『日々の映像』

2002年01月31日(木) 余  録

 元日からEC15カ国の内12カ国で単一通貨ユーロが流通することになった。この12カ国は、独・仏・伊・スペイン・ベルギー・ルクセンブルグ・オランダ・オーストリア・ポルトガル・フィンランド・アイルランド・ギリシャである。

 「市場に出回るユーロ現金は、紙幣が7種類、硬貨が8種。総額6487億ユーロ(約75兆2000億円)に達し、史上最大の通貨転換となる。」(1月9日 日経から)2月末には、マルク・フランなどの貨幣が総てユーロに100%変わるというから、数百年に1回あるかどうかの歴史的な出来事である。ユーロ未加盟の英国やスウェーデンの小売業界がユーロの現金受け入れを表明しているので、このユーロという新紙幣は、12カ国以外の国にも流通する。
 
 日本の観光客は、今までEC内を移動する都度両替する必要があったが、これが全く必要なくなる。また、この13カ国の価格がユーロ一本になるので、日本からの輸出面での簡素化は大変なものだろう。なにしろ、このユーロ圏の人々は「約3億人、域内総生産(GDP)でも米国に匹敵する規模のユーロ経済圏が名実ともに誕生する」(引用同)よって、世界の通貨の主役は、ドルとユーロになる。
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 1月7日、円資金のドルへの流出のテーマを記述した。日銀がゼロ金利として、大衆に膨大な負担を求めたわけであるが、この金利政策で景気は上昇しないことがはっきりした。最後は、円預金を持っている個人がどう動くかによって、日銀のゼロ金利政策を変えざるを得ない時期が来るように思う。

 1月7日に「7〜9月の個人の対外証券投資額が1兆1600億円」に達したことを記述した。この個人の円預金がどれだけ、ドルまたはユーロに変わっていくかである。日本の預金者はゼロ金利でも黙って円預金を持ち続けるのだろうか。

 大衆が円預金を持ち続けるのであれば、今後も永続的にゼロ金利が続くと思う。反面、10兆円単位の円預金が、ドル又はユーロ預金の流出するようになった時、政府・日銀のゼロ金利政策がどうにか変更されていくのだろう。
     
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 1月5日、米企業の時価総額の上位10社を記述した。このトップは、時価総額が3982億ドル(51兆円)のGEである。信じられないような株式の時価総額だ。1月18日の日経で、このGEの売上と利益が報道されていた。これによると2001年通期決算は、売上1259億ドル(16兆円)最終利益は、前年比7%増の136億ドル(1兆7700億円)だ。GEは、アメリカ企業の強さの象徴だ。
      
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 1月17日に脳梗塞小さいうちに見つけ出せ!と題して記述した。新聞は健康に関するさまざまなテーマを掲載する。毎日新聞は1月7日から「スタイルも体調も」と題して新・筋肉講座が掲載されていた。

 この連載を読んで1997年11月3日に「心の動きと生命の暗号」と題して記述したことをまざまざと思い出した。この記述は、日本の遺伝子工学の第一人者と言われる村上和雄筑波大教授の著書「生命の暗号」の解説を参考に記述した。

 詳しくは省略するが1つだけポイントを引用すると「人間の体は約60兆個の細胞から出来ており、1日のうち約1兆個の細胞が死に、同じく1兆個の細胞が生まれる」というものだった。
 
 新・筋肉学講座(健康体力研究所顧問野沢秀雄氏)で細胞の入れ替えを次のように説明していた。「細胞が入れ替わるスピードは、身体の部位によって違います。血液成分や肝臓細胞は約10日で半分が新しくなります。心臓や肺は20日、胃腸は30日、脂肪は50日、骨は200日と言われており・・・」(1月17日 毎日)血液成分や肝臓細胞がわずか10日で半分が新しくなるとは知らなかった。

 この記述を読んで、1日のうち1兆個の細胞が死に、同じく1兆個の細胞が生まれるとの説明がどうにか頭の中に収まった。
   
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 1月18日アメリカの対テロ戦争と題して、国防予算(3800億ドル・約51兆円)のことを記述した。1月21〜22日にかけて、アフガニスタン復興支援国際会議のことが大きく取り上げられていた。
 
 各国の支援総額は1年目で18億ドル(アメリカの国防予算の1000分の5)となった。日本は2年半で5億ドル(650億円)アメリカは、1年1億9675万ドル(225億円)であった。アメリカの3800億ドルの国防予算から比べると、約2億ドルの支援は少ない。
 
 アフガニスタン暫定政府は、この18億ドル(2340億円)が国家予算のようなものである。これだけのお金で、戦争と旱魃で疲弊し切ったこの国の再建ができるのだろうか。
     
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 イスラエルのパレスチナ自治区への進攻の報道が続いている。イスラエルの立場は、テロに対する報復行動になる。2日前は、パレスチナの放送局が爆破された。1月22日現在ではパレスチナ自治区の都市全域が占領され、アラファト議長は事実上の軟禁状態となっている。

 この状態でなお同議長は「イスラエルに対する国際社会、特に米の圧力が必要だ」(1月22日 毎日から)といっている。テロを容認して来た同議長の話はどこかおかしい。

     余        録 2                      
 1月2日、昨年の離婚件数の推定値が28万9000件になったことを記述した。この離婚に関すること、又は類似したテーマを97年日々の映像を書き始めてから、毎年のように取り上げて来た。今日(1月5日)は、休日でもあるし、1枚または2枚という紙幅の制限をしないで、このテーマを記述してみたい。

 本題に入る前に離婚に至るベースとして、夫婦間のコミュニケーションがなぜ保てないのかを考えてみたい。下記は、1998年3月8日に記述した。

「なぜコミュニケーションが保てない」からの引用である。・・・今日は、日曜日ですがすがしい晴天であった。人と人との関係は、いつもこのような晴天という訳にはいかない。

 昨日考えさせられる記事を読む。家庭内における夫の暴力である。「東京都の調査は、昨年夏に実施されたが、夫や恋人による殴るなどの身体的暴力があったという回答は15%。『立ち上がれなくなるまで暴力を何度も受けた』という深刻なケースも1%あった。

 1%という数字は、都の成人女性の人口に当てはめると、2万3000人に当たり、深刻に受け止めていると検討にはいった」(1998年3月7日朝日から)というものだ。
 
 立ち上がれなくなるまで暴力を受けた人が東京都だけでも、2万3000人であれば、統計的には全国で23万人余りと推定される。身体的暴力を受けたという人が、15%であれば、人数になおすと東京都だけでも約30万人である。全国の推定では約300万人の女性が体的暴力を受けていることになる。

 暴力を振る夫が悪いのか、そのような状態を作り出す妻が悪いのか、そのベースは2人の間でコミュニケーションが保たれていないことに起因していると思う。なぜ、コミュニケーションが保たれないのだろう。

