ナナとワタシ
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2003年09月29日(月) ナナとパパ お互いの評価

前回の続きで、ナナが「パパを傷つけてしまった」話を。

ナナがパパに何を言ってしまったかというと。

「あたし、パパにあたしの気持ちや言いたいことをわかってもらいたいって思うのは、あきらめることにしたんだ」

ということと

「パパはあたしがいろんなことに行き詰まっちゃったときとかに『なんでそんなこと言うのかわからない』とか言って、あたしを拒絶するけど、理解できないときは、せめてそっとしておいてほしい。あたしを責めないで」


ということ。

おお。
よく言ったもんだ。 

しかし「キミがよくそこまで言ったねパパに」なんて言うと、かえって「言い過ぎた?あたし」とビビるかもと思い、
「なんだ。それくらいのこと。話しておいたほうがいいことじゃないですか」と返すじょりぃ。

この夫婦は口論やケンカというものをしないのです。
ナナはパパに対して不機嫌になることはしょっちゅうあっても、言いたいことを言うことはほとんどなく。

「でもパパは、なんか傷ついたような顔して、何も言わずに部屋に行っちゃったの」
「そう」
「ケンカ腰に言ったりはしなかったんだけど。 話の流れで、ちょっと言っちゃったの」
「うん」
「で、そのあと心配で、しばらくしてから部屋をのぞいてみたら、ぐーぐー寝ていたので(笑)、気にしてないかもしれないんだけど」
「ははは。そうだよ。大丈夫だよ。もしパパが気にしているとしても、そういう気持ちをちゃんと相手に伝えることは必要な作業だと思うよ」
「どうして?」
「伝えないと、『あたしはガマンしてる!』っていうストレスが無意識のうちにたまって、相手を憎むようになるからさ」
「うん。イライラすることはあったな確かに。結局パパって『オレはこう思う。オレは正しい』って話にいつも持っていっちゃうのよ。で、自分の話ばっかりになっちゃうの」
「なるほど」 なるほど。わかるけど。
「パパが正しいことの方が多いんだけどさ。そのことによってあたしがホッとすることが多いのも事実だし」
「うん」
「でも、あたしはいつも否定されたり拒絶されたり、脚下されたりしてる気がしちゃうの」

前にも何度かそんな話をしたことがあるねキミ。

「パパはそんなつもりはないんだろうけどね」とワタシ。
「たぶんね。でも、あたしがそう感じちゃうんだもん」
「キミはつらいだろうね」
「別につらくはないけど」
「そう」
「・・・ていうか、さびしいのかも」
「さびしいのか」
「なんでさびしいって思うのかな」
「一個人として、きちんと認めてほしい、ってことなんじゃないの? 結婚してしまうと、夫婦間ではなかなか難しそうだけど」
「難しいよそれ。 ・・・認めてほしいのか、あたし」
「違う?」
「わかんない。 けど、否定されたり『ほら、やっぱりダメだった』みたいなことを言われるのはもうイヤ」
「パパに悪意はないと思うけどね。オレがいなきゃ、って思いたいから、つい言ってしまうのじゃないのかな」
「パパに悪意がないのはわかってるけど。  あたしって何もできないって思われてる」
「できるのにね。なんでも」
「できないけどさ」
「やらないだけだよ(笑)。キミはやればなんだってできる人だって、ワタシはずっと言ってるじゃん」
「それはじょりぃの買いかぶりだもん」

無言。

「あたし、実はパパに対して、根に持っていることがあるの」
「何を?」

内容は個人的なことを含むので割愛しますが。
要は、ナナが鬱になったときがありまして、そのときのパパの対応が冷たかったらしいのです。
まだワタシと再会する、1年半ほど前のことです。

「こんなに恵まれてるのに、何が不満なんだ。おまえの言ってることがオレにはわからないって言われてさ」とナナ。
「うん」
「あたしだって、そんなことはわかっているわけだ。自分が恵まれてることとか、勝手なこと言ってるとかさ」
「うん」
「でも、感情はどうにもならなくて、で、自分でもどうにかしなきゃとか思ってて」
「うん」
「そんなときに、パパはすごく冷たかったの。あたしの味方になってくれなかった。それどころか、あたしを責めたのね」
「・・・・・・」
「あたし、そのことを根に持ってるんだ」
「パパもちょうどしんどい時期だったとかじゃないのかな」
「どういうこと?」
「仕事とかで行き詰まっててさ、パパの精神状態も悪かったところに、キミの鬱が重なって、イライラしてしまっていたとか」
「・・・・・・違うと思うよ」
「うーーーーん。 でもタイミングが悪かったということはあるかもしれないよ」

