている方々もたくさんいらっしゃるでしょう。


何が言いたいのかよくわからなくなってきましたが。

みんな幸せになりましょう。 LOVE & PEACE ってことで。
と、軽薄にまとめてみるじょりぃ。



話を戻して。




ナナ。

試してみるときは、よそで試さないでください。

ワタシがいます。



って、これがいちばん言いたかったのよ、ワタシ。





「同性愛を試す」なんて言うと、バッシング受けそうな気もしますが。
ナナは冗談で言ってます。念のため。
ワタシ個人としては、「試す」という感覚も、同性愛に限らずアリかな、とは思ってますが。
何につけ「慣習により、気づけずにいる人」というのはけっこういるんじゃないのかなという気がしますし。
例えば「絵を描く」という行為を知らず、描く物を手にしたことすらなかった「絵の天才」が、「描かせてもらう」ことによってやっと自分の才に気付く、ということはあるのではないかな、と。
この手の(特にレズビアンからの)バッシングは意外に強いので、ここにワタシの考えを補足しておきます。
と、今日は言い訳だらけのじょりぃ。ふう。


2003年11月23日(日) キスとえっちとハグ、どれが好き?

ナナと電話で、話の流れでAセクについてちょろっと。

「えっちはもちろんキスもイヤ、という人もいるんだよ」とワタシ。

「へえ。 もったいないね」

「もったいないっていうのもさ、ワタシたちの感覚でモノ言ってるわけだからさ、そんなのもったいないかどうかなんてわかんないじゃん」

「あたしがもったいないって言ってるのは、キスっていいのにできないのがもったいない、っていうことじゃなくて、キスだのえっちだののせいで、その子の足かせになっちゃってるとしたらもったいない、ってことだよ」

「ああ。そういう意味ね。 ワタシはキスって好きだから、勝手に勘違いしちゃった(赤」

「好きなの? キス」

「は?」

「じょりぃは好きなんだ?キス(笑)」

「す、好きですけど」

「どうして?」

「どうしてって・・・・好きじゃないの?」

「(笑)」

どうして答えてくれないんでしょう。
好きじゃないんでしょうか。



しばらくキスの話から遠ざかったあと、気になったので話の流れを見てふたたび話題を戻すワタシ。

「じゃあさー、キスとエッチとハグ、どれがいちばん好き?」

「えーーーーー?・・・・・んーーー、  じゃ、ハグかな」

「へーえ」 キスにしといてくれよ。という問題ではありませんが。

「えっちもさー・・・(笑)」

「え?」

えっちも、なんですか? 好きなんですか?


あまり生々しいことは聞きたくないんですがアナタの口から。
でも聞きたい。 揺れる乙女心。

「なんて言ったらいいのかな・・・・うーーーん・・・」もじもじしているナナ。

「・・・・・・・・・」そわそわと待つじょりぃ。

最後の段階が、好きじゃないんだよね(笑)」

「最後の段階?」

最後の段階って?


様々な「最後の段階」が脳裏を駆けめぐるじょりぃ。
どこからが最後なのよ。
段階って何?
ストレートにアノことですか? ソフトにアノことですか? それともアノこと自体ですか?


「そう。最後の段階(笑)」

「最後の段階・・・・って、どこが最後よ?」

「途中までは好きだよけっこう」

それはよかった。
って、いいのかな、悪いのかな。よくわかんないや。
それどころじゃないしなんとなく。

「最後の段階って、どこからが最後? なんかいろいろ頭の中を駆けめぐってしまってるんですけど」

「・・・ちょっと! 自分の体験と照らし合わせて変態的な行為を想像しないでよね!」

「なんだそれ!」

「フツウの想像してよ。とんでもないプレイとか(笑)してないんだから。  何考えてるの?じょりぃ」

「ふ、フツウのこと考えてると思うんだけど・・・・だから最後ってどこよ!」

「(笑)    あのねー、どっちかというと、えっちそのものよりも、えっちに至るまでの感じの方が好きかな」

話そらしましたね。 あの、最後の段階の話は・・・<くどい。

「ああ。わかるわかる」

「そうなるまでのかけひきとか、焦らしたり焦らされたりとか、そういう感情の高ぶりが好き」

「なるほど」 じ、焦らしたり焦らされたり? か、感情の高ぶり?

「してみちゃうと意外とがっかり、みたいな(笑)」

「はははははは」


・・・と笑ってますが。

とても緊張した会話でございました。
あまりこの手の話はふたりでしないもので。


「なんかさ、つきあってるときでも、そろそろえっちかな?なんて頃までがいちばん楽しいよね。ドキドキして」

とナナ。



キミ、けっこうこっちの素質あるんじゃないの?
と、根拠もなく、なぜかなんとなくそう思ってしまったのですが。



ていうか、もし万が一ナナと相思相愛になったとしても(ならなそうだけど)、常に行為に至る手前の寸止めでいるのがベストみたいですね。
がっかりされたらイヤですからねえ。
でも、それってヘビの生殺しとかいうヤツですか。


性欲強くなくてよかった。
それに、けっきょくのところ、ワタシも似たようなもんだわ。
それまでが楽しい、ワタシも。
いや、しても楽しいけど。
ていうか、したほうが楽しいかなやっぱり。
なんでもいいのかもしれませんが。



ところで、最後の段階って、やっぱアノことかな。
でもなんでキライ?
よくわかんないや。


2003年11月20日(木) すねないでね

夕方、待ち合わせで時間が余っていたので、ナナにメール。

楽しく順調に過ごせていますか?