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 昨日、上山市のホテル古窯のオーナーである佐藤幸子著の「からっぽの金庫から」を読み終えた。このホテルの社訓は次のとおりであった。   
   

      争いよりは友情を
      非難よりは理解を
      愚痴よりは建設を

 社内のコミュニケーションを重要視する社訓であると受け止めた。
 今年1月18日に飯田国彦氏の講演のことを記述した。同氏から「やる気を引き出すマネジメント」というリポートが送られてきた。

 このリポートの一部を引用したい。「コミュニケーションにおける最大の障害は、性格や思想の違いでなく、人の持つ評価傾向にある」という。私なりに補足すると、妻が自分の身につけている常識で夫を評価し、夫も同じく自分の人生観や常識で妻を評価する。このようにお互いに評価する傾向をもつとコミュニケーションは破壊されていくのである。  
 
 暴力と言う結果には、必ず原因があると思う。なぜ争いが起こるか、なぜ非難しあわなければならないのか、飯田氏の指摘のとおり「自分の持つ常識で相手を評価する傾向(習性)」であると思う。実は、この常識が怪しいのである。・・・・(98年3月8日 日々の映像から)
 
 98年3月8日の日々の映像では、「この常識が怪しいのである」としてペンを置いた。今日は、この常識について多少加筆したい。アインシュタインは常識について次のように言っている。

 「常識とは18歳以前に沈殿して積もりに積もった偏見以上の何物でもない。その後に出会うどんな考えも、この常識という概念と戦わなければならない」

 人間は、アインシュタインが指摘するように、ある一定の年齢でそれなりの常識が固まると、より深い認識・考えなどを受け付けない習性があるように思う。よって、同氏は、「常識とは18歳以前に積もりに積もった偏見以上の何物でもない」と切り捨てている。なお、偏見を辞書で確認すると、「偏った見方や考えかた」と出ている。
 
 さて、前段で書いた「自分の持つ常識で相手を評価する傾向(習性)がコミュニケーションを計る上で、最大の障害になっていると書いた。これもアインシュタインの偏見に当てはめれば「自分の持つ偏見で相手を評価する傾向(習性)」となる。

 夫婦の間で、これがもろに出てくれば、コミュニケーションが保てないどころか、離婚まで発表することになると思う。大切なことは、人生万般の知識や物事の認識方法を深めていくことだろう。
 
 さて、これらを深めていけば、離婚は少なくなるのだろうか。もっと深い次元で離婚の原因があるのではないかと思い1998年4月5日に「別れ(離婚)のメカニズム」と題し記述した。ここでは、この日書いた大半を引用したい                                      
「・・・今日は晴天であった。桜の満開の時を迎えて、花見を楽しむ家族連れやグループが、多く繰り出していることであろう。一見平和な社会の片隅で、今日も何万人もの夫婦が血走った目と目で睨み合い、罵倒しあっているのだろう。
 
 アメリカなどから比較すれば、少ないと言いながらも97年も22万5000組の夫婦が離婚した。この離婚にも1997年2月3日に記述した自殺者と同じ統計的な背景があるような気がする。この2月3日に引用したポイントは「自殺を実行し、目的を果たしたが2万3000人で、自殺を試みて失敗した人たちが10万人あまりいる。」ことであった。

 この離婚も目的を果たした夫婦が22万5000組で、離婚をこころみたが周囲の説得あるいは子供のために踏みとどまった夫婦がどれほどいるのだろう。離婚を決行したカップルの2倍(44万組)なのか、3倍(67万組)なのか、いや、もっと多いと思う人もいるかも知れない。

 離婚したいとはいわないが、潜在的に出来るものなら離婚したいと思っている夫婦がどれだけいるのだろう。

 半年前のことである。少々お世話になっている会社の50歳代の方と少々懇談する機会があった。A子さんの次の言葉に驚いた。「これから毎日主人が家にいると思うとゾッとする」と語気鋭く言い放った。
 
 これは定年離婚の予備軍ではないかと思った。このA子さんも笑顔をたたえて結婚式を挙げ、子供の誕生を夫婦で喜び合った日々もあったはずである。時は流れて、今では一緒にいること自体がゾッとするというのである。何故このようになってしまうのであろう。
 
 3月8日、夫の暴力に関連して「何故コミュニケーションが保てない」と題して記述した。自分の持つ常識で相手を評価する人の性も離婚を誘発させる1つの原因のように思う。
 
 しかし、この常識・感覚的な原因が、人と人との破局の総てであるとは思えない。もっと深い次元で人間の心の黒い霧というべき実態があるような気がする。
 
 イタリアの著名な社会学者であるアルベローニさんが書いた「平気で嘘を言う人」という本が少々のベストセラーになっている。この本の227頁に「ある有名な金言によれば、人間は悪(嫌なこと)を与えられれば、それは大理石に刻むが、善(好ましいこと。愛されることなど)を与えられれば埃に刻む」とあった
 。この意味は、嫌な思い出は心の大理石に刻むが、好ましいこと、自分が愛されたことなどは机の上の埃にその記憶を刻むというから、総て忘れてしまうといっているのだ。
 
 アルベローニさんは「我々は長年続いた深い友情や愛情に関わる場合でも同じように対応する。しばしばちょっとした目付きや無理解、あるいは夫が妻の機転のきかなさがきっかけで、軋轢を生じ、収拾のつかない事態に立ち至ることがある。

 そして(楽しかった)過去は帳消しになり、惨憺たる結果になったりもする。離婚の場合には、相手から与えられた幸せ、分かち合った喜びも総て煙のように消えうせる。・・・そして、誤った振る舞いや(相手から浴びせかけられた)毒を含んだ言葉が胸中に行列を作ることになる。・・・我々は、こういう記憶の抗し難い(悪しきことのみを記憶する力)心の邪悪なメカニズムをなんと呼ぶべきか自問する」(カッコ内は筆者の加筆)とあった。

 心理学者のアルベローニさんが、指摘するように、人の邪悪な心のメカニズムが、離婚という破局を生み出す背景なのだろう。
 
 しかし、この心のメカニズムも個人差があるように思える。・・・(省略)心の中が黒い霧に深く覆われている人は、悪しきことのみ記憶して、善き事は記憶に残らないように思う。

 心の状態を単純に言葉で表現すれば、心が濁っているか澄んでいるかに立て分けられるように思う。心が澄んでいれば、物事に対する感動もあるし、善き思い出も忘れることなく心に明確に刻むのではないか。離婚という人生のドラマは、さまざまな例外があるにせよ、その人の心のスクリーンの色で決まるのではないか。
 
 それでは、心に覆い被さる黒い霧をどうすれば払って、晴天のような心を育てることが出来るのだろう。心理学者であるアルべロールさんが「心に邪悪なメカニズムを何と呼ぶべきか自問する」との記述に留めているのに、私ごときがこのメカニズムを説明できるわけがない。人が生きる上で、根幹をなす事柄で、これ以上難しいテーマはないように思える。
 