やけにパパをかばうじょりぃ。
だって、一緒に生活するなら、「パパはいい人・素敵な人」と思ってる方が、ナナ的にはシアワセじゃないですか。
結果としてワタシ的には「けっ」ということになったとしても、ナナとパパがこれからもずっと一緒にいる限りは「あたしやっぱりパパのこと好きなんだなーと思ったー」というナナでいたほうが、ナナの精神衛生上よろしいのではないかと。

「で、あたし、そのことも今日話してしまったのですよ、パパに」
「なるほど」
「そのことがあったから、あたしが心底落ち込んでいるときは、あたしの気持ちをパパにわかってもらおうとは思わないけど、せめてあたしを追いつめるようなことを言ったりはしないでほしいって」

けっこう言ったな。
ちなみに、ワタシがこれを言われたら、かなりショックだと思います。
パパはどうだったんでしょうね。

「穏やかに話したんでしょ?」
「もちろん。 ケンカはしませんから。うちの夫婦は」
「パパはなんて言ってた?」
「何も言わなかった。だから、傷ついているんだと思うよ」
「ふむ」
「あたし、すごく慎重に言葉を選んで話したんだけど」
「うん」
「それでもダメ。 上手に伝えられないの。パパが傷つかずに、でもあたしの言いたいことを適切に伝えることができるはずなのに、あたしがバカだからできないの」
「バカじゃないよ。そんなの誰だって難しいよ」
「そんなことないと思うよ」
「ためないで、ちょこちょこと、そういう希望を伝えていけばいいんじゃないの? ためてて『言うぞ!』と思うと、重くなっちゃったりするしさ」
「言いづらい」
「『こういうところがイヤ』(ここに出てくる以外にも『パパのこういうところが、実はイヤなの』という話が出たのです)っていう言い方じゃなくてさ、『こういう風にしてくれると嬉しい』とか『そう言われるとさびしい』とか、パパが喜ぶような言い方で自分の言いたいことはちゃんと言うようにすればいいじゃないですか」
「やっぱり言えない。ガマンしているほうがラクかも」
「もしかして『つらい真実より、甘いウソ』のほうがうまくいく夫婦?」
「なんだそれ。(笑) でも、そうみたい」
「そうか・・・・でも思ったことは言った方が、その時はケンカしても、長い目で見てうまくいくと思うんだけどな」

ワタシときょんなんて、罵倒し合って暮らしておりますが。
今までのケンカでも「あのときこう思ったけど言わなかった」というのを今さら言うか!というのが一番お互い腹が立つので、「ムッとしたときはその場で口にすること」というルールのもと、ケンカしながら仲良くやっておりますけどね。トムとジェリーのように。

「その理屈はわかるんだけどさ。 うちの場合は、一度でも大きいケンカをしてしまったら、もうおしまいって気がするんだよね」とナナ。
「お、おしまいって?」
「だから、おしまい(笑)。離婚するとかしないとかじゃなくて、『おしまい』ってこと。 だからお互い、ものすごく『言ってはいけないこと』に神経を使って暮らしているような気がする。それらを言ってしまったら、きっと取り返しがつかなくなってしまうんだよ」
「そんな危なっかしい関係なの? 今までずっと仲良くやっていながら?」
「そうなんじゃないかな。 とりあえず、あたしがパパのプライドを傷つけるようなことを言ってしまったら、パパはあたしを許してくれないと思うよ」

このセリフは、再会してしばらく経った頃に聞いたことがあります。
なので、ナナも相当気をつかっているのでしょう。

・・・・ワタシにもこんなに気をつかっているのかな。
ワタシに対しては好き勝手言ったりやったりしているように感じていたけど。
案外、パパもワタシと同じように感じていたりして。

訊いてみたいけど、今、ナナがパパのことで悩んでいるのに「ワタシに対してはどうなの?」という話にもっていくのって、なんだか違う気がしちゃうし。

「とりあえず、小出しに穏やかに、自分の言いたいことは伝えていくようにしてみてはどうかな」

気を取り直し、話にもどるじょりぃ。

「うーーーーーーーーん・・・・・・」
「おしまいになんかならないよ」
「・・・・・あたしが今いちばん心配なのはね?」
「うん」
「パパが機嫌を損ねて、明日の運動会、やっぱり行かないとか言い出したらどうしようと思って (笑)」
「わはははははははは。なんだそんなことか。ていうかそれは確かに困りそうだ」
「困るよーー。 でも次女ちゃんが『パパが来るの楽しみ』って言ってたから、絶対行くだろうけど」
「次女ちゃんがそう言ってたなら大丈夫だね」