特に用事もないので、ご機嫌うかがい程度に。


夜になってから返信が届きまして。

んー。そちらはどうですか。

みたいな感じの。
なんだ?この中途半端な返事は。


まあ、適当に。
そっちのくちぶりはなんだろ。気になるなあ。だいじょぶ?



んー。なんか不安。


なんだなんだ。だいじょうぶなんでしょうか。


電話しようか?


やさしいじょりぃ。


次の返信は長めだったので、全部載せるのはプライバシーうんたらに問題があるらしいのでまとめてみると、以下の内容。

・ううん。いいよ。そんな急ぎの不安じゃないんだ。
・形のない不安なのだ。よくわかんない。


さらに「本でも読んでみるよ」ということと、最後に



あ・・・またすねないでね。







なにそれ。



しかも「また」って。



ワタシ、電話を断られたくらいで、アナタの前でそんなにあからさまにすねてるんでしょうか。



かっこわるーーーーーーーーー。


た、たしかに「すねる・いじける・ひねくれる」はワタシの三大得意技でありますが。
バレてたのね。


落ち着きを取り戻し、なんてことない感じで返信。


すねないよー。

すねませんよ。そんなことで。
ていうか、ちょっと「ちぇ」くらいは思いますけど、ナナとの電話は体力的(長いから)・精神的(重いから)にヘビーなので、正直ちょっとホッとするところもありますし。


でも、ナナもプライド高いですし、すねないよーと言ったことにより「なんだ、余計なこと言っちゃったかな」と気にしちゃったらどうしよう、なんて思っていたら、こんな返事が。



でもちょっとさみしいでしょう。



・・・・・すごい自信ですねアナタ。

そのあと「昼間ヒマでつまんなーい。どっか遊びに行こうよー」と、気まぐれモードに変化したナナ。
このあいだまで「忙しいから、電話もできないよ」なんて言ってたくせに。
自分がヒマになったとたん、これですよ。

ていうか、もしかして、「じょりぃ、すねたかな?」と思って、気を遣ってくれたのかもしれないんですが。

と、解釈し、しかもヒマでつまんないってことなので、やさしいじょりぃは
いいよ。今週の金曜日にでもどう?」と返事をしましたら、


あ、でもよく考えてみたらあたしけっこう忙しかったんだ。再来週以降じゃないと無理。 と。



もう、好きにしてください。

ちなみにワタシ、すねてませんからね。 け。


2003年11月14日(金) ビバ!中学生

前回の「いじけてみた結果」の電話のあった次の日に、ナナからお誘いのメールが。

「長女の中学の合唱コンクールがあるんだけど、一緒に行く?」と。

フツウの友達から誘われれば「なんでこのクソ忙しいのにそんなもん見なきゃならんねん。音痴な中学生どもの歌なんて、キョーミなし!」と即断り、という感じなんですが。

「うん。行く」

と返事。

長女ちゃんがこの合唱コンクールの練習に燃えていたのを知っておりましたし、なにしろナナに会えます。
仕事人間としては、すんごい失格だわワタシ、なんて思いながら、合唱コンクール会場へ。


会場は、その地域の立派なホールをその中学だけで貸し切っておりまして。
贅沢ですね。
ワタシのときは、学校が違うとはいえ、体育館でしたよ。

で、会場に入りましたら。

あたりまえですが、中学生の群れ・群れ・群れ。
ワタシは子供のいない身ですから、こんな数の中学生を目の当たりにすることなんて、もちろんないわけでして。

中学生って、ワタシが思っていたよりずっと幼いんだなー、なんて思ったりして。

あのかたまりは1年生か。すごい子供だなあ。そうだよね、去年は小学生だったんだもんね。
なんて考えてましたら、ふと思い出したのです。

ワタシ、今の彼女たちのときには、もうナナのこと好きだったんだよなあ。と。

今並んで座っているワタシとナナにとっては、中学の時なんてもう遙か昔のことなわけです当然。
でもワタシは、あそこで上級生たちに囲まれておどおどしながらもはしゃいでいる、まるで子供な中学一年生のあのムスメのような頃から、変わらずこの人を好きなんだなあ。なんて思って。

そうしたらもう、1年生たちが愛しくて愛しくてですね。
なんかもう、いろいろとがんばってくれキミたち! まだまだガキだけどな!と叫びだしたいほどに。

じーーーん、と勝手に感動しながら隣にいるナナの顔をちらりと見てみました。

その横顔はもちろん、中学1年生のときのそれとは全然違うわけですが。
パンパンだった頬は、シャープな輪郭に変わっていて。もちろんすっかり大人ですし。お母さんですし。

