ゆりゆり日記
ただ知ること
過去にあつめたカケラで出来る絵は
その瞬間瞬間ごと
いつも完璧だということ
そうして明日を未来を生きていく

2011年10月31日(月) 沈む結晶

毎年恒例の
着物フリマへのお誘いに
昨年のこの時期を思う

リスの居た部屋は既に
着物が少しずつ侵食
バキューム式アイロン台も
どーんと広げたままにして
普通のアイロン掛けにも
大活躍している

ヤツが居た頃の
あらゆる禁止事項は
まだ頭に染み付いていて
何か買い物をするときでも
はなっから除外していたものが
選択肢に上るのだと
ギクシャク確認しなおす

居ないことを必然と
すればする程
それは一見
忘却に進んでいるようだが
居たことの当たり前さは
失われずに
どんどん凝縮されて行く

チリっとした痛みを
少しだけ感じつつ
けれどもう
それでふいに悲しみに襲われ
歩みが止まることもなく
ヤツがくれた
明るい太陽のような
輝きの方が勝っている

砂金のような
小さいキラキラが
ゆっくりと
水のなかに沈むように
心の奥底に沈殿して行く

二度と経験したくない
と思っていたことも
そんな風に
結晶しつつあるのなら
恐れずに生きてみようか



2011年10月30日(日) ジプシーのパン

ウワサに聞いていた
新しく出来たパン屋へ
夕方だったせいか
欲しい主食パンはなく
味見程度に選んでみた

天然酵母で少し重く
もっちりと噛み応えがあって
好きなタイプではあったけど
何しろお高く
サイズは小振り

でもいいのだ
もう少ししたら
何年も考えていた
ホームベーカリーがやって来る
時代が進んだお陰で
機能の割に破格の安さ

大好きなパンドミーとか
全粒粉を使ったのとか
若い頃
原宿に行く度食べていた
クミンの入ったパンも
ぜひ再現してみたい

買ったものの
一度も試さず
友人に進呈してしまった
白神酵母だって
今度こそチャレンジしたい

次々オープンする
パン屋を変遷の
ジプシー生活はもう終わり
あの時間の掛かる工程が
ウソみたいな魔法の道具で
ご飯代わりになる
きちんとしたパンを作るのだ

この時代に生きてよかった
そんな思いを
少しでも重ねるためにも



2011年10月29日(土) 天狗の神殿

なんて思ったが
なかなか眠れず
ようやく朝方ウトウトすると
以前も訪れたことのある
夢の中だけに存在する街を
道に迷って彷徨っていた

気が付けば
緑色の天狗が飛び跳ねる
おどろおどろしい神殿へ
わたしを含めた人間達は
いつの間にかそれぞれに
山伏の装束の
担当者が決まっていた

かといって
何か修業するとかではなく
山伏の傍らで
他の人達をただ見ているダケ
だけれど
自由に歩き廻れない証拠に
腕の皮膚から細い線が繋がって
動くと攣れて痛いのだ

