『日々の映像』

2007年12月31日(月)  記述を始めてから11年目が終わる

 12月31日は私にとって祈念すべき日なのである。
1997年1月1日から日々の映像を書き始めてから満11年が経過した日にあたる。記述した回数は4000回を超えることになる。健康に恵まれて11年間書き続けることが出来たことに感謝している。書き始めて2年が過ぎた頃、20年は書き続けると記述したことがある。明日は次の12年に当たる出発の日である。

 日々の映像は「貴方は社会の出来事に付いてどう思いますか、わたしはこのように捉えます」という形式のエッセイです。12月からこの日々の映像を主な資料として「社会の情報交換会」がスタートした。試行錯誤しながら、日々の映像を題材とした交流の場を作りたいと思っている。

 ミクシイに本格的に取り組み始めたのは2007年3月25日であった。それから20ヵ月の時の流れであったが、素晴らしい人たちとも交流が生まれ、私のこれからの人生に計り知れない実りをもたらすことになった。この紙面を借りて多くの関係者の改めて御礼を申し上げます。来年もどうかよろしくお願い申し上げます。ここで登録を頂いた主なコミュニテイの人数の報告をさせて頂きます。
                   
本ページ     日々の映像      289名
コミュニテイ   生涯青春の会      112名
コミュニテイ   コミ・セミNET    225名
コミュニテイ   癒しの森        104名   
コミュニテイ   高齢者福祉情報    1484名






2007年12月30日(日)  派遣労働者:06年度は最多の321万人

 トヨタを批判するメディアは無いようだ。年間1千億円以上の広告費を払う大スポンサーであるので、新聞・雑誌・テレビを代表するマスコミがトヨタを批判することはない。世界の超一流企業であるトヨタは、日本の企業のリーダーとしての見本を示さなければならないと思う。雑誌にトヨタの特集が組まれるが、そのほとんどが賛嘆である。しかし、日々の映像では何回か批判的な記述をしてきた。
 
 その一つが全従業員に占める期間工・派遣社員の比率が30%を超えているのである。全トヨタ労働組合連合会(292組合、29万人)は2007年09月 に加盟各労組に対し、全従業員数に占める期間工や派遣社員など非正規社員の比率を30%未満に引き下げを促す目標を設定している。1兆円を越す利益を上げる企業が、派遣・期間工を9万人前後使っているのである。悲しい風景とはいえないだろうか。
290000人×0.3=87000人
 
 超一流企業のトヨタがこのような見本を示しているのだから、以下の企業はここで説明するまでもない。トヨタに日本を代表するトップ企業としての品格を求めたい。

 厚生労働省が12月28日公表した06年度労働者派遣事業報告で、派遣労働者として働いた人が過去最多の約321万人(前年度比26%増)に上ったことが分かったという。この凄まじさをメモしよう。
1999年度  100万人を超える。
2002年度  200万人を超える。
2006年度  320万人を超える。

政治がこの雇用問題を放任しておくことは、無責任であると思う。最もマスコミと同じく、スポンサー企業という同じ原則が支配しているのかもしれない。
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派遣労働者:06年度は最多の321万人 人件費圧縮映す
毎日新聞 2007年12月28日  
 厚生労働省が28日公表した06年度労働者派遣事業報告で、派遣労働者として働いた人が過去最多の約321万人(前年度比26%増)に上ったことが分かった。また、派遣料金が上がっても労働者の賃金は下がる傾向にある。日雇い派遣労働者などの不安定な雇用のあり方が社会問題化する中、企業が人件費圧縮などのため派遣労働者を積極的に使う現状が浮き彫りになった。
 報告は労働者派遣を行った事業所の報告書をもとに集計した。派遣労働者は統計を取り始めた86年度以降増え続け、99年度には100万人を超えた。02年度には200万を超え、04年度にいったん減少したが、05年度から増加に転じ、06年度に初めて300万人を超えた。
 派遣を行う事業所数は事務や軽作業などの「一般派遣」が1万8028所(前年度比22.7%増)、通訳など専門職の「特定派遣」が2万3938所(同43.6%増)だった。派遣を受ける派遣先も約86万件(30.4%増)と広がった。
 労働者は、1年に近い長期の契約を継続している常用雇用労働者が64万5767人(同41.7%増)、日雇い派遣など期間が短い登録者が234万3967人(同21.2%増)、特定派遣の労働者が22万734人(同40.7%増)となり、いずれも大幅に増えた。
 派遣会社の年間売り上げは5兆4189億円(同34.3%増)となった。一方、一般派遣の料金は平均で前年度比2.1%増の1日1万5577円なのに対し、賃金は0.5%と微増の1万571円にとどまった。日雇い派遣が多い建築物清掃の仕事では、料金は2.6%増の1万1303円に対し、賃金は8.7%減の6995円に下がっている。
 労働者派遣法を巡っては不安定で低賃金の日雇い派遣労働の規制が検討されている。派遣労働者を組織する派遣ユニオンの関根秀一郎書記長は「特に日雇い派遣の多い分野で、派遣料金が上がり賃金が下がっている。会社が取るマージンの規制が必要だ」と話している。【東海林智】
毎日新聞 2007年12月28日  (最終更新時間 12月28日 )
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非正社員の割合30%未満に 全トヨタ労連が目標策定
2007年09月 朝日新聞
連合によると、非正社員の拡大に歯止めをかけようと具体的な目標比率を掲げたのは大手製造業グループの労組で初めてといい、他産業にも波及しそうです。

傘下組合と一部経営側にはすでに正式に示しており、労使交渉を通じて、遅くとも10年までに目標を達成する方向で調整する見通しです。

全トヨタ労働組合労連などによると、生産台数の急伸を反映して、2007年5月時点の製造業系の傘下労組(約100組合)の非正社員比率は31.3%で、ほぼ半数が30%以上という。50%を超えるところも1割弱あるといいます。

非正社員の増加による格差拡大が社会問題化する中、労働界に大きな影響力を持つトヨタグループの労組が正社員化を促す数値目標を打ち出した意味は重い。同労連は数値目標を設定した理由について、「このままでは品質管理や技能の伝承など事業の継続的な発展を阻害しかねない」(幹部)と経営への負の影響も強調しています。
非正社員の割合30%未満に 全トヨタ労連が目標策定/朝日新聞
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非正社員の割合30%未満に 全トヨタ労連が目標策定
2007年09月 中日新聞
連合によると、非正社員の拡大に歯止めをかけようと具体的な目標比率を掲げたのは大手製造業グループの労組で初めてといい、他産業にも波及しそうです。

傘下組合と一部経営側にはすでに正式に示しており、労使交渉を通じて、遅くとも10年までに目標を達成する方向で調整する見通しです。

全トヨタ労働組合労連などによると、生産台数の急伸を反映して、2007年5月時点の製造業系の傘下労組(約100組合)の非正社員比率は31.3%で、ほぼ半数が30%以上という。50%を超えるところも1割弱あるといいます。

非正社員の増加による格差拡大が社会問題化する中、労働界に大きな影響力を持つトヨタグループの労組が正社員化を促す数値目標を打ち出した意味は重い。同労連は数値目標を設定した理由について、「このままでは品質管理や技能の伝承など事業の継続的な発展を阻害しかねない」(幹部)と経営への負の影響も強調しています。
http://blogs.dion.ne.jp/mirainosharoushi/archives/6233374.html

2007年12月29日(土)  がん情報さがしの10カ条(情報を使いこなす能力)

 ガンになぜなるのか。体質という視点、ストレスという視点もある。ともかく誰もがガンを患う危険がある。その意味で11月3日に国立がんセンターが発表した「がん情報さがしの10カ条」をここに残しておきたい。当然のことであるが、次の4、5、6、が最も重要であると思う。

1.情報が、療養を左右することがあります。活用しましょう。
2.あなたにとって、いま必要な情報は何か、考えてみましょう。
3.主治医とよく話してみましょう。
4.セカンドオピニオン(別の医師の意見を聞くこと)を活用しましょう。
5.医師以外の医療スタッフも活用しましょう。
6.がん拠点病院の相談支援センターなど、質問できる窓口を活用しましょう。
7.インターネットを活用しましょう。
8.手に入れた情報が本当に正しいのか考えてみましょう。
9.健康食品や補完代替医療の広告には注意しましょう
10.得られた情報を判断する前に、周囲の意見を聞きましょう。

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がん情報さがしの10カ条
2007年12月22日 日経

【日経新聞】は12月22日、国立がんセンターが配布した「がん情報さがしの10カ条」に関する記事を掲載した。がん患者や家族が、医療法や相談先を探す際の注意点などをシンプルにまとめたもので、関係者にとっては心の支えにもなる、頼もしい、役に立つ内容となっている。
この「がん情報さがしの10カ条」は11月3日に国立がんセンターがん対策情報センターが開催した講演会【第2回市民向けがん情報講演会『がん情報のさがし方(2007)』】で配布されたもの。適切な医療を受けるため、最近よく使われるようになったインターネットによる情報収集だけではなく、何が必要で何が正しいのか、その見極めをしてほしい(要はがん情報においても「情報リテラシー」(情報を使いこなす能力)を身につけてほしい)とアドバイスしている。

具体的な10か条は次の通り。

1.情報が、療養を左右することがあります。活用しましょう。
2.あなたにとって、いま必要な情報は何か、考えてみましょう。
3.主治医とよく話してみましょう。
4.セカンドオピニオン(別の医師の意見を聞くこと)を活用しましょう。
5.医師以外の医療スタッフも活用しましょう。
6.がん拠点病院の相談支援センターなど、質問できる窓口を活用しましょう。
7.インターネットを活用しましょう。
8.手に入れた情報が本当に正しいのか考えてみましょう。
9.健康食品や補完代替医療の広告には注意しましょう
10.得られた情報を判断する前に、周囲の意見を聞きましょう。

また、この10か条以外にも講演会に出演した講師たちはそれぞれの立場から、次のような注意を呼びかけたという。


・医師任せではなく自分が納得した治療を受けること。
・医師はすべての治療法に精通しているわけではない。自分の得意な治療法を薦めることもある。治療方針を決める前に聞くこと。
・インターネットでは都合のいいことばかり書いていたり、特定の療法や体験談だけを載せていたりするサイトがあり、疑ってみる必要がある。
・一人で判断せず、家族や主治医、看護師、薬剤師などの医療スタッフの意見を聞くことも、正しい情報にたどり着く道となる。

一昔前と比べたら、特にインターネットのおかげで医療関係の情報もオープンなものとなり、情報不足で患者や関係者が不安にさいなまれるということも少なくなった。しかし上記「がん情報さがしの10カ条」にもあるように、かえって情報が増えすぎたため、その情報たちにかき回されてしまい、正しい情報を得にくくなってしまっている場合もあるのも否定できない。

がん患者に限らずすべての病症において、「治せるものならどんな手を使ってでも」「自分が知らない有効な手段があるかもしれない」と、まさにわらをもつかむ気持ちで情報を探す気持ちは非常に良く分かる(何しろ(がんではないが)経験者なのだから)。しかし「情報洪水時代」の今だからこそ、情報リテラシーを身につけると共に、インターネットのみに振り回されることのないようにしたいものだ。さまざまな手段を用いて包括的な情報収集を行い、自分にとって、あるいは自分の愛する者にとってベストの手立てを探したいものである。



2007年12月28日(金)  競争が思わぬ好結果を生む場合がある

 昨日書いたように自公と民主党の間で政権をかけての競争が展開されている。今度行なわれる選挙は『民主党に一回政権を取らせてみよう』という機運が生まれるように思う。民主党はそう思わせるような政策を次々と打ち出している。その中の一つを取り上げよう。

 民主党は12月24日、参院選で公約に掲げた「高校教育無償化」を具体化するため、来年の通常国会に国公立の高校・高等専門学校の授業料を無償化するための法案を提出する方針を固めたという。驚いたのは無償化のための予算が僅か2788億円(国全体の予算から見る僅か)であったことである。この法案がまとまると、高校生を持つ家庭の負担が1人当たり10000円減少する。この政策を誰が反対するのだろう。

 東大に対抗して東京工業大学(東京都目黒区)は12月21日、来年度から大学院博士課程に進学するすべての学生について、授業料(年額53万5800円)を実質的にゼロにすると発表した。東大が来年度から大半の博士院生に同様の支援をするが、全員を対象にするのは国立大学で初めてだという。この「頭脳」獲得競争は他大学にも波及する雲行きである。

 東京工業大学では「国際競争力のある若手の研究者・技術者を育成するために優秀な学生を確保したい」としている。授業料無料化に伴う年間約2億円の財源は経費の節減などで工面するという。大学院生授業料年間2億円を工面するだけの余裕が大学側にあるのだ。


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授業料「ゼロ」、東工大も 東大に対抗
2007年12月22日00時46分朝日新聞
 
 東京工業大学(東京都目黒区)は21日、来年度から大学院博士課程に進学するすべての学生について、授業料(年額53万5800円)を実質的にゼロにすると発表した。東京大が来年度から大半の博士院生に同様の支援をするが、全員を対象にするのは国立大学で初めて。東京大との「頭脳」獲得競争が激しくなるとともに、他大学にも波及しそうだ。
 
 東工大の博士課程に進むのは約540人。このうち、日本学術振興会から経済的支援を受けたり、授業料免除になったりしている学生を除く約400人を研究補助者(RA)、教育補助者(TA)にし、報酬として授業料相当額を払う。
 
 東工大では「国際競争力のある若手の研究者・技術者を育成するために優秀な学生を確保したい」としている。年間約2億円の財源は経費の節減などで工面する。

2007年12月27日(木)  政権が交代すると思う

次の衆議院選挙で自民党は過半数割れとなり政権交代が行なわれると思う。300議席の傲慢政策の余燼がまだ続いており、とても自民党が過半数を確保できるとは思われない。このように感じる2~3の事例を取り上げたい。

1、今年1月までの1年間の黒字企業の所得総額は過去最高の51兆6623億円となったが(毎日新聞 - 12月21日)民間の平均給与は9年連続ダウン(2007年10月28日・日経)している。大田弘子経済財政担当相は12月18日景気回復の恩恵、家計への波及当面難しいと言っている。

2、民間の平均給与は9年連続ダウンの中で、納税額(源泉徴収税額)は前年に比べ10.4%(9,295億円)増と3年連続の増加している。この納税額の増加は、2006年分の所得税から定率減税が半減されたことなどが影響しているのである。

3、これらの背景もあって、貯蓄のない家庭が23%と拡大している。
http://www.enpitu.ne.jp/usr2/bin/day?id=22831&pg=20071208

4、政府自民党は原油高対策として、低所得者向け灯油購入補助(予算29億円)
を打ち出しているが、こんな小手先の政策で支持率が上昇するとは思われない。

平均給与9年連続ダウン、納税額3年連続の増の実行、加えて食品値上げラッシュを放置している自民党は政権の座から転がり落ちるような気がしてならない。

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<黒字企業所得>最高の51兆6千億円 赤字企業割合は高く 2007年12月21日・毎日新聞
民間の平均給与、9年連続ダウン・昨年、434万円
2007年10月28日・日経
景気回復の恩恵、家計への波及当面難しく
2007年12月18日・日経
2006年分民間の平均給与は9年連続減の435万円
(浅野 宗玄 税金ジャーナリスト、株式会社タックス・コム代表
2007年10月9日
<原油高対策>低所得者に灯油代 トラック業者に高速割引も食品値上げラッシュ
                     2007年12月13日産経新聞


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<黒字企業所得>最高の51兆6千億円 赤字企業割合は高く (毎日新聞 - 12月21日 20:43)
 今年1月までの1年間で黒字だった企業は86万7000社あり、黒字企業の所得総額は過去最高の51兆6623億円(前年比21.6%増)だったことが国税庁のまとめで分かった。営業収入に占める所得の割合も4.9%で過去最高を記録し、企業業績の回復がうかがえた。
 全国259万1914社から抽出した4万9421社の確定申告の内容から推計した。
 企業業績が反映しやすい交際費の支出は前年から上昇に転じており、3兆6816億円だったが、ピークだった92年の6兆2078億円の6割程度にとどまっている。
 赤字企業の割合は、前年より0.6ポイント改善し66.5%だった。バブル期の89〜91年は50%を切っていたが、94年以降は60%以上が赤字となっていることから、景気回復が全体には広がっておらず、一部の優良企業が数値を引き上げているものとみられる。【高島博之】
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民間の平均給与、9年連続ダウン・昨年、434万円
〔2007年10月28日・日経〕
 民間企業に勤める人が2006年1年間に受け取った1人当たりの平均給与は434万9000円で、前年より1万9000円(0.4%)減ったことが27日、国税庁のまとめで分かった。9年連続のダウン。
 平均給与が300万円以下の人の割合が前年から1.2ポイント上昇しており、正社員より給与の少ないパートや派遣社員など非正規社員の増加が給与水準を下げたとみられる。
 一方、給与から天引きされる所得税は総額9兆8925億円で、前年より10.4%増えた。国税庁企画課は「昨年からの定率減税の縮減が一因」としている。
 男女別の平均給与は男性が538万7000円(前年比3000円増)、女性が271万円(同1万8000円減)。
 業種別では「金融保険・不動産業」が563万円(前年比3.3%増)と最も高く、次いで「化学工業」の562万7000円(同0.5%減)。最も低いのは「農林水産・鉱業」の296万6000円(同2.4%減)だった。(23:02)

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景気回復の恩恵、家計への波及当面難しく
 大田弘子経済財政担当相は12月18日、景気の基調判断を「一部に弱さがみられるものの回復」とした月例経済報告を関係閣僚会議に提出した。生産と設備投資を上方修正する一方、企業収益を下方修正した。景気の先行きについては「企業部門から家計部門へ波及」との表現を削除。当面は賃金増などを通じて家計部門に景気回復の恩恵が及ぶのは困難と判断した。
 経財相は記者会見で「先行きの下振れリスクは高まっている」と発言。(1)サブプライムローン問題に揺れる米国経済(2)原油価格(3)住宅着工の落ち込み――をリスクに挙げ「より慎重に景気動向をみていく」と強調した。 (12月18日・日経)

2006年分民間の平均給与は9年連続減の435万円
(浅野 宗玄 税金ジャーナリスト、株式会社タックス・コム代表)
2007年10月9日
● 男性539万円、女性271万円
2006年1年間を通して民間企業に勤めた給与所得者の平均給与は434万9千円で、前年に比べ1万9千円(▲0.4%)減となり、9年連続の減少となったことが、国税庁がまとめた民間給与の実態統計調査で分かった。近年のパート・アルバイトや派遣社員など非正社員を積極的に採用する企業の動きが、平均給与の押し下げ要因となっていると推測されている。同調査は、全国の約2万1千事業所、約29万2千人の数値をもとに推計したもの。
調査結果によると、平均給与434万9千円の内訳は、平均給料・手当が前年比1万8千円(▲0.5%)減の367万6千円と減少、賞与も同2千円(▲0.3%)減の67万2千円とわずかながら減少した。雇用の非正社員化の影響が大きいが、景気回復が従業員の給与には及んでいない結果となった。平均給料・手当に対する平均賞与の割合は昨年から0.1ポイント減の18.3%で、昨年分に続き56年分の17.3%以来の低水準となっている。
男女別の平均給与は、男性(平均年齢44.3歳、平均勤続年数13.0年)が前年比3千円(0.1%)増の538万7千円、女性(同44.0歳、9.4年)が同1万8千円(▲0.7%)減の271万円だった。

● 広がる給与格差
平均給与を年収別にみると、200万円以下だった人の構成比は、前年から1.0ポイント増の22.8%(1,023万人)と増える一方、年収1,000万円を超える人も同0.2ポイント増の5.0%(224万人)となり、給与所得の格差が広がっている。年収200万円以下の人は21年ぶりに1,000万人を超えたが、これは、パート・アルバイトや派遣社員などの非正社員が増えた結果とみられ、全体の平均給与を押し下げる要因となっている。
平均給与を事業所規模別にみると、従業員10人未満の事業所においては343万円となっているのに対し、従業員5,000人以上の事業所においては560万円となっている。また、企業規模別にみると、資本金2,000万円未満の株式会社では383万円であるのに対し、資本金10億円以上の株式会社では616万円となっており、企業規模間の格差も大きくなっている。なお、個人企業では261万円だった。
業種別では、「金融保険・不動産業」(563万円)、「化学工業」(562.7万円)、「金属機械工業」(551万円)の順に高く、一方、最も低いのは「農林水産・鉱業」の297万円だった。
今回の調査からみると、緩やかに継続する景気回復の波は、給与所得や中小企業には波及していない結果となっている。

● 納税額は定率減税半減などで10.4%増
なお、1年を通じて勤務した給与所得者総数は4,484万5千人で、前年に比べ▲0.2%(9万1千人)減少し、給与総額も195兆153億円で、同▲0.6%(1兆2,626億円)減少と、給与所得者数、給与総額ともに減少に転じた。
給与所得者4,485万人のうち、源泉徴収で所得税を納税している人は全体の85.4%を占める3,829万人で前年より24万人(▲0.6%)減少した。また、その納税額は9兆8,925億円、給与総額に対する税額の割合は5.07%だった。納税額(源泉徴収税額)は前年に比べ10.4%(9,295億円)増と3年連続の増加。この納税額の増加は、2006年分の所得税から定率減税が半減されたことなどが影響しているとみられている。
民間給与実態統計調査は↓
http://www.nta.go.jp/kohyo/tokei/kokuzeicho/minkan2006/menu/pdf/1.pdf