 アインシュタインの語録の中で「真実は単純」という言葉がある。この前提に立って、邪悪の心のメカニズムの一断面を考えてみたい。人間の邪悪な心を益々燃え上がらせるような本が多くある。
  
 これは良書に対しては悪書になる。すなわち、悪書に多く接すれば、心の中が黒い霧で覆われ、押さえようもないほどの邪悪な心が噴出してくる。反対に良書に接すれば、心が清く逞しい方向に進むのではないだろうか。 人の心の真実は単純なものだと思っている1人である。・・・」
(98年4月5日の日々の映像から引用。後半部は1部削除と文章の縮小を計る)

 さて、冒頭に書いた離婚数であるが、多少の年度別に見ると、次のとおりだ。
1997年度の離婚件数  22万5000件                  
1999年度の離婚件数  25万0500件  97年比2万5500件の増
2000年度の離婚件数  26万4255件  前年比 1万3755件の増
2001年度の離婚件数  28万9000件  前年比 2万4745件の増
 
 以上のとおり、1997年から2000年まで離婚の増加は、1万2000件から1万3000件であったが、2001年度は前年比で2万4000件台の増加で過去最高の伸び率となる。こんなものだろうと冷めた見方もあるかも知れないが、2001年度の結婚は「80万3000組」(1月4日 日経から)しかないのである。

 少々くどく記述すれば、2001年度は、結婚80万3000組で、この結婚数の36%に当たる28万9000組の離婚があったのだ。なぜこんなに離婚が増えるのだろう。社会全体の有り様としても決して良いことではない。

 社会の指導者は、激増のデーターを見るだけで、有効な指導も出来ないまま、ただ立ち竦んでいるだけなのか。このペースでいけば、2002年の離婚は確実に30万組を軽く突破する。
    
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 1月17日は阪神大震災から7年を経過した日であった。6432人もの犠牲者の家族に対して、国はどのような支援をしたのか。3年余りも審議を重ねて、やっと法案が成立したのは、最高で100万円の(総額で約64億円)の見舞金で終わりであった。

 港・道路などの公共物には、総計で12兆円(過去の報道による)もの巨費を投じた。ここに日本という国のシステムが明瞭に浮かび上がる。国家とは公共物を作り守るために存在し、国民1人1人がどうなっても、総て自己責任だ!と言ってる。

 この政府の方針に対して、異論を唱える人は少ない。少々の論説があっても、これが世論として盛り上がることもない。日本人は政府の決定に何でも従うという江戸時代からの特質があるようだ。

 地震で建物が全半壊したなどの3万1672世帯が無担保で最高350万円の災害援護資金を借りたと言う。毎日の記者の目を読むと3万1672世帯の中で阪神大震災から立ち上がれない人がいかに多いかが読み取れる。

 「災害援護資金を利用したのは、3万1762人。このうち昨年の11月現在で、660人が破産し、1203人が死亡した。さらに、5809人が1回毎の返済額を減らしてもらう措置をとっている。個々の被害者の生活復興はまだまだだ」と。

 この大震災に対して、庶民のために行政が行った支援は、無担保でわずか350万円の貸し付けだけだった。政治家は胸を張ってこの支援内容を世界に説明すればよい。これが、世界第2位の経済大国が行った支援だから世界に誇り得ることだろう。
 
 以前に書いた日々の映像で、せめて亡くなった6432人の遺族に、生活の再建資金として、1000万円の見舞金を支給しても640億円だと書いた。建物が全壊した庶民に対して、1000万円の補助金を出しても12兆の公共投資から比べればわずかの金額だ。「超党派の国会議員が自然災害の住宅再建を国が支援する制度創設が目的で、2000年10月に全壊世帯に最高850万円を支給する法案骨子をまとめた」(引用同)しかし頓挫した。

 なぜ頓挫したか。それは住宅の所有者から年間2000円を集めるのが法案の骨子であったからだ。こんな法案が通ったら、これを集める市町村の事務が増大するので全国の町村会が反対した。どうして、国会議員の先生方は、持ち家の家庭1所帯から1ヵ年2000円を集める・・・などというケチな考え方をするのだろう。

 なんで、国の予算で、1ヵ年1000億円の基金を積み立てて被災者の救済に当てよう・・・という発想にならないのだろう。住宅の所有者から2000円を集める・・・このケチな発想も世界に誇り得ることと言わねばならない。

2002年01月30日(水) 日本の高物価     

日本の高物価がどのようなかたちで壊されていくのだろう。高速道路を例にとれば、ドイツ・イギリスは無料である。アメリカは一番高いケースでも1台3ドルだと聞く。日本と同く山間部が多く、建設コストが高いイタリアでも高速料金は日本の5分の1であるという。
その他の公共料金は、昨年の12月に書いたように、ドイツ・フランスなどと比べると約2倍だ。賃金は国際水準の上位と言っても物価が高ければどうにもならない。
 日経で1月8日から競争力の研究と題するリポートが続いている。1月24日に紡績業の賃金水準が出ていた。
 日本の時給が仮に1000円だとすれば、イタリア560円、韓国204円、タイ45円、中国26円、インドネシア12円だ。最も話題になる中国の時給は26円、日給208円(26円×8時間)でも食べていける物価水準なのだ。この物価水準で一定の技術力が高まって来たので、1月21日に記述したように、世界の外国企業が中国への直接投資をする。これだけ日本の物価を高くした政治の責任が問われると思う。

2002年01月29日(火) 国民年金保険料 

 高齢化は日本だけの問題ではない。公的年金の中では、国民年金が実に貧弱である。「国民年金の保険料は現在月1万3300円。40年払い続ければ65歳から満額の年金(月額6万7000円)を受け取れるが、・・・原則として納付期間が25年を満たなければ年金額はゼロになる」(同)こんな魅力のない年金はないと思う。この国民年金の加入者数は「2120万人」で満額を納付している人は60%の1270万人だ。
 社会保険庁は「保険料徴収事務が市町村から国に移管するのに合わせ、滞納対策を強化する」(同)具体的には「夜間・休日に滞納者の自宅を訪ねる非常勤の徴収員を約1900人増員する」という。社会保険庁は、保険料を年間で2兆円(13300円×12×1270万人)を集めるために、どれだけの行政経費を使っているのだろう。某政党の主張のように、消費税を1%上げて社会保険庁が1人1人から徴収する制度はやめるべきなのだろう。

2002年01月28日(月) 雪印の「牛肉偽装」事件

 1月24日から大きな見出しで輸入肉を「国産」と偽装した事件の報道が続いている。雪印にとって、これほどの信用の失墜はない。この不祥事が及ぼす影響は計り知れない。輸入肉を和牛肉と偽って、国に在庫を買い上げさせる・・・当然詐欺罪が適用されることになるだろう。牛肉に関する信用の失墜も大きく、牛肉の卸値が急落し更に畜産農家に打撃を与えることになった。雪印グループは、表のとおり売上が1兆円を超える食品の大手メーカーである。今回の事件は、1年半前の集団食中毒事件を超える打撃を与えることになる。
                     
