「私の夏休み」はまだあった。 だけど雨のせいで、午前中はぼおっとすごしてしまう。 知人の家まで、頼まれていた冷凍食品を届けに行ったのだけれど、小雨だと思って、レインコートを着て自転車で行ったのは、無謀だった。 すぐに雨は強まって、台風の影響ってやつだった。ずぶ濡れ。しかし子供を乗せているわけじゃないので、「着替えればいいさ」と、気楽。 彼女のおうちで「どうぞお茶でも」の言葉に甘えて上がりこむ。 お嬢ちゃんが絵本を読んでいた。こっちは子連れじゃないからなんか変な感じ。
雨は一向にやまないから、やはり濡れながら帰ってきた。 自転車をこぐ間に、コートのフードは後ろに脱げてしまうから、眼鏡も何も、爽快なほどに、水浸し。帰宅するなりジーンズもパンツも着替える。 申し訳程度の昼食をとったら新聞を眺め、しばらく寝る。
そしてパソコンを開けてメールチェック。 「あ、そうだ、昨日探したけど見つからなかった本を、検索してみよう」 それでもどういうキーワードを入れたら引っかかるのかよくわからないまま、ついぞ目的は果たせなかった。首から肩にかけてとても疲労。
いつのまにか雨はあがっていた。すこし日が翳ってきたので、本日のメインイベントを行いにでかけた。ただのポスティングのバイトだけど。
一時間ほど撒いたところでやめにする。 地図を持って出たので、この足で、こんどは南の方角へ自転車さんぽをしてみようかと思った。 環七越えて、大学跡地に新しくできたホールっていうのを、見に行く。 坂道上って、下って、またちょっとだけ上る。 目的地についたけど、公開は9月と張り紙。まだ建物の中には、入れない。でも綺麗な立派なもののようだった。 帰りは違う道を走ってみた。
あまりにも静かだ。普段うるささに慣れきっているこの耳には、静か過ぎる。 夜はこうして日記書き。この二日間、なんだったんだろう。もう少し有意義に過ごそうと思えば過ごせたのかもしれない。
子供達、どうしてるだろう。多分、絶対に、元気だろうけれど。 帰ってくるなり、騒々しいんだろうな。 明日の夕ご飯、何にしようかな。
2002年07月24日(水) |
こんどは独りの日々 その1 |
水曜日と木曜日は、正真正銘の夏休みを送った。 子供達が火曜の夜から明日まで、実家にお泊りしてる。 独りの時間。嬉しくて途方にくれてしまい、この時間を決して家事なんかで無駄にはするものかと心に決めたのはいいけれど。
この二日間で、やってみたこと。まず、地図を眺める。 自転車で祐天寺に行く最も効率のよい道はどれなのか、実地に調べてみたくなった。住宅地図で綿密に計画を立ててから、走ってみて確認。 それからそのまま坂道を下り、中目黒をひやかして、上り坂の帰途につく。 実はナカメの駅には、近所ながら、まだ乗り換え以外に降り立ったことがなかった。地図で見ると簡単な道なのに、土地の高低を計算に入れていなかった。いきはよいよいかえりはこわい。
その足で図書館にこもって、急に思い立ったのが、 「子供の頃に見たあの絵本、題名も作者も、わからないけど、あるかしら?」 それで絵本コーナーで、片っ端から調べてまわったが、それらしいものは見つからなかった。 おぼろげに覚えているのは、「鳥」が出てくること、その鳥をおもしろはんぶんに狙っていた人間が、いつのまにか鳥と立場が入れ替わって狙われてしまう。そんな悪夢から目覚める時に、目の前が、かわるがわる様々な色に塗り替えられるシーン。 本当にそんな絵本があったのかさえもう記憶が微か。きっとあったと信じてるし、再会を諦めてはいないけど。
んなことやっていたらお昼ご飯を食べることさえ忘れていて、冷房で汗は冷え切っていて、とりあえず帰宅。もう夕方だ。独りだと、まともな食事を作る気力が出てこない。胃袋は残り物整理の為だけに働いた。
それからビデオで「A.I.」を観た。先日息子と一緒に観てさんざん一緒に抱き合って泣いたものを、もう一度独りで、観直す。 親への永遠の愛をインプットされたまま、親からの愛で満たされることを夢見つづけてさまよう、人工知能の子供型ロボット、デイビッド。 初めに観た時には、彼が不憫でしょうがなかったけど、 今また観たら、んー、いやいや違うかもしれないって思った。 なまじっかな人間よりむしろ幸福な人生を送ったのかもしれないって。