そのあと子供たちの話を少ししまして。

「もう寝たほうがいいよ」とワタシ。だって4時に起きなきゃならないんですからね。
「うん。寝ようかな。 元気も出てきたし」
「それはよかったね」
「なんか、ちょっとスッキリした気がする」
「そう」
「どうもありがとう」
「いえ。こちらこそ」
「おやすみなさい」
「おやすみぃ」

ちん。


夫婦のことは夫婦でないとわからないんだよ、とは母の弁ですが。

でもまあ、あの夫婦はなんだかんだ言っても、仲良く添い遂げてくれることでしょう。
ワタシの勝手を言わせてもらえば、そのほうがワタシの心の平安も乱されなくて済みますし。
「ナナには愛し愛されるパパがいる」という現実に直面し、そのことにやっと慣れ、パパのこともつきあいを深めていくうちに少しずつ尊敬できるようになってきたじょりぃとしましては、ナナがもしパパと別れて他の人と恋愛して結婚して・・・なんてことになったら、一からやり直すよりもさんざんな気持ちを味わわなければならなそうですからね。

結局何が言いたいのかよくわからない、やたら長い文章になってしまいましたが。

夫婦って、難しいんですね。

きょんに話したら、たぶん「別れちまえそんなの」って言うだろうなあ。
「あたしを認めず、おまけに言いたいことも言えないなら、一緒にいる意味なし」てな具合に。ズバっと斬るでしょう。

でも、まりあやなっちゃんは、どちらかというとナナ派という気もしますね。
日々の凪を大切にしたいという気持ちは、きっと彼女たちにはわかるのではないかと。
ワタシもこちらの気持ちはよくわかります。
特に「夫婦」であり「家庭」になってくると、ワタシときょんみたいに、いちいち問題提議してやりあってたらもう大変という気がします。

まあ、夫婦のことは夫婦でないとわからないんですけどね。
とりあえず、ナナ、がんばれ。


2003年09月27日(土) ナナが勝手なのかワタシがヘタレなのか

夜の12時過ぎ。
ぼんやりと仕事をしていたら、ナナからメール。

まだ起きてますか? 今日は何時頃に寝る?


・・・・・・・・・。
ヘンなメール。

なんで寝る時間なんか訊くんでしょ。
「何時頃まで起きてる? 電話しても大丈夫かな?」というメールは今までにも何度かもらってますが、
「何時に寝るのか」と訊かれたことはなかったので、はて。

質問の目的がよくわからないので、ワタシも曖昧に返事をすることに。

起きてますよ。だらだらと。仕事もせっぱ詰まってないし。

さらに質問が。

そう。 何時くらいに寝る予定ですか?

なんなのいったい。
どうやら、ワタシの「寝る時間」が肝心らしい。
んなもん決めてませんが。
翌日は甥姪の運動会の応援なので、少し早寝しようとは思っていましたが。

わかんないなあ。2時とかかな。 なんで?

いつもなら質問に対する答だけ送って、特に質問の理由も探りたがらないカッコつけじょりぃなんですが、
今日は久々のメールな上にナゾが気になったので、「なんで?」とつけてみたりして。

そっか。 特になんでもない。 おやすみ。

待てい!
そんだけかい。
慌てて返信。

なに?なんなんだー!気になるじゃん。 で、寝ちゃうの?

送ってしばらく待ってみようかと思ってみたものの、こいつ絶対返事くれないで寝ちゃうよなと確信したじょりぃは、「いいや電話をしてしまへ」と、いつもより勇敢な行動に出ることに。

ぷるるるるるっ ぷるるるるるっ ぷるるるるるっ ぷるるるるるっ ぷるるるるるっ ぷるるるるるっ ぷるるるるるっ

って、 電話出ないし。
もう寝ちゃったんでしょうか。

ナナのアホーーーーーっ と思っていたら、電話が鳴りまして。ナナからです。

「気になっちゃったんだ?(笑)」とナナ。
「気になっちゃうよー。なぜ他人の寝る時間を気にして、しかも勝手に突き放す?(笑)」
「ホントは用があったんだけどさー」
「話せば?」
「ヤダ」
「なんで」
「話すと怒るよ」

さらに気になるじゃんか。

「怒らないよ」
「ぜったい怒るよーーー」
「怒らないから話して」
「あのね?」
「うん」
「じょりぃがもし今日もまた、朝までぶっ通しで仕事をしているようならね?」
「うん」
「朝の4時にうちに電話して起こしてって頼もうと思っただけなので、2時に寝るのならいいです」


・・・怒らないけどさーーーーーーーーー。

そんだけかい!