1年生たちのあどけないざわめきを聞きながらナナの顔を眺めていると、ものすごく不思議な、タイムトリップみたいな気分に。
これは今まで体験したことのない心の波動で。

仕事は困ったことになっちゃったけど、ああ、来てよかったな、と感動。
まだ合唱聴いていないんですが、席について5分ほどですっかり感動モードのじょりぃ。

すっかり気をよくしたワタシは、今度は2年生に目を向けて、「やっぱり1年生より少しだけ大人びているな」「2年の時はナナとこんなことがあったっけ」「あんな思いをしていたとき、ワタシはあんな風だったんだな」と2年生モードで感動。
次は同じように3年生モードで。
いちいちキュンキュンするじょりぃ。
君たち、精一杯今を生きるんだぞ!
20年後にこんなに素敵な思いができるんだから!と、心の中でゲキを飛ばしてみたり。

会場をうろちょろする長女ちゃんを見つけ、ああ、まさにナナがあんな風だった頃にワタシは・・・と、またいちいち感慨にふけるじょりぃ。大忙し。

もう長女ちゃんの姿も愛しくて愛しくてですね。
ナナを投影しているから、というわけではなく、もう単純に愛しい。
ナナの子供が、あの頃のワタシたちの年齢になっているなんて。 感慨。 年を取るって、悪くない。
長女ちゃん、ナナから生まれてくれてありがとう。
この愛しさ、ワタシの胸だけにはしまっておけない。

「長女ちゃん、かわいいねー」思わず心から呟くじょりぃ。
「そーだねー」当然じゃん、という感じのナナ。

とはいえ、ナナの声にもしっとりとした趣が。
もちろんワタシと考えていることはまったく違うでしょうけど、彼女も彼女なりに幸せな気持ちになっているらしく。

来て良かった。


まわりのお母さんを見回してみると、ナナは若いなー、なんて思ってそれも嬉しく。
最近前より若さがなくなったかな?なんて失礼なことを思っていたじょりぃだったんですが、こうしてみるとやっぱり若い。
よしよし。 その調子その調子。 と、勝手に悦に入ってみたり。


そしてもうひとつ、嬉しかったことが。

ああいうホールの座席って、狭いんですよね。
それが幸いしまして。

なんかすごく顔が近いんです。
いつもでは考えられないふたりの距離。
今まででいちばん、親しげにできたかもです。
顔を寄せるようにして、くだらない話をして笑ったり、合唱中はひそひそと耳元でおしゃべりしたり。
物理的には映画館などで似たような体験をしたこともあったのですが、今日の感じはそのときと全然違っていて。

なんだこの思いがけない幸せは。

しかもですよ。

ナナは「肘掛けは、両方あたしのもの」と当然のごとく思っているらしく、肘掛けに肘を乗せてゆったりとくつろいでいたのですが。
ワタシはといえば、ナナがゆったりしている分、隣でちんまりと座っていたのですけど。
狭い座席ですからね。
ワタシの腕に、ナナの腕が触れているんです。
コンクール中、ずっとですよ。

「なんだ。そんなことか」と呆れてるそこのアナタ! そう、アナタですよ。

こんなこと、今まで一度もなかったんですから。
ワタシのテキストをずっと読んでくださっている奇特なかたは、もしかしたら「おお!」と驚いてくださるかもしれませんね。

まあ、お互い嫌い合っているかのごとく「触れる」ということを(結果的に)避けていたわけですから。
ていうか、ワタシが避けていて、向こうにもその気配が伝播していた、というのが正解かもしれませんけど。

今日はずーーーっと触れてまして。
寒い会場だったのですが、ナナ側の腕だけはあたたかくてですね。 幸せ。

はっ。

だからナナはあえて腕をどかさなかったのかしら。
なにしろ超寒がりだし。 カイロ代わりにしていただけかも。ワタシの腕を。
ていうか、何も考えていなかったという線がいちばん濃厚なわけですが。

でもそんなこと、考えない考えない。
ワタシの気持ちと満足感だけ考えておこうっと。


あ、もうひとつ、普通の人が聞けば「・・・それが何か?」と呆れてしまう嬉しいことがあったのでした。
それは行きの車の中でのこと。

「手が冷たいよー」とナナ。
「気の毒に」とワタシ。

「ホントにすごく冷たいんだよ。   ほら」

わっ。

みなさん!
ナナがワタシの手に、自分の手を重ねましたよ!