<原油高対策>低所得者に灯油代 トラック業者に高速割引も
(毎日新聞 - 12月25日 11:43)
 政府は25日、原油高関係閣僚会議を開き、国民生活や中小企業の負担軽減を図る緊急対策を決定した。低所得者向けに灯油代5000〜1万円程度を補助する制度を設けるほか、トラック運送業者向けにも高速道路の深夜料金の割引率を4割(現在は3割)に拡大することなどを盛り込んだ。地方自治体の申請に基づいて行う灯油補助以外の支援策の予算は2150億円規模で、07年度補正予算で430億円、08年度予算で1720億円を確保する。

 生活関連施策の目玉として盛り込んだ灯油購入補助は、高齢者、母子家庭など、住民税非課税など一定の基準以下の低所得者が対象。所得に応じて自治体が支給額や支給方法を決める。灯油補助は国と自治体が費用を折半し、補助を行う自治体に特別交付税を交付する。既に北海道、岩手、新潟、長野の4道県と278自治体が実施を予定しており、事業費は合計で29億円程度となる。実施する自治体は、寒冷地を中心にさらに拡大が見込まれる。

 灯油購入補助は、参院選で大敗した与党が衆院選を前に、地方対策の目玉として実現を強く要請していた。

 また、社会福祉施設などへの暖房費補助も、22府県と63自治体で実施する予定で、6億円程度の事業費を見込んでいる。生活関連対策では、このほか離島航路や山間地など地方バス路線の事業者向けに総額138億円を助成する。

 業種別対策では、燃料高騰の直撃を受けているトラック運送業者向けに、主要高速道路の深夜料金の割引率を4割に拡大するほか、漁業者の経営近代化に活用する基金の創設に102億円を充てることなどを明記した。【三島健二】

 ■政府の原油高対策の主な内容■

     項 目           予算額

・低所得者向け灯油購入補助     ※29億円

・社会福祉施設への暖房費補助     ※6億円

・運送業向け高速道路料金割引    302億円

・漁業者向け経営強化基金の創設   102億円

・地方バス路線維持への助成      79億円

・離島航路維持へ助成         59億円

・農業者向け省エネ設備導入支援     4億円

・石油販売業の信用保証基金積み増し  70億円

・下請適正取引推進センターの創設    5億円

※ は25日現在。特別交付税で2分の1を国が補助

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「切れてるチーズ」「柿の種」… 食品値上げラッシュ
2007年12月13日産経新聞

 食品業界の値上げ表明が止まらない。13日は、輸入ナチュラルチーズの価格高騰を受けた乳業各社が相次いでチーズの値上げを発表したほか、冷凍食品のニチロや米菓の亀田製菓もそれぞれ製品値上げを発表した。
 森永乳業は来年3月から家庭用チーズ25品目で、値上げと内容量の減量を行う。値上げは14品目で上げ幅は9・1〜10・3%。9品目で8・9〜20%減量、2品目は値上げと減量を実施。「クラフト小さなチーズケーキ」が275円から300円になる。雪印乳業は家庭用チーズに加えてマーガリンなど計58品目で来年2月から値上げと減量を行う。値上げ幅は5・6〜20%、減量幅は10〜20%。「切れてるチーズ」で300円から330円になる。六甲バターも業務用チーズを来年2月に値上げする。
 また、ニチロは13日、市販用冷凍食品で来年2月から値上げと内容量減量の実施を発表した。値上げは平成2年以来18年ぶり。「あけぼの」ブランドの商品30品目程度で、うち3〜4品目で減量。改定幅は4〜10%。「いか天ぷら」は280円から300円程度になる見込み。
 一方、亀田製菓(新潟市)は13日、主力商品「柿の種」を含む全商品の約4分の1を、来年4月から4〜9%程度値上げすると発表した。同社の価格改定は平成2年以来17年ぶりという。
亀田製菓が08年から製品値上げ
新潟日報2007年12月13日
 亀田製菓(新潟市江南区)は13日、2008年4月から一部製品の出荷価格を値上げする、と発表した。原材料の加工用米価格、原油高騰に伴う包装資材値上がりなどを受け、17年ぶりの価格改定となる。米菓生産高で国内トップを走る同社の値上げは、業界他社にも影響しそうだ。
 値上げ対象商品は、特に原材料高騰の影響を受けている同社製品の約25%。一部は値上げではなく、内容量を減量する。値上げ幅は約4―9%。店頭価格でみると、おおむね10―20円ほどアップする見込み。
 13日記者会見した同社の佐藤勇・取締役経営統括本部長は「原材料、資材価格の上昇は今後も続くと予想され、企業努力の範囲でカバーできなくなった」と説明。具体的な値上げ商品名は言及しなかったが、トップ商品の「柿の種」も念頭にあるという。
 「今回の値上げ幅で原材料高騰をすべて吸収し切れず、さらに社内努力が必要だ」とした上で「小売業、消費者には今後、背景を説明して理解を得たい」と話した。
 県内の米菓業界では、原材料価格高騰の影響で、岩塚製菓(長岡市)が既に一部製品の値上げを決めている。


2007年12月26日(水)  銀行による保険販売が12月22日全面解禁

 銀行による保険販売が12月22日から全面解禁となった。大手銀行は死亡保障、がん、医療、介護保険などに販売商品を広げ、手数料を新たな収益源にすることを目指している。この新たな動きに対する主要銀行の動きをメモしたい。

1、三菱東京UFJ銀行は全面解禁後、支店など173の営業拠点で死亡保険やがん、医療保険も販売。

2、三井住友銀行難波支店は、近畿2府4県で窓口販売を開始したのは26支店。連休明けには4支店が加わり、平成20年度末には155支店で販売する。
同行が保険の窓口販売(窓販)向けに外部から採用した約150人。

3、りそな銀行は生保OBの派遣社員160人を確保したほか、行員教育のためアリコジャパンからの出向者も迎え、アリコの医療保険などを全店で販売する。
などなどである。保険に関する社会の様相が変わってくることは確かだ。しかし、銀行の保険窓口販売が消費者に役立つかどうかは未知数といわねばならない。

*銀行による保険販売がきょうから全面解禁
           2007.12.22 産経新聞
*【窓販 全面解禁前夜】変わる保険サービス百貨店化する銀行
           2007.12.11 産経新聞
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銀行による保険販売がきょうから全面解禁
2007.12.22 産経新聞
 銀行による保険販売が22日、全面解禁された。大手銀行は死亡保障、がん、医療、介護保険などに販売商品を広げ、手数料を新たな収益源にすることを目指しており、地方銀行も追随する見通し。保険業界では、第一生命保険が相互会社から株式会社に転換を表明。政府も金融自由化を加速しており、銀行と保険会社の間で再編が起こる可能性もある。
 新たに解禁されるのは、生保が主力商品としている毎月保険料を支払う平準払い型の死亡保険をはじめ、がん保険や介護保険といった第3分野商品など。金融庁は「銀行での保険販売が広がれば消費者の利便性が高まる」(幹部)とみている。
 三菱東京UFJ銀行は全面解禁後、支店など173の営業拠点で平準払いの死亡保険やがん、医療保険を販売。みずほ銀行は405拠点で医療保険を販売。三井住友銀行も86拠点で死亡保険、がん、医療、介護保険を幅広く売る。りそな銀行は328拠点でがん保険や医療保険の契約獲得を目指す。
 このうち、大阪市中央区の三井住友銀行難波支店では午前10時から新たな保険商品の販売が始まった。同行で、近畿2府4県で窓販を開始したのは26支店。連休明けには4支店が加わり、平成20年度末には2府4県の全155支店で販売する。
 三井住友銀行コンサティング事業部の山中裕二事業推進グループ長(40)は「高度な商品知識が必要なのでしばらくは専門コンサルタントが販売する」と話していた。
 同支店で保険商品の説明を聞きに来た和歌山県橋本市の男性(48)は「銀行だといろいろな保険会社の商品説明を聞くことができるのがメリット」と話していた。



【窓販 全面解禁前夜】変わる保険サービス百貨店化する銀行
2007.12.11 産経新聞
 「今やみなさんは三井住友銀行の行員です」。三井住友銀が今月3日に都内で開いた研修会に参加したのは、同行が保険の窓口販売(窓販)向けに外部から採用した約150人。講師役のコンプライアンス(法令順守)部門の担当者は「これまで勤務した保険会社の商品ばかりを顧客に説明しないように」とくぎを刺すのを忘れなかった。

 三井住友銀は全面解禁をにらみ、今春から生保の営業経験者約250人を正社員として中途採用してきた。国内・外資系生保の営業職か管理職からの転職組が大半を占める。全国の約100店に配置され、解禁される死亡保険や医療保険など保障性商品を扱う。保険販売のプロを集めたのは、顧客への十分な説明が要求されるからだ。
 
国内の大手生保に13年間在籍し、8月に三井住友銀に転じた40歳代の女性は、保険会社時代に「自社の保険商品だけしか売れない」というもどかしさを感じていた。「これからは保障性商品から運用商品まで顧客の幅広いニーズに応えたい」と意欲を示す。
 解禁が近づき、大手銀行の保険販売の拡充の動きも激しさを増す。
 
りそな銀行は生保OBの派遣社員160人を確保したほか、行員教育のためアリコジャパンからの出向者も迎え、アリコの医療保険などを全店で販売する。みずほ銀行は生保からの出向者50人程度を受け入れ、全店で医療保険を扱う。
また、三菱東京UFJ銀行は死亡、医療、がん、介護の4種類の保険のうち、対応可能な商品から販売を始める。取り扱い店舗も段階的に全店まで広げる。指揮をとる和田哲哉常務は「顧客と店舗の多さが当行の強み。行員と保険のプロがペアで販売にあたり、コンプライアンスでも万全を期す」と意気込む。
 
すでに証券分野では、規制緩和で投資信託の銀行窓販や銀行による証券仲介業務が解禁されている。銀行の保険販売も平成13年以降、個人年金保険など貯蓄性商品から段階的に解禁され、今回の全面解禁に伴い、消費者は死亡保険や医療保険など保障性商品も含む保険商品を銀行で買えるようになる。
 大手行の場合、同じ種類の保険でも複数の生保から商品供給を受ける可能性が強く、消費者は自分に適した保険商品を選べる。銀行は金融サービスの「百貨店」に変貌(へんぼう)しつつあり、消費者の利便性は高まると期待されている。

 一方の銀行にとっても保険契約者を引き込むことで営業基盤の厚みが増す。大手行幹部は「社会人になって保険に入る人は多いが、結婚して子供ができると、住宅や教育にお金がかかるし、貯蓄もしたい。『なじみの銀行で一貫した金融サービスを受けたい』との要望は根強い」とみる。
ただ、「保険サービスの革命」(大手行幹部)とみられているだけに、落とし穴もひそむ。

 最大のリスクは販売・支払い責任やコンプライアンスだ。保険金の不払い問題で保険会社のずさんな管理態勢が浮き彫りとなり、「販売後に銀行はどこまで責任を負うのか」「きちんと保険金は支払われるのか」などの不安は尽きない。
 
「保険金・給付金は支払ってこそ顧客の役に立つ。保険金が支払えないのはどんなケースか、勧誘時に注意喚起するのが大事だ」。11月に開かれた、りそな銀の保険業務の管理者向け研修会でも、講師役のアリコの担当者はこう訴えた。
 
年金不安が高まる中で、消費者は老後に備えた動きを強めている。保険窓販の全面解禁が消費者に役立つかどうかは、消費者の利便性と契約者保護を意識した態勢づくりができるかにかかっている。

2007年12月25日(火)  時事通信社が選んだ10大ニュース

国内
1、安倍首相突然の辞任、福田内閣発足
2、参院選で自民、歴史的敗北
3、年金記録未統合5000万件が判明
4、防衛汚職で守屋前次官と妻逮捕
5、各地で食品偽装発覚
6、中越沖地震で死者11人、柏崎刈羽原発でトラブル多発
7、「大連立」頓挫、小沢民主代表が辞意
8、海自、インド洋から撤収
9、国民投票法が成立
10、日本列島74年ぶり猛暑、熊谷・多治見で40.9度

海外
1、米サブプライム問題、国際金融市場揺るがす
2、6カ国協議、北朝鮮の核無能力化で合意
3、原油価格急騰、100ドル目前に
4、米軍が増派、イラクで混迷続く
5、温暖化に国際的関心、ゴア氏にノーベル賞
6、中国食品・製品への安全性問題深刻化
7、仏大統領にサルコジ氏、英豪でも首相交代
8、ミャンマーで僧侶デモ、邦人カメラマン死亡
9、イランが核開発本格化、国連が制裁強化
10、 ハマスがガザ制圧、中東和平挫折



2007年12月24日(月)  中小企業基盤人材確保助成金

 生涯青春の会の会員で少人数事業をしている人がいるので、一つの情報のキッカケとしてマイミクのフレンチフリゲートさん
http://mixi.jp/show_friend.pl?id=688599
のNLS事務所報、中小企業基盤人材確保助成金(助成金:年収はいくら?)
http://nlsroumu.blog102.fc2.com/blog-entry-59.html
を引用します。
この記録はエンピツにも収録しました。
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助成金:年収はいくら?
2007年12月22日(Sat)

助成金
中小企業基盤人材確保助成金

この助成金はどうすればもらえるか、手っ取り早く言うと、

1、新しく事業を始めた
2、その事業に300万円設備投資した
3、その事業のために年収350万円以上の人材を雇った

というものです。2と3のクリアにはイロイロな喜悲劇が繰り広げられますが、今回は3の「350万要件」といわれるものに関してです。

言うまでもなく、支給申請は6ヵ月後350万円の半分175万円以上払ったことの証明を求められますが、当然払う前に「いくら払うのか?」という見込みをも求められます。

その見込みは350万円ギリギリというわけにも行きません。なぜかというと…
350万以上の年収のヒト(基盤人材)が1人なら良いのですが、これが複数になると差別を求められる場合があるのです。

例えば基盤人材Aの下に基盤人材BとCがつく場合、より責任の重いAのお給料がBやCと同等の350万円では、責任が重いのに給料が同等とはどういうわけだ、となるわけです。

しかし立ち上がったばかりの企業の場合、上の人物だからお給料が高い、とは一概に言えない場合が多いのです。責任が重いという理由だけでA氏の350万を400万、500万と上げると、6ヵ月後はどうなっているか分からないということで、それだけ払えない可能性もあります。

しかしたった3人の会社でも「組織図」を求めるお役所のことです。重責=高給というイメージが1人歩きしているのです。社長の給料ゼロで、社員の給料ウン十万という会社は現実に多々あります。それだけ社長は会社に捧げ尽くしているのです。そういう心情は助成金の要件には余り加味されません。

では年収400万だと半年で200万払わないと助成金は出ないのか?というのは基本的にはないといえます。しかし助成金はコロコロ変わる制度で、しかも細かいところは説明会に出ても分かりません。ここが「助成金社労士」が生きられる理由であるのは、社会の喜劇か悲劇でしょうか。
http://nlsroumu.blog102.fc2.com/blog-entry-59.html



2007年12月23日(日)  高齢者虐待は1万2623件・死者32人

 高齢者虐待の5割は息子なのである。特筆すべきことは虐待を受ける8割が認知症という現実だ。
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=22372303&comm_id=698599

 SilverTreeさんが高齢者福祉情報に2007年12月20日の毎日新聞の報道をトピックしている。
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=26240676&comment_count=0&comm_id=698599

 この報道の要点をメモしょう
1、06年度に確認された虐待件数は1万2623件である
2、うち家族や親族による虐待が1万2569件、施設内での虐待54件である
3、虐待が原因の死亡事案(事件)31件(32人)に上ることが新たに分かった。

この数字は行政機関が把握したデーターである。実際はこの数倍と考えるのが常識だろう。
生涯青春の会で「認知症にならない生き方を」という旗を掲げての活動をしている。この活動が社会から評価される時が必ずあると確信している。




2007年12月22日(土)  極貧困層(相対的貧困率)について

 12月18日に書いた「単純労働者の受け入れ」の書き込みで、極貧困層(相対的貧困率)の第1位がアメリカで17%、第2位が日本で15%と書いた。このことについて、経済協力開発機構(OECD)のデーターを引用して置きたい。何度も日々の映像で繰り返しているが、政府は都合の悪いデーターは発表しないので、通常の報道のみでは社会の実態が分からないのである。

相対的貧困率の比較
 貧困率の定義は「所得の分布における中央値の50%に満たない人々の割合」である。先進国のデーターは次の通りである。
米国    17.1
日本    15.3
イタリア  12.9
英国    11.4
カナダ   10.3
ドイツ    8.9
フランス   7.0
スエーデン 5.3
http://www2.ttcn.ne.jp/~honkawa/4654.html

 確かに日本は米国に次いで貧困層が多くなっていることは、預金なしの家庭が23%を超えている事実、
http://www.enpitu.ne.jp/usr2/bin/day?id=22831&pg=20071208
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=657262617&owner_id=3230765

消費者金融を利用している人数が1400万人
http://www.enpitu.ne.jp/usr2/bin/day?id=22831&pg=20071206

もいることで納得できる。

2007年12月21日(金)  若年性認知症

 過日生涯青春の会のメンバーと懇談した。この会の現在の能力は、ニート・引きこもりの青年を何とかコミュニケーションセミナーに参加させる活動が限度で、それ以上の活動はできないことを確認した。この会のメンバーで、これ以上の活動をしているグループがある。会としては、それらの人たちに対して、出来るだけ応援をしたいと思っている。

 この話の中で若年性認知症の話がでた。1週間安静の状態でいると筋肉は20%減少するという。脳も原理は同じであると思う。何も使わなければ退化するのは当然である。現在若年性認知症を発症している人は10万人と言われている。この数が激増すると思うのは私だけであろうか。

 ともかく、若年性認知症のことを書いた2006年12月26日の日々の映像と参考資料を保管する意味で引用したい。

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2006年12月26日(火) 若年性認知症
日々の映像から

12月16日「年性認知症、厚労省が初の実態調査へ」と題して書いた。更にこれらに関する報道が続いている。若年性認知症は65歳以降の認知症を「老人性認知症」と呼ぶのに対し、65歳未満で発症した場合を呼ぶ。患者数について、現在では10万人前後との見方もある。コミュニケーション能力に欠ける若者が多く登場しているので、今後若年性認知症は増えることがあっても減少することはないだろう。社会全体の生活文化が問われているように思う。ここでは関連するURLを貼り付けます。

若年性認知症の苦悩
                   2006年3月27日 読売新聞
若年性認知症(痴呆=ちほう)への理解呼びかけ
2005年7月26日 読売新聞
若年性認知症 気軽に通える施設欲しい
2005年7月4日 読売新聞
若年認知症家族会
http://www009.upp.so-net.ne.jp/fumipako/

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若年性認知症の苦悩
                                 2006年3月27日 読売新聞
若年性認知症と介護保険 介護保険では、40〜64歳の場合、アルツハイマー病などの老化に伴う認知症は保険給付に含まれているが、頭部外傷などは除外される。また、介護保険の対象外の39歳以下は全くカバーされない。
支援活発化・映画題材にも
 「明日の記憶」
 患者・家族が、支援と同様に期待するのがメディアの役割だ。かつて痴呆(ちほう)と呼ばれた認知症が広く知られるようになったのは、72年のベストセラー小説「恍惚(こうこつ)の人」(有吉佐和子著)に負うところが大きいからだ。
 中でも期待を寄せるのが、5月13日に公開される映画「明日(あした)の記憶」。同名の原作(荻原浩著、光文社。04年10月発行)は、山本周五郎賞などを受賞し、現在18万5000部のベストセラーとなっている。
 主演のハリウッドスター、渡辺謙さん(46)が演じるのは、あぶらの乗り切った49歳の広告マン。物忘れに悩まされるようになり、妻の勧めで受診した病院で若年性認知症と診断される。
 二人三脚の闘病生活が始まるが、やがて仕事がままならなくなり、会社を辞めざるをえなくなる。専業主婦だった妻は、家計を支えるため働きに出ることに。家に残され、情けなさと、外で働く妻の生き生きとした様子にしっとして苦しむというストーリーだ。

 働き盛りで発症する若年性認知症には、失業や子育てへの障害など高齢者と違った悩みがあり、特に一家の大黒柱の場合は切実だ。映画を監修した東京都老人総合研究所の本間昭・参事研究員は「現役の社会人が病気でリタイアする苦悩は深い」と話す。
 十数年前、急性骨髄性白血病で銀幕から消えた経験を持つ渡辺さんは「社会との接点を失うことへの恐怖は良く理解できる。でも、それは人生の終わりではない。この映画が、悩んでいる人や家族の案内役になれば」とメッセージを送る。

 「明日の記憶」を試写会で見た家族会「彩星の会」の干場功副代表は「若年性認知症への理解が広がるきっかけになれば」と、5月の公開を心待ちにしている。
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/kaigo_news/20060327ik01.htm