「・・・・運動会なんだね?」
「うん。仕事もちょっと朝のうちにやってしまおうかと・・・」
「いいよ。起こしてあげる」
「だって寝ちゃうんでしょ?」
「だってワタシに頼むということは起きられなそうなんでしょ?」
「うん。最近、目覚まし止めて寝ちゃってるの。知らぬ間に」
「ワタシも起きられる自信はないけど、4時に起きて電話してあげようぢゃないか」
「いいよ、そんなことしなくて。起きているのなら頼んじゃえーと思っただけだから」
「だけ、ね」
「怒んないでよー」
「怒ってないって。だから起こしてあげるよ」
「ホントにいいから」
「じゃ、早寝したまえ。もう切るよ」
「そうなんだよ。あたし眠かったのに。もう」

もう って。 あのね。

「・・・電話して悪かったね。だから切るよ」
「ていうかさ、眠いから寝よ〜と思って、でもその前に目覚ましを強化しておこう(笑)と思ってじょりぃにメール打ってたら、眠気が覚めてしまったんだよ。どうしてくれるのだ(笑)」
「ワタシが悪いんですかそうなんでしょうね」
「今の電話でさらに目が冴えてしまいました」
「ス、スミマセン。 早く切ろう。眠りたまえよ」
「うん。  ・・・・・・あのね、あたし今日、パパのこと傷つけてしまったかも」
「え」
「パパ、傷ついているかも」
「何があったの?」

そして長電話に突入。

寝なくていいのかねキミ。
ていうか、勝手だなおまえ。
怒らないけどさー。ていうか、怒れないのよヘタレだから。 ちぇ。



2003年09月24日(水) べつにさみしくなんて

ナナとちーーーーーーっとも会ってません。
話もしておりません。

今月の7日に電話したのが最後だから、久々に記録を伸ばしております。


まあ、20年以上片思いしていて、10年以上会わないまま、話もしないまま、顔も見ないまま好きでい続けたんですから、別にこんなの、なーんとも思いませんよじょりぃ。

と、強がったりしてますが。


ワタシも忙しいですしね。
ペース乱されなくて、いいみたい。

と、さらに強がったりしてますが。


もちろん
べつにさみしくなんて。



前回の電話の時に、あまりにも「忙しい忙しい」を連発していたナナだったので、
ワタシもつい、ヘンに気をつかって言ってしまったのですが。

「こっちからは連絡しないからさ、忙しそうだから。 手が空いて、出掛けられるようになったら電話してよ」 と。

「うんわかった」
とあっさり言われまして。



・・・べつにさみしくなんて。



そしてやっぱり電話は来ないし。
こっちからは連絡できないし。
メールも送りづらいし。(娘と携帯を兼用しているため)


なんて思っていたら、携帯にメールが。
内容は

・元気?
・うちはみんな少し風邪気味
・忙しくてだいぶイヤになった
・10月中頃には少し落ち着くから、どこか出掛けましょう


というもの。


なんだ。
ワタシのこと覚えていたのか。
既に頭にないのかと思っていたよ。にこにこ。嬉しいな。にこにこ。


嬉しかったのに。
嬉しかったはずなのに。


ワタシの返信メールは

・キミがいなくてもふらふらと楽しく過ごしてるんだー
・そっちが時間できる頃にこっちが忙しくなってるような予感がする
・まあとにかく、声がかかるのを待ってます
・風邪、お大事に



なんてかわいげのない。

なんでこんなことに。

驚きました自分で。
送っちゃったしもう。

ああ。

そのあと返事来てないんですが。
ワタシだったらこのメールもらったら「あ、そ。声なんてかけねーよ」と思ってしまいます。
ナナはワタシじゃないので、まあわかりませんけど。

たぶん、放っておかれていたことに、ムッとしていたんだろうな、ワタシ。
考えないようにしていたけれど。
だからって、もうちょっと何とかならなかったのかしらワタシ。
せっかくメールくれたのに、また連絡が途絶えそうな気配。


でもべつにさみしくなんて。


って、さみしいに決まってるぢゃないですか。 け。


しんみりじょりぃ。
秋ね。



2003年09月17日(水) いやらしいの?