呆れちゃダメ!しらけてもダメ!
こんなこと、今まで一度もなかったんですから。

「うわ。 ホントに冷たい」 と言いつつ、じょりぃの心は興奮の炎で真っ赤に燃えております。たかが手で。
「ね。     ていうかあたし、手がガサガサだ。やだな」
あら、もう手を引っ込めてしまいました、ナナ。

全然ガサガサじゃないから。 気にするなーーー。 手を引っ込めるなーーー。

という思いとは裏腹に
「はい」 とハンドクリームを手渡すじょりぃ。

何も考えず、親切心からそうしただけだったのですが、あれではまるで「ホントだね。これでキレイにおし」と言っていたようだと後から思ったじょりぃ。
ワタシのバカバカバカ。


合唱コンクールの方は、なんと長女ちゃんのクラスは1年生の最優秀賞を獲得することができまして。
それはそれはもう、ハリウッド映画並の「メガハッピー」でございます。
ナナの嬉しそうだったこと。 親ですねえ。


そのあとナナ宅へ寄って、次女ちゃん・末子ちゃんにご奉仕させていただき、夕飯をごちそうになって帰って参りました。


そんなわけで、今日は良い日です。
ビバ!中学生。
日本の未来は明るい。<そこまで言うか


2003年11月10日(月) いじけてみた結果

ナナから電話。
なんとなくくさくさしていた日の終わりに加え、前回ナナから相談を受けてワタシが答えたことに対してパパといろいろと話し合ったらしく、
「パパもやっぱりじょりぃと同じ事言っててね」とか「パパと相談して決めた」とか「パパが任せとけって言ったから、とりあえず任せることにした」と、パパパパ連続攻撃に遭い、じょりぃ、すっかり「けっ」モードに。

いつもと様子が違うのかな?と察したらしいナナが、途中何度か「具合悪いの?」とか「話すのイヤ?」と訊いてくれるのに対しても
「別に」
と答える最低じょりぃ。


ナナは結局内職をやめることになったらしく。
「時間ができるから、前にじょりぃが勧めてくれた放送大学とかいうやつで、勉強でも始めてみようかな、とか思って」と、前向きモード。
「いいんじゃないの。エライエライ。がんばって」
「じょりぃは?受ける気なくなったの?」
「時間的に難しいなやっぱ」
「そう。   願書とか、どこでもらえるの?」
「本屋とか」
続いて、単位数のこととか、学科とか受講内容のこととか、なんだかワタシのことを放送大学のスタッフとでも思っているんですかアナタとキレたくなるほど、いろいろと質問されまして。

くさくさしていたワタシは冷たい言葉を吐きました。

「知らないよそんなことまで。ワタシは受講したことないんだし。自分で調べれば?願書もらってくればいいじゃん」
「     ん。 そうだね。 ゴメン」

ああ。
ゴメンナナ。

「じょりぃは自分がわからない話を振られると、急に不機嫌になることがあるよね」
と、以前ぽろっと言われたことを思い出したりして。
これってすごいカッコ悪いですよねえ。
知らないことは話せないので、無口になってしまうだけなんですが、気配に敏感なナナにはそのように受け止められてしまったようで。
今もそんな風に思ってるんだろうな。


「ねえ、元気ないの?」とナナ。
「あるよ」
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
「じゃあ、あたしと話してるのがつまんないの?」
「つまんなくないよ」
「なんかヘンだよ。今日」
「そうかな」
「だるそうだよ」
「べつにだるくないよ」
「  じゃ、やっぱつまんないんじゃないの」
「つまんなくないよ」

つまんないんだ、と思わせてしまったら申し訳ないと思い、ちょっとオープンマインドになってみる決心をするじょりぃ。

「無力感を感じているのかも」
「無力感?」
「うん」
「どうして?」
「・・・・・・・・」
「話してよ」
「よくわかんないよ」
「仕事のこと?」
「違う。 と思う」
「じゃ、なに?」
「・・・・なんかさ」
「うん」
「いろんな人がワタシの何かをあてにして、いろんな話をしてきたり、頼りにしたりしてもさ」
「うん」
「ワタシがある日『ぽっ』といなくなっちゃっても、誰も困らないんだろうな、と思った。 そんな無力感」
「なに急に(笑)」
「急に思っちゃったんだ」
「生理前?」
「ちがう」
「後?」
「ちがう」
「・・・・困る人だっているよー」
「そうかな」
「うん。きょんさんとか、なっちゃんとか、じょりぃをあてにしてるから、困るでしょ」

脱力。 嗚呼無力感。

「キミは?」
「は?」
「いやべつに」
「あたしは困らないよ」

がああああああああああん

「あ そう」 
「だって、じょりぃがいなくなったって、あたしは生活できるもん普通に」
「あ そう。  ずいぶんハッキリ言うんだね」
「じょりぃだって、あたしがいなくたって、生活できるでしょ?」
「できないよ」
「できるよ」
「できないよ」
「なんで?(笑) あたしがごはん食べさせてやってるわけとかじゃないでしょ?」
「・・・・・・・・・そうだけど」
「まあ、でもきょんさんやなっちゃんは生活に影響あるしねえ。困ると思うよ」
「ふたりだって、生活という点ではたいしてダメージないよ。きょんは自分で稼いでるんだし、なっちゃんだってその気になれば、もっとお給料の取れるところで働けるんだから」
「そうかなー」
「ワタシが言ってるのは、生活面のことじゃないよ」
「じゃ、なに?」
「もういいよ」<本格的にいじけモード
「じょりぃがいなくなっちゃっても、誰もさびしがってくれないかも、ってこと?」
「・・・・・・・・・そういうことかも」 
「なんだ。あはははははは。   
 なら、あたしはさびしいよ。(笑) じょりぃがいなくなっちゃったら」
「え」