いつまで居ればいいのか
元の世界に戻るには
段階があるらしく
いざ戻れた時には
過ごした時間の空白が
何もなかったように埋まる

けれど戻れずに居る間
元の世界の時間軸は進み
突然居なくなった存在を
悲しむ人達の心が
手紙となって知らされる

それを読むひとの
嘆きはあまりに深くて
自分への手紙は
出来れば読みたくない
と思ってふと横を見ると
友人が傍に居た

もう一度
元の世界に一緒に戻って
ただ何かを体験できるだけでいい
自ら動けず
見ているだけは耐えられない
そう思った時に突然目覚めた

まるで
一度死んで
生まれ変わったかのように
その最後の思いは
強く心に刻まれ
夕べまでのもやもやが
すっきり晴れてしまっていた

人間のメカニズムって
本当にすごい
無意識への信頼を
今朝程感じたことはなかった



2011年10月28日(金) 魔女の薬

いろいろ事件ありすぎ
倒れるように日々が過ぎ

本当はその都度
吐き出して行かないと
凝り固まって
解せなくなるんだろう
とは思うのだけど
その為の隙間さえなく

すごくナーバスになって
いろんなコトが
気になる状態で
自分的に
かなりよろしくない

どぷどぷと
魔女が怪しい薬を
大鍋で煮るように
ひとつずつ
腐ったカケラみたいのを
どこかに放り込んで
ぐるぐるしたい

それで出来上がるものは
エッセンスが凝縮されて
さらによろしくなさそ
だけど
毒もちょびっとなら
薬になるはずで
後は使い方次第

よし
とりあえず
そんなイメージで
寝てみよう



2011年10月24日(月) 素の声

まとめてやってきた
別仕事の中に
何度か顔を合わせても
会話したことのない
とある女性のテープがあった

いつも下向き加減で
眼を合わせない
客商売でありながら
お店でも
ありがとうございます
の声ひとつちゃんと聞こえない

前日に
開店時間を問い合わせてまで
友人が誘ってくれたモーニングは
何故か時間を過ぎても
店内は暗いまま閉まっていて
いったい何があったのか
未だにナゾのまま

ほとんど初めて
きちんと聞くしゃべりは
見た目の雰囲気とは全く違い
すごく饒舌で
上からかと思える程
はすっぱなネエチャンで
そのギャップにびっくり

ヒトは見かけによらない
っていうか
いやむしろ
高圧的な片鱗は
表れてたってコトなのか
過去に聞いたテープの中でも
ワースト2に入るイメージの悪さ

他所ではしていない
ウチだけ話しをつらつらと
聞いているうちに
次第になんか腹が立ってきて
それよりもまず
眼の前のお客を大事にしろよ
とか思ったワケで

ちなみにワースト1は
元ヤンの居酒屋女将だが
声だけって
それ以外の情報がない分
本人の素が晒されるのかもしれず
お前もたいがいやで
って言われそうだけどさ



2011年10月23日(日) 無音のキラキラ

夕べは
少し遅い時間から
飲みに出た

昼間はあまりに暑くて
やたらバテて
夕飯の支度をしたら
耐え切れず
一旦寝てしまったワケで

お陰で
これまで相手は違えど
何度となく訪れては
満席で断られたお店に
ようやく座ることができた

もっとも
どこで飲むか
よりも
ちゃんと話しができる相手と
差し向かいで
ってのが大事だったりする


話しができるコト
プラス
ふと訪れた沈黙の時間を
じっくり共有できる
かどうかもすごく大事

特に日頃
キリないおしゃべりに
神経を痛めつけられてるから
その重要さを
改めて感じたのだった

雨は帰る頃には上がり
別れてひとり
オリオンを目指すと
尾を引いて星が流れた
その無音のキラキラが
心に沁みた夜だった



2011年10月21日(金) 酒と肴と音楽

歯医者の前に
ムスコの医者へ行ったら
保護者も居てくれ
と言われて
あえなく予約をキャンセル

今月は
今日しか時間がないし
平日の休みごとなので
なかなか治療が進まない
果たして
今年中に終わるんだろか

それはともかく
秋刀魚が安かったので
筒切りにして
昆布と一緒に
骨まで食べられるように
圧力鍋で煮てみた

圧が抜けるまで
ウトウトしていたら
NHKのぶらバン2011と
夢の中身がリンクして
すごい面白い感じに
思わず飛び起き観賞

仙台の街中が音楽で溢れる
こんなお祭りがあったのね
音が喧嘩しないように
各会場は
そこそこ距離があるのかもだけど
お酒を片手に
そぞろ歩いたら楽しそう

ってワケで
お酒の部分だけ
夕方の早い時間から
肴はもちろん
脂の乗った秋刀魚で
と思ったら
ギターの音が聴こえてきたよ



2011年10月20日(木) 蟹の宿

ちらほらと紅葉が始まった
里山を見ながら
城崎の旅館まで
挨拶に出向いた昨日

なんとなくしか
場所を認識していなかったし
もちろん中に入るのも初めて
周囲の雰囲気は
ちょっとしたリゾートっぽく
水辺も近くて
なかなか良かった

チェックアウト時を過ぎ
館内は閑散としていたが
思いの他空間が広く
掃除が行き届いて
さっぱりとしていた

ロビーの一角の売店は
かつてあった