ナナは髪が伸びるのが昔からすごく早いんですが。
久しぶりに会ったら、「マジですか」というくらいまた長くなっていたことがありまして。

そのときの会話でございます。


「髪がまた伸びたねー。あっと言う間だホントに」とワタシ。

「うん。夏のはじめにショートにして、冬にはロングっつーことも可能です。あたしの場合」


すごい。
と思ったのですが、フツウそういうものなんですか?
ワタシは2〜3ヶ月に1度くらいの割合でカットしてしまうので、よくわからないんですが。


「なんでそんなに早いのかな。代謝がよほどいいんだろうね」とワタシが言ったら

「いやらしいんだよ」   とナナ。

「え。     いやらしいの?」

「いやらしいんだよ。 そうなんでしょ? 髪が伸びるの早い人って」

「まあ、そう言うけどね。・・・いやらしいの?」

「いやらしいんだよ」

「いやらしいのか。    ええと、誰が?」

「(笑) あたしの髪なんだから、あたしでしょ」



そうか。

いやらしいのか。



ふうん。



まあ、いやらしそうだけどこの人。



ワタシに対してはそのいやらしさがまったく行使されていないので
知ったところでなんともならない話なんですけどね。



そうか。いやらしいのか。 <しつこい


2003年09月10日(水) 激痛中の、ささやかな幸せ

久しぶりに「ガマン」というものを堪能しておりますじょりぃです。こんばんは。

鎮痛剤が効かないんです。
そうです。歯痛です。
神経抜いたところが炎症を起こしやがりまして。 それもワタシに無断で、ですよ。
七転八倒するほど痛くてですね、2日連続で予約ナシの飛び込みで歯医者へ。

これはきっと、神様がじょりぃに「あなたは少し最近ワガママがすぎます。ちょっとガマンの試練を与えます」と授けてくださったモノにちがいありません。
と思い、神を呪っている最中のじょりぃです。
罰当たりですかスミマセン。


昨日の夜、ナナから電話がありまして。
というか、正確には末子ちゃんから電話がありました。

「じょーりーぃーーーちゃーーーん? わだしーー」
「やあこんばんはお姫様」 <しゃあしゃあ
「じょりぃちゃん、今日、たんじょうびでしょ? あそびにおいでー」
「え!   ち、違うよ、末子ちゃん」
「たんじょうびでしょ?!」
「もうすぐだけど・・・今日じゃないよ」
「今日でいいから」
「あ、はい。今日にします」

なんてシュールな会話をしたあとに、ナナに代わりまして。

「あのさぁ、じょりぃ」

あ。 この声。
お願い事だ。 子供に電話させたしな。

「・・・・なに?」
「と思ったけどやっぱりいいや」

でたー。
気まぐれ攻撃。ばびゅーん。

「言うだけ言ってよ。気持ち悪いから」とワタシ。
「明日、急にお通夜が入っちゃったので、4時半からうちにきてもらって、ちょっと子供たちと遊んでヒーリング効果でも受けてもらおうかなと思ったんだけど(笑)」
「留守番に来いということだね?」
「そういうこと(笑)。 でも、やっぱ平気になった」
「なんで?」
「なんとなく」
「段取りつけようか?」 しかしワタシは激痛中。 大丈夫なのかしら。
「ううん。いいの。大丈夫」
「そう」

なんて感じに電話を切ったのですが。

せっかく頼ってくれたのだから、お役に立ちたい。
と思い、なんとか調整をつけてみよう、と張り切っていたのですが。

その晩は、一晩中眠れないほどの激痛がワタシを襲いまして。
歯医者ー! ワタシの歯になにしやがったー! うわああああああああああああん。

朝になって、仕事のスケジュールやら歯の具合やらを鑑みてみるに、やっぱりムリ。
歯医者に行って、その経過を見て決めよう、と思っていたモノの、案の定治らず。

ナナにメール。

「大丈夫」とは言われたものの、なんとか段取りつけたかったんだけど、やっぱダメだったー。
肝心なときに役に立たなくてゴメン。懲りずにまた声かけてください。


読み返してみるとなんだか低姿勢すぎなじょりぃ。
けっこうすぐに返事が来まして。

本当に役立たずめ!(笑)
でも長女がなんだか張り切ってるんでゼンゼン平気。
なので気にしないで。


よかった。
と思い、夜の仕事をキャンセルして、安心して痛みに悶絶するじょりぃ。
あ、ちなみに、今はやっとクスリが効いてきましたので、それほど痛くありません。
しかし、ヤクなくして今のワタシは生きていけません。

そして夜の12時頃。
ナナから電話が。

「今日、ゴメンね、気を遣わせちゃったみたいで」と。
「ううん。こちらこそ、役に立てなくて」
「(笑)なんでじょりぃがそんな風に思うわけー? 来れなくて当然じゃん」
「そうか」
「でもありがとう。おかげさまで、長女が張り切って夕飯とかつくってくれてさ。たまには留守にするといいみたいね」
「そう。 それはよかったね」
「? なんか、声ヘン? 元気ないの?」
「歯が痛い」
「なんで?」

経過をざっと説明するじょりぃ。

「うわあ。 痛いでしょそれじゃ」
「痛い」
「いっそ殺してくれーと思わなかった?」
「なんでわかるの? マジ思った」
「(笑) でも心配だなあ。12日は東京に泊まりだって言ってたよね?」
「うん」
「治るのかなそんなことで」
「・・・・・・」
「治らなくても行くの?」
「うん」
「そうか。ムリしない方がいいよとか言っても、きかないもんねじょりぃの場合」