すでに多くのスーパーが雪印との取引を中止している。売上高1兆円の企業グループが空中分解していくようだ。メーンバンクの農林中央金庫の幹部は、「ただでさえ厳しい再建計画の達成が、今回の事件でほぼ不可能になった」(1月24日 日経)とため息をついたという。このようなことは、雪印だけのことなのか、何が飛び出して来るか分からない

2002年01月27日(日) 日本の人口の推移

 1月2日に記述したが、2001年の出生数は117万5000人で、過去最低を記述した。1970年代前半は、180万人から210万人の出生数であった。この人達が、結婚適齢期を迎えても過去最低の出生数になっている。よって、日本の人口の推移は、低位推計になってしまうのだろう。いや、ひょっとするともっと減少するのかも知れない。
                   
少子化がこれ以上進むと、社会保障などさまざまな問題点が指摘されているが、この少子化を食い止める決定的な対策は取られていない。よって、1990年からの出生数は、120万人前後となっている。日本の社会は、何の対応も出来ないまま100年後に人口7000万人減という道を進むのだろうか。

2002年01月26日(土) ダイエーの再建計画

 1月15日に少々記述したが、この時は「主力3行が債務の株式化や債権放棄の支援をする案が浮上している」とのことであった。1月22日の毎日によると、表のとおり今度は資本金260億円の減資と共に、主力3行の4200億円の支援を決めた。その内容は、債権放棄3000億円と債権の株式化1200億円だ。1年少々前に出資した1200億円は、100%減資して、再建策によって表面に出てくる損失の穴埋めに当てる。
 整理すると、ダイエーのB/Sの中に、4460億円の含みマイナスがあることを示している。グループで2兆5000億円、ダイエー本体で1兆7000億円の借入がある。その本体への債権放棄3000億円で、果たして再建されていくのだろうか。それにしても、今回の決定で主力3行は4200億円の損失を被る。

2002年01月25日(金) 女性監禁の佐藤被告に懲役14年

 00年1月28日に明らかになった佐藤被告(39)の三条市の小学4年生の少女を監禁した事件は、社会に大きな衝撃を与えた。ここでは判決の一部を引用して事件の凄まじさを書き残して置こう。「被告は、か弱い女児を自己の支配下に置き、自己の意のまましたいとの欲望を抑えきれず略取・・・以後9年2ヵ月間にわたり監禁し続けた。・・自分が外出する時は、
被害者の両手や両足を粘着テープで縛る・・被告の意に沿わない言動をした時は、全く情け容赦のない暴行を加え、更にはスタンガンを被害者に対して使用するなどした。そして、被害者が痛みのあまりに声をあげると、約束違反であるとし、その刑罰としてスタンガンを押し当て放電するという非常に強度の暴行を加えた。・・・被告の行った暴行は、執よう、し烈かつ、せい惨を極めていた。・・・その惨状は目を覆うばかりであり、被害者自身の味わった苦しみは余人の想像を絶する。・・・9歳の頃から生きることのみに希望を持ち、被告からの肉体的精神的虐待に耐え続けた被害者の心情は察するに余りある・・・このような悪質極まりない監禁が約9年2ヵ月もの間継続し、その間被害者に対しては間断なく虐待が加え続けられた。・・・被告は、被害者のことを哀れと思うこともなく・・・被告の犯行はまさに言語道断である」

2002年01月24日(木) 二〇〇一年の企業倒産

 東京商工リサーチが発表した2001年度の倒産は、1万9164件と高水準の倒産が続いている。この倒産は雇用に大きな影響を与えている。「勤め先が倒産した従業員も過去最多の22万人にのぼり、雇用を直撃した」(引用同)という1月19日にも記述したが、創業30年以上の老舗の倒産がこの1万9164件の内、「4670件」に達している。それにしても倒産が多い。表のとおり、過去10年の平均は1万5000件を超えている。この10年で15万件を超える倒産が出ているのだ。
 大型倒産は、表のとおりだ。大成火災海上保険の破綻などは誰でも予測がつかないことだ。新潟鐵工所の破綻は老舗の見本のような感じだ。

2002年01月23日(水) 秘書ビジネス (口利き以来時に挨拶料!)

 毎日のように、政治家の秘書及び元秘書の口利きという名のビジネスが報道されている。「口利きこそ政治と、地元や業界からの陳情を受付が政治家本来の役割とする政治家が多い」(1月17日 毎日社説から)というが本当なのだろうか。
 ニュースの焦点は、民主党・鹿野道彦副代表の元秘書尾崎光郎容疑者と加藤紘一元幹事長の事務所代表を務める佐藤三郎秘書の2人だ。ある人が言っていた。「元秘書といってもつながっている。全く関係のない元秘書であれば誰も相手にしない」と。佐藤秘書の場合は、加藤元幹事長の事務所代表というから秘書ビジネスが最も効果的に出来たのだろう。自治体などに口利きをして成功報酬を受け取って、この金を裏金にしていただけと思っていた。ところが、口利き依頼時に挨拶料をまきあげていたというから驚いた。「佐藤秘書は建設業者から公共工事受注の口利きを依頼された際、先ず『挨拶料』の名目で数10万円〜100万円を受け取っていた疑いのあることが、17日関係者の話で分かった」という。口利きと依頼する時にまず挨拶料、そして受注に成功した場合は、「業者側は工事の受注額の3〜5%を成功報酬として佐藤秘書に支払っていた」という。これでは税金の一部を秘書ビジネスでピンハネしていることになる。これこそ「構造改革」の対象ではないか。

2002年01月22日(火) 記憶に残したい金融の動き

 ここのところ、記憶に残したいテーマが多く報道される。預金の払い戻し保証を元本1000万円に限定するペイオフもその一つだ。1月16日の日経などの報道によると、4月1日からペイオフが行われることが確実になった。ただ、農協・漁協は保護されるので、中小の金融機関から見ればやや不公平の感じだ。ペイオフが行われても、預金が1000万円以下の庶民は関係がない。1000万円以上の預金者は、何らかの対応が必要となる。同じ銀行に分散するのは、名寄せが行われるので意味をなさない。普通預金、当座預金は、表のとおり2003年4月からペイオフになる。企業は危ない銀行と取引することは、かなりのリスクになる。よって、このペイオフで最も苦慮するのは、多くのお金を扱う企業になる。
 次に、個人の外資預金などの動きに目を転じてみよう。1月16日の日経によると、表のとおり、個人の外資建ての資産は10兆円を超えている。この内、外資預金は4兆円だ。この外貨預金は、表のとおり地方公共団体、公団なども保有している。一般法人は26%で5兆円、個人は21%で4兆円、地方公共団体、公団などが40%で8兆円だ。地方公共団体、特殊法人である公団などが8兆円もの外貨預金をしているとは思わなかった。