コウノトリ文化館のそれと
同じ位の広さだろうか
見知った業者も
新しい商品を出していた

部屋数30への宿泊客と
外湯で訪れるお客さんと
売りという観点からは
弱いのだろうけれど
お仕事メンバーの繋がりが
小さく実を結んだ
こんな始まりは悪くない

入り口の自動ドアの間に
何故か小さな蟹が二匹
お客さんから苦情が出るらしく
蟹も泊まる宿ってのも
微笑ましいのにと思いながら
みんなで外に追い立てた



2011年10月19日(水) 脳内イベント

ここんとこ
繰り広げられている
恋愛妄想劇が疲れる

まあそれは
自分が注目されないと
作り出される
問題とか騒ぎの一環
なんだけど
毎日異常なテンション

加えて
対象になる方が
ノーと言わないオトコ
なので
一向に終息を見ず
増長するばかり

好き
を言い出して翌日には
いつ親に挨拶しに来るのか
って展開に驚いたが
否定せず添いつつ
ソノ気もないのに
引っ張り続けている

この状態で
どうオトシマエをつけるのか
腕を見せてもらいたいが
ひょっとしたら
相手の脳内イベントが
いつか飽きるまで
ずっと行くのかもしれない

もっとも
ノーを言わない方は
そこまで見通してるワケじゃなく
陰では困った風でありながら
その実ぴょんぴょんで
突然やってきたモテ期に
かなり浮かれている

こうやって
ひとりの妄想は
勝手な勘違いではなく
それこそ相愛の証拠を
つまんでは育って行って
共有されるイベントとなる

詰め寄られて
そういうつもりじゃなかった
なんて言うのは
一番イタイ終わり方だが
さてどうなることやら



2011年10月18日(火) 相愛の証拠

早く終わろうね
と言っていた恒例の会議
週頭から案の定深夜

トイプーの女の子も
一緒に参加して
最初はお母さんの膝で
ぷるぷるしていた癖に
職員が食べるお弁当をクンクン
テケテケと室内を散策

家に帰ると
そのコと猫が
一緒に玄関でお出迎え
していると聞き
もうそれだけで癒やされる
シアワセな空間が浮かぶ

ずうっと待っている一日
だったはずなのに
ご主人様との再会は
一瞬で気が済んで
スチャッと踵を返し
廊下を滑りながら戻る

なんて
つい思い出したりして

求める高ほどに
与えられなくても
ただ一途に
親愛でいてくれる存在は
だからこそ自分を信じる
力になってくれたのだろうか

あまりにも
一方通行だった気がして
そうではない証拠を
時を巻き戻して
確認したくなるのだった



2011年10月17日(月) 残りの一日

タワレコに行こうと
駅のエスカレータに乗り
構内放送がナゼか
天国への階段
という夢で目覚めた

どこかへ行く
移動感覚がそのままで
じっとしていられなく
早朝だったので
とりあえずコンビニへ
冷たい風を切ってカッ飛んだ

活力たっぷりの
こんな月曜日
残っていたいろんな澱が
ちゃんとリセット
されたみたいで嬉しい

同じコトの繰り返しに
消耗する一方で
必ず変えられる
何かがあるはず
残りの人生の新しい一日

さあ
ご飯を炊いて
お弁当を作ろう



2011年10月13日(木) 門出の気持ち

城崎の旅館で
施設の商品を
扱ってくれる事になった

そこでバイトもしている
利用者のコが
思いついてくれて
ひととおり商品を預け
その中のいくつかが
採用となった

っていうか
職員が営業活動しなきゃなのに
全く有難いことで
ご挨拶も
詳しい話しも
まだまだこれから


ぼちぼち
新アイテム作りに
取り掛かっていたのだけど
そうなってみると
まだまだ数が少なく思え
急遽増産へと頭を転換

地味に染め紙を切りながら
ひとつひとつを
選んで購入してもらうことに
改めて意識を向けると
出来上がったものが
本当に愛おしく

出会うことのない人々の
手によって遠くに運ばれる
その全てを
見ることはできないけれど
まるで商品と一緒に
旅立てるようでもあり

新しい門出を迎える
この気持ちを
ずうっと忘れずに
大切にしたい
と思ったのだった



2011年10月12日(水) ミラクル

はや昨日のうちに届いた
バキューム式アイロン台
荷解きをしてセッティング
までは終わったが
やはり気を失い
試すのが今日になった

いつもなら
生地の上に接着芯を置き
さらにハトロン紙とかを重ね
霧を吹いてアイロンを掛ける
ワケだけど
生地と芯地だけで行ってみた

思ったよりも
吸引力が弱い気がしたけど
比較になるモノを知らないので
何とも判断つきかね
でも肝心なのは
ズレずに二枚が吸着しているコト


ともかくいつもは
熱が冷めるまで動かしちゃダメ
ってセオリーがあるから
気が遠くなるぐらい
時間が掛かるワケだけど
いやいやもう快適

吸引のお陰で
冷めるのの早いこと
いつもより少し高めの温度でも
全く問題なく
アイロンに糊が付くこともない

暫く試したら
なんかドキドキしちゃって
再びサイトを見てみたら
もう売り切れになってたし
まだ在庫のある他所では
三倍の値段だった
うひょー

いつもなら
もっと慎重に調べるのに