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若年性認知症(痴呆=ちほう)への理解呼びかけ
2005年7月26日 読売新聞
若年認知症家族会のメンバーと話し合う宮永さん(東京都内で)=工藤菜穂撮影 若年性認知症治療の草分けとして知られる精神科医。患者に向き合うのと同じくらいのエネルギーを、患者を支える家族の支援に注いでいる。

 「認知症は働き盛りの40、50代でも、それより若くても発症するし、若い場合は失業、子育てなど高齢者とは違った悩みを抱えている。それなのに社会の理解は低く、対策もほぼゼロに等しい。ましてや苦労している家族への支援はない」

 設立に奔走した家族会「彩星の会」の会合では、「聞き手のこちらが泣きたくなるような」切実な悩みや訴えが堰(せき)を切ったように語られる。認知症と診断されて3日間泣き通した現役サラリーマンの夫から、『君は世界で一番不幸な女性だね』と言われた妻は、『意識がはっきりしている時に、夫婦で過ごす時間をもっと作っておけばよかった』としみじみ語った……。

 「若年の認知症への理解を深め、患者さんや家族が、これからの人生を、病気と共生しながら社会の中で普通に暮らせるようにしたい、それがわれわれサポーターの願いです」



 群馬大医学部時代の1991年度と92年度に、群馬県が実施した認知症患者の県内調査に参加。そこで初めて65歳未満の患者がいることを知った。

 「夫や妻が壊れていく姿を見るだけでもつらいのに、『あなたと結婚したからこうなった』などと周囲に言われ、うつ病やアルコール依存症になってしまう家族もいる。実情を知れば知るほど、何とかしなきゃ、と思いましたね」

 折しも、高齢化がクローズアップされ、高齢者向けの予算やサービスはどんどん増えていくのに、「高齢者以外は、受け入れ先が精神病院しかなく、生活保障もほとんどない」。

 当時の厚生省に掛け合ったところ、「実態がわからないと対策が立てられない」と言われた。そこで、96年度に国の補助事業で調査を実施した。その結果、全国に少なくとも約2万6000人(18〜64歳)の患者がいることがわかった。

 若年対策の必要性は認識されたが、政策にはなかなか結びつかない。2000年にスタートした介護保険でも、40〜64歳の「老化に伴う認知症」だけは保険給付に含まれたものの、認知症になった原因が栄養障害、頭部外傷などの場合は対象外だ。39歳以下は、原因を問わずカバーされない。

 「これは家族を中心に声を上げていくしかない」と、知り合いの医師や看護師、ソーシャルワーカー、作業療法士らに呼びかけ、2001年に家族会を設立した。会の名前には、「再生」の意味も込めた。



 会では現在、2か月に1回の定例会と個別相談、週1回の電話相談のほか、年1回の旅行も行っている。昨年からは、若年専用のミニデイサービス「スタープラス」を月1回、東京都内で始めた。今後は、若年の介護ができるヘルパー養成のための教材開発や、職場を離れた患者が再度、働けるような雇用の場づくりにも取り組む予定だ。

 興奮と暴力が特徴とされる若年の患者は、高齢者が多い施設からは拒否されがち。その点、イギリス、オランダ、スウェーデンなどには、若年専用の入居・通所施設があるという。

 「そうした施設を全国各地に広めたい。同時に、街なかにある喫茶店やスポーツクラブなどに通えるようになればもっといい。そのためにも、社会の理解を深めることが不可欠です」(猪熊律子)

 若年性認知症 65歳以降の認知症を「老人性認知症」と呼ぶのに対し、65歳未満で発症した場合を呼ぶ。記憶・言語障害などを引き起こす原因となる主な病気は、アルツハイマー病と脳血管性障害。脳の前頭葉が委縮するピック病や、アルコール性は若年に多い。患者数について、現在では10万人前後との見方もある。

 ☆若年認知症家族会・彩星の会の連絡先は、(電)03・3403・9050。ホームページはhttp://www009.upp.so-net.ne.jp/fumipako/

 ☆ほかに、「朱雀の会若年認知症家族会」((電)0742・47・4432=奈良県)、「若年認知症者支援の会愛都(アート)の会」((電)090・3658・3594=大阪府)などがある。
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/kyousei/sasaeru/20050726ik02.htm



若年性認知症 気軽に通える施設欲しい
働き盛りなのに物忘れ、幻覚……離職で行き場失う
 働き盛りなのに物忘れが激しくなり、社会生活を営むのが困難になる「若年性認知症(痴呆(ほう))」。認知症は高齢者の病と思われがちだが、若くして発症すると一般的に進行が早いとされ、家計への打撃も大きい。ところが、医師も含めて周囲の理解は不十分で、受け入れ施設も少なく、本人や家族の苦悩は深い。(渕ノ上将孝)

■家族の会で励まし合い
高齢者とは違った介護の悩みを語ろうと集まった家族たち(福岡市内で) 6月上旬。福岡市の中心部にあるビルの一室で、若年性認知症患者の家族7人が顔を合わせた。

 49歳で発症した夫(55)を持つ女性は、これまで、2か所の介護施設で入所を断られたという。高齢者に比べて体力があるため、徘徊(はいかい)などをした時に止めるのが難しい、というのが施設側の理由だ。

 3月20日、震度6弱の揺れに見舞われた福岡県西方沖地震の時は、家が大きく揺れる中で夫を抱きしめた。「お父さん、今、地震やったんよ」と話しかけても、「ふん」とつぶやくだけ。揺れを認識できていないようだった。

 会社員だった夫は、発症後1年で勤めを辞めた。女性はパートの仕事で家計を支えているが、夫の病状が悪い日は休まなければならないのが現実だ。

 30歳代の女性も口を開いた。8年前、ふさぎ込むことが多くなった当時54歳の母親を病院の精神科に連れて行った。「うつ病ですね。絶対、治らない」。ぶしつけな言葉を返した医師は、認知症の初期症状を見抜けなかった。

 別の総合病院では担当医がすぐに転勤してしまい、後任の医師への引き継ぎもなかった。納得のいく治療を受けられないまま、病状は進行し、今では排せつの仕方さえわからない。「あの人が私を見ている」と幻覚を訴えるようになり、家族は夜も気が休まらない日が続く。「もう途方に暮れて……」。涙であとは言葉にならなかった。

 家族たちの会合は、「呆(ぼ)け老人をかかえる家族の会」福岡県支部の呼びかけで、4か月ごとに開かれている。世話人の岩切裕子さん(71)は、「同じ境遇の人が語り合うことで、みんな苦労しているんだから自分も頑張ろう、という気になれる。症状の進み具合を把握して、今後どうなっていくのかの心構えもできる」と話す。

■社会活動進行予防に
 若くして発症した場合は、高齢者ばかりの介護施設へ通うのをためらう人が少なくない。そんな中、福岡市の施設の取り組みが注目を集めている。

 九州一の繁華街・天神のオフィスビル内にあるデイサービスセンター「天神オアシスクラブ」。室内から和やかな笑い声が聞こえてくる。50歳代から、上は90歳代まで、主に要介護1、2の軽度の認知症患者約30人が集まっている。

 毎週1回、エアロビクスを改良した「ケアビクス」や音楽、陶芸、はがき絵、造形教室、それに足裏療法などを行っている。介護保険の適用施設だが、入浴サービスはなく、むしろカルチャー教室の雰囲気に近い。

 「今までは、若い人や、症状が軽い人たちが気軽に通える『一歩手前』の施設がなかった。プライドが高い人ほど『あんな年寄りの行く所はいやだ』と思いがち。行き場を見つけてあげることが必要です」と施設長の中島七海さん(55)が語る。

 47歳で発症した越智俊二さん(58)が描くタンポポの絵は、クラブのパンフレットの表紙を飾るほどの腕前だ。中には、数日通っただけで表情が明るくなる人もいる。

 日本社会事業大学の今井幸充(ゆきみち)教授(精神医学)は、「若くして発症した男性の場合、仕事を離れると自宅にこもりがちで、結果として進行を早めてしまう傾向がある。完治は難しくても、進行を抑えるのは可能だ。知的活動や社会行事に加わると予防的な効果が期待できる」と指摘する。

 ◎「呆け老人をかかえる家族の会」(本部・京都市)は、平日の午前10時から午後3時まで、無料の電話相談(0120・294・456)を受け付けている。

 ◎天神オアシスクラブの問い合わせは、メールアドレス=tenjin-d.c@seagreen.ocn.ne.jp

若年性認知症
 若年性認知症 認知症のうち65歳未満で発症するケース。旧厚生省の研究班が1997〜98年度に行った調査では、患者数を全国で約2万6000人(18〜64歳)と推計した。その後、全国的な調査は行われていないが、10万人程度と指摘する専門家もいる。40〜64歳の老化に伴う認知症は、介護保険が適用される。
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/kaigo_news/20050704ik05.htm

若年認知症家族会
http://www009.upp.so-net.ne.jp/fumipako/

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若年認知症:社会との絆、再び 患者ら集いボランティア−−東京・新宿に支援センター
 ◇「まだできることある」

 働き盛りを襲う「若年認知症」。専門的な施策が皆無とされる中、離職を余儀なくされた患者が社会との絆(きずな)を取り戻すための社会参加支援センター「ジョイント」が10月、東京都新宿区にオープンした。患者や家族の悲願だった試みがようやく動き出した。【磯崎由美】

 ■離職余儀なくされ

 繁華街のビルの一室。午前10時、「出勤」した利用者がタイムカードを押す。現在利用者は7人。公務員、弁護士、社長……。みんな第一線で働いてきた50〜60代の男性だ。

 ジョイントは患者の社会参加を進める厚生労働省の研究補助金事業で、NPO法人・若年認知症サポートセンターが運営する。利用者は週3日通い、スケジュールをこなす。この日は午前中が工芸品作り、午後は近所の清掃ボランティア。

 「定年になったら何をしようかなと思っていたのに、辞めてみると寂しいものです」。神奈川県の男性(57)は2年前、病気のため公務員の職を失った。デイサービスで高齢者と鶴を折っていてもむなしかった。ここでは同年代どうしで昔の仕事の話もできる。

 趣味はカメラ。みんなの提案で、撮りためた写真でカレンダーを作った。「私たちにもまだできることがあることを知ってほしい」。パソコンで作った販売広告を見て、スタッフがうなった。「さすが、完ぺき!」

 ■「企業に出向」目標

 若年認知症は65歳未満で発症する認知症の総称で、推計4万人。計算ができない、書類が書けない。職場で異変が表れ、退職に追い込まれる人が多い。

 高齢者と違ってまだ子も小さい。大黒柱であるべき自分が負担をかけていることにいらだち、家族に当たっては自己嫌悪に陥る。所長の比留間ちづ子さん(東京女子医大病院作業療法士長)は「特に男性は職場が唯一の社会との接点。それを失うと閉じこもってうつ状態になり、病状が進む」と話す。

 授産施設やデイサービスではない。利用者がここから企業に出向するのが目標だ。「新しい事を覚えるのは難しいけれど、培った能力は体に染みついている」と比留間さん。実際、清掃ボランティアも利用者が区役所と交渉し、実現した。

 元テレビ局ディレクター(56)は家にいた時に比べ、認知検査の結果が改善されている。取材で世界を巡った時の写真を見るうちに、色彩豊かな絵を描けるようにもなった。「絵はがきにして販売するつもりです」

 ■家族も介護楽に

 一日の最後、「業務日誌」を書く。「お昼、何食べたっけ」「さばのみそ煮だよ」「人が食べてたものは覚えてるんだけどなあ」

 午後3時過ぎ。家族が迎えに来た。妻たちも自分の時間ができて介護ストレスが減った。でも、夫婦二人で交通費が1日5000円かかる人もいる。「もっと家の近くにあればいい」。みんなの願いだ。

 認知症でも仕事や病状によっては可能なことがある。関係者はここでの成果をまとめ、本格的な若年認知症支援策につなげる方針だ。問い合わせは若年認知症サポートセンター(03・5919・4186)へ。

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毎日新聞 2007年12月20日 東京朝刊



2007年12月20日(木)  仮想水(バーチャルウォーター) について

12月3日〜4日、大分県別府市にて、第1回アジア・太平洋水サミット が開催され、最終日の4日、「別府からのメッセージ」を発表して終了した。
これに関連してバーチャルウォーターのことを整理しておきたい。

1、肉や小麦などを輸入することは、それを作るのに要した水を輸入することでもある。この間接的に輸入する水を仮想水というのだ。 東大生産技術研究所の沖大幹教授の試算によると、牛肉は1キロで20トンの水が必要だ。牛の飼料を育てるのに水を使い、牛も大量の水を飲む。
2、牛丼1杯当たりに2トンもの水が使われている計算。
3、仮想水の総輸入量は約640億立方メートル/年と推計しており、これは日本国内での総水資源使用量約900億立方メートル/年の3分の2程度にあたるという膨大なバーチャルウォーターなのだ。
 中国は砂漠化の進行が激しい。国全体としては水不足の国である。その中国が野菜類を日本に輸出することは誤りだと思う。野菜の輸出でなく水を日本に輸出しているのだ。

一番の問題は900億立方メートルもの水が汚染されていないかである。国民が食べる食料は、国で作るという発想が必要だ。

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第1回アジア・太平洋水サミットの開催について
平成19年12月5日
12月3日〜4日、大分県別府市にて、第1回アジア・太平洋水サミット が開催され、最終日の4日、「別府からのメッセージ」を発表して終了した。
この水サミットは、水の問題について、アジア・太平洋地域諸国の首脳級が議論する初めての国際会議で、主催者は、アジア・太平洋水フォーラム(NPO。会長は森喜朗元総理)/第1回アジア・太平洋水サミット運営委員会。アジア・太平洋地域の36の国・地域(我が国を含む)が参加し、福田総理大臣を含む10の国・地域より首脳級が、約20ヶ国より閣僚級が、またユネスコなどの関係国際機関代表、国連「水と衛生に関する諮問委員会」議長のオランダ国皇太子殿下も参加し、全体規模で約300人の参加があった。外務省からは、宇野治外務大臣政務官が初日に出席、太平洋島嶼国首脳等との朝食会、ハン・スンス気候変動国連事務総長特使との個別の会談も行った。
 NPO主催のこのサミットには、日本政府側も開催に当たって必要な支援を行った。
12月3日の開会式では、本年11月1日に国連「水と衛生に関する諮問委員会」名誉総裁にご就任された皇太子殿下もご出席され、お言葉を述べられた他記念講演を行われた。また、福田総理大臣が日本政府を代表して歓迎の挨拶を行い、この水サミットでの活発な議論が、北海道洞爺湖サミットにきわめて大きな力と知恵を与えてくれるものと期待している旨述べた。
12月4日に発表された議長総括:「別府からのメッセージ」では、水サミット参加者が、水の問題の重要性を改めて確認した上で、アジア・太平洋地域各国政府への提言として、水と衛生をアジア・太平洋地域の各国の経済・開発、政治課題における最優先課題とし支援を拡充すること、北海道洞爺湖サミットに向けての具体的な目標として、1)国連ミレニアム開発目標の1つの水と衛生に関する目標を達成できるよう支援を行うこと、2)途上国による気候変動への適応を支援するため直ちに行動を起こすことを設定する、などについて共通の見解に達した旨が記された。
「水」に関して厳しい状況にあるアジア・太平洋地域において(注)、首脳級が集まって、水問題の解決が最優先の課題であるとの共通の認識を再確認した意義は大きい。
(注)安全な飲料水、衛生施設にアクセスできない人口(約7億)が世界の中で最も多い地域。世界の水災害(洪水、暴風雨等)の死者の80%以上が集中。

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水サミット―汚染はひとごとではない
 「仮想水」(バーチャルウオーター)という言葉をご存じだろうか。
 肉や小麦などを輸入することは、それを作るのに要した水を輸入することでもある。この間接的に輸入する水を仮想水というのだ。
 東大生産技術研究所の沖大幹教授の試算によると、牛肉は1キロで20トンの水が必要だ。牛の飼料を育てるのに水を使い、牛も大量の水を飲む。牛丼1杯当たりに2トンもの水が使われている計算だ。
 日本は世界から大量に食糧を輸入しているので、仮想水の輸入量も世界一である。世界で水の不足や汚染がひどくなれば、たちどころに日本の食卓にも響く。世界で起きる水問題は、決してひとごとではないのだ。
 そんな問題意識もあって、大分県別府市で開かれたのが、初めての「アジア・太平洋水サミット」である。福田首相ら36カ国・地域の首脳らが出席し、「別府からのメッセージ」を採択した。
 安全な飲み水を利用できない人たちを15年までに半減し、25年までにゼロにする。各国は途上国に手を差し伸べるために、ただちに行動を起こす。そんな目標が掲げられた。
 アジア・太平洋地域は、面積が広大で人口も多い。それだけに各国が解決すべき課題も様々である。
 洪水や津波の被害もあるが、最も深刻なのは水の不足と汚染だ。国連がまとめた報告書によると、安全な水を飲めない人は世界で12億人にのぼり、このうち約60%がアジア・太平洋地域で暮らしている。トイレなどの衛生施設を持たない人は世界で24億人、その70%以上をアジア・太平洋地域で占める。
 今回の水サミットを機に、開催国である日本に対し、途上国の期待は一層高まるだろう。食糧とともに仮想水を大量に輸入している国としても、きれいな水を作ることに協力し、仮想水を途上国に還元することを考えたい。
 その際、水不足の対策にはダムを、水質汚染には下水道を、といった対応がすぐに思い浮かぶ。だが、いずれも巨額の費用がかかる。そのうえ、大きなダムは環境を破壊する恐れもある。
 参考にしたいのが、たとえば、アフガニスタンやパキスタンで医療や農業の支援活動を続けている市民団体「ペシャワール会」の取り組みだ。
 アフガニスタンでは、飲み水を確保するために掘った井戸は1500本にのぼる。農業用水路は第1期の13キロが完成し、砂漠化した千数百ヘクタールの大地を潤した。この事業は延べ38万人の住民の働き口をつくることにもなった。
 ほかにも、水の浄化や節水、海水の淡水化などで蓄積してきた様々な技術を役立てることができるにちがいない。
 安全な水をなかなか手にすることができない人たちに思いをはせ、何ができるかを工夫する。「別府からのメッセージ」を、そのきっかけにしたい。
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仮想水(バーチャルウォーター) 詳細解説
 農産物の生産や製品の製造、輸出入することは、その際に必要となる水(仮想水)を、購入者が間接的に消費したことになる。たとえば、日本は多くの農産物を輸入しているが、輸出国では栽培のために水が消費されており、それを仮に国内で栽培しようとすると多くの水、すなわち仮想水が必要となる。この、農産物の輸入によって日本が節約できた水資源を仮想水と呼ぶ。ロンドン大学のアラン教授によって1990年代初頭に提唱された。農産物などの輸入(移動)による水資源が足りない地域における水資源の節約や水資源の自給率向上の議論などで使用される考え方である。食パン1斤ができるまでに必要な水は500〜600リットル、ステーキ200グラムが食卓に届けられるのに必要な水は、約4000リットルであるといわれている。東京大学の沖大幹助教授らは、仮想水の総輸入量は約640億立方メートル/年と推計しており、これは、日本国内での総水資源使用量約900億立方メートル/年の3分の2程度にあたる。また、そのうちの約6割がアメリカからであると推計している。ミネラルウオーターなどの輸入量は2000年において年間19.5万立方メートルであることから、年間3000万トンに及ぶ輸入食糧に含まれる間接的な水量は、直接的な水の輸入量よりはるかに多いものと考えられる。ただし、単位面積あたりの収量は環境によって異なるため、ある製品の単位量を生産するのに必要な水量は、国によって異なることに注意が必要である。







2007年12月19日(水)  福田内閣支持率の急落

 首相は945万件について、「公約違反というほど大げさなものなのか」と語った。さらに「公約でどう言っていたか頭にさっと浮かばなかった」と、国民の神経を逆なでするような言葉も飛び出した。これでは支持率が急落するわけだ。支持率は調査新聞によって、かなりの違いがある。ここでは12月16日の日経の調査を参考とした。

 日本経済新聞社が14〜16日に実施した世論調査で、福田内閣の支持率が43%と11月の前回調査より12ポイント低下した。不支持率は13ポイント上昇の46%となっている。ヤフーの調査によると、支持は24・1%に減少する。更にネット調査によると、なんと支持3・1%不支持96.9%となっている。

 兎も角、国民が納めた保険料が分からないと言う大失態に対する厚生労働相と福田首相の発言が余りに軽いことが、支持率急落の原因だと思う。


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内閣支持43%に急落、「年金」「防衛省」不満映す・日経世論調査
 
日本経済新聞社が14―16日に実施した世論調査で、福田内閣の支持率が43%と11月の前回調査より12ポイント低下した。不支持率は13ポイント上昇の46%で、9月の内閣発足以来初めて支持を上回った。海上自衛隊によるインド洋での給油活動に関しては「再開すべきでない」が44%を占め、39%の「再開すべきだ」と逆転した。
 内閣支持率の急落は、該当者不明の約5000万件の年金記録について、来年3月までに照合・通知を終える「公約」の実現が困難になったことや、防衛省を巡る一連の不祥事が影響したとみられる。2ケタの落ち込みは安倍前政権で年金記録漏れ問題が参院選の争点に浮上した5月の調査以来。 (2007年12月16日日経21:30)

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「軽すぎる」政治家の言葉はなぜ? 年金問題
2007.12.16 産経新聞

このニュースのトピックス:福田内閣
 誰のものか分からない年金記録約5000万件のうち、約2割が統合困難であることが判明し、「最後の1人、最後の1円まで確実に年金を支払う」という政権公約の実現は絶望的になった。ところが、福田康夫首相や舛添要一厚生労働相からは公約撤回に対する謝罪の言葉は聞かれない。民主党など野党は、1月15日まで再延長された国会で政府・与党を追及していく構えだ。政治家の言葉の軽さに、年金不信だけでなく政治不信も広がりつつある。


言葉の軽さ

 「記録統合作業はエンドレスで、できないこともある」。舛添要一厚生労働相は11日の記者会見で、あっさりと公約断念を表明した。

 来年3月までの照合完了−。なぜ、政府・与党は、できもしない公約をしたのだうか。夏の参院選で、自民党が劣勢を盛り返そうと、誤解を承知で誇張し過ぎた結果、公約の中身が変質したことに原因がある。

 「最後の1人まで記録をすべてチェックし、正しく年金を支払う」。

 参院選前、安倍晋三首相(当時)が何度となく街頭演説で使ったフレーズだ。自民党は「5000万件を1年間ですべて統合できる」とのチラシを作成した。政府や自民党は記録の持ち主の手がかりを探すための作業に過ぎない「照合」と、記録の持ち主を特定し修正する「統合」を、しばしば混同して使った。

 この結果、「来年3月までの照合完了」は「来年3月までの問題解決」として国民に浸透していった。自民党のチラシについては、野党が何度も国会で取り上げ批判したが、明確に訂正されることはなかった。

 福田康夫首相も10月3日の衆院本会議で「来年3月までに実施する」と安倍政権の作業スケジュールの踏襲を明言。舛添氏は「最後の1人、最後の1円まで確実にやる」とさらに踏み込んだ。

 だが、福田政権は、国民が年金記録の公約をどのように理解しているのか、あまり気に留めていなかった節がある。

 首相は945万件について、「公約違反というほど大げさなものなのか」と語った。さらに「公約でどう言っていたか頭にさっと浮かばなかった」と、国民の神経を逆なでするような言葉も飛び出した。

 14日には「誤解を招いたという意味では、説明した人の責任でもある」と謝罪を口にしたが、これは混乱を招いたことをわびただけとみられる。「みなさんが公約違反だと決めつけているから、いくら抗弁しても、なかなか説明するのは難しい」とも述べているためで、相変わらず公約違反との認識は持っていないようだ。

 安倍政権は年金対応のまずさがきっかけで支持率が急落した。それだけに、与党内では、福田首相の発言と世論の温度差の乖離(かいり)に懸念が広がりつつある。

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なぜ特定困難?