え。

やった。夢のような言葉だ。

「さ、さびしいの?」
「(笑)さびしいよ。すごく」
「あ、そう」にこにこにこ <あからさまに声のトーンが変わったじょりぃ。
(ワタシの声が急に明るくなったので、笑いつつ)そんなことで落ち込んでたの? じょりぃの周りの人、みんなさびしがるでしょ。仕事関係の人だって、仕事のことだけでなく、じょりぃのこといろんな意味ですごく頼りにしてそうだし」
「あ、いいのいいの。仕事の人のことなんて。 もう機嫌直ったし(笑)」
「(笑)なんだそれ」
「なーんだ」にこにこにこ
「なーんだはこっちのセリフだー。ヘンなヤツ。(笑)」 なんか笑いっぱなしのナナ。おかしいかそんなに。


じょりぃのゴキゲンが直っちゃいましたよみなさん。
やってられませんねもう。呆れて呆れて呆れてください。


「でもさ、さびしいかどうかなんて、じょりぃがいなくならなくたって、関係ないじゃん」とナナ。
「え?」
「今だってさ、物理的にも時間的にも、同じ様な状態じゃん?」
「?」
「あたしが、『毎日会いたい、毎日遊んでよ』って言ったら、そうしてくれるの?  できないでしょ?」

え?  ええ?


ああ。 会話の流れ的に出た言葉だとしても、嬉しい。


「ま、  毎日会いたいなんて、お、思ってないくせに」<かわいくない上にうわずってる
「(笑)だから、思ったらそうしてくれるわけ?」
「・・・無理ですけど」
「でしょ? じょりぃ、勝手にいじけてるみたいだけど、あたしだって、じょりぃと遊びに出掛けたいとか、会って話がしたいとか思ったって、忙しいんだろうからって自分に言い聞かせてるところはあるんだからね」
「す、すみません」
「だいたい、さびしくなったらいつでも電話してよって言ってるのに、かけてきたことなんかないじゃん」
「それはだって・・・」
「してよ。電話」
「ありがとう」
「あたしが遊びに行ってもいい?って聞いたって、仕事が忙しければ断られるしさ」
「すみません」
「いいんだけどそれは。しかたないから。 でもさー、じょりぃって何考えてるかわかんないんだもん」
「そうかな」
「あたしと一緒に、何がしたいの?」
「は?」 

は?

「何して遊びたいの?(笑)」
「   なんでも、   いいんですけど」
「なんでもいいのか(笑)」
「うん。一緒ならなんでもいいよ(ぽ)」
「映画観たりとか?」
「うん」
「ドライブ行ったりとか?」
「うん」
「ホントになんでもいいの?」
「うん」
「テニスとか卓球とかしようって言っても、つきあってくれるの?」
「うん。卓球スキだ。テニスも好きだ。テニスできないけど」
「(笑)じゃ今度、突然卓球に誘うから」
「うん」なんで卓球?
「じゃ、放送大学も、一緒に受講してよって言ったら、してくれるの?(笑)」
「うん」<豹変
「ホント?」
「キミの受けたい学科を、ワタシも受ける。何でもいいよ。キミの好きなことで。一緒に勉強しよう」
「あたしがバカでも呆れない?」
「キミのがアタマいいよ」



「さびしいならさびしいって言ってよ。わかんないよ」とナナ。
「うん」
「で、無力感はなくなった?」
「うん。他の人や仕事のことは、どうでもよかったことが判明した。ワタシを落ち込ませていたのはひとりだった」
「(笑)あたしってこと?」
「うん」
「あたし、何もしてないのにな」
「だからだよ。 『かまってちゃん』になっちゃったんだねきっと(赤」
「かまってちゃん?(笑) 子供がグズるみたいな感じ?」
「そうかも」
「抱っこして、よしよしってしてほしかったんだ?(笑)」
「     そ、そうだね。 たぶん(赤」
「ねえ、そういうの、ちゃんと言ってよ」
「言えばウザがるくせに」
「ウザがらないよー。さびしいよーって言ってるのに、うぜーよ!とか言うと思ってるの?」
「うん」
「・・・・昔のあたしなら言ってたかもね確かに。でも今は言わないよ」
「思うだけか」
「思わないよ(笑) とにかく、じょりぃが何を考えて、どう感じているのか聞かせてよ」
「うん」



「ホントはじょりぃに、『ずっとあたしのそばにいて、子供たちのことも一緒に見守って』って言いたいけど、それは不可能じゃん? あたしは結局、自分でなんとかしなければいけないのよそんなこと。それはわかってるの」
「うん」
「他の人もさー、じょりぃを頼ったところで、相談したところで、結局そのあとは自分でなんとかしなきゃならない、っていうのはわかってるわけだと思うのね?」
「うん」
「それでもじょりぃを頼るんだよ。あたしなんて、それこそ誰からも頼りにしてもらってないし。(笑) そう考えると、全然さびしくないじゃん」ナナ、一生懸命励ましてくれております。
「『他の人』のことなんてどうだっていいです。 もう機嫌は直った」
「(笑) そうなのか」
「それに、ワタシは頼りにしてるし」
「誰を? あたしを?」
「うん」
「全然してないじゃん」
「してるんだよ」
「どういう意味で?」
「     説明できないけど」
「しろよ(笑)。 そーゆーことだから、いつもわかんないんじゃん」
「(笑) キミがいなくなったら、ワタシは困る」
「困らないよ(笑)。家族はそりゃ困るかもしれないけど。でも、慣れちゃうんだろうな、そのうち」
「まさか。 それに、ワタシはいなくなられたら、見つかるまで探しに行く」
「(笑) なんのために?」
「なんのためだろうね(笑)」