2002年01月21日(月) 日本を含む外国企業の中国への直接投資

中国の凄まじい発展の記事を読んで、1997年2月に死去した小平氏のことを思い出した。なにしろ、57年前の日本の終戦時すでに党中央委員を務めていた。そして、1950年の朝鮮戦争の時は副首相(当時46歳)、1967年の文化革命で失脚(当時62歳)、1976年周恩来首相・毛沢東主席死去、1977年副主席として復活(当時72歳)。この小平氏の時代から中国の改革開放路線が始まった。そして、1国2制度として香港受け入れの総設計者をしたのも小平氏だった。
 1月15日の日経は新華社伝を報道していた。これによると表のとおり「昨年の外国企業による対中直接投資額は、実行ベースで前年比14.9%増の468億ドル」になったという。平均的な物価水準が日本の10分1余りの中国に、日本を含む外国企業が468億ドル(約6兆円)もの投資を行っている。更に「中国政府は、海外からの投資制限項目の見直しに着手しており、対中投資を後押しするための規制緩和を進める方針」という。経済の開放度が香港並になっていったら、更に外国資本の投資が増えていくだろう。

2002年01月20日(日) 日本の商社 

 時折り、元商社マンのOBの方と懇談する機会がある。総合商社の1部で、バブル崩壊の傷で株価が大幅に下落している処もある。メーカー直取引が増えて、商社の役割は下降していくとの見方もある。しかし、昨日の伊藤忠食品の動きなどを読んで見ると、あらゆる情報面で逞しく社会に存在し続けると思った。日本の社会は勿論のこと企業も減点主義の処が多いとの印象を持っていた。しかし、日本の商社は違うようだ。
 毎日新聞の「時代の風」に作家の城山三郎氏が登場していた。筆者の商社のイメージを変えるものでここに引用したい。「アメリカは得点主義の社会。失敗があっても、敗者復活のチャンスが与えられる。それに比べれば、日本はどちらかと言えば減点主義、事実そのために失脚する場合もある。・・・日本の商社に限って、得点主義の所が多く、大きな失敗をしてもまたチャンスが与えられる。相場などで大損をした人が、後にその商社の社長になる、というケースも珍しくない。『敗者復活あってこその総合商社。敗者復活がなければ、商社の明日はない』と名言するトップもいる」と。交流のある商社マンOBによると、アメリカでは「事業で失敗した。何かを学んでいるはずだ」として人材扱いをするので、再就職(敗者復活)の機会がいくらでもあるという。この捉え方がアメリカの強さなのだろう。

2002年01月19日(土) 危ない会社の選別の動き

 GDPが前年比で1%少々のマイナスとの政府の発表は、ごまかしではないかと思うほどだ。それほど地方都市での仕事が減少している。まだ正式な発表ではないが、昨年の倒産は「1万9500件と1984一九八四年に続く戦後2番目の規模に達したようだ」(1月14日日経)帝国データーバンクでは「今年の倒産件数は確実に昨年を上回り、大型倒産も多発する」(同)と予測している。最近の倒産の特徴は、前にも記述したように、開業30年以上の老舗の倒産が「4社に1社をしめる」段階になっている。
 各企業は、倒産による焦げ付きを最少限にするために、危ない会社に対する取引の見直しが激しく進んでいる。この動きが不振企業の破綻を加速させているのだ。ここで伊藤忠食品の動きを引用しよう。「マイカルなど信用不安のある企業との取引見直しを業界に先駆けて進めてきた伊藤忠食品は、2000年9月期に小売・卸を合わせて400社強、2001年9月期に同3000社弱との取引を停止した。今9月期も100社前後との取引を打ち切る方針だ」(引用同)という。商社の立場では、長い付き合いの企業との取引停止は容易なことではないと思う。しかし、「激動期は止むを得えない。早めの見切りが企業の浮沈をきめる」(同)との判断が優先しているのだ。この選別の動きがは恐ろしい限りだ。

2002年01月18日(金) アメリカの対テロ戦争

 米軍の対テロ戦争に関するニュースは毎日のように続いている。世界各地に広がっているイスラム武装組織に対し直接、間接を含めて戦いに挑もうとしている。すでに、フィリピンに米兵が投入されたことが報じられている。1月13日の毎日によると、米軍のテロ戦争の対象とされる国は、イエメン・ソマリア・フィリピン・インドネシアだという。これらの国にアルカイダと関係のある組織があるとされる。アメリカは、姿を見せないこれらの武装組織との戦いを延々と続けていくのだろうか。
 ブッシュ大統領は「米軍には来るべき任務に必要なあらゆる財源、手段、武器、強みが与えられなければならない」(1月12日 毎日から)といっている。そして、03年度は3800億ドル(51兆円)の国防予算を議会に提出する。これは前年比480億ドル(6兆4500億円)増しというすごさだ。テロ対策でこれほどの予算を使わなければならない米国・・・それはなぜかと振り返る必要があると思う。

2002年01月17日(木) 脳梗塞小さなうちに見つけ出せ

2000年5月に小渕首相が脳梗塞で倒れた。以後2回ほどこのテーマで記述した。脳梗塞は突然襲うのではなく、小さな梗塞が少しずつ増えやがて本当の脳梗塞になる。この小さな梗塞は、「40代では4人に一人、50代では3人に1人、60代では2人に1人くらいの割合」(1月12日 毎日)という。軽い梗塞は、早く治療すれば7〜8割は脳梗塞にならずに済む。それでは、自分に軽い梗塞があるかどうかはどのようにして知ることが出来るのだろう。この軽い梗塞(隠れ脳梗塞)の発見方法は次のとおりだ。
  渦巻き描きテスト
 紙にうず巻きを描く。その線の間に最初の線に触れないように出来るだけ正確に 新しい渦巻きを描いていく。10秒ほどで行なう。最初の線からはみ出したり、重 なったりしたら隠れ脳梗塞の可能性。

  キラキラ星体操テスト
 指を軽く開いた状態でひじを曲げて、手のひらが自分の方に向くようにする。手 のひらを15秒ほど回転させる。両手の動きが乱れたり、バラバラになったら要注 意。

  指鼻さわりテスト
 目を閉じて、どちらか一方の手の人差し指を胸の高さで固定する。その位置から 指を鼻の先へ持っていく。スムーズに持っていけなかったり、手が震えたりした ら脳梗塞の可能性。
 