 社会保険庁が発表した5000万件の内訳によると、照合プログラムで基礎年金番号と統合可能な記録は全体の2割の1100万件だ。これに対して、4割にあたる1975万件は手作業で手書き台帳などにさかのぼらなければならず、そのうち945万件は、手書き台帳と照合したとしても統合が困難であることが分かった。

 どうして、多くの記録の統合困難となったのだろうか。社保庁によると945万件の大半は、(1)社保庁職員のオンラインシステムへの入力ミス(2)加入者が就職条件をクリアするために氏名や年齢を虚偽申請(3)企業が節税対策で架空の人物を届け出ていた(4)海外に移住したり、かつて日本で働いていた外国人の記録−とみられるという。

 (1)の場合、データのどの部分が間違っているのかが分からず、無理に類推すれば別人の記録と混同する可能性も高まる。(2)と(4)は、本人や企業からの申し出がない限り手がかりをつかむのは難しい。(3)は、持ち主が現れるはずもない。

 945万件以外も統合作業が簡単だとは言い難い。社保庁は照合プログラムの一致条件を広げるなどして、さらに調査を行うが、最後は手書き台帳との照合が必要だ。ところが、手書き台帳には戦災で焼失したり、劣化で判読不能になっているものもあるためだ。

 死亡とみられる280万件や結婚で姓が変った510万件は、記録確認を促す「ねんきん特別便」の送りようがない。社保庁は自治体の広報などで呼びかけるが、遺族年金などの仕組みを詳しく知らない人は少なくなく実効性は未知数だ。
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年金記録紛失問題をめぐる主な発言

【7月12日】

・最後のお1人にいたるまで、記録をチェックし、まじめにこつこつ保険料を納めた方々にしっかりと正しい年金をお支払いする(安倍晋三前首相)

【8月28日】

・5000万件は「最後の1人、最後の1円まで確実にやる」ということで取り組む(舛添要一厚生労働相)

【10月3日】

・平成20年3月までをめどに、基礎年金番号に未統合の5000万件の年金記録について名寄せを実施し、記録が結びつくと思われる方に加入履歴を送る(福田康夫首相)

【10月31日】

・どうしても分からない記録が出ることはあり得るが、9割以上順調に進めば、作業が失敗という評価にはならない(舛添厚労相)

【11月21日】

・選挙のスローガンだから、いい加減に言った話ではない。そういう意気込みでやるし、現実に一生懸命やっている。ただ「来年3月までに最後の1人、最後の1円まで」とは言っていない(舛添厚労相)

【12月11日】

・統合作業はエンドレスだ。できないこともある(舛添厚労相)

・選挙中だからある程度簡素化して言ってし

まった(町村信孝官房長官)

【12月12日】

・公約違反というほど大げさなものなのかどうかね、と思いますけどね(福田首相)

【12月13日】

・公約でどういう風に言っていたかが頭にさっと浮かばなかったから、「公約違反というほど大げさなことではないのではないか」と言った(福田首相)

2007年12月18日(火)  単純労働者の受け入れ

 介護業界をはじめ人手不足を感じる業界は多い。しかし、仕事に就けない人が270万人余りいる。

総務省統計局
http://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/index.htm
の2007年11月30日データによると10月の完全失業率は4.0%で完全失業者数は271万人なのである。

 注目すべき世論調査がある。労働力不足の分野では、外国人の単純労働者を受け入れてもよいと考える人が63%いるという。「政府は、単純労働者を認めない方針だが、労働力不足の分野で容認する人が半数を超えていた。しかし、日本人の雇用に悪影響があるなどの理由で、受け入れに反対する人も31%あり、方針の転換に慎重な人たちも少なくない」(毎日から)

 総務省統計局のデーターによれば、就業者数は6424万人と1年前に比べ13万人減少している。毎年10万人以上就労者が減少するのは、これだけの少子化であれば当然である。気分の重くなることを記述するが、高齢化社会のなり行きで認知症患者が毎年約10万人増加する。

 このような背景から、追って単純労働者を受け入れざるを得ないであろう。どのような現象が起こるか、言うまでもなく単純労働者の賃金が上昇しない。所得の格差がますます広がることが避けられないような動き言わねばない。

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毎日世論調査:外国人労働者容認63% 雇用悪化に懸念も
毎日新聞 2007年12月16日 
 
労働力不足の分野では、外国人の単純労働者を受け入れてもよいと考える人が63%いることが、毎日新聞の全国世論調査(電話)で明らかになった。政府は、単純労働者を認めない方針だが、労働力不足の分野で容認する人が半数を超えていた。しかし、日本人の雇用に悪影響があるなどの理由で、受け入れに反対する人も31%あり、方針の転換に慎重な人たちも少なくない。
 外国人労働者については、88年6月に閣議決定された「第6次雇用対策基本計画」で「専門的・技術的労働者は積極的に受け入れ、(単純作業の繰り返しである)単純労働者は慎重に対応する」とし、単純労働者は事実上受け入れない施策が続けられてきた。
 政府方針について聞いたところ、労働力不足の分野での受け入れ容認が58%あり、「条件を付けずに単純労働者を受け入れるべきだ」が5%だった。一方、「現行通り、受け入れるべきではない」は31%だった。
 「受け入れるべきでない」と回答した人に理由を聞くと、「日本人の雇用や労働環境に悪影響を与える」が51%と最も多く、次いで「治安が悪化する」35%、「風習の違いによるトラブルが起きる」10%、「社会保障費や教育費などの負担が増える」3%だった。
 社会保障や教育費の負担を主に誰が担うかは、「雇い入れる事業主」と「労働者が必要な産業界」がいずれも38%。「外国人労働者自身」「国民全体」は双方11%と低かった。
 ◇若者は容認傾向
 毎日新聞の世論調査では、約6割が外国人の単純労働者受け入れを「労働力不足の分野」という条件付きで容認したが、特に若者にその傾向が強かった。しかし、受け入れ拒否の理由に、労働環境悪化を挙げる人が多かったことは、労働力不足への懸念に加え、雇用不安が広がったことを示している。
 労働力不足の分野で容認した人を年代別でみると、70代以上は44%と半数以下だが、20代は73%に達していた。若者に抵抗感が薄まっているとみられる。
 04年5月の内閣府世論調査では、(1)「単純労働者は受け入れるべきでない」26%(2)「労働力が不足する分野では受け入れてもよい」39%(3)「条件を付けずに受け入れるべきだ」17%−−だった。
 調査方法が違うため単純比較はできないが、今回調査では、(2)の条件付き受け入れが19ポイント増え、逆に(3)の条件なし受け入れが12ポイント減ったのが目立つ。
 また、受け入れ拒否の理由は、内閣府調査では、「治安が悪化する」が74%と突出し、「風習の違いによるトラブルが起きる」49%、「日本人の雇用や労働環境に悪影響を与える」41%だったが、今回は、治安悪化は少なく、雇用への懸念が半数あった。
 04年当時は不法滞在者が急増しており、内閣府調査では治安悪化への懸念が色濃く出た。今回は雇用不安が影響したとみられる。【外国人就労問題取材班】

2007年12月17日(月)  不景気に突入の危険

 原油高などを背景とする物価の上昇、年金問題・防衛庁問題などが消費者心理を冷え込ませていると思う。

 内閣府が11日発表した11月の消費動向調査で、先行き半年間の消費意欲などを示す消費者態度指数が前月よりも3・0ポイント下落し、39.8となった。「暮らし向き」「収入の増え方」「雇用環境」「耐久消費財の買い時判断」の4項目すべてで前月よりも悪化している。不景気の突入する危険があると言わねばならない。

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消費動向4年ぶり低水準、内閣府基調判断「悪化」に修正
                     2007年12月12日読売新聞

内閣府が11日発表した11月の消費動向調査で、先行き半年間の消費意欲などを示す消費者態度指数(2人以上の一般世帯、原数値)が前月よりも3・0ポイント下落し、39・8となった。

 2003年12月以来、約4年ぶりの低水準だ。内閣府は基調判断を「弱含み」から「このところ悪化」に下方修正した。「悪化」の表現を使うのは03年3月以来、4年8か月ぶりだ。「暮らし向き」「収入の増え方」「雇用環境」「耐久消費財の買い時判断」の4項目すべてで前月よりも悪化した。
 消費者態度指数が前月を下回るのは2か月連続だ。原油高などを背景とする物価の上昇が、消費者心理を冷え込ませているとみられる。

消費者態度指数
1、消費者マインドを示す消費者態度指数(全国・一般世帯・原数値)は2006年春ごろより、低下基調にある。2006年12月以降では、指数は前年差でもマイナスに転じており、景気の回復が続いてきたものの、消費者態度指数はなかなか高まらず、むしろ悪化するという状況にある。
2、 消費者態度指数(一般世帯・全国)は、消費者マインドを把握できる統計であるが、集計世帯数(有効回答数)が急激に減少していることに加え、その調査世帯に占める高齢者世帯の比率は、国勢調査等から得られる数値よりも高いという特徴がある。
3、 最近の消費者態度指数は、ウェイトが大きい高齢者世帯の動向が指数を押し下げていることなどから、実勢よりも弱めになっている可能性があることは考慮しておく必要があるだろう。

2007年12月16日(日)  今日第26回のスピーチの会を開催する

年の暮れであるので、参加者は通常より10名少々少なかったが、スピーチの会の内容は、かってないほどの充実した内容であった。この会に関心のある方は以下を開いてください。

今日配布した 生涯青春の会会報20号
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=26125330&comm_id=695969

みちこの日記
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=655782444&owner_id=5067327


2007年12月15日(土)  「消えた年金」の照合不可能と開き直る。

 舛添要一厚生労働相は12月11日午後に記者会見を開き、「基礎年金番号に未統合のまま宙に浮いた約5000万件の年金記録の調査結果を発表した。全体の約4割の1975万件は記録に不備があり名寄せは不可能」(12月12日日経)と発表した。

 舛添厚労相は会見で「(記録管理が)ここまでずさんであるということは想定外」と発言。行き先不明で宙に浮いたままの1975万件のうち945万件は、氏名の転記ミスなどによるもので、手書きの原簿と照合しても特定は難しいという。まさに、舛添厚労相は「ここまでずさんであるということは想定外」と開き直っている。

 社会保険庁の職員がコンピューターに入力する際、誤って打ち込んだものが945万件もあるというからあきれはてる。江戸時代でこんな「ずさん極まりない事務作業」をしていれば切腹ものである。ともかく、モラルの喪失は後進国より悪いと言わねばならない。これだけの失態を起こして誰も法的な処分を受けない国が他にあるのだろうか。

年金「年度内解決」を撤回・名寄せ難航1975万件、945万件不可能
                       2007年12月12日日経新聞
舛添厚労相、町村官房長官が年金記録問題で開き直り
                       2007年12月11日 産経新聞
社説:不明年金照合 こんな開き直りは許せない
                      2007年12月12日毎日新聞


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年金「年度内解決」を撤回・名寄せ難航1975万件、945万件不可能
                        2007年12月12日 日経
 舛添要一厚生労働相は11日午後に記者会見を開き、基礎年金番号に未統合のまま「宙に浮いた」約5000万件の年金記録の調査結果を発表した。全体の約4割の1975万件は記録に不備があり、持ち主を特定する作業が難航。このうち945万件は現状では名寄せは不可能となった。政府は来年3月までに問題を解決して「最後の1人まで年金を払う」との方針を事実上撤回。楽観的な見通しを掲げてきた責任を問う声が強まるのは確実だ。
 舛添厚労相は会見で「(記録管理が)ここまでずさんであるということは想定外。エンドレスの作業になるかもしれない」と発言。来年4月以降も持ち主を特定する作業を続ける考えを示した。
 現状では名寄せが不可能な945万件は社会保険庁による氏名や生年月日などの入力ミスがあったり、届け出が偽名だったりした人などの記録。社保庁側で持ち主を特定できないため、記録は浮いたままになり、本来受け取れるはずの年金がもらえない。 (00:35)

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舛添厚労相、町村官房長官が年金記録問題で開き直り
2007.12.11 産経新聞

参院厚生労働委員会で共産党の小池晃氏の質問を聞く舛添要一・厚労相=11
日午後、国会 舛添要一厚生労働相と町村信孝官房長官は11日、それぞれ記者会見で、「消えた年金」記録の基礎年金番号への統合やデータ照合に関する自民党公約などが実現不可能だと開き直った。安倍晋三前首相や福田康夫首相の年金問題解決に関する発言や自民党の参院選での主張にも反するだけに、野党各党は一斉に猛反発した。野党は舛添氏の問責決議案の提出も検討しており、福田政権の足をすくいかねない問題に発展する可能性がある。

これらの発言と調査結果は、政府が「最後の1人に至るまで記録をチェックし、正しく年金をお支払いする」(安倍晋三前首相)との公約が実行不可能だと認めたことを意味する。
 特定が困難な記録が大量に発生することについては、政府・与党内では当初から予測されていた。年金記録の原本である手書き台帳の不備が多数指摘されていたためだ。このため、すべて統合できるかのような参院選での自民党の主張には、将来的に公約違反になりかねないと心配する声もあった。その懸念がまさに的中した形となった。参院選時の自民党の主張は、選挙勝利のために国民に誤解を与えることを承知の上での確信犯的な言動とも言える。
 これに対して 野党各党は「あまりに言葉が軽すぎる」と反発、舛添氏の問責決議案提出も視野に政府・与党を追及する構えだ

民主党の小沢一郎代表は会見で「公約違反で、政府の責任は非常に大きい」と福田内閣を批判。さらに町村発言を「国民を冒涜(ぼうとく)する、責任回避の言いぐさだ」と非難した。福島瑞穂社民党党首は「選挙のためならウソをついていいのか。赤福よりも船場吉兆よりも悪い偽装だ」と切って捨てた。
 ただ、町村、舛添両氏の発言が非常識かどうかは別として、実際問題として、政府が年金記録統合のための新たな対策を見いだせていないのは事実だ。その意味で、両氏の発言は政府の本音でもある。
 福田康夫首相は11日の閣僚懇談会で「国民の信頼を回復するため、対策の着実な実施や国民への丁寧な説明などにしっかり取り組んでもらいたい」と指示したが、舛添氏は特定困難な945万件について「優先順位をつけて検討する」としただけで具体的な対策を示せなかった。
 こうした対応に与党内からは「福田政権はきちんと対応しなければ、年金問題の対応で支持率を落とした安倍政権の二の舞いになる」(若手議員)との声も出始めた。
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社説:不明年金照合 こんな開き直りは許せない
毎日新聞 2007年12月12日
 保険料の納付データがだれのものかわからない5000万件の年金記録のうち約4割に当たる1975万件が、まだ行き先不明で宙に浮いたままであることが明らかになった。しかもそのうちの945万件は、氏名の転記ミスなどによるもので、手書きの原簿と照合しても特定の難しいことがわかった。
 実に5件に1件の記録が今後も迷子を宿命づけられている。大量の持ち主不明記録が出ることに驚く。同時に、社会保険庁の職員がコンピューターに入力する際、誤って打ち込んだものがこんなに多かったとはあきれる。ずさん極まりない事務作業には改めて憤りを覚える。
 社保庁は、宙に浮いた年金記録について、氏名、性別、生年月日の3条件を基に、基礎年金番号が付いた記録1億3000万件と突き合わせ作業を行ってきた。このうち本来の持ち主まで行き着いたのは1100万件。中には、すでに受給していた人の記録も300万件含まれていた。
 しかし、約4割は「名寄せ」まで至らなかった。その内訳は、転記ミスのほか、すでに死亡している人の記録280万件▽結婚などによる氏名変更510万件▽氏名の誤変換240万件−−などという。
 社保庁は今後、検索条件を広げることや手書き原簿との突き合わせを行うというが、身元確認のためには知恵と工夫を総動員しあらゆる手を尽くしてほしい。求められた負担に対して応分の給付が保障されないのでは、とても公正な社会とは呼べない。
 それにしても公約の軽さにあぜんとする。「来年3月」までに照合を終え「最後の一人、一円まで支払う」のは、安倍内閣から福田内閣に引き継がれた約束だったはずだ。
 舛添要一厚生労働相は記者会見で、政府公約の真意について「来年3月」は名寄せ作業を終了することを意味し、すべてが解決することでないと説明した。その上で「公約違反ではない」と強調した。
 また「最後の一人、最後の一円はエンドレスの作業になる」と語り、まるで国民が勝手に公約を誤解し、ばら色の夢を見ていたと言わんばかりの物言いで、承服しがたい。
 もし国民やメディアの受け止め方が間違っていたなら、これまでもただす機会はあった。それを放っておいて、公約達成が無理とわかると、解釈上の問題に帰するのは姑息(こそく)だ。「国民に誤解を与えた」と謝るのが筋だろう。
 政府は、記録照合の工程表が大幅に遅れているのが明らかになった以上、改めて作業スケジュールを示すべきだ。
 これからは人手も時間もかかる作業に入る。人手の確保が心配だが、ベールの向こう側の作業は途中経過を逐一明らかにし、透明性確保も忘れないでほしい。





2007年12月14日(金)  警戒を要する鳥インフルエンザ

ヤフーで今月に入ってから鳥インフルエンザのニュースが10本以上ある。厚生労働省は12月10日、「中国・南京市でヒトからヒトへの感染が疑われる高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)の発症例があった」と発表した。「ヒト・ヒト」感染の疑いは、ベトナム(04年3月)、タイ(同9月)、インドネシア(06年4月)に次いで4例目であるという。

 「WHOによると、今月9日までの鳥インフルエンザ感染者数は12カ国で337人(死亡207人)。中国ではこの親子を含め27人が発症し、17人が死亡している。ヒトからヒトへ容易に感染するウイルス変異が起きた場合、世界的な大流行の危険がある」(2007年12月10日毎日新聞から)

 鳥インフルエンザの最大の脅威は、感染者の6割以上が死亡することである。ヒトからヒトへ容易に感染するウイルス変異が起きた場合、世界的な大流行の危険がある。中国・南京市で「ヒト・ヒト」感染とのことだ。鳥インフルエンザに感染して、あの世に旅立つのは真っ平ごめんである。