夜、デイビッドの夢をみた。
夫の帰りは遅く、娘はお泊り保育でいない。 息子いわく「ちょっと、さびー。なんか、しずい」 やめなさいよ、そういう言葉遣い。ちゃんと、寂しい、静かだ、といえばいい。素直に。
園児のいない二人きりの夕飯なので、何年ぶり(?)かの牛肉ステーキ(生協のお肉)。ガーリックオイルにてちょっと辛目の味付け。 こんなのは我が家にとっては、ハレの食卓だ。 ひさしぶりにフォークとナイフを使う息子。こつを伝授する私。
よけいな小言を言わなくて済むのが嬉しい。いつもは毎分一度は兄妹がらみで叱っているけど。なんてゆったりした二人きりの夜。 彼が大人ならワインでも開けるところだろう。
寝るときは枕もとで、久しぶりに、息子の為だけに本を読んでやることにした。 せっかく息子むけなんだからと、「星と宇宙のはなし」という書。 「宇宙とは、はてしない時間と空間のこと。この宇宙のなかで、君の代わりに君がふさいでいる場所を占められるものは、何もない・・・」 などと静かに静かに読んでやると、 まったく。10秒で眠ってしまった。 彼の寝顔をまじまじと見つめるのも、いったいいつ以来だろう。寝顔に向かって私はなおも読みつづけた。自分の為に。
で、娘はその頃、お風呂屋さんでの入浴も、みんなで作ったカレーライスの夕食も、花火大会も全て済ませ、お教室にごろごろならんで眠っていたはずだ。 あとで先生の話によると、キライなはずのおやつのスイカも、ぺろりと食べちゃったらしい。一度も泣かずに、ご機嫌だったそうな。 案ずるより産むが易し。 みんなと一緒というのは、できないことを可能にするんだなあ。
翌朝園から連れ帰られた娘と、早い下校の息子、会うなりさっそく、くちげんか。少しは二人とも、大人になってよ・・・。
2002年07月14日(日) |
なんだかいろいろあった日 |
夫は知らないが私は経済的にクルシイ。とにかくあと5日、給料日(夫の)まで持てばよいのだ。「このなかでやりくりする」ことになっているお金は、底をついている。どうしてでしょう。 1、夫にナイショで買った、高性能の掃除機のせいで、慢性的に当座貸越がマイナス8万円 2、2階の窓にあった、ひっかかりの多い生地のカーテンの埃がとりきれないので、夫に承諾を得ずに生協で、新しく買ってしまったのがイタイ 3、オーガニック・合成添加物無添加の冷凍食品の某社のを買うようになって食費がかさむ 4、アトピーっ子はプールのあとちゃんとお風呂に入れなきゃいけないから水道代がばかにならない 5、子供にせがまれて入会したしんけんぜみ、よせばいいのに割安だからと半年分一括払いにした ・・・ 答え 1と2と3と4すべて。5ははずれ。半年分の月謝は夫に頼んでおろしてきてもらったから。
んー、ここまでは前置きだ。さて日曜日の日記を記すとします。 朝は早起きして不動産屋のチラシのポスティング。夏は朝に限る。250枚。実は夕べは遅かったし、子供が「痒い」って起きたりして、4時間くらいしか寝てないけど、妙にハイな気分。帰宅後入浴。 朝食にパンもご飯もないことに気づいてホットケーキを焼く。 お天気がいいから張り切って洗濯。 今日はあらかじめネットで登録しておいた、グッ***ルという会社に本登録に行く予定、11時渋谷。 渋谷支店にて業務の説明をビデオなどで受ける。 要するに、登録しておけば、自分の暇が出来た時に、そのときにある仕事をもらえる。イベントの設営や、事務所の移転とか引越しの手伝い、簡単な検品や販売補助などなど。だいたい時給1000円弱かな?日払い可。 細切れの時間しかない、園児持ち主婦には、ありがたいと思って、登録してみた。
帰宅後、大急ぎで「明日葉そうめん」を茹でて家族に食べさす。 2時から夫の実家に3人で向かう。私と、子供2人で。 夫いわく「お盆だから実家に行って線香あげてきてよ。ぼくは今週、会社でテストがあるから試験勉強するから行けないんで」 今現金が極めて少ないので、お土産としては前もって作っておいた杏仁豆腐(生協で買ったインスタント)。そしてパス代がもったいなく、自転車で。暑かったー。15分くらいなんだけど、上り坂がやだ。
