『日々の映像』

1996年12月31日(火) 初めての読者に (2003年8月15日記述)

1 あいさつ    
2 エッセイ 「日々の映像」
3 日々の映像記述の動機
4 交流の散歩道(短歌と詩)  
 


1、 あ い さ つ   

 日々の映像と題するホームページを作るに当たって少々のことを書きしるしたい。私は2002年6月に会社を退職するまで、パソコンに触れたことがなかった。その私がホームページを作るに至った経過をこのページを開く皆様に対して、ご挨拶を兼ねて説明をさせて頂きます。
 
 1997年1月から1日1枚の日々の映像を書き始めた。私の目に映る社会の出来事を「映像」と名付け、その印象、適切な捉え方、多少の意見などを記述してきた。妻が書道の心得があったので、私が原稿を書き妻が清書して日々の映像を完成させた。

 今の時代に手書きエッセイは珍しく、スタート1年で50名余りの読者が出来て途中で辞められなくなった。この手書きの日々の映像は2001年12月まで満5ヵ年1825回の記述となった。しかし、手書きの原稿であるため月末に行なう校正が大変で、2002年1月からパソコンに入力するようになった。

 しかし、パターンは以前と一緒で私が原稿を書き妻が入力してきた。2002年10月から1ヵ月パソコンを習いに行ったが、自分で日々の映像を入力することになるとは夢にも思っていなかった。しかし、私がパソコンを操作する決定的な動機が訪れた。妻が2003年1月に病気のため入院したのである。

 仕方なく、妻の看護をかねてパソコンを病院に持ち込み入力を始めた。少々の知識もあったので、それから以後自分で日々の映像を完成させるようになった。身近にパソコンのプロが何人もいるので、教えていただき5月から電子配信をするようになった。

 これと平行してホームページの準備に取り掛かった。作ろうと思った動機は、過去の資料の検索である。手を動かして書いたことは記憶に残っている。このテーマは何年ごろ書いたとの記憶があっても、手書きの原稿から見つけ出すのはなかなかの苦労である。

 よって、ホームページの中に1997年1月以後の2400回余りの目次をまず整理しょうとの計画を立てるに至った。今回の完成は2002年1月以降の目次と本文700回分、それ以前の1825回分は目次のみである           

                        2003年8月30日

2、 日々の映像
 (1)1997年1月から5ヵ年はとりあえず目次のみの表示。
 (2)2002年1月から現在までは、全文を掲載。

3、 日々の映像の記述動機 
 
 日々の映像を書き始めた動機を質問されることがある。1996年の春シャープのザウルスを買った。このなかの自由レポートの中に、読書感想、友人に対する気持ち、社会の出来ごとなどを我流の短歌で書き込むようになった。そして友人との懇談のとき、ザウルスを開いて談笑の花を咲かせていた。

 そんなことをしている内に、友人から「そんなに書いているのであれば、参考にしたいので紙に書いて送ってくれ」との依頼を受ける。そこで、1996年の春から散発的に書き出した。この年は文章でなく、短歌と多少に詩が中心であった。今開いて見るとかなりの分量であることが分かった。
 
 全くの我流の短歌で、ここに挿入することにためらいもあるが、日々の映像の記述動機になった短歌を引用した。以下の短歌はザウルスに残っていたものの中から代表的な短歌である。その他の我流の短歌・詩は、後記する「交流散歩道」の中に入れさせていただいた。

(1) 友人・知人に接して  (この短歌は友人に書いて渡したもの)
・喜びも 悲しみ共に 語り合う 友よ何処と 想う時あり
・君の顔 溢れる感性 逞しく 新たに生まれる 明日への道が
・身を固め 山に働く 男たち 大きな声に 力満ちゆく
・君の指 巧みの世界 限りなく 心を奏でる ピアノの響き

(2) 自然の接して
・渓谷の 小さな流れ せせらぎよ 無数に集まり 大河の流れ
・路傍にて 黄金の稲穂に 近づけば 秋の大地の こよなき薫り
・秋風が 優しくほほを 通り行く ススキも風と 戯れ遊ぶ
・平安の 歌人たちも 仰ぎ見た 宇宙に浮かぶ 神秘な光