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鳥インフル:中国・南京市で「ヒト・ヒト」感染か
毎日新聞 2007年12月10日 
 厚生労働省は10日、中国・南京市でヒトからヒトへの感染が疑われる高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)の発症例があったと発表した。「ヒト・ヒト」感染の疑いは、ベトナム(04年3月)、タイ(同9月)、インドネシア(06年4月)に次いで4例目で、中国では初めて。
 中国政府が世界保健機関(WHO)に報告した。それによると、男性(24)が11月24日に発症し、12月2日に死亡。さらに同居する父親(52)が3日に発症し、治療を受けている。
 南京市がある江蘇省では今年、鳥インフルエンザの発生報告がなく、死亡した男性が病気の鳥に接触した形跡がないため、最初の感染源は分かっていない。父親は男性から感染した可能性がある。
 WHOによると、今月9日までの鳥インフルエンザ感染者数は12カ国で337人(死亡207人)。中国ではこの親子を含め27人が発症し、17人が死亡している。ヒトからヒトへ容易に感染するウイルス変異が起きた場合、世界的な大流行の危険がある。【清水健二】
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・鳥インフル、人からの感染を否定=中国
(時事通信) (12月11日13時2分)
- 南京の鳥インフルで厚労省「限定的な人・人感染の疑い」
(サーチナ・中国情報局) (12月11日12時20分)
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- <鳥インフルエンザ><続報>人から人には感染しない!感染家族2人の検査結果が判明―中国(Record China)         (12月11日9時2分)
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- <鳥インフルエンザ><続報>人から人には感染しない!感染家族2人の検査結果が判明―中国(Record China)       (12月11日9時2分)
- 【ポーランド】鳥流感、中部で再び発生、ウイルスはH5N1型(NNA)
(12月10日20時42分)
- <続報>2人目の鳥インフルエンザ感染、地元では鳥肉食が激減―江蘇省(Record China)                 (12月10日16時56分)

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- <続報>2人目の鳥インフルエンザ感染、地元では鳥肉食が激減―江蘇省(Record China)                 (12月10日16時56分)
- 江蘇で男性2人が鳥インフル、人からの感染否定(サーチナ・中国情報局)
(12月10日14時16分)
- 同一家庭から2人の鳥インフルエンザ感染者、人から人への感染の疑い強まる―江蘇省(Record China)             (12月8日22時16分)
- 同一家庭から2人の鳥インフルエンザ感染者、人から人への感染の疑い強まる―江蘇省(Record China)              (12月8日22時16分)
- 中国、鳥インフルエンザに感染した男性が死亡=新華社(ロイター)
(12月3日10時43分)
・中国、鳥インフルエンザに感染した男性が死亡=新華社(ロイター)
-                        (12月3日10時43分)

鳥インフル、人間へ感染促す変異を特定・東大など
(10/5 いきいき健康)
 鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)が、人間に感染しやすい性質を獲得する際に不可欠とみられる新たな変異を、河岡義裕・東京大教授を中心とする日本とベトナムの国際チームが5日までに特定し、米専門誌に発表した。
 こうした変異が重なると、人間の世界で爆発的に流行する「新型インフルエンザ」の出現につながると懸念されている。河岡教授らは昨年、やはり人間への定着に重要な別の変異も見つけており、これらの変異を監視することで、新型出現の危機がどれだけ差し迫っているかの判断に役立つと期待される。
 チームは2004年にベトナムの1人の患者ののどと肺からそれぞれ採取した、2種類のH5N1型ウイルスを比較。のどの方のウイルスは、表面のタンパク質のアミノ酸が1カ所、グルタミン酸からリシンに変わっており、マウスに感染させると、のどや鼻など気道上部のさまざまな細胞で増殖しやすく、哺乳類の一般的な体温(約37度)より低い約33度でも増えることが分かった。〔共同〕

農水省、英国から鶏など輸入停止・鳥インフル発生で
(11/14 いきいき健康)
 農林水産省は14日、英国で鳥インフルエンザが発生したことを受けて、13日から鶏などの輸入を停止したと発表した。英国からはブロイラー用として鶏のひなを2006年で16万1530羽輸入している。英国産は輸入量全体の4分の1に相当するが、同省は「業者が輸入先を米国などに振り替えて対応するので国内への影響は大きくない」とみている。


韓国からの鳥肉輸入停止・鳥インフル発生で
(11/26 いきいき健康)
 農林水産省は26日、韓国で鳥インフルエンザが発生したことを受けて同日付で鶏肉などの輸入を停止したと発表した。韓国からの家禽(かきん)肉の輸入量は2006年で1296トンで、全輸入量の0.2%。農水省は国内需給に影響はないとみている。





2007年12月13日(木)  世知辛い世の中になってきた

 灯油・ガソリン価格ともに過去最高値を記録している。配達灯油の価格は18リットル1841円となり初めて1リットル100円を超えた。今年に入ってから灯油で約3割、レギュラーガソリンが約2割上っている。低所得者にとっては、厳しく寒い冬になると言える。

 こんな背景から今まで考えられなかった事件が起こっているので書き留めておきたい。
1、ガソリンや灯油の盗難被害が止まらない
2、ガソリンや灯油の盗難が増え始めたのは9月ごろから。北海道や東北、北陸をはじめ、関東、中国、四国など広範囲で被害が確認されている。
3、民家やマンションなどの屋外に置いてあるタンクが盗まれる事件が多い
4、愛媛県宇和島市消防本部消防車からガソリンが抜き取られる被害に遭った
5、漁船など停泊中の船からガソリンタンクが盗まれる事件まで発生。陸も海も関係なく、被害が広がっている。

世知辛い世の中になってきているとの認識を深めなければならない


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<灯油価格>107円上昇、ガソリン価格ともに過去最高値 毎日新聞 - 12月05日 19:42)
石油情報センターは5日、ガソリンスタンドの小売価格調査(3日現在、消費税込み)を発表した。灯油(店頭)の全国平均価格は18リットル当たり前週より107円高い1735円、レギュラーガソリンも1リットル当たり同4.8円高い154.9円と、ともに87年の統計開始以来の最高値を大幅に更新した。また、配達灯油の価格は18リットル1841円となり初めて1リットル100円を超えた。

 高値の更新は灯油が5週連続で、レギュラーは11月19日以来2週間ぶり。上げ幅は灯油が湾岸危機時の90年9月25日時点に次いで過去2番目で、レギュラーは今年11月5日に次ぐ過去5番目の大きさとなった。今年の最安値からの上げ幅は灯油で約3割、レギュラーが約2割に上っている。

 大幅な値上がりは、原油価格高騰による調達コストの上昇を受け、石油元売り各社が12月出荷分のガソリンなどの石油製品卸値を7円程度引き上げたため。元売り最大手の新日本石油が、傘下の給油所に値上げを強く指示したこともあり、全国の他社系列の給油所もほぼ一斉に追随した。

 今後の価格について石油情報センターは、「月初に様子を見てから値上げする意向の給油所もある。月内の全国平均価格はレギュラーの場合、数十銭単位だが上がるのではないか」と見込んでいる。【増田博樹】

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原油高騰 燃料盗が止まらない 消防車まで被害 (1/2ページ)
2007.12.8 22:08 産経新聞

原油高騰で相次ぐ燃料盗。消防車まで被害に遭った ガソリンや灯油の盗難被害が止まらない。原油価格の高騰の影響で値上がりが続く中、屋外に置いたタンクが被害に遭うばかりでなく、港に停泊中の船に積まれたタンクが盗まれたり、さらには消防車からガソリンが抜き取られるという事件まで発生した。拡大の一途をたどった金属盗を想起させる、年の瀬間近の“石油盗”のエスカレート。「本当に世知辛い世の中」。灯油盗難の被害に遭った女性はまゆをひそめた。

 「人命にかかわることで、信じられない犯行。市民を守る消防車から盗むなんて言語道断です」

 こう憤りを隠さないのは、消防車からガソリンが抜き取られる被害に遭った愛媛県宇和島市消防本部の中隊長。

 事件が発覚したのは今月2日。市内の消防団詰め所で、団員が定期訓練のため消防車に乗り込みエンジンをかけたところ、満タンのはずの燃料表示がほぼゼロになっていることに気付いた。

 市がすべての詰め所を点検した結果、被害は9カ所に及び、消防車7台と携行用タンク2個から計280リットル(4万1000円相当)のガソリンが盗まれていることが判明した。

 無施錠の詰め所に侵入し、ポンプなどでガソリンを抜き取ったとみられ、市危機管理課の担当者も「燃料切れで出動できない事態を考えるとぞっとする。許せない」と怒り心頭だ。

 全国各地で、ガソリンや灯油の盗難が増え始めたのは9月ごろから。北海道や東北、北陸をはじめ、関東、中国、四国など広範囲で被害が確認されている。

 民家やマンションなどの屋外に置いてあるタンクが盗まれる事件が多いが、三重県志摩市や北海道函館市では先月から今月にかけて、漁船など停泊中の船からガソリンタンクが盗まれる事件まで発生。陸も海も関係なく、被害が広がっている。

 高知市内で8日、灯油盗難の被害にあった飲食店経営の50代の女性は、怒りを通り越してあきれ顔だ。「ファンヒーターの灯油が無くなったので裏庭に行ったら、タンクがなくなっていました。灯油まで盗むなんて、なんて世知辛い世の中になったのかしら」

2007年12月12日(水)  世界で最初に海底に沈む国

 日本には「臭いものには蓋をしろ」という特技があるようだ。東電の断層情報も都合の悪い情報なので蓋をしていたのである。海面上昇の問題について、政府の公式見解を聞いた覚えがない。かなりの情報を把握しているはずであるが、都合の悪い情報なので蓋をされているように思う。

 12月12日東京都の石原慎太郎知事が世界で最初に海底に沈む国といわれる島国のツバルを訪問している。この訪問は大きく扱われていないので、知っている人は少ないようだ。島国ツバルは、平均標高は約2メートルと、まさに水面すれすれの国土で最初に海底に沈む国とも言われている。

 この国のデーターによれば、1993年から2005年までの13年間は年平均で5.7ミリ、海水面が上昇したと言う。

     5.7ミリ×13年=74.1センチ

「島の住民の多くは海水の上昇を信じていなかったが、最近ようやく、誰もが実感するようになった」という。この1年で5.7ミリという数字は、驚異的である。このデーターが正しいとすると、100年で5.7メーター海面上昇があるとの予想が成り立つのである。ツバルは、50年以内に海底に沈むことになる。

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島国のツバル、海面上昇で緊急対策を提案…COP13

【バリ島(インドネシア)=佐藤淳】高潮から島を守る貯水池や、塩水に耐えられる穀物の導入などの緊急対策を――。(2007年12月8日2 読売新聞)


 南太平洋の島しょ国ツバルは8日、気候変動枠組み条約第13回締約国会議(COP13)で、海面上昇に脅かされる島国を救う緊急対策を提案した。島しょ国は、暴風雨や高潮の頻発ですでに国の存立が脅かされているとし、2010年までに必要な資金を国際協力で準備するよう求めている。
 ツバルは、このほかに洪水や高潮で被害を受けそうな住宅の移転、暴風雨に強い住宅の導入、地下水への塩水の浸入で不足する飲み水の確保、高波を緩和する植林など、具体的な対策を示した。実際に被害が発生した際、損失を穴埋めするための国際的な保険制度を作ることも求めている。
 島しょ国グループの代表は8日の記者会見で、「緊急に対策が取られなければ大量の環境難民が出てしまう」と訴えた。
(2007年12月8日22時25分 読売新聞)
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 地球温暖化による海面上昇の結果、「世界で最初に沈む国」といわれる南太平洋の島国・ツバル。
 http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/natnews/environment/86228

被害の実情を確かめるため、東京都の石原慎太郎知事が今月12日に同国を訪れ、大潮のときには冠水する広場などを視察した。平均標高は約2メートルと、まさに水面すれすれの国土はこの先どうなってしまうのか。水没しつつある島国の実情を探った。(溝上健良)

■ようやく実感

 国際空港の滑走路では子供たちがサッカーに興じていた。
 首都・フナフティにある空港に隣国のフィジーから定期便が来るのは、週に2回だけ。そのときはサイレンが鳴って全員避難するが、普段は滑走路も格好の遊び場だ。

 滑走路の北側にある集会場は、浸水被害の“名所”となり、近年は外国人見学者が増えている。

 町役場職員のアピネル・ティリさん(47)は、「昨年2月の大潮のときには、床上浸水ギリギリのところまで海水が上がってきた。来年は浸水するだろうよ」と話す。「島の住民の多くは海水の上昇を信じていなかったが、最近ようやく、誰もが実感するようになった」とも。

■年5.7ミリ上昇

 政府のペペトゥア・ラタシ気候変動対策官によると、1993年から2005年までの間、ツバルでは年平均で5.7ミリ、海面水位が上昇した。それに伴って海岸浸食も進み、海岸線の後退が問題となっている。

 その実例が、フナフティの北西約15キロにある南北約250メートル、幅100メートル足らずの無人島・テプカ島だ。小舟にゆられること40分、島に上陸してみると、海岸線が削り取られ、根元を波に洗われたヤシの木が何本も横倒しになっていた。

 案内してくれたエセラ・フォエタシさん(31)は、「このあたりでは年に1メートルくらい、海岸線が後退している。あそこのヤシの木も、来年の今ごろは海の中だ」とポツリ。遠浅の海に潜ってみると、10メートルはあろうかというヤシの木が数本、海底に横たわっていた。

■大潮で道浸水

 満潮時に直径30メートルほどになるバサファ島にも寄ってみた。海に浮かぶ盆栽のような美しい島だ。サンゴ砂が吹き寄せられて、ここ10年で島はむしろ大きくなっているというが、これ以上、海面水位が上昇すればひとたまりもない。

 海面水位の上昇が、国民生活へ与える影響も。

 現地のタクシー運転手(47)は、「大潮のときは道路は一面、水浸しだよ」と苦笑いする。海に囲まれていることもあり、この国では車の耐久年数は短い。浸水が繰り返されれば、さらに車の傷みもひどくなる。

 高潮に伴って地面から塩水がわき出すため、塩害で耕作できなくなったタロイモ畑も出ている。

 「海水温の急激な変化でサンゴの死滅もみられ、近海の漁獲量も減っている」(ラタシさん)

 日本よりも人口密度が高いツバルでは、食糧の自給もままならなくなり、缶詰など加工食品の輸入が増えている。

■政府も省エネ

 よりよい生活を求めて、海外移住を目指す人は年に100人以上。移民申請の代行業もしている国会議員のカウセア・ナタノさん(50)は「みんなツバルを愛し、後ろ髪を引かれる思いで出ていくんだ」と嘆く。

 危機感を強めたツバル政府も自ら、地球温暖化の原因とされる温室効果ガスの排出削減に動き始めた。政府庁舎のエアコンは午後4時で停止。バイオ燃料の導入も始めたほか、来月からは関西電力の協力で、サッカー場の観客席の屋根に40キロワットの太陽光発電パネルを設置する工事も始まる。

 電力はすべてディーゼル発電に頼っているが、太陽光で国の電力の1%強をまかなう計画だ。ラタシさんは「他国に要求するだけでなく、自らも排出を減らし、大国にアピールしたい」と語る。

 沈みゆく国土を救うために、何ができるのか。日本をはじめ、各国の取り組みも問われている。

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【用語解説】ツバル
 日付変更線に近い、総面積約26平方キロメートルの赤道直下の島国。約1万人が9つの島に分かれて暮らしており、人口密度は日本より高い。国土はサンゴ礁からなり、標高は高いところでも5メートル程度。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告書によると、地球温暖化の影響で今世紀中に海面水位は18〜59センチ上昇するとされているが「この数値は過小評価だ」との意見もあり、今世紀中にツバルの国土全体が水没する恐れも指摘されている。


2007年12月11日(火)  山田洋行・予想を遥かに超える水増し請求と支払い

驚きを超えた時はどのような表現を使うのだろう。軍需専門商社「山田洋行」による防衛装備品代金の過大請求問題は予想を遥かに超えた内容になっている。これほどの税金の無駄遣いがあっては、驚きを超えまさに怒りである。
防衛省は10日、「新たに5件の取引で過大請求があった疑いが極めて強いことを明らかにした。このうち独メーカーとの計4件の取引の水増し率は約7割に及ぶという」(12月10日朝日新聞)
山田洋行、新たに5件過大請求か 防衛庁調査に社員同行
               2007年12月10日23時33分朝日新聞
山田洋行、見積書31件偽造か 過大請求の可能性
               2007年12月07日08時07分朝日新聞
空自機でも3千万円過大請求 防衛省、山田洋行調査へ
               2007年12月06日11時41分朝日新聞
山田洋行、新たに5件水増し…2億2400万円高く請求  
               2007年12月10日23時53分 読売新聞

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山田洋行、新たに5件過大請求か 防衛庁調査に社員同行
2007年12月10日23時33分朝日新聞
 軍需専門商社「山田洋行」による防衛装備品代金の過大請求問題で、防衛省は10日、新たに5件の取引で過大請求があった疑いが極めて強いことを明らかにした。このうち独メーカーとの計4件の取引の水増し率は約7割に及ぶという。同省は同社との計約700件の取引についてさらに調査を続ける方針。また、00年度の海上自衛隊ヘリコプターの装備品をめぐる過大請求問題で、防衛庁(当時)の担当者が海外のメーカーに確認に出向いた際、山田洋行の社員らが同行したこともわかった。増田好平・防衛事務次官は「公平性の観点から好ましくない」として当時の調査のあり方に疑問を示した。
 同省は、海外メーカーから山田洋行を代理店として納入された02年度以降の装備品取引(中央116件、地方550件)について、メーカーに見積書のコピーを送り、正規のものかどうか確認を進めている。山田洋行はすでに2件の取引について「見積書を改ざんして過大請求していた」と認め、取引停止処分となっている。
 防衛省によると、中央分の取引先29メーカーのうち、これまでに8社から計39件について回答があり、独メーカー「ラインメタル」など2メーカー計5件で、同省側が山田洋行から受け取ったメーカーの見積書の内容と、メーカーが山田洋行に請求した金額が違うことなどから、過大請求の疑いが強まった。
 01年度に契約したライン社製の迫撃砲用訓練弾など4件(計3億4000万円)では、2億2450万円が水増し分だった疑いが強いという。02年度以降のライン社との取引計31件も契約額が同様に高く、引き続き調査する。しかし、取引形態が山田洋行と関係が深い別の会社を挟む形に変わっていることから、思うように確認が進んでいないという。
 また、山田洋行が01年3月に契約した海自哨戒ヘリの装備品「チャフ・フレア射出装置」の代金を過大請求していたにもかかわらず、約1億9000万円減額して再契約し、処分を受けなかった問題で、防衛庁の米駐在担当者らが02年3月と同5月、確認のために英メーカー「BAEシステムズ」の米国内の拠点を訪れた際、山田洋行や同社の米国子会社の社員が同行したこともわかった。
 この調査でBAE社は02年2月、防衛庁に「山田洋行が見積書を偽造した」と回答したが、同3月に「正規のものだった」と打ち消す文書が届いていた。今回の調査で、3月の文書は偽造された疑いが強まっている。
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山田洋行、見積書31件偽造か 過大請求の可能性
2007年12月07日08時07分朝日新聞
 軍需専門商社「山田洋行」による防衛装備品代金の過大請求問題で、ドイツのメーカーがつくり、山田洋行が代理店として納入した弾薬など31件の取引について、このメーカー側が「(山田洋行が提出した)見積書が、自社が出した正規のものと確認できない」と防衛省に回答したことがわかった。同社はメーカーが出した見積書を改ざんする手口で過大請求しており、同省はこの31件でも不正があったかどうか確認を進めている。
 件数で過去6年間の山田洋行との取引の4分の1を占め、過大請求がかなりの範囲に及ぶ可能性が出てきた。調査を進めている防衛省は、近く途中経過を公表する方針。
 防衛省は11月から、山田洋行が代理店となった海外メーカーとの取引のうち、02年度以降の123件(総額184億円)について、山田洋行が出したメーカーの見積書の真偽をメーカーに直接確認する方法で、過大請求があったかどうか調べている。山田洋行はすでに海上自衛隊の救難飛行艇器材など2件で見積書を偽造し、過大請求したことを認めたため、取引停止処分を受けている。
 新たに過大請求の疑いが出てきたのは、ドイツのメーカー製の迫撃砲などの弾薬類や訓練器材など31件。11月末、このメーカー側が防衛省を訪れ、これらの取引について「見積書が自社が出したものかどうか調べたが、確認できない」と説明したという。同省は見積書が改ざんされた可能性があるとみて、山田洋行関係者に事情を聴き、過大請求の有無を確認する。
 山田洋行をめぐっては01年3月に契約した海自哨戒ヘリコプターの装備品「チャフ・フレア射出装置」の代金を過大請求したにもかかわらず、約1億9000万円減額して再契約し、何の処分も受けなかったことが問題になっている。製造した英国メーカーは02年2月に「山田洋行が見積書を偽造した」と説明したが、直後の同年3月、「やはり正規の見積もりだった」とするメーカーの文書が防衛庁(当時)に届いた。今回の調査でメーカー側は「そういう文書は出していない」としており、3月の文書は偽造だった疑いが強まっている。
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空自機でも3千万円過大請求 防衛省、山田洋行調査へ
2007年12月06日11時41分朝日新聞
 軍需専門商社「山田洋行」が01年、航空自衛隊の輸送機C130の装備品代金を3000万円過大に請求していたことが防衛省の調査でわかった。同時期に契約された海上自衛隊の装備品とともに過大請求が疑われていたが、防衛庁(当時)は輸送機の装備品については詳しい調査を行わなかったという。防衛省は近く山田洋行への立ち入り調査を行い、社員から事情を聴く方針。
 新たな過大請求がわかったのは、C130に装備された「チャフ・フレア射出装置」。英国メーカー「BAEシステムズ」社製で、すでに過大請求が判明している海自の哨戒ヘリコプターなどへの装備品と同じ種類。01年9月の米国同時多発テロを受けてC130がパキスタンに派遣されるのに伴い、01年度補正予算で3セットの購入が決まった。
 防衛省によると、BAE社の代理店だった山田洋行は3セットを1億9000万円とするBAE社の見積書を提出。だが、01年3月に契約された海自ヘリなどの装置24セットとともに金額が割高なためBAE社に確認したところ、「見積書に問題がある」という回答が来たという。回答の直前に山田洋行は3000万円減額した見積書を出し直し、防衛庁は02年1月、1億6000万円で契約した。
 BAE社からは同2月、「哨戒ヘリ、C130ともに見積書は偽造だった」という連絡があった。防衛庁は、C130については「契約前に自ら減額した」とし、ヘリについてのみ詳しい調査に入ったという。
 山田洋行の防衛省への納入品ではこれまでに哨戒ヘリ装備品のほか2件で過大請求が判明していた。同省は同社との取引123件について調査を進めている。
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山田洋行、新たに5件水増し…2億2400万円高く請求  
2007年12月10日23時53分 読売新聞