お義母さんたちは元気そうだった。庭にジャガイモの芽を植えたそうで、子供達においもほりをさせてくれて、収穫した掘りたておいもはさっと湯がいて帰りに持たせてくれた。「目黒産?のオイモだからねー」って言って。基本的に優しい姑と舅なのだった。 ただ、義父はときどき、私を落ち込ませるようなことを知らず知らずに言ってしまうことがある。(悪気はない) 私がつい口を滑らせて、ちょっと不動産広告配布のバイトをしてる話もしちゃったんだけど、「歩くから、結構健康にいいバイトなんですよ。主婦とか、年配の方もやってる人いっぱいいますよ。体力づくりにお義父さんもいかがです?」なんてこと言ってみたら、 「いやいやいや、そこまで“落ちて”はいないから。そんなわずかな金もらうほど。歩くなら、ただ歩くから」ってのたまわれた。 そうですよね・・・。 じゃあ私は、“落ちた”ひとなのかな。わずかなお金の為にあくせくとせこいバイトして、お給料日までなんとかしのごうと。そうやって、決められた枠のなかでなんとか生活費を抑えようとしてるわけなのよ。優先順位を常にあれこれ考えながら、家族の健康と、ささやかな自分の息抜きと。 うん、けっこう落ちてるかもね。昔の人の感覚から言うとかなり落ちてるかも。 「じゃあお義父さん、貴方の息子さんに、ぜひ言ってやってくださいよ、そのわずかなお金を、もう少し毎月上乗せして引き出して生活費に使うことを許可してやってくれと。そしたらこの妻はそんなつまらないバイトなんかしなくなりますと。」って言ってみたら、どうなんだろうな・・ ・。言えないけど。
2002年07月13日(土) |
サークルの新人歓迎会(夜) |
主婦のサークル(それも幼稚園の。)で新歓コンパ(この言い方は古いのではないかと少し不安)を土曜日の夜にやるというのは結構思い切っているなー。と思うのは私だけだろうか。
徒歩10分弱のところに新しく出来たちょっとおしゃれな南仏料理&お酒のお店は、同じ幼稚園に通うお子さんのパパがお勤めのところなのだった。
うちの夫はそれにしてもどーして、「許すなら快く笑顔で許し、禁止ならはっきり禁止」ってことができないのだろうか。 「こんどの土曜日、新歓あるのね。夜ご飯なんだけど。みんな行くのよ。やー、なんで夜なのかなあ、企画したのは私じゃないんだけどさ。みんな行くのよ(ここばっかり強調)。」 こんなことは、さも当たり前のことよ、と言う風に、明るく、かつ気を遣いながら、切り出しているのに、うちの夫は、 「ふーん。(すごい低いトーン・表情はやや硬く)」と、不機嫌そうに答えただけ。それって行っちゃだめってことじゃないよね?行きますよ私は。 いつもより丁寧にカレーを作り、その間にお風呂のタイマー予約をかけて、自分のメイク(ひっさしぶりのフルメイク)と着替えをしたら、すぐ食べられるように配膳して、「行ってきます」あえて、何時には帰るからとは言わないで出た。
お店は綺麗だし、お料理は美味しいし、おしゃべりはすんごい楽しいし。なぜなんだろうか、しゃべりあっていることだけでここまで快感なのは。 たいした内容は語り合っていない。自分が会計を担当していたこともあったけど、結局6時から10時まで、最後まで居てしまった。これ以上遅くなると、帰宅してから夫と顔を合わせるのが気まずくなるだろうと思いながらも、腰は重い。 歩き出しながら携帯で「今帰るから。お風呂に入っててね」と言うと「とっくに入ったよ」と返事。なんかその声の調子が気に入らないな。「とっく」って何?「もう入ったよ」でいいじゃない。何さ、「とっくに」って。「お前は遅いんだよっ」って言わんばかりじゃない? でも確かに私が遅くなってるのは事実だからさ、なんとも。
生まれ変わって男になって、もし奥さんが幼稚園のサークルかなんかに入って夜の食事会に出ることがあったら、 「たまの息抜きなんだから、帰りの時間なんか気にしないで楽しんでおいで。子供は寝かせておくから。」くらいは言ってあげようと、堅く誓うのであった。
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