(3) 子供に接して
・幼子が 初めて歩く 一歩二歩 歓喜の顔に 生の輝き
・子供たち 学ぶ喜び つかめれば 爆発的に 伸び行く若木
(4) 婦人の力
・看護婦の 心のささえの 先駆あり その名轟く ナイチンゲ−
・家庭とは 生きる力を 呼び起こす 賢い主婦に ナースの力

     

 4  交 流 の 散 歩 道

 以下の短歌・詩は、友人との雑談の中に生まれたものである。ホームページに挿入することにためらいもあったが、人生は案外と雑談の中からひらめきが生まれることもあるので、我流の短歌・詩を掲載した。

(1)友人と接して  (この短歌の大半は友人に送ったものである)
・過ぎ去りし 過去の絵模様 こだわるな 明日を編むのだ 心の錦
・眼差しに 生きる光が やや弱し 迷路の森も やがて終わるよ
・限りなく 愛しく想う わが夫 無事を祈って 朝の見送り
・振る舞いに 妻への愛が 滲み出る 男の純情 素晴らしきかな
・連日の 寸暇を惜しむ 活動に 天も助けん 君の行く手を
・日焼けして 機敏な姿の 山男 額に光る 汗逞しい
・鍛えれば 70歳を 越えてなお 頭脳の速さ 素晴らしきかな
・前向きに 生きるところに 若さあり プラス思考が 長寿の秘密
・皆がいう 心の老いで 老人だ 心の若さは 永遠の青春
・友情を 知らぬ人達 数多し 君と通うか 心の絆
・友情と 音色の中に 喜びが 心に響く 世界の言葉
・若い君 彩る出会い 何処にか 現れ待つか 未来の夫
・片隅で 誰を待つのか 孔雀草 あなた待つ人 今日はいずこに
・繊細で 細やか過ぎる 君ゆえに 日々の心労 深く残らん
・幼子を 二人残して 夫逝く 子供に捧げる けなげな人生
・人生を 心も開かず 友もなく 一人で歩く 姿わびしき 
・恋知らず 愛も知らずに 暮れていく はかない日々よいつぞや変わらん
・誠実な 君の振舞い 可憐なり 何ゆえできぬ 愛する人が
・見栄を張り 2度も事業に 行き詰まる 家族を襲うは 地獄の日々か 
・人と人 その距離ちじめる 鍋料理 心を温め 笑顔が並ぶ
・輝ける 若さの中に 品位あり あなたの幸をば 母は祈らん
・人生の 最終章が 訪れる 生の炎で 何をか残さん 
・幸福の ダイヤモンドを 磨き行く 努力を重ねる 君よ幸あれ
・幾年か 苦渋の旅を 越えよかし やがて晴れるか 心の闇が
・君学ぶ 笑顔に接し 我嬉し 心の若木 日々育ち行け
・わが友よ 男の光 磨き行け 進む戦野に 味方集まる
・老いし父母 真心込めて 看護する あなたの振舞い 子の鏡かな
・人生は デコボコ道も 谷もある ひるまず進め 勝利目指して

(2)自然に接して
・豊潤な 緑の山に 来てみると 風が葉うらを 静かに走る
・岩肌に そっと佇む 水菜草 染み出る水が 命を保つ
・駆け足で 伸び行く速さ 不思議かな 生の神秘か 竹林のいのち
・昨日まで 稲穂と遊ぶ イナゴたち 今は何処に 姿を消すや
・音もなく 今年も来たよ 秋の時 柿の葉落ちて いつもの風情
・ひらひらと 右に左に 舞い落ちる 枯葉積もりて 初雪近し
・雪解けを 今日か明日かと 待ちわびて 地より押し出るフキノトウかな
・太陽を 40キロ(秒速)で 廻りゆく 不思議なるかな 宇宙の神秘
・清らかな 優美な大輪 香らせる 花の王たる 秋の菊かな
・純白で 無数に開く 孔雀草 清楚な心を 呼び起こすかな

