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2004年05月25日(火) オイディプス王

シアターコクーン、そして蜷川幸雄演出作品である。
前の公演のときはチケットが取れなかったので、今回は思い入れもひとしお。とはいえ、狂言から萬斎ファンになっていないところが、実にミーハー丸出しなんであるが。
劇場に入って驚いたのだけど、席がなんと最前列、かぶりつきである。舞台が半円形にせり出しているから、とにかく近い。
微妙な表情の変化、目の動き、衣装の隅々まで観賞できる。ついでに熱演する役者さんの汗も唾も飛沫になって飛んできそうだし、激しい動きに「ハアハア」という息遣いまで聞こえるほど、近い。
こんな機会は滅多にあるまい。幸せ……。


【あらすじ】
疫病や不作など国に不幸が続き、国民の代表が王であるオイディプスに嘆願にやってくる。
彼は国の混乱を静めるために、アテナイの神託所に使者を遣わす。
そして得た託宣は、「前王の流した血をその犯人の血によって洗え」というものだった。
嘆願者たちを前に犯人の探索を宣言するオイディプス――しかし、次々と集まってくる状況証拠は、犯人がオイディプス王自身であることを示してゆく。無論、彼には身に覚えがない。前王を殺したのは誰か……?


【感想】
ギリシャ悲劇としては有名な作品なので、筋立てを知っている人も多いと思うのだけど、この話自体は、最初の段階でその後の展開はわかるし、大きなどんでん返しがあるわけではない。
観客も、進行していく悲劇を見守るという姿勢だが、しかし、それにもかかわらずとても見応えがあった。
それは何よりも出演者たちの力量というものだろう。
直接観客に語る要素の多いギリシャ芝居が、音楽も装飾も照明による演出の全くない狂言のスタイルに重なるのか、裸舞台での経験に裏打ちされた確かさで萬斎さんはオイディプスの劇的な内的変化を語りつづける。
特に、最後の場面は胸に染み入る哀しみを感じさせ、客席からすすり泣きが聞こえたほど……演劇で泣いたことのない私は驚いたものである。
神が授けた運命は、だがそれを実行するのは紛れもなく自分である。穢れは自分の行為によるものだ。
どんなにおぞましくても、その「運命」を「運命」として受け入れて、はじめて、オイディプスは自分の穢れを受け入れ、心の平穏の拠り所を得ようとしたのかも知れない。

ところで、この公演はもともと最終的にギリシャの野外劇場「ヘロデス・アティコス」での上演を前提にしているため、今回の舞台セットはその舞台を模したものになっているのだそうだ。
正面に扉付きの壁、その前に階段、そして円形に床が市松模様の小ぶりの本舞台。そして「ヘロデス・アティコス」の舞台構造上の制約に従って、全く客席や客席通路を使わず、出入りも舞台左右の入り口を使うだけで、主に舞台中央で芝居が展開する。
また、「ヘロデス・アティコス」の本舞台がすり鉢の底にあり、客席がそこから上に這い上がっていく構造なので、日本公演でも、台詞は上に向かって叫び上げるように演出が施されている。←このあたりはパンフレットからのにわか薀蓄(笑)。
そう考えると、逆に上層階席のほうがギリシャの劇場の雰囲気を味わえるのかも知れない。あああ、円形劇場でやるというギリシャ公演も観たい〜。
休憩なしでノンストップ2時間と、初演よりやや短くなっているのも、暑い夏のギリシャでの上演を考慮してのことらしいのだが、観るほうも気合を入れないと置いていかれるかも。


2004年05月21日(金) ただ今試験運転中と書評UP

コンテンツを少し整理しがてら、模様替えしてみました。
フレームページを「快楽読書倶楽部」だけにしたのですが……かえって使いにくいでしょうか。
ただ今試験運転中につき、ご意見募集中です。

書評は、快楽読書倶楽部>畑中恵氏『しゃばけ』をUP。
この本を送ってくださった友人T画伯に感謝♪
今週の読了本の「ぼんくら 上下巻」宮部みゆき著は次回に。

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笑顔が怖い……。

またもや公表されたイラクの捕虜虐待写真。
屍の前でポーズする米兵の底抜けに明るい笑顔は、
戦争の狂気か、人を人とも思わぬアラブ蔑視ゆえか。
その笑顔の明るさゆえ、心が寒々とする。


2004年05月06日(木) 油粕を喰ったオンナ

あまりの天気の良さに、紫外線過敏症(が正式名称らしい日光アレルギー)をものともせず、怪しげ風体でベンシャミンを植え替えた後日談である。

その後、陽気がジェットコースターのごとく不安定で、ついにはメイ・ストームだと?
むーん…植え替えて間もない植物は繊細だから、やっぱりお家に避難させてやらねば――というわけで、シンビジュームやらオンシジュームやら、そしてもちろん、ベンジャミンも家の中に避難。
ふう、これでばっちりじゃん。が、

翌朝、事件は発覚した!

起きぬけでボーっとしたまま(低血圧なので朝はムチャクチャ弱い)、私の足はジャリッ、と何かを踏んだ。
ドヒャッと飛び上がって足を着いたところで、また、ジャリッ
な……何が起こったの???
足は、ばら撒かれた土を踏み締めていた。
その軌跡を追っていくと、植え替えたばかりのベンジャミンの根元に拳二つ分くらいのでかい穴が……。

ふりむけば、前足の爪に土を詰め、口の周りを土だらけにして、気持ちよさげに眠りこけるヤツがいる――。

「こらぁ〜! YUI!!」

わたしゃ、思わず、朝っぱらから発声練習。ヤツも驚いて飛び起きたけど。

朝ごはんを犠牲にして、ベンジャミンを確認したところ、

ぬぁんと!

うちのきゃわいい愛犬「YUI」(♀)が、油粕を喰ったことが判明……アホや…ほんとーにアホや。
まぁ、お腹こわさなかったから、いいか……。いいのか? ほんとにほんとに、いいのか?

ちなみに、ご飯をあげていないわけではない。
おやつもちゃんと食わせている。
ただ単に、ひたすら、YUIが意地汚いだけなのだ。誤解なきよう……。

えっ?飼い主に似るって? 
食いしん坊なのは認めましょう。でも私は「油粕」を食べるほど修行していませんてばっ。←何かが違う?


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