Memorandum


Memorandum
− メモランダム −
目次過去未来

2003年12月04日(木) むしろ筑紫哲也は「あなたは”護憲”のために死にますか?」と訊くべき

「在外公館、自衛隊で警備」議論に憲法の壁

外交官殺害事件をきっかけにして、大使館護衛に自衛隊が当れるよう自衛隊法を改正
する動きが出ている。ところが「海外での武力行使」を禁じた憲法9条が障害となっ
て、実現はなかなか困難な見通しだ。
つまり、憲法を護るために日本人が守られない、護憲のためなら日本人が死んでもい
い、という、世にも愚劣なことになっているのである。実に醜い「護憲エゴイズム」
と言っていい。
筑紫哲也の札付き左翼カルト番組「NEWS23」(TBS)が
「NEWS23年末スペシャル」
と称して、

「あなたは”国”のために人を殺せますか?」

などと自衛官に訊ねるトンデモな捏造偏向特集を企画しているが、むしろ、

「あなたは”護憲”のために死にますか?(=死ね!)」

と質問のタイトルを変更すべきであろう。

昨年5月の中国・瀋陽の日本総領事館での亡命者連行事件の際も思ったことだが、
在外公館というのは、自国領土と同じことである。従って自分の国は自分で守る
という原則からして、自衛隊の本義に何ら背くものではないはずである。
憲法の厚い壁がそれを阻んでいるのだったら、憲法解釈を変えればいいのである。
そもそも憲法を杓子定規に解釈したら自衛隊も違憲ということになりかねない。
それを今まで弾力的な憲法解釈によってPKOまでこぎつけたのてはないか。

しかし政府与党は憲法論議を怖れて及び腰だし、一方野党は、相変わらず人の死さえ
政争の具に使って、
野党が真相究明要求=外交官殺害で−衆院特別委
などと政府を追及する構えだが、
>野党理事が一層の真相究明と現地の外交官の安全確保に努めるよう求めた 
のだったら、口先だけではなく、政府が消極的ならこういうことをこそ批判して、自
分たちが率先して憲法解釈変更と自衛隊法改正を提議し、自衛隊が大使館を守れるよ
うにしたらいい。
だがそういう声は出て来ない。
それどころか民主党の菅は、自衛官ではなく警察官を海外に派遣して大使館を警備す
ればいいなんて、姑息なことを言い出す始末。
そんな中途半端なことをするのだったら、大使館を総引き揚げさせたらいいだろう。
結局、何があっても自衛隊を使いたくないというアタマから総てが出発しているの
で、言うことなすことズレまくってしまうのである。

その矛盾を誤魔化し切れなくなったのか、民主党は漸くイラク問題に関する基本方針
をまとめた。
しかし矛盾を更にまた上塗りしたようなもので、てんでお話にならない。

民主党:自衛隊派遣はPKO 国連中心の復興求める

国連中心のPKOなら自衛隊派遣にも積極的に取り組む、なんて言っているが、
だったら、戦闘地域がどうのこうので自衛隊派遣すべきでない、なんて言ってい
たこのあいだまでの理屈はどこに行っちゃったのだろう?
まるで国連の錦の御旗さえあればテロは収まって安全が保障されるかのような妄想を
並べているけれど、それこそテロリストの意志を勝手に民主党の主観で決めることは
できない。
国連のデメロ代表が爆殺されたのはもう忘れたのだろうか。
つまりテロリストにとっては英米だろうが国連だろうが関係ないし、これはもはやテ
ロ対国際社会の戦いなのである。

結局、民主党は最初のボタンの掛け違いから総ての誤りが出発している。
つまり、イラク戦争そのものに反対だったから、以後の悉くに総て反対なのであっ
て、その時々の揚げ足取りのために戦闘地域がどうのこうのなんて言い出す度に、
ますます自らの矛盾を広げるのである。
日本の取り得る選択肢は二つに一つで、最初から英米の勝手にやったことだから知っ
たことじゃないと言って、イラク国民がどうなろうが、そしてイラクがテロリストの
巣窟と化そうが、全くの対岸の火事として見物を決め込んで、間接的にでもテロリズ
ム容認の側に立つのか、そうではないのか。
民主党も責任政党としての本義に立ち返って、この点をよく再考すべきである。


2003年12月02日(火) 「戦争は終わっていない」のに「復興支援」とは、これ如何に?