(3)ホイットマンの詩を読んで
・神聖な 法則によって 造られた 自分自身を 私は歌う                                  (P41)
・底しれぬ 活力溢れる 命かな 人体こそが 貴い宝                                    (P41)
・書きためし 歌草読みて 熟慮する生と死のため永遠(とわ)を謳うかな                           (P42)
・繰り返す 生死の肉体 その奥に 永遠(とわ)の魂 限りなしかな                              (P43)
・この本は 私の愛が 包まれる 走り続けよ 世界の友へ                                   (P44)
・逞しい 民主主義の 新世界 何かの掲示が 活字の中に                                   (P45) 
・平凡で 天の恵みを 願わずに 糸目をつけず 善意まきゆく                                (P125)
 P138〜P140の詩の要旨
 ぼくに向かって宇宙の万象が
 ひとつの流れに解け合いつつ
 永遠(とわ)に押し寄せ続ける。
 万物はぼくに宛てられた手紙
 その文面を理解してやらねばならない
 ぼくは不滅 ぼくは荘厳

(4)糸魚川の構造線に来て
・糸魚川 構造線に 来て想う 母なる地球の 無限の力
・悠久の 時間を刻む この山稜 地球の神秘 想うひと時
・2億年 サンゴの死骸 集まりて 石灰山の 巨大な雄姿

(5)子供に接して
・母と子が 寄り添いあって 眠りけん 越えるものなし 平和な眺め
・母の愛 無償のゆえに 美しく 囲まれ育つ 二歳の敬矢
・幼子は 家族の愛に 包まれて 若木を目指して 育つ日々かな
・無垢な目に 溢れる興味 逞しく ゴマカシ効かぬ 輝く瞳
・少年よ 世界は広いぞ 学びゆけ 新たな知識が 明日への力
・幼子を 残して逝くは 無念かな 夜の帳も 揺れて泣く
・子育てに 捧げ続けた この生涯 母の心を いつぞや知らん

(6) 教育の所感
・学びたい 内なる希望 育てよう 管理教育 地獄の空間
・分からない 話を黙って 聞く生徒 心を知ろう 焦り悔しさ
・親たちが わが子を殺す 言葉あり 若木摘み取る叱咤(しった)の響き

(7) ミケランジェロのピェタ像の彫刻をみて
・晩年で 何を語るか ピェタ像 ミケランジェロの 神秘の象徴
・ピェタ像 死せるわが子を 抱き寄せる 母の慈愛の 傑作なるか
・年老いて 母のもとへと 帰りゆく 恋慕の情は 限りなしかな

(8) 社会に接して
・怒りあり 悪の病巣の もたれあい 業・学・官の トライアングル                         
・倫理観 全くゼロの この会社 哀れなるかな 死に行く人々                               (薬害エイズ)

(9) 短歌で書き留めた教訓
・試練とは 悟りの母なり なにごとも 捉える眼(まなこ)に 希望の光
・ただひとつ 希望という名 宝あり 歴史を変えた アレキサンダー

(100) 俳句
・山行けば 秋がささやく 風情かな
・コウロギや 何時まで泣くの 秋の夜
・晩秋の 霧雨流れる 山寂し
・すのこまで 湯垢が残る 冬の宿 

(11) 行き詰まる企業戦士(友)へ   (友人の激励で書く)
 俺たちは社会でさまざまな苦しみに遭遇する
 男のかいしょうか俺たちは家では何も言わない
 それにしては君はだいぶ落ち込んでいる
 人の裏切りで苦しんでいるのか
 そんなことは良くあることだ
 古今の名だたる人物はほとんど裏切りにあっている
 元気を出すのだ
 これくらいで負けるのではない
 そうか 人の心のはかなさで苦しんでいるのか
 所詮人の心はうつろいやすい
 時には 悲しいほどはかない物だ
 これを静かに受け止めるのが大人の風格だ
 そのほかにも落ち込む原因があるんだね
 同僚との競争に敗れておちこんでいるのか
 少々の競争に負けても良いではないか
 真の競争は心の深さと豊かさだ
 君はこれで勝利すればよい
 

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石田ふたみ