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眠る夢 2010年04月29日(木)

いつのまにやら 夜は胸元に帰り
眠りがすべてを支配する
今日が今日で終わるように
人は祈るように
眠り 帰り 夢を見る

今日 幸福な夢を見たのなら
明日 不幸な夢を見よう
そうやって 相殺して
夢は全部 いだき
君は 生きる人 であるように
君は 夢 でないように

祈り 願い 眠る




憎悪と慕情 2010年04月12日(月)

私の嫌いな私が貴方を嫌うのです
そうしていつも
私は私の扉を閉じるのです

彼岸の夜が暮れる頃
オレンジ色の花が咲きます
それは夕闇の色に似て
貴方が手を振るように風に揺れます
私は手を振り返しません

始まりも終わりも見えない川の向こうに
貴方がいます
いいえ
私が貴方の向こうにいるのです

血を吐くほどの苦しみがあります
涙を流すほどの悲しみがあります

流れるままに川は光を湛えます
私は貴方から目をそらしていたいだけです
知らないふりをしていたいだけです
聞こえないふりをしていたいだけです
同じ色に染まる花も空も
ただただ虚しいばかりです

貴方が私を嫌っているのです
そう思うのです
私はそう思うのです




地球のまばたき 2010年04月03日(土)


私は目を開ける

私は目を閉じる

地球はまばたきもすることなく
回り続ける
目を回すこともなく
代わりに私たちが目を回す

目が 回る

私たちの人生が
地球のまばたきの瞬間なのだとしたら
なんて短いのだろう
地球のまばたきの連続なのだとしたら
なんて長いのだろう

青い瞳が底に落ちて
まばたきのなくなる前に
早く

私たちはまばたきを繰り返す
覚醒と眠りの間で
生きる人間を繰り返す





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熊野
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