気が向けば・・・。


この今の瞬間に過去も未来も入ってるらしいし(何時でも)この小っさな頭蓋の内に宇宙も入ってるらしいし(誰でも)
だから、ひょっとしてこの矛盾に溢れた日記も、何時かの誰かに繋がったりするかも、って思ったから
少しだけ秘密度を緩めました。



子ども虐待防止「オレンジリボン運動」

2003年10月10日(金) ブロック研修会(理想と現実)

(区内の全小学校PTAがいくつかのブロックに分かれ、そのブロック内の学校が年ごとに輪番制で常任理事校となっている。7校あれば7年ごと、8校あれば8年ごとに回ってくるのだ。)
(常任理事校が幹事校となって、ブロックの研修会が行われる。研修会にはブロック各校の校長・教頭・PTA会長、その他役員や学級委員などが幹事校にいらっしゃる。区のPTAの大きなイベントなのだ。)

10月10日のブロック研修会に向けて、今年常任理事校であるうちのPTA役員は、そりゃあ何ヶ月も前からいろんな実務雑務をこなしてきたのさ。
本チャンの研修会に先立って、ブロック校長・会長会だの教頭・会長会だのが一学期からあって、
そのたびに打ち合わせとかレジュメつくりとか参加者名札とか下足箱記名とか記録用MDとかお茶とかお菓子とかお花とかなんとか
コマい用事がてんこもり。
もちろん本研修の準備も、ほかの委員さん達や学級さんたちも巻き込んで、8年に一度の当たり年だからごめんねー我慢してねとお願いしながら、
前々から当日のお手伝いの段取りを、じゃあ貴方は何時からどこに集合して何時にこうしてああしてくださいとかって、コマーく詰めてきていたのさ。
私ともう一人の会計の人も、ここんとこお昼も食べ損なって、
いろんな文具やペットボトルのお茶や体裁の良いお菓子なんかの安い店をリサーチしたり買い集めたり、例年の帳簿の経歴を見つめながら、
区から預かった予算を、いかに間違いなく、いかに定例からはずれないように使うか、心砕きながらやっていたのさ。
理想とイメージを、実際に現実化して、イベントを動かすことが、こんなにも煩雑だなんて、
当事者となってみないことには、なかなか実感できなかった。
とにかく今年の役員は、プライベートな時間も削り、昼間のかなりを学校で過ごし、子供はいろんな誰かに預かってもらい、夫にはちょっと手抜き料理でがまんしてもらい、
そんなふうに過ごしていた中。

当日の2日前、学校との最終打ち合わせの段になって、某校長先生が、「研修会をよりよくする提案」をして下さったのだった。
その日私は幼稚園の用事で欠席だったけれど、他の役員さんから聞いて驚いた。
つまり、みなさんから預かったブロック研修費を使って、会終了後に懇親会のお茶菓子なんか出したら、皆に行き渡らないから不公平だし無駄だ、
それはやめてしまいなさい。
・・・・素晴らしい提案だと思います。これが9月に出されていれば、拍手で賛同したかもしれません。しかし、それが本番2日前だと言うことが、大問題です。
随分前からこの会次第は学校や関係各者に回っているはず。この会次第に基づいて全ての段取りが動いていたのです。
そうなると、予算で買ってしまったお菓子はどうしましょう。ではそれは、出席者全員に行き渡るよう、会の途中に出しなさい。
それも、話し合いを妨げないように、分散会ディスカッションと全体会の間の、10分間の間に急いで振舞うこと。
(分散会というのは、全員をいくつかのグループに分けて、グループごとに、一つのテーマで、実りある討論をやってもらう時間のこと)
先生の口調は、有無を言わさない、まるで会社のボスのようであったらしい。
PとTは対等なんじゃないの?というこちらの疑問を挟めるような雰囲気でもなかったらしい。
これまでの徒労はなんだったのか。と落ち込んでる時間も、もうない。

そうなると、さあ急がなくちゃ。ポットにお茶を作る時間も、お菓子を配る段取りも、そのお手伝いを頼んでいた人々にも、変更の連絡をしなきゃ。
委員さんの集まる時間が早まりました。小さいお子さんのいる人は、預かってもらう都合、大丈夫でしょうか。
短い時間に一気にお茶を運ぶことになりました。とても人手が足りません。トークに入ってもらう人に、もう一つお茶運びの仕事を頼まなきゃ、受けてくれるか急いで電話。
書記さんは、変更後の会次第を、急いで作って印刷、参加者に配る書類セットに差し替えです。

「より良い会にするためなら、どんなに忙しくても、臨機応変に対応すべき」それは私たちだってそう思ってる。
だけど今回のこの場合、そんなにいろんな人を慌てさせる割には、はっきり言ってそんなに意味のあることだろうか。
どっちみちお茶やお菓子なんて、会途中で配ろうが会終了後に振舞おうが、食べる人は食べるし食べない人は食べないんだ。
それに全校PTAにはどのみち絶対行き渡らないものなんだし。
理想は素敵だけど、実際にそれを後ろで動いて運んでいる、役員やら委員の毎日の実情には思いを馳せてもらえないのだろうか。
みんな、ただの、フツーのお母さん達なんだよ。
フツーのお母さん達の中で、こんなに忙しい人と、すごく暇な人がいる、そのことのほうが余程不公平なんじゃない?
忙しい中、代表でわざわざよその学校に研修に来てくれて、ありがとう。
忙しい中、一文の得にもならないけど、頭悩ます討論のまとめや、緊張する挨拶や、腕の痛くなる椅子の片付けや、足の疲れる受付や案内や、掃除や洗い物や自転車整理、その他もろもろ、ありがとう。
そういう人にちょっとお菓子を余計に食べさせたからって、あんまりバチはあたらないんじゃない?

というもやもやを心に納めながら、それでもいろんな人のお蔭で、無事に会は終了した。
途中、濃い色に作ったはずの紅茶に、何の味もついていないことが判明して慌てるというシーンはあったものの、
なんとかかんとか、ごまかせてしまった。
設営から撤収まで、およそ6時間、喉がカラカラだけど、終わってしまえばこっちのもの。
ぼーっとしていた私を、きめ細かくフォローしてくれた他の役員さんや委員さんに、大助かり。
今日まで娘の園のお迎えや預かりを、いろんな友達が引き受けてくれて、大助かり。
子供達をこの日は母に預けていた。母は、夕飯用にカレールウまで作ってくれていて、大助かり。
きっとほかの役員・委員も、そんないろんな大助かりに支えられて今日を迎え、過ごしたんだろうな。
まあ、いろんな意味で、いい経験になったと思う。ほんっとに。


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