『日々の映像』

2000年01月31日(月) お茶の薬効

 お茶を飲む習慣、日本の大きな食文化の一つである。世界の住宅のことはよく知らないが、家の中で「茶の間」と呼ぶ部屋があるのは日本ぐらいではないだろうか。その昔は茶の間の囲炉裏を囲んであらゆる種類のお茶を飲んで来たのである。お茶の種類も薬草茶を含めると数多く流通している。ここでは最もポピュラーでしかも安い麦茶について記述したい。

 麦茶をのむと血液の流れが良くなる・・・と言う研究が食品メーカーのカゴメと農林省食品総合研究所が発表した。「健康な男性5人が、市販の麦茶250ミリリットルを飲み、飲用前後で採血。類似毛細血管に血液を通す特殊装置で血液の流れ具合を調べたところ、100マイクロリットルの血液が通過するのにかかった時間は、飲用前の平均40.3秒から飲用一時間後は36.8秒に縮まった」(99年12月14日 農業新聞)という。

 俗語の「血の巡りが悪い奴」「うどの大木」という言葉は、血液の流れの善し悪しが、頭脳の回転I関係があるとの認識から生まれた言葉のように思う。サラサラの血液こそ健康の元であることは素人でも十分に理解出来る。麦茶を飲むことによって、血液のスピードが10%余り増すというのだから注目に値する。

 この麦茶に関して、「静岡大学農学部と京都薬科大学が、麦茶が胃に出来た傷を抑えたり、糖尿病の合併症を引き起こす物質を抑える作用があることを明らかにした」という。血液の流れを良くし、胃に出来た傷をも治したりする麦茶は最も優しい飲み物であると言える。(詳細は後日に)

2000年01月28日(金) 理想の死に方 (3号の引用)

 シグネチャー2月号に塩田丸男氏の随筆「理想の旅たち」が載っていた。「私の死亡記事」という本がある。この本は各界102人の著名人が執筆者なのである。この本にはどのように死にたいかという希望が記述されている。「読者と歓談中に急性心不全で死亡」(安部譲二氏)「最後のさくら鑑賞中に突然倒れ、救急車で運ばれたがまもなく死亡」(岩見隆夫氏)「誤って谷間に転落し頭を打って死亡」などなどである。
 
 塩田氏の指摘は「102人もの人が死を語って、誰もが一言も介護に触れていないというのはどういうことだろう。自分が死に至る過程で、他人の介護を受ける状態になる・・そんな状態を誰もが考えたくないに違いない。下の世話を見知らぬ他人に朝晩してもらう・・・こんな毎日を何ヶ月も過ごすくらいなら・・・ピストルで自分の頭を撃った方がまだましだ、と思うのだろう。
 
 介護などはされないで、死を迎えたいとする心理は良く理解できる。しかし、人は老いて病の過程を経て死んでいくのである。丸田氏は「あたたかく、やさしい、よき介護を経て死に至る。これが理想の旅立ちではないだろうか」と結んでいた。
 
 モナリザを描いたイタリア・ルネッサンスを代表する偉人・万能の天才レオナルド・ダ・ヴィンチの有名な言葉がある。

    「充実した人生は長い
    充実した1日はいい眠りを与える
    充実した人生は静寂な死を与える」

 静寂な死を迎えられるようになるには、テーマを持って今日を充実した1日としなければならないのだ。

2000年01月20日(木) 食品添加物の総点検

 かていで食物を調理する時は、腐蝕防止剤・着色剤・酸化防止剤などの薬品は使用しない。しかし、工場で食品が生産される時は、ほぼ、100%これらの食品添加物が入っている。ハム製造メイカーの社員は自社製品を口にしないという話を耳にすることがある。日本でいったいどれだけの食品添加物が使われているのだろう。
 
 食品添加物の危険性を指摘した「買ってはいけない」の販売部数が百万部のベストセラーになった。この背景には、あらゆる食品添加物が本当に安全なのかという疑問を多くの国民が持っているからだと思う。厚生省は物議をかもすような情報は公開しないように思う。厚生省は「使用を認めている(食品添加物)800種類を対象に2000年3月まで調査を終え、問題があれば販売差し止めなどの対策を講じる」(1月10日 日経)と初の総点検の方針を明らかにした。

 800種類もの食品添加物が総量で何万トン生産され、国民一人当たりの平均摂取量は、重量にして何キロになっているのだろう。厚生省は、この膨大な数の添加物が国民の健康にとって許容量の範囲だとするのであれば、この800種類の食品添加物の総消費量の情報を公開すべきである。総点検といっても、この全体像は物議をかもし出すので、公開されることはないだろう。