「じょりぃ、自分のことって全然話してくれないじゃん?」
「そうかな」
「そうなんだよ。 この人、どうしたいんだろ、何を話したいんだろ、って、いつもわかんなくて、だから、いろいろとじょりぃのこと根ほり葉ほり質問するようなことしてみてもさ、『うん』とか『わかんないよ』とかで会話が終わっちゃうしさ」
「・・・・・・(ワタシったら会話術最低じゃん)
「仕事大変なの?って訊いても『大変じゃないよ』でおしまい。大変そうなくせに。疲れてるの?って訊いても『もしかしたらちょっと疲れてるのかも』でおしまいでしょ? あたしと話すの退屈なのかなと思っていたよ。迷惑なのかなって」
「全然そんなことないよ」
「だからさ、・・・・・・うーーーーーーんと・・・・・・あたしとしては、何か相談ごとを持ちかけるときなら、じょりぃと話をしてもいいんだ、って思って   ていうか、 とりあえずきっかけとして電話できるじゃん。そのときだけはじょりぃに」<なんかもごもごしてるし
「え。   そうだったの」
「仕事も忙しそうだし、何か用事がないと電話しちゃいけないかなとか、考えちゃって。    これでもいろいろ考えてるんですから。 バカみたいだけど」
「・・・・・・・・・」 

知らなかった。自分が話したいときだけ、相談したいときだけ利用されているのかと思ってました。



そんなこんなですっかり機嫌は直りまして。
たまにいじけると、こんなにやさしい言葉をかけてもらえてしまうなんて、クセになってしまいそうです。
とはいえ、油断のならないナナですから、次回いじけたときはどのような対応になっているかさっぱりわからないわけですが。

それにしても、今日だけで何回「じょりぃは自分のこと話さない」と言わせたのだろう。
自覚ないんだけどなー。
「カッコ悪いとこ見せたくない」という自意識過剰と、「喋りすぎるといろいろバレちゃいそうでマズイ」というブレーキのせいかしら。
ちょっと申し訳なく思いました。


で、気付けば午前4時。

「わ! もう寝なきゃ」とナナ。
「ゴメンゴメン。ワタシがミョーにいじけたもんだから、こんなに遅くなってしまった」
「ホントだよ(笑)」
「ホントって言うなー」


次回の「ナナとワタシ」では、きっちりと「下げ」をされている予定ですが。
今までの流れを見れば、それは明白。

それまでの束の間の時間、「ふうん。ワタシに会いたいんだ。へえ。会えないとさびしいんだー。くすくすくすくす」という、アホみたいな幸福感に酔いたいと思います。

 

げっぷ。 <読者様の心象効果音



2003年11月04日(火) 中学最後の夏の雲

えー、前回のテキストで、つまらないことでうだうだいじけたじょりぃでありますが。
今日は反省の意味も込めまして、初心に立ち返るべくですね。

中学最後の夏休みの、ナナとのワンシーンをお話してみようかと。


中3の中体連(最後の大会ですね、確か)が終わった日のできごとです。
ちなみにワタシとナナはソフトボール部でございました。

中3になると、ナナはほとんど部活に来なくなってしまって、話したりする機会もほとんどなくなってきてしまいまして。
ワタシはすごくさびしかったんですが、まあ、どうすることもできませんし。
クラスも違うし、つきあう友達も違ったので、部活に来ないとホントに話す機会がなくて。

でもまあ、最後の大会(市の予選)はナナも冴えない顔してしぶしぶ出てきてまして。
部長に念を押されていたんです。「優勝すれば新聞掲載用に撮影があるんだから、ちゃんと来てね」と。
で、案の定優勝したんですが。
その写真もおもしろくなさそうに写ってますナナ。
この頃の彼女の表情は、なんかいつも暗かったです。これも今にして思えばですが。
当時は「なんで機嫌悪いのかな?なんか気に障ることしたかな?」なんて勝手にいろいろと自分のせいかな?と考えて、随分顔色をうかがってしまっていた気の毒なじょりぃ。
そしてそれがナナにウザがられていたよう思います。

・・・・・・・・・・・。

がんばれ14歳のじょりぃ。


で、大会が終わって、撮影も終わって、解散になって。

みんな散り散りに帰っていって。

でもそのあともワタシとナナはグラウンドに二人で残って、なにか話していたんです。
とりとめのないことを、いろいろと。
内容は覚えていないんですが。

で、どういうなりゆきでそうなったのかはやっぱり覚えていないんですが、観客用の一段高くなっている芝生のところにふたりで並んで寝ころんで、何も話さないで、ぼーーーーっと空を見ていたのです。
ひたすら、ぼーーーーーっと。