2002年01月16日(水) 春闘はベアゼロと賃下げの動き

1月11日の日経は、02年の春闘での経営者側の指針となる「労働問題研究委員会報告」を報道していた。ここでは、「これ以上の賃金引き上げは論外」との方針を明確にすると共に、「間接的ながらも賃下げに言及したのは今回が初めて」であるという。この実質的な賃金の下落は押さえようのない時代の流れだといえる。一定の賃下げは、容認されるとしても雇用情勢が、更に悪化し続けると深刻な社会不安を起こしかねない。
 一般の物価は下がっているのに、規制の壁に守られた公共料金は高い。この料金の指数を合計すると、日本600、米408、英370などとなっている。この合計を%で示せば、日本の100に対して米六八%。英61%、仏60%となる。これは1ドル107円での比較である。1ドル130円で計算すると、日本の100円に対して、米56%、英51%、仏50%となる。一般大衆の賃下げも必要であろうが、公共料金が、米英仏などと比較して約2倍ある現実も大きなテーマとすべきである。

2002年01月15日(火) 流通大手3社

 1月10日の日経で、主にダイエーに関する報道が大きく掲載されていた。「主力4行が債務の株式化や債権放棄など支援する案が浮上している」とのこと。なにしろ、連結で2兆5641億円もの借り入れである。「法的整理の回避ではダイエーと銀行の思惑が一致」(同)しているという。ダイエーが法的整理に踏み切れば、金融機関への影響が大きすぎるのだろう。よって、「金融当局などは、主力行に再建築を早期に取りまとめるよう要請している」とのこと。
                    

2002年01月14日(月) 正社員1ヵ年で100万人の減少

 不況になると正社員のリストラを断行する。会社の所有者は株主であるとの見方にウェートを置くのであれば、正しい選択なのかも知れない。「2001年8月の正社員数は、3600万人弱。前年比で約100万人減り、四年連続減少した。」(1月6日 日経から)という。
 
 正社員は、98年から約3年で210万人減少している。反面、非正社員は200万人余り増加している。よって、この3年間の総労働力者数が激変しているわけではない。
 
 過日、有名なプラントメーカーの記事が出ていた。大幅なリストラ断行後、仕事が出て来て残った社員だけで消化出来ずリストラ技術者の再雇用を発表していた。こんなことをするようだったら社員の給料を1〜2年20%余りカットして耐えるほうが賢明であると思った。社員のリストラをしないと広言しているのは、筆者が知っている範囲ではトヨタ・ホンダ・キャノンである。1月4日の日経で「キャノンの決意」と題するリポートが掲載されていた。同社の御手洗社長は「ヒトに手をつけると肝心の研究開発力が落ちる。終身雇用は絶対守る」と人の重要性にウェートを置いた発言をしていた。

2002年01月13日(日) 2010年の失業者の予測

 新年早々この重苦しいテーマを記述するかどうか迷った。失業者の増加と産業空洞化は、表裏一体の関係がある。よって、日本企業の海外進出が、過去の5年よりペースが上昇すれば必然的に国内の失業者が増加することになる。

 例を2つ挙げてみよう。1月6日の日経で「どうする空洞化」と題して平山新潟県知事のインタビューが掲載されていた。「過去5年間で中国からの競合品の輸入が急増した。金属、洋食器は1.68倍、セーターなどニットは1.76倍の増加である。ステンレス製の食卓台所用品は4倍近くに達している」と。よって、三条、五泉、見附などはピークの91年に比較すると、30%から35%の生産減となっている。 

 新聞で2回ほど報道されていたが、日本の50CCのバイク、スクーターの80%以上が台湾製(ヤマハ)と中国製(ホンダ)になるようだ。シェア30%を握るヤマハが生産を日本から台湾に移管するのである。

 この動きに対抗して「ホンダはヤマハ発のアジア製に対する車種を投入する。2002年半ばまでに中国の合弁メーカーで生産した製品を輸入、日本国内で10万円を切る価格で発売する予定」(1月5日 日経から)

 これらの動きによって、現在15万円余りするバイク・スクーターは、30%余り下落することになった。消費者にとっては、ありがたいことであるが、年間70万台(1000億円)の生産が、台湾と中国に移管されていくのだから、産業の空洞化の見本と言えよう。

 国内の総需要に対して、どれだけ輸入品でまかなっているかは「輸入浸透度」で示す。「2000年は12.6%」(同)である。ケースAは、2010年までの8ヵ年で、この輸入浸透度が14.8%(2.2%増)に留まった場合、失業率は横ばいであるとの予測である。(ケースBは省略) 

 ケースCは、輸入浸透率がA(14.8%)と比べ10%上昇すると、雇用者数はケースAより900万人減少し、完全失業率は17.0%に跳ね上がる。ヤマハ・ホンダの例に見られるとおり、日本企業の生産拠点を移す流れは止めようがない。輸入がどれだけ増加し続けるのか。

2002年01月12日(土) 日本の開廃業率

 現在の日本の経済状況で、日米の開廃業率などを見てもあまり意味がないかもしれない。

 昨日も関連したことを記述したように日本の中小企業の倒産を含む廃業の数は空前のものである。今後更に廃業率が上昇することが予測される。この対策はあるのだろうか。

 1月6日ホンダの快進撃の核になっている言葉を引用した。「ホンダの企業戦略とは、従業員1人1人が能力と情熱を発揮できる環境を整えること」であった。これを国家に当てはめれば「国は国民1人1人が能力と情熱を発揮できる環境を整えること」になる。しかし、官による1万2000件余りもの許認可の支配があっては、開業率が増えるわけがない。     

 次に開業率が低い原因は、昨年の11月23日に記述したように破綻した経営者の扱い(破産法の中味)である。アメリカは、破産しても自宅は手放さなくとも良いのに対し、日本は殆ど再起不能になってしまう。昨日記述したように、国が破綻経営者の賃金まで追いかけるようではどうにもならない

2002年01月11日(金) 特別保証利用企業の倒産続発

 政府は1998年貸し渋り対策のために、特別保証制度を導入した。保証人や担保なしでも最高5000万円までの融資を受けられるため利用が急増し「30兆円の保証枠をほぼ消化した。」(1月5日 日経) ところが、この特別保証を利用した企業の倒産が続発しているのだ。

 「98年秋の特別保証制度導入から、2001年11月まで金融機関に対し肩代わり返済(代位弁済)したのは、7万2900件、9836億円だった。」(同)という。特別保証の資金を利用した企業が、利用開始から、わずか3年(36カ月)で72900件が代位弁済を受けている。代位弁済の件数と破綻事業所の数はほぼ一致するのだろう。代位弁済後、保証協会が倒産企業から回収出来たのは「11月末で530億円(5.4%)」に留まっている。

 倒産企業の経営者は、保証協会より代位弁済をしてもらうと、該当の債務は、保証協会が回収しようとする。「政府は再び働きに出た倒産企業の経営者の賃金などから債権回収を見込んでいたが、・・・難航している」(引用同)このような発想こそ無理なのである。