なんて話をちょっとしまして。

「そういえば、昨日末子ちゃんに『じょりぃちゃん、今日たんじょうびでしょ?』と決めつけられた」とワタシ。
「(笑) 相変わらず自分勝手なヤツだな末子」
「わはははは」
「2〜3日前にね、子供たちに『もうすぐじょりぃちゃんの誕生日なんだよ』と話していたので、そのことを覚えていたんだろうね」
「へえ。 嬉しいなあ」

嬉しい。
ナナがワタシの誕生日なんぞを話題に出してくれていたなんて。

「あ。 パパがお風呂から出てきた。切るね」とナナ。
「うん」
「今日はありがとうね。ホントに」
「何もしてないよ(笑)」
「じゃあね」
「うん」
「・・・・お大事にね」
「ありがとう」
「東京、気をつけて行ってきてね」

ど、どうしたことだ。

「ありがとう」 
「おやすみなさい」
「おやすみ」

な、なんだかやさしいんですけど。ナナ。
幸せだ。

が、しかし。

切る間際に「お大事にね」「気をつけて行ってきてね」とちょっと甘い声で言われたくらいで「うわああ幸せー!」と思ってしまうのって日頃の悲惨さを物語っている気もします。

でもまあ、日頃が悲惨だろうがなんだろうが、ワタシには甘い、ささやかな幸せでございました。

歯が痛いときに甘いものはどうかとも思いますが。
しかし客観的にみればちっとも甘くないので、まあ大丈夫でしょう。


2003年09月07日(日) パパとふたりで出掛けたい?

久しぶりに、ナナと電話。

が、しかし。

最初の「もしもし」の声からして、ものすごく不機嫌そうなナナ。
あちゃー。
しばらく話してから、おそるおそる尋ねてみるじょりぃ。

「ねえ。 もしかして、不機嫌?」
「あたし? 別に」
「   そう」
「・・・・・・・・・やっぱ、不機嫌かも」
「そう。 なんで?」
「もう全てがイヤになった」
「全てって?」
「主に家族のことかな。なんだか失望感」
「失望か」
「もうイヤ。 あたしばっかり心配してさ。みんな好き勝手にしてるし」
「何かあったの?」
「話したくない」

これじゃ、まるでじょりぃです。
たいていのことは、話してスッキリしたいナナなんですけど。

「話したくないのか」
「なんかもう、思い出して話すのもおっくうなんだもん」

イヤなことを思い出すのもおっくうなんて、ますますじょりぃ化。

「気持ちはよくわかるよ。別に話さなくてもいいんだけどさ」
「・・・・・・」
「・・・電話、切った方がいい? 日を改めてかけ直そうか」
「別にいいけど。切らなくても」
「・・・・・・・・」 どうしたらいいのかな。
「もう何をするのもイヤなの。希望もないような気分。でもいつもと違ってイライラもしてないの。なんていうのかなあ・・・」
「虚無感」
「そう。それ。空っぽだけど、頭だけは考えてもしかたないことぐるぐる考えてるの」
「しんどそうだね」
「まあ、でも、もしかしたら朝が来ればケロッとしてるかもしれないんだけど。ここしばらくはこんな状態」

「不機嫌表明」をしたことにより、ちょっと気が軽くなったらしいナナ。
ボソボソといろいろ話し始めまして。
主に家族のこと。
そして、仕事に出たいのに、今はまだそれができない焦燥感。
かなり煮詰まっております。

そのうち、お互い忙しくてなかなか出掛けられないねー、とか、じょりぃの家一部屋空けてあたしが避難できるようにしておいてよー、なんて話をしているうちに、ナナがふいにあらたまって

「ねえ、あたし、訊いておきたいことがあるんだけど」と。
「なに?」
「気を悪くしないでほしいんだけどさ」

な、なんだろな。 あんまり聞きたくなくなったけど。

「うん」
「じょりぃがあたしと出掛けてさ、きょんさんは気を悪くしたりしないの?」
「え」
「あたし、いつも気になるの。じょりぃと出掛けるたびに、きょんさんがさびしい思いをしてるのかもしれないとか思っちゃうんだよね」
「それはないと思うけど」
「でもさ、このあいだも『久しぶりにきょんとドライブに行ったら、すっごく喜んでて、なんかかわいそーだなと思っちゃった』とか言ってたじゃないじょりぃ」
「う、うん」
「あたしあのときも気になったんだよね。あたしと出掛けるなら、きょんさんと出掛けてあげたほうがいいんじゃないの?」
「それとこれとは別だと思うけど」
「まあ、あたしがこんなこと言うのも差し出がましいんだけどさ。それにあたし、前にも何度か言ったことあると思うんだけど、きょんさんも一緒に出掛ければいいんじゃないの?」
「それは気にしなくていいよ」 ワタシが疲れ切ってしまいますし。
「あたしは一緒でも全然かまわないんだけどな」 ふうん。そうですか。
「きょんはいやがると思うよ」
「いやなのか」
「人見知りするし」
「気をつかっちゃうか」
「うん」
「ならいいんだけど」