けっこう長い時間。

広いグラウンド、ふたりで貸し切りで。


空が真っ青で、雲の流れが速くて、いろんな形に変わっていたのを覚えています。
ナナは何考えてんのかな、なんて思ってました。
ワタシと今、ここでこうしていることを、どんな風に思っているんだろう、と。

家のことでも考えていたのかもしれませんね、今思えば。
帰りたくないなあの家に。あーあ。なんて具合に。

ワタシも帰りたくなかった。
ワタシは家がイヤだからではなくて、このままずっとナナといたかったからですが。
このまま「しゅんっ」と、水が蒸発するみたいに、それがあたりまえのような感じで、世界が消えてなくなってしまえばいいのに、と思ったりしました。

「なんとなく帰りたくない」ふたりは、そんな具合にとりあえず、仰向けに寝転んで、ただただ空を見ておりました。



その前後のこととか、その日の試合のこととか、ほとんど覚えていないんですが、寝っころがってぼーっと空を見ていた、そのときのことだけはよーく覚えています。
そして、思い出すたびに満ち足りたような、幸せなような、さびしいような気分になるのです。
雲がどんどん流れていくのが、ぼんやりと楽しくもあり、そしてさびしかった。
これで部活も終わりで、ナナとも今までみたいには会えないんだな、と思うと、雲が流れていってしまうことにそれが重なって、悲しく見えたりして。
それでも、この流れてどんどん形を変えてしまっている雲を、今リアルタイムで、ふたりで一緒に眺めていられることが幸福でした。


ナナはおそらく覚えていないでしょうけどね。そんな何でもないこと。



・・・・こう書いてしまうと、つっまんない思い出ですね。
やはり自分の中の大切な思いを言葉にするというのは、とても難しいですワタシには。
でもホントにこのときのことは、空と雲の映像と、芝の緑と、風のさわさわした感じや空気の匂いまですべて色彩として焼き付いてまして、よーく覚えているんですよ。

ナナとの精神的な一体感みたいなものは到底感じることはできませんでしたが。
14歳の多感なひとりよがりなキモチが、色彩とともにナナへの想いとしてワタシに焼き付いてしまっております。


むかしむかしのお話です。
なのにワタシの気持ちはその頃とちっとも変わっていません。

いつかあの風景が、セピア色に変わるときがくるのでしょうかね。
今はまだくっきりと強い色彩のままですが。


と、本日、詩人じょりぃでした。
ぽえまー! いえい。 
と、おちゃらけて締め。 いえーい。<どーも元気なし


2003年11月02日(日) じょりぃ、撃沈

「ねえ、じょりぃはさ、たくさん友達がいるのに、なんであたしにそんなにつきあってくれるの?」

ナナから質問。

「楽しいから」

あっさり返答するじょりぃ。

「楽しいって?」

「楽しくて、一緒にいたいなと思うから」
 
「・・・・・あたしといると楽しい、って言わないで。 プレッシャーになるの」

「プレッシャー?」


プレッシャー?
なんで?


「だってあたし、そんなに楽しい人間じゃないもん」

「楽しいよ。少なくともワタシにとっては」

「楽しいときもあるけどさ。 でもいつも、こんな同じ様なことでぐずぐずしててさ。こういうときは楽しくなんかないでしょ?」

「まあね。楽しいというのとは違うだろうね」


何が言いたいのでしょうこの人は。


「なんでそんなこと訊くの?」 尋ねるワタシ。

「・・・・・楽しくなくなったら、友達をやめちゃうのかなって思っちゃうから。不安になるんだもん」



そんなこと、心配するのか。




アホか。




「そういうことじゃないよ。楽しくなくても楽しいんだよ。楽しくなくても一緒にいたいなって思うんだよ」

わかれよそれくらい。


「そうなの?」

「そうなの」

「へんなの」

「へんかな?」

「楽しい人なら、他にもいっぱいいるでしょ?」

「だから楽しくなくてもいいんだよ。キミといたいのだよ」

「言ってることが違うじゃん」

「一緒にいられればそれだけで楽しいんだよ。ていうか、嬉しいのかな」

「ふうん」


なんだ。
かわいいこと言うときもあるんじゃん。
ていうか、ワタシったら、もう愛の告白をしたも同然。
しかもなんだか自然な流れで。
これはもう、バッチリ気持ちも伝わっているはず。


おまけにこんな話題も。

「じょりぃと旅行に行きたいのに、パパに言いづらい」

「どうして?」

「なんでじょりぃちゃんとなんだよ。家族とじゃダメなのかよって言われちゃうきっと」

「じゃ、ひとりで行きたいって言えば? もともとひとり旅がしたいって言ってたじゃん」

「うん」

「ひとりでのんびりしたいって言えばいいじゃん。事実なんだし。それならパパもいいよって言ってくれるんじゃないの?」

「・・・・・・・・・」

「言うだけ言ってごらんよ」

「・・・・・・ひとりは、ちょっとさびしいかな(笑)」

「ワタシも一緒のがいいの?」

「うん」


みなさん、聞きましたか?
「できればひとりがいい」って言ってたナナが、「じょりぃとがいい」って言ったんですよ!