比較もせず迷いもせずが
却って良かったのか
ミラクルな幸運に
ドキドキがさらに高まった



2011年10月08日(土) 使える道具

季節が変わる度に
何か縫いたい衝動
に駆られる

相変わらず
ゆっくり布に向かう
のは無理だけれど
可能だとしても
秋冬モノには
接着芯使用がついて回る

完成への熱意が
どんどん消失していく
あの途方もない労力
芯地選びは
何度となく段階を経て
後準備出来るとしたら
やはりアイロン台だろう

それがどれ程の効果なのか
試してみないと判らない
と思いつつ
あまりに高価なバキューム式に
結局手が出ないまま

けれども
この思うように縫えない
今だからこそ
ひょっとして
手に入れるコトが
出来るかもしれない

なんて
こじつけみたいに考え
ふと調べてみたら
ありましたよ
以前には見かけなかった
安価バージョンが

真価のほどは不明
だけど
吸引と吹き上げの
両方が可能なので
思うように使えなくても
無駄にはなるまい

ってコトで
後は到着を待つばかり
あー
できればあの
ストレス一杯の作業が
楽しみに変わるような
使える道具でありますように



2011年10月07日(金) 関係の幻想

また気が向いたら
戻っておいで
のコトバを遮るように
それはありません
とキッパリ言って
施設を辞めたはずのコが
あっけなく戻ってきた

だからこその病なワケで
羨ましくもあるが
辞めた理由のひとつに
職員と友人付き合いがしたい
という思いがあったらしい

それは程度の差こそあれ
どの利用者も持っていて
狭い範囲で
全てのニーズを満たしたい
ひとつの表れではある

けれども
どんなに話しやすくて
一緒に居て楽しかろうが
職員にとっては
それはあくまで仕事の範疇で
ある意味
時間を買ってもらっている
に過ぎない

これって俗に言う
割り切ったお付き合い
みたいなもんか
客と一緒になっちゃう
風俗嬢も居る位だから
どんな仕事だって
個々の判断に
委ねられる部分はあるにしろ

一度関係を成立させていた
約束ごとがなくなって
そこから新たに
対等に付き合って行くには
約束ごとが見せていた幻想を
きっちり
認識しなければならず

それは案外難しい



2011年10月04日(火) 売れる妄想

またもや
タダで手に入る
という材料を見せられて
何が作れるかのお話し

勿体ない
というスタートは
リメイクをしていたから
よおく解るのだけど
素材そのものに
まず手を掛ける所から
となると
なんだか途方もなく

施設で手がけるためには
工程そのものを
個人的に試行錯誤して
準備する必要もあって
出来たら売れる
ってコトバが
妄想めいて聞こえたりして

どだいこの世の中
出来上がる前から
売れるって判ってるものが
どれだけあるのか
言うは易し
誰だって可能なワケで

勿論その中には
いいヒントもあるのだけど
自分でやらずに
思いつきの段階で
こんな風に持ちかけるタイプ
よくいるようなあ
って気もして

それが職員の縁者なだけに
ムゲにもできないが
当の本人は
あんまり関わりたくない
なんて言っていたので
まあ暫く放置してみよう



2011年10月02日(日) 繋がる血

今日は
上のコの仕事っぷりを
見せてもらった

目指すは鞄職人
のワケもないが
ほぼひとりで縫った
というバッグは
なかなかに細かい仕事が
綺麗に出来ていた

どうやら
あの36時間労働のあと
バイト先は着々と
家内制手工業の体制を整え
それに伴って
ムスコの技術も
向上している模様

小さい頃から
細かい作業が好きで
そういうことになると
寝る間も惜しむ位の
集中力を発揮していたから
意外と合っているのかも

なんか
わをんの手作りちっくとは
全く違う
ザ工業製品
って感じのを見て
本来ならそこから始まり
オリジナルへってのが
妥当な道筋だろうと

もっとも
そんなコトも含めて
親のふらふらが
何らかの
種になっているかもしれず
繋がる血みたいな片鱗を
ちょっぴり感じたのだった



2011年10月01日(土) 旬の楽しみ

数日前に
大人の身体ほども
あろうかという
ドデカい生筋子を抱え
洗面器に解している
という夢を見たのだが

恒例の会議のため
一旦買い物をして帰ろうと
寄ったスーパーに
ありましたよ
いや普通サイズだったけど

粒は大きめ
綺麗に揃っていて
ぴかぴか光るオレンジ色は
過去に見た中でも
相当鮮度が良さそう

予期せぬ出会いに
サイフの中身を考えながら
決して安くはなかったけど
それでもイクラとして売っている
粒のひしゃげたようなのより
遥かにお得だった


とりあえず
冷蔵庫に突っ込んで
急ぎご飯を食べて
会議は過去最長の
ほとんど日付けが
変わろうかという時間まで

さあて
明日は漬け汁作りから
丁寧にいい出汁を取って
まろやか仕立てのイクラ
にしてみようかな
うーん楽しみ


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