 防衛専門商社「山田洋行」(東京都港区)の水増し請求問題で、防衛省は10日、迫撃砲の砲弾など新たに5件の契約について、水増し請求だった疑いが強いと発表した。

 いずれもメーカー側の見積書を偽造したとみられる。
 同省によると、新たに判明した5件のうち4件は、2001年度に同省が山田洋行から購入した独メーカー製の迫撃砲訓練用弾薬と付属部品。4件合わせて計約3億3800万円で、山田洋行の米国現地法人を経由して仕入れていたが、メーカー側の見積書より計約2億2400万円が水増しされていた。もう1件は、航空自衛隊の空中警戒管制機(AWACS)の地上整備用機材。米国のメーカー製で、05年度に2個を計27万3000円で購入した。水増し額は約12万円とみられる。
(2007年12月10日23時53分 読売新聞)

2007年12月10日(月)  東電:重大事実をなぜ隠すのか

 東京電力が柏崎刈羽原発の沖合などで七つの活断層の存在を確認していた事実が明らかになった。「原発立地の根拠を文字通り土台から覆しかねない重大な事実だ。長い間、隠していたことに、住民はまたしても裏切られたという思いだろう。」〔日報社説から〕地元住民の東電に対する不信感は決定的なものになった。
 
 活断層は中越沖地震のマグニチュード(M)6.8を上回る最大M7.5の地震を引き起こす可能性を秘めているという。国も事実を知りながら放置していたというから大変なものだ。M7.5と言えば、今回の地震の15倍近いエネルギーの地震が起こる可能性があるのだ。原発立地の根拠の土台が崩れたデーターと言っても過言でない。

柏崎刈羽原発沖の活断層、東電調査で長さ23キロと判明
               (2007年12月6日1時51分 読売新聞)
柏崎原発活断層 重大事実をなぜ隠すのか
               [新潟日報12月7日(金)社説]

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柏崎刈羽原発沖の活断層、東電調査で長さ23キロと判明
(2007年12月6日1時51分 読売新聞)
 東京電力は5日、新潟県中越沖地震で被災した柏崎刈羽原子力発電所沖の日本海で、同原発沖18・5キロの海底に長さ23キロの活断層を見つけたことを明らかにした。

 この活断層が今回の地震を引き起こした可能性があるという。同日開かれた経済産業省原子力安全・保安院の審議会に報告した。東電は今後も周辺の活断層調査を進め、想定地震の規模の見直しを急ぐ。
 1981年の設置許可申請時は、この活断層の一部しか見つけられず、長さ8キロと短く評価。しかも、活動性の低い地盤の変形「褶曲(しゅうきょく)」と判断し、国もその評価を追認していた。
 2003年に「褶曲も活断層の一部」という地震学の新知見を取り入れて過去の調査結果を再評価したが、その時点では、これが長さ20キロの活断層である可能性を認識したものの、地震の規模を見直す必要はないと判断し、その結果はこれまで一度も公表していなかった。
 しかし、今回の調査で、これが活断層だとわかり、従来の想定を上回る規模の地震を考慮する必要が出てきた。
 東電は、「81年当時の知見では、活断層だとはわからなかった。03年の再評価の時も、想定地震の規模に影響しないと考え、公表の必要はないと判断した」(原子力設備管理部)としている。
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柏崎原発活断層 重大事実をなぜ隠すのか
[新潟日報12月7日(金)社説]

 東京電力が柏崎刈羽原発の沖合などで七つの活断層の存在を確認していた事実が明らかになった。
 原発立地の根拠を文字通り土台から覆しかねない重大な事実だ。長い間、隠していたことに、住民はまたしても裏切られたという思いだろう。
 活断層は中越沖地震のマグニチュード(M)6・8を上回る最大M7・5の地震を引き起こす可能性を秘めている。国も事実を知りながら放置していたとは、開いた口がふさがらない。
 東電は2−5号機の設置許可申請のため一九七〇−八〇年代に行った海底断層調査で、当初、活断層はないとしていた。二〇〇三年にしゅう曲構造と活断層の関係を認める新しい評価方法などを基に再評価した。
 その際、東電は七つの活断層の存在を把握し、国にも報告していたという。それが過小評価だったことを初めて認めたものだが、公にはしなかった。国も公表を指示することも、自ら公表することもなかった。
 柏崎原発では当時、燃料データ改ざんやトラブル隠しが相次いで発覚し、一時は七基すべてが停止に追い込まれた。活断層の存在が運転再開の支障になると考えたとすれば、あまりにも身勝手だ。
 東電はその後、何度も活断層の存在を公表する機会があったにもかかわらず隠し続けてきた。中越地震後や原発耐震指針の改定時には、国から耐震性の見直しも求められている。中越沖地震では当の柏崎原発が被災していながら、それでも公表しなかった。
 国も東電以上に責任が重い。公表しなかった理由は「原発の耐震設計に影響しないし、安全上も問題がない」というものだ。住民を到底納得させられる理屈ではない。その時点で国は安全審査をやり直すべきではなかったか。
 東電は中越沖地震後、原発沖合で海底断層調査を実施した。暫定評価とはいえ、専門家などから指摘されてきた七つのうち一つを活断層と断定し、七−八キロとしていた長さが三倍に及ぶことも認めた。しかし、事態はもっと深刻であることがはっきりした。
 専門家は東電が断層を見逃し、断層を連続的なものとして認識していないと批判してきた。そうした主張が正しかったことが裏付けられた格好だ。
 原子力基本法は「公開」「民主」「自主」を原子力利用の三原則に掲げる。今回の事態で露呈したのは、国と東電には三原則を履行する能力を欠いているという事実である。
 ほかに何か隠してはいないか。住民が疑念を持つのは当然だ。原発の評価を当事者の電力会社と国に任せていいのかどうか。そのことを真剣に考えるときだ。


2007年12月09日(日)  雇用に大きな変化が起こると思う



 パート社員・アルバイトを大量に使っている企業に中で、人手不足が原因で経営が厳しくなる先が出てくる様相である。詳しくは省略するが、都心部でパート・アルバイトの時給が上昇している。大局的に低賃金で大量のパート・派遣などを使っている企業は、厳しい環境に追い込まれる気配である。

 このような流れの中で、三井住友海上火災保険は2008年度から、パート社員を正社員に登用する新しい制度を始めている。言うまでもなく、人手不足が深刻になるなか、パート社員の働きがいを高めて優秀な人材を確保する動きである。

 12月6日 三井住友銀行が派遣社員2000人を正社員として雇用すると発表した。派遣社員の正社員化としては、日本企業では異例の大規模なものとなる。バブル期に見られるように、一つの方向にみんなが走るのが日本企業の特質である。今回は勤労者にとって好ましい現象(パート・派遣社員を正社員にする動き)が加速すると思う。

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三井住友銀行:派遣社員2000人を正社員化へ
毎日新聞 2007年12月6日 

 三井住友銀行は6日、グループの人材派遣会社から迎えている派遣社員約2000人を正社員として雇用すると発表した。派遣社員の正社員化としては、日本企業では異例の大規模なものとなる。また、窓口業務などを主に担当している「一般職」を廃止する。すべての社員に幹部社員への道を開くことで意欲を高めるとともに優秀な人材を確保するのが狙いで、一般職の廃止はメガバンクでは初めて。 
 いずれも来年7月1日から実施する。正社員化される派遣社員は来夏以降新設する「ビジネスキャリア職」になり、主に事務職を担当する。現在の一般職は、ビジネスキャリア職か地域限定の個人向け営業職員である「コンシューマーサービス(CS)職」のいずれかを選択できる。
 この結果、同行の正社員は、幹部候補の「総合職」とCS職とビジネスキャリア職の3種類になる。CS職やビジネスキャリア職からも能力次第では幹部社員になることもできるという。
 金融機関はバブル経済崩壊以降、正社員の雇用を抑え、派遣社員などの非正規雇用者で補ってきた。しかし、不良債権問題にめどがついたことや投資信託などの窓口販売拡大で各金融機関が大幅に新卒採用者を増やしていることから、優秀な人材をどう確保するかが課題になっている。【坂本昌信】
英訳


名称 株式会社三井住友銀行
(英語表記:Sumitomo Mitsui Banking Corporation)
取締役会長北山 禎介(三井住友フィナンシャルグループ取締役社長を兼任)
資本金 6,650億円
株主 株式会社 三井住友フィナンシャルグループ 100%
従業員数  17,945人
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三井住友海上、パートを正社員に登用へ
[11月29日/日本経済新聞 朝刊]
 三井住友海上火災保険は2008年度から、パート社員を正社員に登用する新しい制度を始める。人手不足が深刻になるなか、パート社員の働きがいを高めて優秀な人材を確保する。事務の質向上につなげ、保険金不払いや保険料取りすぎの再発を防ぐ。

 三井住友海上には約3600人のパート社員がおり、契約書類のチェック、契約内容のオンライン入力、簡単な事故処理などを担当している。今回の登用対象は、同社が直接雇用している人と、グループの三井住友海上スタッフサービスが派遣した人で、合計約2500人。他の人材派遣会社からのパート社員は対象外とした。

2007年12月08日(土)  貧困層の拡大・・・やっと始まった賃上げ

 この10年間の貧困層の拡大は凄まじい。預金を持っていない家庭の割合をメモすると以下の通りである。
預金を持っていない家庭
1、昭和52〜昭和61年   4.6〜6.4%
2、平成2年            7.3%  
3、平成11年           10.8%
4、平成15年           16.3%
5、平成17年           23.8%           
首相官邸の多重債務問題対策本部から引用
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/saimu/index.html

 賃上げ絶対反対を10年も続けてきた経済連も、上記のデータでは動かざるを得ないのだろう。日本経団連は、2008年春闘で賃上げへ積極的な姿勢を打ち出している。会員企業約1300社に対し12月中旬に示す基本方針で、生産性の向上や団塊の世代の大量退職で余ったお金を、人件費として還元するよう求めるものだ。それにしても、02年から続く景気拡大で、大企業を中心に過去最高の利益を更新する流れが鮮明になって、やっと付加価値増加額の一部を勤労者に回す動きが始まっている。

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経団連、春闘「賃上げ」に積極姿勢
12月2日 読売新聞

 日本経団連は1日、2008年春闘で賃上げへ積極的な姿勢を打ち出す方針を固めた。
会員企業約1300社に対し12月中旬に示す基本方針で、生産性の向上や団塊の世代の大量退職で余ったお金を、人件費として還元するよう求める。02年から続く景気拡大局面で、大企業を中心に過去最高の利益を更新する流れが鮮明となっているためだ。基本方針に基づき、賃上げに踏み切る企業が増えれば、企業から家計へと流れるお金が増え、日本の景気回復にプラスとなる効果が期待できる。

 経団連内部で検討されている、経営労働政策委員会(経労委)報告の原案によると、「恒常的な生産性の向上に裏付けられた付加価値増加額の一部は、(従業員に支払う給与などの総額である)総人件費改定の原資にする」と明記する

2007年12月07日(金)  ヒマラヤ 氷河湖200崩壊(洪水)の危機

ヒマラヤ 氷河湖200が崩壊(洪水)の危機にあるという。

 氷河湖が崩壊して土石流となったら、数万人は死亡する凄まじい災害となるだろう。国連環境計画(UNEP)と共同でヒマラヤの調査を実施している国際総合山岳開発センターの研究者が都内で記者会見し「地球温暖化によるヒマラヤの氷河融解で氷河湖が拡大、約200の氷河湖が決壊し洪水を引き起こす恐れがある」(12月6日新潟日報から)と訴えている。
 
 更に引用すると「氷河湖が決壊し洪水が発生すると、下流の集落の農業や道路、発電所などに多大な被害が及びネパールだけでも25000人が危険にさらされる」と警告している。土石流の凄まじさは、多くの人が知っているが、日本での土石流の高低差はせいぜいで数百メートルである。ヒマラヤ氷河湖が決壊し場合は、数千メートルの高低差の凄まじい土石流になる。地球温暖化の恐ろしさは想像を遥かに超えているのである。
地球温暖化の報道は出来るだけここの収録の予定である


「離婚も温暖化の一因」米研究者が分析
2007年12月4日1 読売新聞

社説 温暖化防止へ志が問われる
2007年12月4日経済新聞

脱温暖化会議―「イチ抜けた」を出すな
京都議定書の概要
二酸化炭素 Co2

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「離婚も温暖化の一因」米研究者が分析
(2007年12月4日13時13分 読売新聞)
 【ワシントン=増満浩志】離婚の増加が地球温暖化の一因になっているという分析結果を、米ミシガン州立大の研究者らがまとめた。

 人数の少ない家庭が増え、エネルギーなどの利用効率が悪化するためで、離婚の影響で増えた米国内の電力消費は、原子力発電所6基分にあたるという。近く米科学アカデミー紀要電子版に発表される。
 ジェングオ・リウ特別教授らは、冷蔵庫の消費電力など、各家庭の維持に必要な資源量は、家族が少なくてもさほど減らないことに着目。離婚による環境への影響を調べるため、米国の約1万家庭について、2005年の統計から、資源の利用状況を分析した。
 その結果、結婚が続いている家庭に比べ、離婚した家庭では、1人あたりの部屋数、電力消費、水消費がいずれも約1・5倍に上っていた。
 米国の離婚率や再婚率から計算すると、離婚していなければ節約できた05年の資源量は、部屋が3851万室、水が2兆3800億リットル。電力は735億キロ・ワット時で、日本の大型原発(135万キロ・ワット)6基分の年間発電量にあたる。
 米国で離婚によって増えた家庭数は、1970年は140万世帯だったが、2000年は610万世帯と4倍以上になった。離婚や別居は世界的に増えていることから、世界各地の11か国についても分析したところ、離婚によって小規模世帯が増え、1人あたりの部屋数も増える傾向は同じだった。
 リウ教授らは「離婚の際、家庭用品を一度処分して買い直せば、廃棄物も増える。子供が別れた親に会いに行くための交通にも、エネルギーが要る。地球環境を守るには、離婚のように環境に悪影響を与える生活スタイルにも目を向けて対策を講じる必要がある」と指摘している。

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社説 温暖化防止へ志が問われる(12/4経済新聞)
 京都議定書に続く地球温暖化防止の新たな枠組みづくりを目指し、国連の気候変動枠組み条約締約国会議がインドネシアのバリ島で始まった。約190カ国・地域の利害が衝突し、合意に至る道は険しいだろうが、各国には「地球益」という大局を見失わない議論、決断を求めたい。京都議定書から離脱した米国、温暖化ガスの大排出国となった中国やインドも含め、すべての国が排出削減の道筋をつけなければならない。

 2009年の合意を目標に、今回の会議ではとりあえず交渉の進め方を明確にする「行程表」をつくる。今回は方向性を示すだけといっても、討論項目や議論の進め方は枠組みの骨格にもかかわるため、行程表づくりでも議論百出は必至だ。

 温暖化防止の一歩として先進国に排出削減を義務づけた京都議定書と違って、新たな枠組みの交渉では発展途上国も巻き込んだ多様な排出抑制・削減の仕組みが議論される。中国やインドなどの大排出国を他の途上国と区分けして排出抑制に何らかの目標を設けたり、産業別の削減目標や途上国への協力を考え出したりするなど、実効性ある排出削減の枠組み構築に向け知恵が試される。

 いずれの議論でも原則になるのは、気候変動枠組み条約に明記されている「共通だが差異ある責任」だ。途上国にいきなり削減義務を課すことがなくても、先進国は削減義務から逃れられまい。日本の産業界はなお削減目標の設定回避を望んでいるように見えるが、甘い願望は早く捨てるべきである。

 米欧や中国などの有力企業150社は先週、法的拘束力のある排出削減の枠組みを求める共同宣言を発表し、日本企業にも参加を促した。国や企業の指導者が温暖化防止で求められているのは高い志である。

 排出削減には困難も伴うが、目先の国益や企業利益にとらわれるあまり、対策が遅れて被害を広げ、取り返しがつかなくなっては元も子もない。経済成長と両立する低炭素社会は是が非でも実現しなければならない。日本は2050年までに世界の排出半減という目標を掲げた。その志が見かけ倒しにならないよう、政府は自らに厳しい目標を課しつつ、米中印を巧みに誘導すべきである。
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・脱温暖化会議―「イチ抜けた」を出すな
              「京都の一歩」をどう引き継ぐか。
 地球の脱温暖化に向けて、国連気候変動枠組み条約締約国会議が3日、インドネシアのバリ島で始まる。
 先進国に二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスの排出削減を義務づける京都議定書のもとになっているのが、この条約である。京都議定書の第1期が12年に終わるのをにらみ、その後の枠組みづくりを話し合おうというのだ。
 10月の準備会合では、09年までに枠組みをつくる方向が定まった。今回は、その期限を確認したうえで、交渉の進め方を決めるのが最大の課題となる。
 このときに最も心がけたいのは、「イチ抜けた」組を出さない工夫だ。
 CO2排出量トップの米国は京都議定書から離脱している。まもなく米国を追い抜くといわれる中国は、途上国の扱いで義務を負っていない。今後の経済成長が見込まれるインドも同じだ。
 今回の話し合いには、この3カ国も加わる。13年からは、これらの国々に応分の責任を担ってもらわないと困る。そのためには議定書の今の方式にこだわらず、議論の幅を広げる必要がある。
 一方で、京都議定書から受け継いでほしいことがある。CO2を大量に出せば金を払い、逆に減らせば得をするという考え方だ。
 議定書は多くの先進国に削減目標を割り当てた。その結果、目標より抑えた分を、出し過ぎたところに売れることになった。国どうしだけではない。欧州では産業界にも目標を課し、企業どうしの排出量取引市場が育っている。
 こうした仕組みは、脱温暖化の技術開発を後押しすることにつながる。
 科学者らでつくる「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」の報告書も、京都議定書の功績として排出量の市場を生み出したことを挙げている。
 だが、今の削減義務方式をそのまま広げることには、反発や異論がある。
 中国やインドは、国民1人当たりのCO2排出量が米国などに遠く及ばない。排出大国として削減義務を負わされることには拒否感がある。一方で、日本の産業界には、省エネルギーに努めてきた実績を顧みずに目標値を決められてはたまらない、という思いが強い。
 話し合いではまず、こうした声を洗いざらい出し合ってはどうか。公平感のある削減目標の割り当て方法を探って、地球規模の排出量取引に道を開きたい。
 09年という期限の定め方は、世界政治の先行きを見通すと興味深い。
 この年に、米国では温暖化対策に消極的なブッシュ政権が終わる。共和、民主のどちらの党が政権に就いても温暖化への姿勢が大きく変わる可能性がある。
 米国と歩調を合わせていたオーストラリアは政権交代で、京都議定書の批准に向かって動きだした。
 潮流の変化をにらみながら、「京都の一歩」をもっと先に進めたい。
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京都議定書の概要
○先進国の温室効果ガス排出量について、法的拘束力のある数値目標を各国毎に設定。

○国際的に協調して、目標を達成するための仕組みを導入(排出量取引、クリーン開発メカニズム、共同実施など)