<自衛隊派遣>「時期をみて国民に説明したい」小泉首相


首相の説明責任は当然だが、ならば同様に自衛隊派遣反対の野党・マスコミにも
その責任があるだろう。そもそも先般の選挙で野党-民主党は「政権交替」を叫び、
マスコミも散々それを後押ししたのである。ただ批判・反対だけの無責任な態度は許
されない。
自衛隊を派遣しないならばしないで、替りにどうやってイラク復興を支援するのか、
きちんと説明すべきなのである。
ところが彼らはそれをしない。できるわけがないのである。

例えば昨日の朝日新聞の社説では、「戦争は終わっていない」と 言いながら、その
一方では「復興支援を練り直せ」と称して、「米国にものを言いつつ、イラク復興と
反テロ協調の旗を振ることはできるはずだ」などとトンチキなことをうそぶいている。
「戦争は終わっていない」のなら、そもそもイラクの戦後復興もへちまもあり得ない
はずで、なのに、どうやってその旗を振るつもりなのか、全く理解に苦しむ。
つまり彼らは初めに「自衛隊派遣阻止」ありきなので、イラク復興は支援すると言い
つつ、しかしそのために自衛隊は派遣させまいとして、イラクはいまだ戦闘状態に
あるという矛盾を自ら作り出しているのである。
イラクはまだ戦場なのなら、自衛隊であれ丸腰の文民はであれ誰であれ派遣できないの
だから、自ずとその結論は明かで、つまり復興を支援しないということだ。
野党・マスコミははっきりとそう言明したらいい。
ところがこの偽善者たちは、国際貢献と人道主義をタテマエにしている以上、
イラク国民を支援はしないと言えないので、何か他にできるかのような虚言を弄している。
全く支離滅裂である。
これは自衛隊を出す出さないの問題ではなくて、イラクに安定した民主政府を樹立し、
中東、そして国際社会が安定することに貢献するのか、
それとも対岸の火事とばかりに放置しておいて、イラクがテロリストの巣窟になるのも
構わないという態度なのか、日本国としての外交姿勢のあり方が問われているのである。
目先の揚げ足取りとハンタイを繰り返せばいいというものではない。
しかし、相変わらず民主党は無責任である。


<自衛隊派遣>反対を再確認へ 世論読めず党も苦悩 民主

>しかし、小泉純一郎首相の姿勢に世論がどう動くか読み切れず、
>「派遣反対一辺倒では世論の支持は得られない」との懸念も広がり始めている。

信念も何もない連中である。
国民政党だから、世論の動向を気にするのはある程度当り前だが、
しかし国家像とか国の基本的な外交・安全保障の理念や政策について
あっちにフラフラこっちにフラフラとその場その時のひとの顔色を伺っていて、
対外的な国の施策の一貫性をどう保って、信頼を繋げると思うのか。
これでよく「次の政権を」などと大口が叩けたものである。
それにしてもわからないのは、幹事長の岡田の態度である。
野党育ちの菅や元社会党の横路が何でも反対、自衛隊派遣反対なのは性分だとして、
ジャスコのお坊ちゃんで旧通産省、そして自民党出身の岡田までが「国会周辺をデモ行進」
など本気でやりたがっているほど、菅の下働きをしているうちに感化されて野党ボケして
アタマもおかしくなったのだろうか?
「貧すれば鈍する」とは、まさにこのことであろうか。


2003年12月01日(月) 「第2の社会党」どころか、実は社会党以下だった民主党/朝日新聞って、いつから小学生に社説を書かせているの?

与党、自衛隊派遣で状況見極め求める…外交官殺害
>一方、民主党の岡田幹事長は30日、「事態に強い憤りと深い憂慮の念を抱く。
>政府の情勢認識や対応、判断の甘さ、過ちをただし、イラク問題への姿勢を根本
>から見直すよう求めてきた」との談話を発表。派遣反対を改めて表明し、イラク問
>題審議のため、国会の関係委員会での閉会中審査と臨時国会開会を要求した。

> 民主党は、国会周辺でのデモ行進などを通じ、国民的な派遣反対の世論を喚起
>することを検討している。 

「イラク問題への姿勢を根本から見直すよう求めてきた」って、自分のところの
根本姿勢もはっきりしない奴が、何をどう「見直すよう求め」るつもりなのだろう。
「国会周辺でのデモ行進」。
いよいよ抵抗野党・社会党の真似事を始めるつもりか。
これでも「政権交代可能な2大政党制」とは、笑わせる。
しかも、この党が社会党より悪質なのは、自らの当事者能力のなさを誤魔化し
ただ政府の揚げ足を取る目的だけで目先の政策への反対を叫んでいるに過ぎないとい
う点である。