どういうつもりで訊いてきたのかわかりませんが。
なんだかちょっぴりさびしい気持ちがしてしまうのは気のせいでしょうか。

「じょりぃときょんさんの、関係の距離感がよくわからないのよ、あたしには」

どっきり。

「そう言われても」
「なんであたしはこんなに気兼ねをしてしまうのかな」
「な、なんでなのかな」
「まあ、きょんさんが別に気にしていないのなら、あたしが心配する必要はまったくないんだけどさ」
「うん。心配しなくて大丈夫だよ」

ホントにどういうつもりで訊いているのか。
あまりどっきりさせないでください。

そのあと、「子供をおいて出掛けると、どうしても罪悪感が生じてしまうので、次からのお泊まりは子供も一緒に」というような話と、「たとえ日帰りでも、じょりぃと出掛けるのって特に罪悪感が」と。

なぜなら、「ママだけじょりぃちゃんと遊んでずるい!」と、現実に子供たちから責められてしまうからであります。
「あたしだって行きたかったのに、どうしてふたりだけで行っちゃうの?」と。

「でも、じょりぃは子連れじゃイヤでしょ? 休めないもんね。ていうか、疲労度が強くなるよね(笑)」
「イヤじゃないよ。そりゃ、疲れはするけど、子供たちと一緒に行くのはとても楽しいよ」
「ホント?」
「ホント」
「まあ、うちの子って楽しいもんね」
「うん」
「かわいいし(笑)」
「うん(笑)」

だいぶごきげんが直ってきたようであります。

そして、はたと思いついてしまったじょりぃ。

ナナは、パパと出掛けたくないのかな。ふたりで。
そして、子供たちがこんなになついてくれていて、末子ちゃんもとっくにトイレの心配がなくなったことだし、ワタシ、預かれるのか。
そうすれば、ナナとパパふたりで出掛けてこれるんだ。

でもな。

ふたりがいちゃいちゃするのに、ワタシがそこまでして協力しなくても。
お得意のラブホとか入ってこられたら、やっぱ気分悪いし。

なんて思ったんですが。

ナナがもしそうしたいのであれば、そうすればなんだかゴキゲンハッピーな気持ちになるのであれば、協力すべきだろうな。

「あのさ」とワタシ。
「なに?」
「パパとふたりで出掛けたいな、とか、思う?」
「んーーーーーー。  最近は思わない」
「思わないの?」
「うん。パパとは別にいいや」
「ふうん」 なんだか嬉しい、いやな人間じょりぃ。
「前はふたりでゆっくりできたらなとか思ったけど、今はいい。それならひとりで出掛けたいな」
「なるほどね」

「それならじょりぃと」と言ってもらえるはずはもちろんないのですが、一瞬期待してしまいました。

で、結局今日も3時間ほど話しまして。
最後の方は、ちょっぴり意地悪でひねくれたナナ節も復活してきて、「お。調子出てきたかな?」なんて思っていましたら

「ありがとう。じょりぃと話せて、かなり元気になったよ」 と。
「眠れそう?」
「うん」
「ワタシも話せてよかった」
「ところで何か用があったんじゃないの?」
「声聞きたかっただけ。どうしてるかなと思って」
「ふうん。じょりぃは? 何か話したいことがあったんじゃないの?」
「ないよ」

10月になったら、子供を連れてお出かけしましょう、と約束して電話を切りまして。


出だしは「うわあ、電話しなきゃよかった」とビビッたじょりぃでございましたが、
終わりはなんだかほんわりとシアワセでございました。
ナナもそう感じていてくれればいいのだけれど。
あのままじゃ、しんどそうですからね。


2003年09月04日(木) イヤミだなぁ

ナナ宅にお邪魔していたある日。
夕飯の支度の時間になりまして。

「今日はスパゲッティだよ」とナナ。

子供たちは「ええええ。じょりぃちゃんとガスト行きた〜い」(なぜにガスト? ちなみにママは大嫌い)

