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僕のアンソニー 2005年07月28日(木)

君の形状をした人間であっても
中身が君でなければ愛さないよ

僕のアンソニーは笑って言う

では僕のドッペルゲンガーを愛さないでいてくれるんだね

世界に三人の僕の形たちよ
(僕の主観からの物言いを許せよ)

僕のアンソニーは渡さないよ




ことばかたちあなた 2005年07月14日(木)

ことばにならない何か、
を、ことばにしたくて、
どうにかかたちにして、
そうして、発するけれど、
ねえ、これで届いてる、
かな

ことばにならない気持ち、
が、やっぱり、あって、
ことばにならないことば、
を、どうか汲み取って、
って、ワガママ

気持ち、
よ、気持ち、

私の気持ちは、私にしか、
わからないのよ、なんて、
言わせたくなくて
(他人にも、自分にも)、
だから、わかって、


ことばのかたち、
で、あらわせないもの、
が、かならずあるから、
ぜんぶじゃなくていいから、
どうかどうか、汲み取って、


それをすべて、
と見ないで、





静寂に、灰 2005年07月11日(月)

君は幸せだったんだね
と無責任なことを言って
僕は君から逃げようとした

さざなみは終わりを告げて
僕は雨雲を呼ぼうと思った
君に捧げる最後を素晴らしいものにしたかった

けれど君は何をせずとも笑うので
じゃあこのまま離れてしまったほうがいいのか


何がいけなかったんだろう
何がよかったんだろう
渦中にあった恋のことは
何もわからない

きっとここから足を抜けば
何だったかわかる?

君は悟ったように笑うから
だから僕は逃げたくなる

さようなら
さようなら
笑顔は素敵かい

靴に染みこんだ海水を
舐めたらしょっぱいよね
ってちょっと苦笑い




晴天、おくじょう 2005年07月09日(土)

夏空を駆ける僕たちは
いくつもの壁を乗り越えたつもりで
でも子どものままだって
思っていた

目を細めて笑い合った
それは信じていた印だよ

君に会うのは
キの抜けた炭酸水を飲むみたいだ

もっと叱ってよ
僕は丈夫だよ
涙を見たくないんじゃなくて
泣かせたくないだけなら
もっと怒ってよ

手を繋いで
僕らは子どもの頃を通り過ぎよう




並んだ肩先を 2005年07月08日(金)

嫌いになってくれ
と願っていたのに
嫌いになられるのはこわい
と言うのはなんで

揺れる夕暮れに君の涙
ひかり
赤い頬
染まってしまったのは
私たち二人ともだったよ

私が君を嫌いになるよ
君は私を好きなままでいればいい
すごくすっぽりとおさまるよ
素敵に

明日は友達でいよう
今日は恋人同士でも
明後日は知らないけれど
明日は友達でいよう

さようならを言わない私たちは
すごくずるいね




透けてみえる 2005年07月03日(日)

こぼれるあつい吐息に
夏がやってきたのだと
おもい はせる

空は遠くにあると聞いていた
飛行機が飛んでいるところに手は届かないから
だから空は遠いんだって

じゃあ今ふれているこれは
いったいなんだろう
空じゃなければなんだろう

遠いとか近いとか
私にはわかんないけど
この夏のこの青の中の私
それは空の一部分なのだと思う

ここにあるよ
だいじょうぶ
ここにいる





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熊野
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