○途上国に対しては、数値目標などの新たな義務は導入せず。

○数値目標
対象ガス : 二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、HFC、PFC、SF6
吸 収 源 : 森林等の吸収源による温室効果ガス吸収量を算入
基 準 年 : 1990年 (HFC、PFC、SF6 は、1995年としてもよい)
目標期間 : 2008年から2012年
目    標 : 各国毎の目標→日本△6%、米国△7%、EU△8%等。
 先進国全体で少なくとも5%削減を目指す。

http://www.env.go.jp/earth/cop6/3-2.html

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二酸化炭素 Co2
二酸化炭素(にさんかたんそ、英:carbon dioxide)は、化学式が CO2 と表される無機化合物。最も代表的な炭素の酸化物である。

[編集] 性質
常温常圧では無色無臭の気体。常圧では液体にならず、− 79 ℃ で昇華して固体(ドライアイス)となる。水に比較的よく溶け、水溶液(炭酸)は弱酸性を示す。助燃性はない。炭素を含む物質(石油、石炭、木材など)の燃焼、動植物の呼吸や微生物による有機物の分解、火山活動などによって大量に発生する。反対に植物の光合成によって二酸化炭素は様々な有機化合物へと固定される。

また、三重点(-56.6℃、0.52MPa)以上の温度と圧力条件下では、二酸化炭素は液体化する場合がある。さらに温度と圧力が臨界点(31.1℃、7.4Mpa)を超えると超臨界状態となり、気体と液体の特徴を兼ね備えるようになる。これらの状態の二酸化炭素は圧縮二酸化炭素または高密度二酸化炭素と呼ばれている。

[編集] 毒性
二酸化炭素は環境中にごくありふれた物質で、その有毒性が問題となることはまずない。しかし、空気中の二酸化炭素濃度が極めて高くなると、人間は危険な状態に置かれる。濃度が 3〜4% を超えると頭痛・めまい・吐き気などを催し、7% を超えると炭酸ガスナルコーシスのため数分で意識を失う。この状態が継続すると麻酔作用による呼吸中枢の抑制のため呼吸が停止し死に至る(二酸化炭素中毒)[2]。

ストレスや疲労等により呼吸(換気)をし過ぎたり呼吸(換気)が速くなり過ぎたりして人体の血中の二酸化炭素濃度が異常に低くなることがあり、これを過呼吸、あるいは過換気症候群(過呼吸症候群)と呼ぶ。過換気症候群の病態自体が命に関わる事は無いが、背景に身体疾患が隠れていることがあるので注意を要する。

CO2 + 2 Mg → C + 2 MgO
[編集] 生産と用途
工業原料としての炭酸ガスは、石油化学プラントなどから排出されたものを回収し、洗浄・精製を繰り返すことで生産される[3]。工業製品としての炭酸ガスの2004年度日本国内生産量は759,189t、工業消費量は143,788tである[4]。実験室レベルでは石灰石に薄い塩酸を加えるか、炭酸水素ナトリウムを加熱することで発生させる。生ビールやジュースで使用する炭酸ガスボンベはビールの発酵の工程で産出したものを回収して使用している。なお、ボンベの色は緑色と指定されている。

鳥インフルエンザ発生時には、鶏を殺処分する際容器につめて炭酸ガスを注入し安楽死させるという方式が近年ではとられている(茨城県、宮崎県など)。

炭酸飲料や入浴剤、消火剤などの発泡用ガスとして、または冷却用ドライアイスとして広く用いられている。最近では自転車の補充用エアーとしても使われるようになった。また、超臨界状態の二酸化炭素はグリーンな抽出溶媒として、コーヒーのデカフェなどに利用されている。

ハワイ島マウナロア火山で観測された二酸化炭素の大気中濃度(Y軸が310ppmから始まっていることに注意。また周期的に濃度が上下しているのは、夏に植物によって二酸化炭素が冬の時期より多く吸収されるためである)

[編集] 温室効果
二酸化炭素は現在の大気中にはおよそ 370ppm(0.037%)ほどの濃度で含まれるが、氷床コアなどの分析から産業革命以前は、およそ 280ppm(0.028%)の濃度であったと推定されている。濃度増加の要因は、主に化石燃料の大量消費と考えられている。

二酸化炭素は赤外線領域に強い吸収帯を持つため、地上からの熱が宇宙へと拡散することを防ぐ、いわゆる温室効果ガスとしてはたらく。二酸化炭素の温室効果はメタンやフロンにくらべ小さいものの、排出量が莫大であることから、地球温暖化の最大の原因と言われている。1997年には京都議定書によって各国の二酸化炭素排出量の削減目標が示され、各国でその削減を努力することを締結したが、その結果新しいビジネスとして二酸化炭素の排出権取引が誕生した。同時に、バイオマスの利用や燃料電池、ハイブリッド車など、二酸化炭素の削減を目指した代替エネルギーの開発も急ピッチで進められている。

2007年12月06日(木)  多重債務者問題

 1997年1月から書き始めた日々の映像で最も記述回数が多いのは、消費者金融と多重債務者問題である。首相官邸で多重債務問題対策本部がある。
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/saimu/index.html

 この中で平成18年12月26日第1回多重債務者対策本部の議事録が残されている。
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/saimu/dai1/1gijisidai.html

 この中の山本国務大臣の説明資料に示されている多重債務者の人数を引用したい。

*消費者金融の利用者は、少なくとも1400万人、うち借入れ5件以上の多重債務者は約230万人である。

上記はゾッとするような数字で、これが日本社会の影の部分なのである。
2007年12月4日の読売の報道によると「金融庁は4日、5件以上の借り入れがある多重債務者数を初めて公表した。今年10月末は139万人で集計を始めた今年2月末の177万人から約40万人減った」と言うのだ。

これをもとに整理すると次の通りだ。
 平成18年12月    230万人
 平成20年 2月    177万人
 平成20年10月    139万人

 2年余りで多重債務者が91万人も減少したとする金融庁のデータを鵜呑みに出来ない。読売は「昨年12月に成立した改正貸金業法(上限を29.2%から20%以下に引き下げるという法律)の影響で貸し出し審査が厳格化したことや、自己破産申し立てなどの債務整理、過払い金返還訴訟が活発化したことが影響したとみられる」としている。

 一番問題なのは消費者金融の利用金額で2007年10月末は12兆7564億円もある。
 12兆7564億円×20%=2兆5000億円
消費者金融は、低所得者から2兆5000億円もの金利を吸い上げるのでまさに吸血鬼だ。これを許している政治をどう論評すればよいのだ。


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多重債務者、8か月で40万人減…審査の厳格化など影響
2007年12月4日23時16分 読売新聞

金融庁は4日、5件以上の借り入れがある多重債務者数を初めて公表した。
今年10月末は139万人で集計を始めた今年2月末の177万人から約40万人減った。
 昨年12月に成立した改正貸金業法の影響で貸し出し審査が厳格化したことや、自己破産申し立てなどの債務整理、過払い金返還訴訟が活発化したことが影響したとみられる。
 調査では、無担保・無保証の借り入れの総残高も合わせて調べ、2月末は13兆8119億円に上ったが、10月末は12兆7564億円に約1兆円減少した。金融庁は06年5月時点の多重債務者数を約230万人と説明してきたが、今回の基準とは異なるため比較は出来ない。政府の多重債務者対策本部と日本弁護士連合会、日本司法書士会連合会は、12月10日〜16日を「全国一斉多重債務者相談ウィーク」とし、全国各地で無料相談会を開く。自治体職員、弁護士、司法書士が債務整理などの相談に当たる。問い合わせは、県庁や弁護士会などへ。




2007年12月05日(水)  最低賃法改正案参院委で可決 

 11月27日最賃法改正案は参院委で可決された。この内容を把握しょうと思って検索すると「ただいまキーワード検索には多大な要求が寄せられ、結果を表示できない場合があります。ご迷惑をおかけしますがご了承ください。」となって何も把握できない。

 12月5 日になって検索しても、新聞の報道されている概要のみで具体的なことは何も分からない。立法府は法案を成立させても、国民に対して何の説明もしないのだ。この国の仕組みは官僚の職権が中心に出来上がっている。具体的には、厚生労働大臣または都道府県労働局長が最低賃金審議会の調査審議に基づいて決定する職権方式が中心になっている。法案は総論を決めるだけで後は官僚のさじ加減で決まるのだ。果たしてこれでよいのか。

 よって、最賃法改正が改定されたといても、東京の719円・沖縄や東北3県の610円・全国平均で673円の最低賃金〔時給〕がどう改正されるのかは全く分からないのである。法案が成立しても国民に何も伝わらない・・・この国に民主主義があるのだろうかと思わざるを得ない。政治家・首相はこの日本のシステムに疑問を持たないのだろうか。アメリカの大統領であったら国民に対して「最低賃金をこのように改定した」と国民に説明するだろう。

<最賃法改正案>参院委で可決 政府案修正で与党と民主合意
11月27日18時21分配信 毎日新聞

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<最賃法改正案>参院委で可決 政府案修正で与党と民主合意
11月27日18時21分配信 毎日新聞

 労働者の最低賃金を保障する最低賃金法改正案と雇用の基本ルールを定めた労働契約法案が27日、参院厚生労働委員会で採決され、自民、公明、民主党などの賛成多数で可決した。28日の参院本会議で可決、成立する見通し。両法案については、政府案を修正することで与党と民主党が合意していた。

 最賃法改正案は、最低賃金水準が生活保護費を下回っている現状を解消するのが目的。政府案は都道府県ごとの最低賃金水準の決定に際し、「生活保護との整合性も考慮」と記すにとどめていたが、与党は民主党の主張を取り入れ、「労働者が健康で文化的な最低限度の生活を営むことができる」水準を考慮することを明記した。また違反者の罰金を「2万円以下」から「50万円以下」に引き上げる。

 労働契約法案には、労働契約の原則としてパートや派遣など雇用形態にかかわらず、「就業実態に応じて(待遇の)均衡を考慮する」との一文を追加した。今国会に提出されている労働3法案のうち、残る労働基準法改正案は与野党協議が不調に終わり、自民党は政府案を継続審議とする方針。【吉田啓志】


2007年12月04日(火)  ケイタイ、年内に1億件突破へ

 携帯電話の契約件数が年内に1億件に達するという(2007年12月1日/日本経済新聞から)ハードは完璧に出来上がったのだ。問題は個人・企業がこの情報網をどう活用するかである。
 
 生涯青春の会も連絡などをパソコンメールで送る時代ではなくなるので、ケイタイのホームページをスタートさせた。
http://www.just.st/?in=7154051

 ケイタイの活用は、個人・企業にとって大変なテーマである。よって、毎月開くスピーチの会の冒頭に10分余り『ケイタイ活用1ポイント講義』を行なうことにした。

 社会の常識であるのでケイタイ会社名〔略称〕をメモ
NTTドコモ
KDDI
ソフトバンクモバイル
イー・モバイル
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ケイタイ、年内に1億件突破へ
 携帯電話の契約件数が年内に1億件に達する。誰もが携帯を持つ時代となり、市場が飽和に近づく。番号継続制などで競争環境が厳しさを増すなか、携帯会社にとっては需要喚起が課題となる。既存会社から回線を借りて新規参入する「仮想移動体通信事業者(MVNO)」登場など、新たな動きも出始めている。
 NTTドコモとKDDI(auとツーカー)、ソフトバンクモバイルの契約数は10月末で計9954万件。イー・モバイルは四半期ごとにしか公表していないが「11月に16万件を超えた」(広報)。
[2007年12月1日/日本経済新聞 朝刊]

2007年12月03日(月)  時代の変化を感じとろう

 11月22日「仕掛ける人(企業・個人)、仕掛けられる人」と題して書いた。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=631254415&owner_id=3230765

 この書き込みでイオン新潟南ショッピングセンターのことを記述した。
「駐車場のスペースは3560台という規模です。3560台のスペースが土・日ともなると満杯になるのです。」ここに入っている専門店は、164店舗なのである。一つの町が出来たといっても良い。この規模のショッピングセンターが出来ると、2〜30キロ以内の中小のスーパー・店舗は深刻な影響を受けることは必至と言わねばならない。

 イメージになかった報道があった。トヨタ自動車の複合商業施設「トレッサ横浜」の完成である。首都圏で初めのトヨタの商業施設は、12月5日にオープンする。トヨタ系列とダイハツ工業の計6販売店を集結させ、すべてのトヨタ車の購入・整備できる「オートモール」なのである。レストランやショップなどのテナントが最終的には220店入り、客は買い物や食事を楽しみながら、車選びができるのです。

 この規模は新潟に出来たイオンのショッピングセンターと同規模以上の感じである。この複合商業施設「トレッサ横浜」の規模をメモしよう。
・ 敷地面積 約71,000平方メートル
・ 延床面積 約168,000平方メートル
・ 総賃貸面積 約60,000平方メートル
・ 駐車可能台数  2800台
・ 年間集客 1100 万人を見込む

 総賃貸面積60000平方メートルに220の店舗が入るのである。
60,000平方メートルの面積の見当がつかない人もいるかもしれない。
よってここでメモ。

60000平方メートルとは
100メータトル×600メータトル=60000平方メートルである
50メートル×1200メータトル=60000平方メートルである
10メーターの歩道の左右に奥行き20メータトルの店舗が並ぶとその長さは1200メートルになる。
・年間1100万人の集客とは1日3万人の集客なのである。
    3万人×365日=1100万人
トヨタは法規制を言わなければ、このような施設を全国で100ヵ所作るのは簡単なことである。私たちは時代の変化を感じ取らなければならない。
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トヨタの複合商業施設「トレッサ横浜」完成、首都圏で初
           (2007年11月29日23時15分 読売新聞)

仏リヨンの街並みをイメージした「トレッサ横浜」
 トヨタ自動車の複合商業施設「トレッサ横浜」(横浜市港北区)が完成し、29日に現地で記念式典が行われた。
 12月5日にオープンする。トヨタの商業施設は首都圏で初めて。
 トヨタ系列とダイハツ工業の計6販売店を集結させ、すべてのトヨタ車が購入・整備できる「オートモール」とした。レストランやショップなどのテナントが最終的には220店入り、客は買い物や食事を楽しみながら、車選びができる。施設内には、横浜市の姉妹都市・仏リヨン市の街並みを再現。来年3月の全面開業後は、年間1100万人の集客と、350億円の売上高を見込んでいる。

 トレッサ横浜は、東急東横線の大倉山が最寄り駅。
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・『トレッサ横浜』(Tressa横浜)
【仏語】 Tressailler de joieで、「喜びでワクワクする」の意味
・事業主体 (株)トヨタオートモールクリエイト
・所在地   神奈川県横浜市港北区師岡町
・オープン   北棟 : 2007年11月、南棟 : 2008年3月
・階数     地上6階(一部7階)
・敷地面積 約71,000m
     (北棟 : 約30,000m 、南棟 : 約41,000m )
・総賃貸面積 約60,000m
      (北棟 : 約26,000m 、南棟 : 約34,000m )
・延床面積 約168,000m
     (北棟 : 約74,000m 、南棟 : 約94,000m ) ・駐車可能台数 約 2,800台(北棟 : 約1,200台、南棟 : 約1,600台)


2007年12月02日(日)  少子化の主なデーター

11月28日「少子化という問題を転換できないか」と題して書いた。
今日は少子化の主なデーターを引用したい。
2007年11月28日の毎日新聞によれば、少子化で労働力が2030年に1070万人減少するという。あと23年後のことである。

なぜ少子化になるか、最大の原因は父兄にのしかかる教育費なのである。少し古い記録であるが2002年9月27日に書いた「日本の教育費」を引用した。何しろ、「高校だけ私立の場合で、1人当たり660万円余りの費用がかかる。子供3人を高校までやると2000万円もかかる」では3人目の子供を作らない夫婦が多いのは当然なのである。


・日本の教育費 
                     (2002年09月27日の日々の映像から)
・労働力少子化で1070万人減…2030年厚労省推計
                     (2007年11月28日 読売新聞)
・出生率 1・26に下方修正
                     (2006年12月21日 読売新聞)

・将来の出生率 さらに低下!…推計手法の見直し影響
                     (2006年11月15日 読売新聞)

・少子化ハイペース 「人口推計」見直し社保審部会作業に着手 
                     (2006年7月1日 読売新聞)

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日本の教育費 
           2002年09月27日の日々の映像から
 日本の少子化は、統計以上の諸問題が生まれ出て来る。このままの少子化が進むだけで、社会全体を揺るがす構造的な大問題が発生していく。年金などの具体的なテーマはここで記述するまでもない。ただ不思議に思うことは、大問題だ!大問題と言われながら、根本的な問題解決の糸口すら見えないでいる。

 若い夫婦が子供を1人か2人しか産まない理由の第1は「子供の教育にお金がかかること」と答えているのである。日本は義務教育と言いながら表のように小・中学校でもかなりの教育費がかかる。これだけの負担を若い夫婦に求めるようでは、子供をあまり産むなといっているようなものだ。

 左記の学習費総額は、学校教育費、給食費の他に学習塾も含まれているが、少子化対策の大きな柱の1つは、義務教育費の負担軽減だと思う。ここに手を付けられないで、いくら少子化対策を掲げてもその効果は少ない。

 道路特定財源を一般財源(これ以外の目的で使う)に入れようとすると道路族が動いて大騒ぎになる。人がまばらしかいない所に道路を造って何になると言いたい。

 それより少子化という大問題の解決の1つとして、若い子育て夫婦の教育費の負担軽減に大騒ぎをする議員の集団が出来ないのだろうか。以前にも書いたが、こんなテーマは、利権にならないとでも言いたいのだろうか。

 表のとおり、高校だけ私立の場合で、1人当たり660万円余りの費用がかかる。子供3人を高校までやると2000万円もかかる。
http://www.enpitu.ne.jp/usr2/bin/day?id=22831&pg=20020927

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労働力少子化で1070万人減…2030年厚労省推計
(2007年11月28日 読売新聞)

 少子化や人口減少により、2030年の労働力人口は、現在より約1070万人減少する可能性があることが28日、厚生労働省の推計で分かった。
 予想を上回るペースで少子化が進んだため、過去の試算より減少幅が拡大した。労働力人口の減少は、年金などの社会保障制度や経済成長にも影響を与えかねないため、厚労省は「就業支援などの対策が急務」としている。
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出生率 1・26に下方修正
(2006年12月21日 読売新聞)
国立社会保障・人口問題研究所は20日、2055年までの人口変動を予測する「日本の将来推計人口」を公表した。
 女性が一生に産む子供の数である合計特殊出生率は、前回(02年)の推計では1・39で安定するとしていたが、今回は1・26まで大幅に下方修正した。人口は55年には8993万人まで減少する。少子高齢化がさらに予想を上回って加速することで、現役世代が高齢者を支える公的年金などの設計の見直しを迫られそうだ。
・少子化加速、年金見直し不可避
 人口推計は、国勢調査に合わせてほぼ5年に1度公表され、年金の給付水準を決める年金財政の再検証に利用されるほか、今後の経済成長などの予測にも参考にされる。
 出生率については、標準的な「中位推計」は05年の1・26を起点に、上下しながら13年前後に1・21程度にまで下がり、その後は55年の1・26まで緩やかな回復が続くとしている。楽観的な「高位推計」は1・55まで回復するが、悲観的な「低位推計」は1・06まで低下するとした。
 現行の公的年金は、出生率が1・39まで回復するという前回推計を基に設計され、「給付水準は現役世代の収入の50%以上を確保する」としている。しかし、その前提となる出生率の推計がずれたことで、長期的には年金設計の抜本的な見直しが不可欠となりそうだ。
 少子化が加速した主な要因は、結婚しない女性の増加だ。1990年生まれの女性の生涯未婚率は、ほぼ4人に1人の23・5%と推計した。計算方法は異なるが、前回推計の生涯未婚率(85年生まれ)は16・8%。晩婚化も進み、平均初婚年齢は前回より0・4歳遅い28・2歳だった。
 人口は2005年から減少に転じており、25年に1億1927万人、35年は1億1068万人、46年には9938万人となる見通しだ。
 働き手として経済活動の中心となる15〜64歳の人口割合は、05年の66・1%から、30年に58・5%、55年は51・1%まで低下する。現在、働く世代が3人強で1人のお年寄りを支えているが、30年には1・8人で1人を支え、55年には1・3人で1人を支えることになる。
 一方、人口に占める65歳以上の高齢者の割合は、05年の20・2%から、23年に30・0%に達し、55年の40・5%へと倍増。平均寿命は、05年は男性78・53歳、女性85・49歳だが、30年では男性81・88歳、女性88・66歳。55年には男性83・67歳、女性90・34歳まで平均寿命が延びる。
 厚生労働省は今回の推計結果を受け、来年1月にも、年金財政への影響の暫定的な試算を公表する予定だ。
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将来の出生率 さらに低下!…社人研見通し推計手法の見直し影響
                   (2006年11月15日 読売新聞)
国立社会保障・人口問題研究所(社人研)は14日、年内に発表する将来人口推計の出生率は、前回(2002年)より低い水準になるという見通しを明らかにした。
 少子高齢化の進展に加え、「女性の離婚の増加」などの少子化要因をより強く反映させる推計手法の見直しが影響するためだ。
 人口推計は5年に1度の国勢調査結果を利用して実施しており、12月20日前後に公表する予定の次の推計では、2055年までの出生率や平均寿命、人口の推移を予測する。前回の推計では出生率(中位推計)について、「1・31を底として2050年に1・39まで回復する」と予測したが、現実には05年に1・26に下がった。「推計は少子化の見通しが甘い」などの批判が出ており、手法を見直して次の推計に反映させることになっている。
 社人研は14日、厚労相の諮問機関「社会保障審議会人口部会」(部会長=広松毅東大大学院教授)の会合で、手法の改良点を報告した。「ある年代の女性が生涯に産む子供の数を示す出生率(コーホート合計特殊出生率)」の推計に関し、〈1〉少子化に影響を与える「離婚、再婚の増加」を反映させる仕組みを導入する〈2〉女性の晩婚化の影響を再検証する――などの内容だ。