じょりぃは「はーい」と。

私が一番いいこ。って、子供と張り合ってもしょーがないんですが。


私が一番いいこだったのに
「あ、でもレトルトなんだー。じょりぃ、レトルト嫌いだって言ってたよね?」とつっかかってきます。ナナ。

「いえ、キライじゃないです」 ホントはキライですが。

「言ってたじゃん」 

・・・・・・。 じゃ、レトルトじゃなくしてくれるって言うんでしょうか。

「大好きですレトルト」

「ホントは嫌いなんでしょ?」 ナナもしつこいな。

「好きだって」

「あーあ、どうしよっかなー」 どうもする気ないくせに。


ここで長女ちゃんが「じょりぃちゃん、レトルト嫌いなの?」と。

「好きだよー」 にっこり。


ワタシの隣にひっついていた次女ちゃんが、私の耳元で小声で尋ねました。

「本当はどっち?」 

「キライ」



「ママー!じょりぃちゃん、レトルト嫌いだって!」

わお。
ばらすならこっそり聞かないで、次女ちゃん。


「あっそ。でもうちのは、レトルトそのままじゃなくて、ちゃんと手を加えて調理しますので、ガマンしてください」


イヤミー。  シェー。
ならくどくど訊くなよーーーー。


おいしかったですけどね。
イヤミなヤツがつくっても、料理って素直なおいしさになるものなんですねえ。<ワタシもイヤミだな


2003年09月01日(月) パパの株

「パパはさ、あたしに内職をやめてほしいみたいなんだよね」とナナ。

「なんで?」

「あたしが時間を気にしながら、きりきり働いている姿を見るのが『らしくなくて、なんだかなー』と思うんだって」

「ああ(笑)。気持ちはわかるよ」

「なんかねー、あたしがだらだらしてると『ママはまったく』とか言うくせに、結局『だめなヤツだなあ。やっぱオレがいないと』って思っていたいんだろうね」

「だめなヤツなんて思っていないと思うけど」

「思ってるよ。頼りなくて、何やらせてもダメーって。バカにされてる」

「パパはさ、ママのことすごく頼りにしているみたいだよ」

「え? まさかー(笑)」


ホントなんです。

パパと話すようになってまだ日の浅い頃、ナナが子供とお風呂に入っちゃったかなにかで、パパとワタシでじっくりとお話したのですけど。
ワタシはもう、ひたすらにこにこと話を聞いているだけだったのですが、それが話しやすかったのか、パパはいろいろとお話してくれまして。
ていうか、パパはいつもひとりでしゃべっているんですが。

「あのね、『なんだかんだ言っても、舵取りはアイツがしてるんだよなー』って言ってたよ」とワタシ。

「うそーー。 だいたいパパ、あたしのこと『アイツ』なんて言わないと思うけど」

「言ったんだもん。最近だって言うよ。アイツって」

「へー。意外。 でもそれにパパは『舵取り』なんて言葉使わないと思うよ」


・・・・ちまちまとうるさいな。


「『舵取り』は言わなかったかもしれないけどさ。でも、最終的にはナナが決定権を持ってるって言ってたよ」

「うそだーーーー」

「ホントだーーーー」


なんでそんなに意外なの?
自覚しているのかと思ってた。
だって、パパ、いつもナナの顔色をうかがっているし。


「パパがねえ・・・・」 まだ半信半疑のナナ。

「『土壇場では、絶対オレよりアイツのほうが強いだろうし』とも言っていたよ」

「え! どういうこと? 全然わかんない!」

「あのね、『結婚するときも強気だったんだよなーナナは』って言ってたよ」

「あたしが? どんな風に?」

「『パパの今の職業では、安心して結婚できない。子供も産まれるんだから、よく考えてみて』って言われたから、そうかーと思って転職したんだって」

「それは・・・・・言ったかも」

「強いねーそれって」

「あたしなんだかイヤなヤツだ(笑)」

「でもパパはねー、『あのときにナナがそう言ってくれたから、今の自分があるんだから、アイツすげーよな』って言っていたよ。ワタシはそれを聞いて、パパもすごいなー、えらいなーと思ったんだ」

「そうだねー。パパえらーい」

「『オレは案外ダメージに弱くてがっくりきちゃうことがあるかもしれないんだけど、そんなときはナナが強さを発揮するだろう』とも言っていたよ」

「パパがじょりぃにそんなことまで話したんだー」


パパは、プライドが高いので、自分の「弱さ」を人に話したりするようなタイプではないのです。
ましてや女性相手に。


「すごくキミのことを認めて、根っこの部分では頼りにしているように感じたよ。すごいじゃん」

「ホントだねー」

「パパがだよ」

「ああ(笑)。 そうだよ。 パパがすごいんだよそれは」

「幸せだね」

「うん。幸せだね。 パパ、そんな風に思ってくれてたんだー」


・・・・・・・・・・。


あーあ。
パパの株、上げちゃった。


まあ、いいか。


幸せな毎日を過ごしておくれ。


そしてその幸せの中に、ちょろっとワタシとの時間も入れといて。
そしてたまにはやさしくするよーに。 


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