 長年葬儀屋さんをしてきた人が「最近死ぬ人は、食品を通しての腐蝕防止剤が体中に染み込んでいるので腐りません」と言っていたと言う。

2000年01月09日(日) 酒豪にコーヒー効果

 酒を多く飲む人は、脂肪が肝臓に沈着して、やがて、肝炎になることがある。私の友人で肝臓を壊した人がいるので酒を大量に飲むと肝障害になることはよく理解出来る。この肝障害の指標となっているのが、健康診断の項目の中にあるγ(ガンマー)GTP(標準値は40以下・健康診断の基準は3〜52)のデータ-である。

 九州大学の教授古野純典さん(予防医学)らの疫学調査によると「同じ酒飲みでもコーヒーを多く飲むと肝臓への負担が軽くなることが分かった。・・・1994年に50歳前後の自衛官2500人を対象に調べたところ、コーヒーをほぼ毎日飲むグループは、飲まないグループに比べGTPの値が低いことが分かった。このコーヒー効果は、特にアルコールを毎日60ミリリットル(ビール2本または日本酒2合)以上飲むケースで顕著だった」(12月29日毎日)

 中部公衆医学研究所でも1万3000人を対象にした調査でも同じデータ-が報告されている。「コーヒーを毎日3〜4杯以上飲む人は、飲まない人に比べてγGTPは平均で10ポイントも低かった」(同)このコーヒーによるγGTP抑制の効果は米国の大規模な調査でも判明しているとのこと。ただ、コーヒーのどの成分に効果があるのかは分からないようだ。

 最近は食品の薬効の研究が進んでおり、過日ザクロ・梅などの薬効が報道されていた。天然にある食品は、漢方でいうことろの食薬一体であるといえる。それにしても、コーヒーに一定の薬効があることは、12月29日の報道で初めて知った。ちなみに、私のγGTPの記録は、平成8年14・平成9年12・平成10年11・平成11年9のデータ-であった。

2000年01月03日(月) アインシュタインは天才の異名

20世紀が終るに当たって、アメリカのマスコミはこの年代の最大の科学者として、アインシュタインの名を上げていた。そして「アインシュタインの名は天才の異名となった」と評していた。
 
 アインシュタインの語録は実に味わい深い。以前にも引用して重複する言葉もあるが、引用したい。「私は神がどういう原理に基づいて、この世界を創造したものかをしりたい。その他は小さなことだ」「真実は美しく単純である」モーツアルトの音楽について「宇宙に昔から存在して、この巨匠により発見されるのを待っていたと思えるほど純粋だ」といっている。

 アインシュタインは、晩年動脈瘤が破裂しての激痛に見舞われた。手術を勧める医師にアインシュタインは「私は私が望むときに旅立ちたいのです。命を人工的に引き延ばすのは邪道です・・・もう旅立ちの時です。私はそれを優雅に行きたいのです」と言っている。彼の秘書は「彼は偉大かつ素朴な人であり、死を微笑みながらまるで自然のことのように待ち受けた」と書いている。

 人生の総決算は臨終にあると言われる。どのような心境で死を迎えられるか、これは、意識の有無に関係なく一人一人に横たわるテーマではないだろうか。

 アインシュタインは、驚きの重要性について「旺盛な好奇心や物事の不思議を感じ取る鋭い感性は、子供の時代に限らず生涯を通して持ち続けた」という。時折、健康に関することを書くが、その理由は、肉体と心の不思議がベースとなっている。(参考文献 「アインシュタインの世界」)

2000年01月02日(日) 20世紀はどんな世紀であったか

 20世紀はどんな世紀であったかという特集が、多く報道されていた。確かに、この100年科学技術の進歩は大変なものであった。自動車、家電製品など50年前では考えられないような豊かさである。しかし、地球上の60億人の内、この豊かな生活をしている割合は、10%少々と言う現実に目を向けなければならない。
 
 20世紀を振り返る時、最も重要なことは戦争による大量殺人ではないだろうか。「第2次世界大戦では、一般市民の死者が3000万人近くに達し、軍人の死者も前大戦の1.6倍の1600万人に及び、100年で5000万人以上の犠牲者が出た」(12月29日 日経・春秋から) 戦争を起こすのは少数のリーダーであり、これによる犠牲者・破壊は大変なものだ。残念ながら、21世紀も民族・宗教の差異による戦争は絶えないようだ。

 次に特筆すべきことは、人口の爆発の世紀であった事である。「100年前の世界人口は、16億5000万人に過ぎなかった。それが現在では60億人、2050年には更に90億人へ近づく」(同上 引用)この人工の増加は、主に発展途上国に見られる現象である。21世紀は、爆発的な人口増加を止める知恵が試される時代ではないだろうか。

 日本の人口は、約1億2000万人である。今後50年間で、予測通り、世界で30億人もの人口の爆発的な増加があれば、何が起るか容易に予測される。アメリカの一部で起きているように、人口増加が原因で水・食料不足から争いが起きるという構図が待っている。

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石田ふたみ