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少子化ハイペース 「人口推計」見直し
社保審部会作業に着手 計算方法を変更
                     (2006年7月1日 読売新聞)
厚生労働相の諮問機関である社会保障審議会の人口部会(部会長・広松毅東大大学院教授)は30日の会合で、社会保障制度設計の基礎となる将来推計人口の算定方法を見直す作業を始めた。
 予想を上回るペースで少子化が進むなど、推計人口の信頼性に疑問の声が出ていることから、計算方法の変更などを検討する。国立社会保障・人口問題研究所は年内に次回の将来推計人口を公表する予定だが、大幅に下方修正された場合、年金制度改革の議論が加速する可能性もある。
年金改革議論加速も
 将来推計人口は、同研究所が5年ごとにまとめている。前回は2002年1月に公表され、04年の年金制度改革はこの推計をもとに行われた。
 推計の計算には、出生率や死亡率、国際人口移動の予測値が用いられる。このうち、出生率(合計特殊出生率)は、02年推計では1・31で下げ止まることを前提としていたが、実際は03年、04年と2年続けて1・29に落ち込み、05年は過去最低の1・25となった。このため、推計では総人口のピークを06年と予想していたが、実際には05年に人口減少が始まった。
 04年の年金改革で決定された現在の年金制度は、2050年に合計特殊出生率が1・39を回復することが前提だ。保険料を17年まで段階的に引き上げる一方、給付水準はモデル世帯で現役世代男性の平均手取り賃金の50%以上を維持できるとしている。推計人口が大きく変動すると、前提が崩れる恐れがある。
 川崎厚労相は人口部会で、「(少子化対策など)今後の政策転換を考えるうえでも、しっかりした人口推計が不可欠だ」と述べた。
 総務省が30日に公表した05年国勢調査の抽出速報集計結果では、出産適齢期にある25〜29歳、30〜34歳の女性の未婚率が前回調査(00年)よりそれぞれ5・9ポイント、6・0ポイント上昇したことがわかった。厚労省の人口動態統計(速報値)では、今年2〜4月の出生数が前年同月をわずかに上回ったことが確認された。
 人口部会では今後、こうしたデータを人口推計に反映させることなどを検討する考えだ。

2007年12月01日(土)  防衛庁落城

防衛庁に検察の手が入ることは、中で働く自衛官にとっては防衛庁の落城に近い衝撃だろう。以前書いたことがあるが、官僚組織の活力の源泉は、省庁間の縄張り争いなのだ。特に国家秘密という黒いカーテンを下ろしている防衛庁、この黒い霧に捜査のメスを入れようとする検察庁・・・この2者は積年の暗闘を繰り返してきたのだ。

守屋前次官は2007年9月3日の離任式で 「一人を以(もっ)て国興り、一人を以て国滅ぶ」と中国の故事を「好きな言葉」として紹介したという。現実は守屋前次官一人のために防衛庁が落城し検察のなすがままである。
同省元職員は「切腹もの」とはき捨てたことが理解できる。

もっと新聞の扱いが大きいと思っていたが11月30日の主なニュースにはなっていない。29日までの主なニュースの目次を掲げたい。時間のある方はURL〔エンピツ〕でお読みください。

 2007年11月29日毎日新聞
・〔社説〕前次官逮捕―防衛汚職の底知れぬ闇
                    2007年11月29日朝日新聞
・元専務「接待はわいろ」認める
2007年11月29 産経新聞
・ゴルフ接待、守屋容疑者と妻が要求
2007年11月29日読売新聞
・防衛汚職:防衛省を家宅捜索 東京地検特捜部
2007年11月29日毎日新聞
・防衛汚職:守屋幸子容疑者「宮ちゃん、私を重役にすれば」

・<防衛汚職>守屋前次官の影響力、輸送機から売店のパンまで
2007年11月28日 毎日新聞
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前次官逮捕―防衛汚職の底知れぬ闇〔社説〕
                  2007年11月29日朝日
 「刑事罰に該当するということであれば、それを逃れる考えは全くない」。自らの疑惑について参院の証人喚問でこう述べた守屋武昌・前防衛事務次官が、収賄容疑で妻とともに逮捕された。
 前次官が軍需専門商社「山田洋行」の元専務からゴルフ接待を受けていたことが明らかになって1カ月余り。底知れない様相を呈していた防衛利権疑惑は、防衛官僚トップの汚職事件に発展した。
 前次官は妻と共謀し、装備品納入などで元専務に便宜を図ったことへの謝礼として、12回で約400万円分のゴルフ接待を受けた。それが逮捕容疑である。
 具体的な便宜として浮かんでいるのは次のような疑惑だ。
 元専務は山田洋行から分かれて日本ミライズをつくった。次期輸送機のエンジン調達で、前次官は日本ミライズと随意契約にするよう動いたのではないか。山田洋行は装備品代を水増し請求したのに、処分されなかった。この決着にも前次官がかかわっていたのではないか。
 装備品調達のほかにも、前次官は日本ミライズの資金集めを助けるため、経済人に口利きした疑惑がある。部下に投資目的で4500万円を預けた問題も発覚したが、真相はいまだに見えない。
 軍用機から制服まで、装備品に投じられる税金は年2兆円程度だ。機密の壁もあって、その実態は外から見えにくい。日本の安全保障に直結する装備品の調達が、業者との癒着によって、どのようにゆがめられていたのか。検察は長年の利権構造に切り込んでほしい。
 山田洋行は巨額な裏金をプールしてきたといわれる。前次官のほかには、どこへ流れたのか。
 注目されるのは政界とのかかわりだ。前次官の証人喚問では、久間章生氏と額賀福志郎・財務相の2人の防衛庁長官経験者が「元専務との宴席に同席していた」と名指しされた。久間氏は「あり得るかもしれない」と述べた。額賀氏は強く否定しているが、その一方で山田洋行に計220万円のパーティー券を買ってもらったことは認めた。
 両氏や元専務が名を連ねたことがある社団法人「日米平和・文化交流協会」も家宅捜索を受けた。政界と軍需産業のパイプ役が事実上運営を担う団体だ。
 政治家と軍需業界との癒着はないのか。その解明こそ検察に期待したい。
 それにしても、官僚トップの汚職が絶えないのはなぜか。リクルート事件では労働、文部両省、特別養護老人ホームへの補助金をめぐる事件では、厚生省の元事務次官が摘発された。これらの事件は何の教訓にもなっていないようだ。官僚組織そのものに汚職を生む構造があると思わざるをえない。
 守屋前次官は4年間も事務次官を務め、軍需産業との癒着については知り尽くしているはずだ。その実態を明らかにし、防衛利権の闇を一掃する。それが国民に対する、せめてもの償いである。

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元専務「接待はわいろ」認める
2007.11.29 12:33産経新聞

宮崎容疑者(左)と守屋容疑者 前防衛事務次官、守屋武昌容疑者(63)の汚職事件で、贈賄容疑で再逮捕された山田洋行元専務、宮崎元伸容疑者(69)が東京地検特捜部の調べに「守屋容疑者へのゴルフ接待はわいろと言われても仕方がない。防衛装備品納入で便宜を図ってもらいたかった」と容疑を認めていることが29日、関係者の話で分かった。宮崎容疑者はゴルフ接待を行ったことは認めていたが、「わいろの意図はなかった」と主張していた。

 関係者によると、調べに宮崎容疑者は、ゴルフ接待を行った理由について「守屋容疑者と良好な関係を築きたかったから」と説明。「防衛装備品納入でいろいろ便宜を図ってもらいたかった」と、逮捕容疑を認めていたという。ただ、守屋容疑者に対して個別の調達に関して便宜を図るよう要求したことは認めていないという。

 守屋容疑者は容疑を認めているが、妻の幸子容疑者(56)は「宮崎容疑者とは友達。接待はわいろではないと思った」と容疑を否認している
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ゴルフ接待、守屋容疑者と妻が要求
(2007年11月29日14時39分 読売新聞)
 守屋武昌・前防衛次官(63)の汚職事件で、守屋容疑者が防衛専門商社「山田洋行」の元専務・宮崎元伸被告(69)から頻繁に受けていたゴルフ接待の大半は、守屋容疑者や妻の幸子容疑者(56)から宮崎被告に要求していたことが分かった。

 守屋容疑者が別の業者などからゴルフ接待を受けているのと同じ日に、幸子容疑者だけが宮崎被告から接待を受けることもあった。また、接待旅行に同行させた部下らの費用も負担させていた。東京地検特捜部は過剰な接待の経緯について、守屋容疑者夫妻を追及している。
 守屋容疑者は防衛庁(現防衛省)防衛政策課長だった1996年ごろから、宮崎被告らと山田洋行の関連会社が運営する埼玉県や千葉県のゴルフ場などで一緒にプレーするようになった。ゴルフ接待は年間20〜30回、過去11年間で300回を超える。プレーの後は、焼き肉屋やマージャン店などでも接待が行われたが、こうした費用のほぼ全額を宮崎被告側が負担していた。
 関係者によると、ゴルフの大半は、守屋容疑者か幸子容疑者が、宮崎被告に「ゴルフに行こう」などと持ち掛けていた。また、300回超のゴルフの半分以上は、守屋容疑者が別の業者などからゴルフ接待を受けている間に、幸子容疑者が単独で宮崎被告から接待を受けたものだったという。
 守屋容疑者と幸子容疑者は、宮崎被告と北海道や福岡などにゴルフ旅行に行き、交通費やゴルフ代のほか、夜の宴会料や観光施設を訪れた際の入館料まで、毎回20万〜30万円の費用を宮崎被告に負担させていた。こうした旅行も、守屋容疑者夫妻が持ち掛けていた。さらに、接待旅行には、守屋容疑者の当時の部下や知人らを同行させることが多く、守屋容疑者は同行者に「金は払わなくていい」と言い、同行者の費用も負担させていたという。
 特捜部では、守屋容疑者が防衛次官の強大な権限を背景に、防衛装備品の受注などに便宜を図る見返りに、宮崎被告にゴルフ接待や現金提供を要求していたとみている。
 特捜部は、幸子容疑者についても、〈1〉宮崎被告が事務次官である夫からの便宜を期待していることを認識した上で自分も接待を受けている〈2〉夫婦で生計を共にし、妻の利益は夫の利益になる――ことから、公務員という身分はなくても共犯となる「身分なき共犯」にあたると判断している。
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防衛汚職:防衛省を家宅捜索 東京地検特捜部
                                  2007年11月29日毎日
防衛省の家宅捜索に入る東京地検特捜部の係官ら=東京都新宿区でで2007年11月29日午後0時19分、佐々木順一撮影 前防衛事務次官、守屋武昌容疑者(63)の汚職事件で、東京・市ケ谷の防衛省に29日、東京地検特捜部の家宅捜索が入った。大臣室や次官室もある内局への本格的な強制捜査は、防衛庁時代の98年9月に起きた旧調達実施本部(調本)の背任事件以来。六本木から00年5月に移転して以降は初めてで、職員らは不安そうに見守った。

 午後0時15分、特捜部の係官約100人が到着。150人近い報道陣が待ちかまえる中、事件の焦点となっている次期輸送機(CX)の開発を所管する防衛省内局の経理装備局など、国防の中枢部門が入る19階建てのA棟を中心に資料の押収を進めた。さらに、大臣直轄の装備施設本部や技術研究本部などが入る10階建てのD棟も、捜索の対象になった。

 ある幹部は「調本の背任事件を受けた改革の時期に、市ケ谷に移転し、守屋さん自身も心機一転のチャンスと再三話していた。不祥事の度に繰り返した反省は、いったい何だったのか」と漏らした。

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防衛汚職:守屋幸子容疑者「宮ちゃん、私を重役にすれば」
毎日新聞 2007年11月29日 2時30分
守屋武昌容疑者(右端)の妻幸子容疑者(右から2人目)は、宮崎元伸容疑者(左端)から繰り返し接待を受けていた。首都圏のゴルフ場でプレー後に並んで記念撮影=04年春ごろ 収賄の共謀容疑で28日に逮捕された前防衛事務次官、守屋武昌容疑者(63)の妻幸子容疑者(56)が、贈賄側の防衛専門商社「山田洋行」元専務、宮崎元伸容疑者(69)に「私を重役にすればもっと仕事を受注できる」と持ち掛けていたことが、関係者の話で分かった。度重なる接待で、宮崎元専務を「宮ちゃん」と呼ぶほど懇意になっていたという。東京地検特捜部もこの事実を把握しており、幸子容疑者がわいろ性を持った接待の趣旨を十分に理解していたとみて、追及する方針。

 関係者によると、幸子容疑者は守屋前次官よりもゴルフに熱心で、スコアもシングル級といい、宮崎元専務によるゴルフ接待の大半に同行していた。前次官不在でも、ゴルフ接待を受けることさえあった。このため、元専務とは極めて懇意に。ゴルフや飲食接待の席などで「宮ちゃんも、私を山田洋行の重役にすれば、希望通りに防衛庁(当時)の仕事を受けられるようになるわよ」などと言っていたという。

 次女(26)が米ニューヨーク州の語学学校に留学する際、米国滞在中の元専務に世話を頼んだのも幸子容疑者だった。「娘を留学に出すので宮ちゃん、何とか面倒見てくれない?」。転居や入学手続き、さらに「激励会」までしてもらった。元専務はステーキハウスで、1人数十ドルの代金を支払ったとされる。

 幸子容疑者は元防衛庁職員。防衛幹部職員の妻らで作る婦人会の親しいメンバーと東京・赤坂の高級クラブやレストランでカラオケや飲食を楽しみ「山田(洋行)につけておいて」と店員に伝え、宮崎元専務に飲食代を肩代わりさせていた。「奥さんが夫に接待を受けないよう止めなければいけないのに、逆に後押ししていた」。クラブのママは周辺にこう話した。

 収賄罪は公務員に適用される「身分犯」だが、特捜部は、夫の職務を熟知する幸子容疑者が「装備品受注で便宜を受けたい」という宮崎元専務の意図を十分に知りながら、ゴルフ接待などさまざまな利益提供を積極的に受けていたと判断。守屋前次官と共謀した「身分なき共犯」に問えるとして、異例の逮捕に踏み切った。

 特捜部は、宮崎元専務による幸子容疑者への接待は、実質的には守屋前次官に対する利益提供だったとみており、ゴルフ旅行接待で元専務が負担した幸子容疑者分の費用もわいろに算入した。

 96年に収賄容疑で逮捕された岡光序治元厚生事務次官=実刑確定=の事件で妻が贈賄業者にマンション改修費を出させ、大理石風呂やシステムキッチンも設置した。このケースでは「おねだり妻」などと問題視されたが、刑事責任は問われなかった。特捜部は、幸子容疑者については、夫とともに長年にわたって継続的に利益提供を受けており、より悪質と判断したとみられる。






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<防衛汚職>守屋前次官の影響力、輸送機から売店のパンまで
2007年11月28日 毎日新聞
 接待疑惑発覚から40日、捜査はついに核心にたどりついた。28日、東京地検特捜部が収賄容疑で取り調べを始めた守屋武昌・前防衛事務次官(63)。現職時代、その絶大な力は1基6億円の次期輸送機(CX)エンジンの選定などから、一つ百数十円のパン納入にまで及んだ。しかし、この日タクシーに乗り込む表情は青ざめ、かつての面影はない。癒着の代償は重く、約27万人のトップに君臨した「防衛省の天皇」の名は、地に落ちようとしている。

 東京都新宿区矢来町の自宅付近には、報道陣約70人が待ち構えた。午前10時過ぎ、黒っぽいスーツ姿の前次官が現れ、隣には頭から淡いベージュの毛布をかぶった妻(56)とみられる女性の姿が。2人は個人タクシーの後部座席に乗り込み「何か一言お願いします」との問いかけにも無言を貫いた。逮捕を覚悟しているのか、前次官はフラッシュを浴びても顔を伏せず、表情も変えなかった。2度の証人喚問の時より、さらにやせ、疲れた様子だった。
   ◇   ◇
 05年12月と06年2月、同省厚生棟1階の食堂。当時事務次官だった守屋前次官が新メニュー試食会に姿を見せた。新作のパンをほおばり「材料費はいくら?」と質問。次官は食堂を経営する同省共済組合本部の本部長を兼任しているからだ。ただ「次官が来たのは守屋さん以外に記憶がない。こんな所にまで来るのかと驚いた」(組合関係者)。試食会で「お墨付き」を得たパンが、同棟地下1階の売店に並んだ。

 この組合は、不自然な金銭やり取りの舞台にもなった。前次官は97年、4500万円を河村延樹・前防衛政策課長(47)=大臣官房付に更迭=に預けて運用を依頼。失敗したため、5年がかりで返済を受けた。特捜部はこの経緯を解明するため、組合に開設された2人の口座に関する資料を入手している。
   ◇   ◇
 次官就任は03年8月。直後から、地方に勤務する親しい自衛隊幹部に直接電話をかけ「明日行くから」と部隊の頭越しで直接約束を取りつけた。米軍普天間飛行場(沖縄県)の移設を巡っては、自らが進める「陸上案」と対極の「海上案」を推した部下を左遷して、日米合意(05年10月)にこぎつけた。CXエンジンに絡んでは今年6〜7月、部下を呼びつけ、山田洋行元専務の宮崎元伸容疑者(69)=業務上横領容疑などで逮捕=が社長を務める日本ミライズとの随意契約を迫った。

 「防衛省では一度飛ばされると敗者復活は無理。怖くて意見できなかった」。前次官が振りかざした人事権を前に、職員は服従を迫られた。

   ◇   ◇

 その裏で12年もの間、ひそかに続いた元専務とのゴルフ。プレー代約2万5000円に対し支払いは1万円。回数は300回超に達した。

 「一人を以(もっ)て国興り、一人を以て国滅ぶ」。9月3日の離任式で、中国の故事を「好きな言葉」として紹介した前次官はこう続けた。「国の防衛に従事する人の心意気を示す言葉として、いつも忘れず心がけました」。しかしその言葉は今、空虚に響き、同省元職員は「切腹もの」とはき捨てた。

守屋前次官の妻「おねだり女帝」身分なき共犯
防衛省幹部の妻4、5人とともに東京・赤坂の高級クラブを訪れ、カラオケに興じることもあったが、守屋氏の妻は「山田(洋行)につけておいて」と店員に伝え、自分たちで代金を払うことはなかった。守屋夫妻に対する高級クラブでの接待費は月数十万円に上ることもあったという。守屋氏の妻は、防衛省の課長級以上の夫人が集まる親睦(しんぼく)組織「美鳩会」でも「女帝」として権勢を振るっていた。会合場所に車が到着すると、ドアの外に夫人らがズラッと並び、深々と頭を下げて迎えたという。
(中略)
検察内部には過剰接待を受けていた守屋氏の妻についても、「官僚トップの夫人として目に余る。このまま放置はできない。公務員でない者が犯罪に加担した場合に適用される『身分なき共犯』として立件すべきではないか」という意見があるという。

 高級クラブでつけ回し、ブランド品のプレゼント…。前防衛事務次官、守屋武昌容疑者(63)の妻、幸子容疑者(56)が「身分なき共犯」として、夫とともに収賄容疑で逮捕された。妻が収賄罪の共犯として立件されるのは異例だが、山田洋行元専務、宮崎元伸容疑者(69)への“おねだり”は常軌を逸していた。「防衛省の天皇」と呼ばれた夫を尻に敷きながら、求め続けた接待漬け。「逆・夫唱婦随」のたかりぶりは刑事責任を問われることになった。
 幸子容疑者は守屋容疑者と同郷で、宮城県内に軒を構える老舗酒蔵の経営者の娘。ノンキャリア職員として防衛省に入り、守屋容疑者と知り合って結婚した。
 守屋容疑者の中学・高校の先輩は「幸子さんは武昌と正反対に運動神経がよくて、とても明るい。武昌は幸子さんに引っ張られたんじゃないか。普通は妻が夫の行動をいさめるもんだけど、いっしょにやってたらスキャンダルになるよな」と話した。
 12年前からゴルフを始め、11年前から宮崎容疑者から過剰なゴルフ接待を受けていた守屋容疑者。もともとは幸子容疑者がゴルフ好きで、その腕前はハンデキャップでシングルクラスだったという。
 守屋容疑者をゴルフに誘ったのも幸子容疑者。上達の遅い守屋容疑者がいらだつと、「坊や、カッカしないの!」と子供扱いする場面も。守屋容疑者が官房長に就任し、偽名でゴルフをするようになると、幸子容疑者は旧姓と明るい子という意味を合わせた「松本明子」と名乗っていた。

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石田ふたみ