2002年01月10日(木) 日本の国際競争力 

 世界の民間研究機関が各国の競争力を示す指標を開発し、測定結果を公表している。時折新聞に登場するのは、スイスのビジネススクールであるIMD(経営開発国際研究所)が発表する指標だ。これによると、日本は93年まで5年連続1位から急低下して、2000年では17位(データーの国は49カ国)に低迷している。

 急にこれほど競争力が落ちるのだろうか「実質GDP成長率など各種経済指標が悪化し、順位算出で約半分の重みがあるとされている経営者調査の結果が芳しくなかったためとされる」(1月3日 日経の競争力の研究・基礎コースから)とあった。日本の上場企業の3分の1余りが満足な収益を計上できないことが原因となっている。

 アメリカが総合で1位と言っても航空機を除くと最大のライバルは日本企業である。1月5日の毎日で、アメリカの自動車販売のシェアがでていた。これによるとトヨタ7.5%増、ホンダ4.2%増、フォード6.1%減・クライスラ19.9%減・ゼネラル1%減となっている。

2002年01月09日(水) 輸出を支える日本のメーカー

 昨日書いたトウモロコシと大豆の安さが頭から離れない。もう1度輸出国の収入を円で示せば、アメリカ53億ドル(6890億円)ブラジル35億ドル(4550億円)アルゼンチン17億ドル(2210億円)で、3カ国の輸出金額の合計は105億ドル(1兆3650億円)なのだ。

 この3カ国で5345万トン(大型トラックで534万台分)の大豆を輸出して、1兆3650億円の収入を得ている。この数字を頭に置いて、1月4日の日経に報道された輸出を支える日本のメーカーを見ると、これらのメーカーがいかに日本の社会に貢献しているかが理解できる。

 3カ国の大豆の輸出額とキャノン1社の輸出額と同じなのである。「カメラや複写機では世界シェアの1位を誇っている。」(1月4日 日経から)今年度最高益を更新するのは、トヨタ・ホンダ・キャノンのようだ。



2002年01月08日(火) 大豆・トウモロコシの安さ 

 2年ほど前、世界の大豆とトウモロコシの安さにため息をしながら記述した。我々庶民が大豆油を安く購入出来るのは、アメリカ・ブラジルの大豆農家のおかげだ。

 1ブッシェル(約27キロ)当たりトウモロコシが2ドル少々、大豆が4・2ドル余りなのである。「米国産の対日価格は、トウモロコシが現在1トン116ドル前後(輸入港渡し)大豆が197ドル」(1月5日 日経)である。

 大豆を例にとれば、日本の港まで運んで、1トン197ドル(25610円)でしかない。日本の米60キロは18000円だ。大豆60キロは、わずか1540円なのだ。この価額は生産者でなくともショックを受けるほどの安さである。よって、大豆の輸出国の収入は少ない。  
                               

アメリカ     53億ドル(6300億ドル)                              
ブラジル    35億ドル(4200億ドル)                                                 アルゼンチン 17億ドル(2000億ドル)  

2002年01月07日(月) 対米証券投資が急増(円資金の流出)

 昨年の11月31日の余録で「銀行・生保・損保と事業法人の(株の)売り越し額は、3兆3000億円に達した」ことを引用した。この資金はどこへ行ってしまったのだろう。

 答えは簡単で「2001年の対米投資買い越し額は10月までで約6兆4200億円」(1月4日 日経)なのだ。円安傾向が明確になった昨年の10月から、大量の円が対米証券投資に向かっている。「円安が進んだ10月は約4兆600億円と、それぞれ大幅な買い越しになった」(引用同)昨年10月の1カ月のみで、4兆円強の円資金がドルに変わったのである。

 11月・12月は、どれだけの円資金がアメリカに向かったのだろう。96年から昨年の10月まで約22兆円の円資金がドルに変わってアメリカに向かっている。生保などの機関投資家の立場に立てば、日本国内では運用先がないことによるのだろう。
 
 この対米証券投資は、個人にもひろがっている。「日銀の統計によると、7〜9月の家計の対外証券投資額は約1兆1600億円」(引用同)である。ゼロ金利の円を持っていてもどうにもならないと個人がドルに資産を変え始めている。この流れがどうなって行くのだろう。


2002年01月06日(日) 逞しい企業 ホンダ

 日経の元旦から、逞しい企業と題するリポートがシリーズで始まった。最初に取り上げられた企業はホンダであった。昨年の12月12日に「ホンダのフィット爆発的な売れ行き」と題して少々記述した。

 この時点での認識は、フィットの室内の広さや燃料効率の高さから爆発的に売れているのだと思っていた。ところが、価格面も決定的な要素となっていたのだ。「ホンダはコスト競争力を着々と高めている。フィットはトヨタの競合車『ヴィッツ』より20万円割安な114万5000円という価格で業界に衝撃を与えた。」(1月3日 日経から)という。
 
 ホンダが「激戦の自動車市場で、巨人のトヨタ自動車すら脅かす快進撃を続けている。従業員12万人の巨大企業でありながら、自由闊達な企業文化を世界にひろげている」(1月1日 日経から)この逞しい企業の秘密を探るのが連載の目的なのである。
 
 ホンダの吉野社長のコメントは、過去もここに引用したが、再度ホンダの快進撃の核となっている言葉を引用してみよう。「ホンダの企業戦略は、従業員1人1人が能力と情熱を発揮できる環境を整えること。その前提にはよきアイデアには肩書きも地位も関係ないという信念であり、それは揺らがない」(引用同)と明快に語る。この解説の中で、ホンダのコストダウンを目指すさまざまな事例が紹介されていた。
 
 技術者が口を挟むためコストがかさみがちだったが「部品メーカーに徹底的に任せ新たな可能性を開く」としてアコードのマフラーの事例がでていた。「マフラーの重量など簡単な条件を指定するだけで具体的な技術や大きさなどは自由提案。・・・コスト、重量とも目標を10%以上下回った」という。従業員だけでなく、部品メーカーの能力をも生かし切るのがホンダの企業文化のようだ。

2002年01月05日(土) 日本の株価と米企業上位10社の時価総額

 1月3日の日程で、有名企業の経営者40人による今年度の株価の高値と安値の予想が出ていた。ほとんどの経営者が、今年1月〜3月に平均株価が1万円を割り込むと予想していた。その平均株価は、9260円で小泉内閣が抵抗勢力に屈すれば6000円まで下がる(松井証券社長)との見方まで出ていた。
 
 高値を記録する時期は、ほとんど今年の10月〜12月で、その平均株価は1万3350円となっていた。これ以上上昇することはないのだろう。これに対してアメリカの株価はどうだろう。

 同時多発テロで多少下落したものの年末の平均株価は「1万21ドル50セント」(1月3日 日経)を記録している。アメリカ企業の時価総額は桁が違う。GEを例にあげると、ここ1社の株価が3982億ドルで、日本円では51兆7000億円なのである。