わあい。
なんかもう、口にしないだけで、ふたりとも実は、愛?



なんて油断してましたらですね。


この後、話題が変わりまして。


「ねえ、男女間で親友、って成立すると思う?」とナナ。

「するんじゃないの?」

「しないよ。しないと思うねあたしは」

「どうして?」

「女の人は、男の人に友情だけでっていうのもアリかもしれないけど、男の人は親友と呼べるほど親しくなったら、絶対なんかしたくなっちゃうと思うな」

「・・・・・・・そうかなあ」

「そうだよ」

「キミ、男友達っていないの?」

「今はいないね。 昔はいたけど」

「ふうん」

「なによ」

「友達みんなと寝たわけだねそうすると」

「! そんなこと言ってないじゃん」

ワタシも実はそんな風には思ってないんですが。
せっかくなのでいじめてみました。

「仲良くなれば絶対なんかしたくなっちゃうんでしょ? じゃ、そーゆーことじゃん」

「そんなに仲良くなかったもん」

「まあ、とにかく、友情は成立するよ」

「相手がゲイだ、とかはなしで、だよ?」

むむむ。
そうなるとどうかな。

ワタシの経験から言っても、かなり親しくなると相手は何かを期待しちゃうようなところは確かにありますし。

あ。でも。 そうかそうか。

「やっぱ、友情は成立するよ」とワタシ。

「どのように?」

「例えば、ええと、ワタシが男だとしてさ」

「うん」

「タマリンとは絶対親友になると思うんだよね」

「うん」

「でも、絶対、なんにも起きない。友達としてはすごーーーく大事だけど、タマリンにはその気にならない自信があるよ」

「ふうん・・・・じゃ、きょんさんだったら? その気になる?」


ぎく。


「なる」

「なっちゃんは?」

「なるね」

「  じゃ、あたしは?」

どきぃ。

「その気になります」 <ちょっと力こもってしまった。

「ふうん」


な、なんか、いい感じじゃないですか、ワタシたち。


なんて思っていたら、ナナ

「なるほど! あたしもわかった!」

「わかった?」

「あたしが男だとしたらさ、じょりぃにはまったくそんな気起きないもん。




があああああああああああああああああああああん




ひどい。



まあ、ナナが男でワタシが女、という設定だったら、確かに萌えないかもしれませんが。



・・・・・・・・・・・・・・。



でもワタシ、振られたってことですよねこれ。


恋愛感情ゼロ、と宣告されたも同然。



でも気を取り直して

「うん。そういうことだね」

「ああ、そーかそーか。納得したよ」


そうかそうかそれはよかった、と笑おうとして。



あ。

ワタシ、思いの外ダメージが大きい。

普通に話ができない。
うまく声が出ない。




ダメだこれは。
普通にしようとしてると無理が出る。
正直に普通でなくなったことを告げよう。


「・・・・・・なんか、ビミョーに落ち込んだかも」

「え!」

「あう」

「なんで? 今のあたしの言葉で?」

「あう」

「落ち込むなよーーー」

「うん」

「ていうかさ、あたし男だったら、すごく好みにうるさいと思うんだよね。なかなかそういう気持ちにならないと思うから、じょりぃに魅力がないってわけじゃないよ」

めずらしくフォローを入れてるナナ。

しかし、これって追い打ちかけてます。
どっちにしろ「じょりぃには萌えない」って事実には変わりありませんからね。

「いいよ、そんなわざとらしいフォローしなくて。はは」

「フォローじゃないもん」

「もういいよ。この話題は。はは」

「・・・・・・・」



というわけで、ナナにとってやはりワタシは、まったくの恋愛対象外ということが判明しました。
3〜4日前のできごとです。
そう。ナナが娘のことで泣きながら電話かけてきたときのついでの会話です。

掲示板などではへらへらしてましたが、かようにワタシ、傷ついておりました。



ていうか、ホントにワタシの気持ちに気付いてないんでしょうか。
ちょっと信じられないんですが。

ワタシに「ずーーーっと好きな人がいる」という話はナナにしてあるんです。
ナナは「えー?どの男の子かな?」と、中学の時の同級生男子の名前を全部挙げる勢いなんですが。
やっぱりまったくそういうアタマがないんでしょうか。


いつもの「イジワル」であってほしい。
わかってて、それでもしらばっくれたくてとか、じょりぃにイジワルしたくて、とかで言ったのであってほしいけど。


あうう。



ここんとこ、すごーーーーーーーーーく落ち込んでいるじょりぃでございます。


その後のナナのメールなどが、いつもよりなんだか下手に出ていてやさしい感じなのが救いといえば救いでしょうか。


ナナのバカ。
キライだ。
ウソ。好きだ。 
くやしい。


しゅん。

そろそろあきらめどきかなあ。
あきらめられるのかなあ。


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