社会党には「自衛隊違憲」「非武装中立」という、甚だ脳天気なシロモノとは言え党
としての明確な論拠があり、それに基いて反対論を展開していた。
だからこの党の反対は、少なくとも「反対のための反対」ではなかったのである。
これに対して民主党には基本的な外交・安全保障理念・政策はなく、従って
対イラク問題での党内の意見も全くバラバラである。

例えば小沢一郎は「国連の旗のもとでなら派遣可」として、国連決議さえあれば
自衛隊派遣に諸手を上げて賛成である。
しかも、「先の国連安保理決議で条件は整った。憲法上は形のうえで問題ない」
とさえ述べている。
ただ、「イラク復興支援特別措置法に基づく派遣には反対」というだけである。
一方、横路のような元社会党は、何がなんでも自衛隊派遣は反対である。
このため菅執行部は、とりあえず最大公約数として党内の一致する「今現在の
自衛隊派遣反対」を唱えているに過ぎない。
つまり民主党の反対とは、ただの「党内事情」によるものであって、政策でも理念で
も何でもなく、いい加減で薄弱な理由に過ぎないのである。

しかも菅は、とんでもない暴言を吐いている。

菅代表「首相の判断間違い」と批判…外交官殺害

>「小泉首相が判断を間違った。治安がよくなる見通しのもとで、自衛隊派遣を事実
>上、米大統領と約束した。『テロに屈しない』という情緒的発言で物事を押し通そ
>うとするやり方は一番危なく、自衛隊派遣は日本でもイラクの人にも支持されない
>行動だ」

言うに事欠いて、「テロに屈しない」という当然の発言のどこが「情緒的」なのか。
民主主義国家の最大野党の党首の発言とは思えない。
今回、殺害された奥克彦参事官は、先に起きたイタリア国家警察部隊襲撃に際して
次のように述べているのだが、この声に菅はどう答えるつもりなのか、
もし同じ事を言えるものなら、言ってみるがいいのである。

>犠牲になった尊い命から私たちが汲み取るべきは、テロとの闘いに屈しないと言う
>強い決意ではないでしょうか。テロは世界のどこでも起こりうるものです。テロリ
>ストの放逐は我々全員の課題なのです
「テロとの闘いとは」(11月13日付「イラク便り」)

菅は「テロに屈しない」というのが情緒的だと言うのならば、
自分たちも「情緒的発言」でただ反対を押し通すのではなく、
「民主党政権ならばこうするのだ」ということを具体的に提示して見せるべき
である。
「危険だから現地には行きません、でも人道・復興支援は積極的にやります」
という民主党には超能力者か魔法使いでもいるのだろうか。

ところで朝日新聞も今朝の「社説」で、例によって支離滅裂な論旨を展開しているの
だが、内容がどうのこうのという以前にまず、その恐ろしくお粗末な文章に呆れたので、
同じく今日のl天声人語」と並べて一部掲げておく。

>しかし、だからといって、たじろぐな、さあ派遣だとなっていいはずはない。
>そもそも派遣の目的は人道支援や復興への協力であって、ゲリラやテロを
>制圧するためではない。そんな短絡した考え方は、泥沼への道につながりかねな
>い。
「社説」

>そして、だからこそ、後方から命ずる政府には、その人たちの安全に最大の配慮を
>し、状況によっては現場にブレーキをかけることも求められる。
「天声人語」

「しかし、だからといって」
「そして、だからこそ」
――揃いも揃って、何を慌てふためいているのか朝日は。

こういう接続詞がやたら連なるような表現は、十分に論旨を展開できなかったとき
に、無意味な強調でその論拠の薄弱さを誤魔化しているのである。
私もこうしてネット日記で文章を書いて、苦し紛れに時々やるので、ド素人でもよく
わかる。
しかし新聞記者といえばプロのもの書きの端くれだと思うのだが、
そのプロが−しかも全国の受験生のお手本に使われていると自慢している
朝日の論説委員やコラムニストが、こういう幼稚な文章で高給を取っているのは
詐欺に近い。
クォリティ・ペーパーを自任する全国紙の記者が小学生の作文並みの文章力とは
実に恥かしい。作文教室にでも行って勉強してきたらどうか。


who |MAIL


My追加