 アメリカ企業の上位10社の時価総額は2兆5776億ドル、日本円で338兆円だ。これは、日本の全上場企業の時価総額(280兆円)を上回る数字なのである。

2002年01月04日(金) 抵当権設定者の回収率はわずか9・8%

 1月3日の日経で、商業ビル・宅地がいかに下落しているかを示すデーターが報道されていた。抵当権設定者の大半は、金融機関である。商業ビル・一般住宅に抵当権を設定して、設定額を融資するのが一般的だ。抵当権者はこの融資の回収が出来ないと物権を競売に出す。

 ただし、この競売物件に落札者がいなければ、抵当権設定者は、資金の回収が出来ない。「東京地裁が2000年度下期に実践した商業ビルなどの落札率は48・6%と前期に比べて2・6%低下した」という。競売に出しても落札されるのが半分以下では、金融機関の債権回収がいかに大変かを裏付けるデーターである。
 
 それでは、落札された物件はどの程度の金額になったのだろう「担保不動産が落札されることでどの程度の抵当権設定額が回収出来たかを示す回収率は、9・8%と前期から1・7%低下。抵当権の設定額は6381億円で、このうち回収できたのは624億円にとどまった」(1月3日 日経)

 この落札された物件の数は、641件で、ここに設定してあった抵当権の設定額の合計が6381億円(1件平均10億円)であった。これが624億円(1件平均約9800万円)にしか落札されていない。これが土地バブル崩壊の現実だ。くすぶり続ける政冶的なテーマは、金融機関に対する公的資金の再投入になるだろう。


2002年01月03日(木) 出生率最低・離婚28万9000件・日本の技術

 出生率の低迷が続いている。本来は、1970年代前半に生まれて来た人達が、結婚適齢期を迎えているので、多少のベビーブームがあっても良いのだ。

 しかし、今まで何回も記述してきたように、結婚しない人(出来ない人?)が激増しているのである。あと4〜5年で死亡者より出生者が少ないという人口の減少が始まる。                    

 12月31日の厚生労働省の人口動態統計の推定は、死亡者のほかに離婚件数も発表していた。これによると「離婚件数は28万9000件で、前年より2万5000件増え、過去最高の伸びとなる見通し」とのこと。

 この日々の映像を書き始めた1997年度の離婚は22万件であった。どうしてこれだけ増え続けるのだろう。今月31日の余録で多少加筆したいと思っている。

       ◇       ◇       ◇       ◇
                
                  日本の技術 
                    
 1990年初めからの約10年は「失われた10年」と言われる。これからも国内コストの高さから、暗澹たる予測も珍しくない。日本はそれほど悪いのだろうか。上場企業の15%余り株価が100円以下となっており、今後どれだけの破綻が出るか見当がつかないことも事実である。平たい理解ではあるが、不動産にウェートを置いて来た国内企業は、確かに先行きは暗澹たるものがある。
 
 しかし、トヨタ・ホンダ・キャノン・京セラ・ソニーなどは、世界を圧倒するだけの技術力を持っている。これらの企業は、日本の「失われた10年」に全く関係なく益々発展していくものと思われる。これら、日本を代表する企業の技術を客観的に立証するデーターが、1月3日の日経に出ていた。
 
 特許や製造技術などのノウハウを提供した技術輸出金額は2001年3月末時点で1兆600億円、前年度に比べ10%増えている。・・・海外から技術供与された際に支払った技術輸入金額は4400億円(前年度比8%増)。技術貿易黒字は前年に比べ600億円以上も膨らんでいる。アメリカを除く先進国の中で、技術貿易黒字を6200億円も出している国はないだろう。

 しかも日本は、世界一の科学技術を誇る米国に対し、技術貿易面で黒字を確保している。「貿易相手国は米国が圧倒的。日本からの技術輸出が4800億円で全体の45%を占める。輸入は3300億円」となっている。産業別では「技術輸出が多いのは輸送用機械。5900億円で日本の技術輸出の半分以上を稼ぎだしている。技術輸入は350億円弱」というから、トヨタやホンダの技術がいかに優れているかを裏付けている。

 先月も記述したが、アメリカの自動車メーカーは、日本の自動車メーカーの脅威にさらされている。1月1日の日経で、日本発の設計技術が紹介されていた。3次デザインの設計技術を確立したベンチャー企業インクス(代表 山田真次郎)に「ホンダは山田のもとに96年から200人の技術者を派遣し、ノウハウを蓄積した」というから、技術のホンダを支える無数の企業があるのだ。

 このインクスが確立した設計技術は、部品の試作品をパソコン上で作り、強度試験も出来るという活気的な設計技術である。日本の技術は、このような多くの中小の企業に支えられている。


2002年01月02日(水) 日米の個人金融資産の構成 

 去年の11月23日にアメリカの破産法の概要を記述した。アメリカに開業率が多いのは、事業に失敗しても再起を促す法体制になっているからだ。現在の不況から抜け出すには、アメリカと類似した法体制になっていく必要があると思った。
 
 1月元旦の日経に掲載された日米の個人金融資産の構成は、日米の違いを最も具体的に示している事例である。少々補足すると、日本の個人金融資産1390兆円に対して、アメリカ4329兆円(日本の3倍)である。アメリカの人口は日本の2倍なので、資産が3倍あってもおかしくない。
 
 一番大きな違いは、保有株式だ。日本の91兆円(6・6%)に対して、アメリカは1549兆円(35・8%)も保有している。日本政府と企業・証券業界は、個人金融資産が株式に向かうよう最大限の配慮が必要だ。

2002年01月01日(火) 新 年 会 

 99年にも記述したが、元旦に毎年行かなければならない新年会がある。そして、来賓として少々挨拶をする。今年はアメリカの同時多発テロのこと、上場企業の中で株価が百円を割った処が200社に達したことなどを少々話して新年の挨拶とした。
 
 この集落の新年会には、8年余り出席している。社会での中堅層の人が多い。年1回しか会わない人も多いが、この地域を襲っている不況の深刻さをひしひしと感じる懇談であった。ナショナル専門店の店長は「なにしろ価格の下落で、どうにも利益を出せない。これで3年間、賞与なし、新年会なし、旅行なしが続いている」と言っていた。
 
 五泉市のニット関係の話も出ていた。「ニット組合に所属している企業の売上は、ピークの60%になった。この組合に所属している50社の内、賞与を支給出来たのは4社だった」と。毎年懇談して来たスタンドの店長ら「利幅が少ない。油を売るよりペットボトルを売ったほうがよいくらいだ」と悲鳴に近い話があった。

 反面65歳以上で、懇意にさせて頂いている3人は実に元気だった。その中の1人は、「63歳で退職して、本当に良かったと思っている。退職して3年経ったが今の人生が最も充実している」と言っていた。新年早々人生に明確な区切りをつけられる人は幸せだと思った。

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石田ふたみ