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2004年01月23日(金) 萬斎さんと今週の偏っている読了本<2>

苦節1年、萬斎さんの狂言のチケットがとれた〜♪←去年は狂言の方は一枚も取れなかった。
舞台は4月なのでまだ先だけど楽しみ。こんな先の予定なんて全然分らないんだけど、今年は取りあえず申し込んでみるから始めました。
じゃないと、いつ出かけられるか分らないことに気がついたから。やっぱり既成事実を作ってしまうのが最強ですわ(笑)。

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☆私的覚書/2004.01.22まで
『京伝怪異帖 上下巻』/高橋克彦
花のお江戸を跋扈する天狗、生霊、神隠しなどの謎めいた事件を、山東京伝と平賀源内が活躍する連作ホラー時代小説。絵師や戯作者といえば、やっぱり高橋氏の独壇場だね。伝蔵の使う銅製の糸印という武器設定も新鮮。
『紅蓮鬼』/高橋克彦
人間の淫らな部分を利用して鬼がとり憑く。肩のこらないエンタテインメント。
『花鬼』/山藍 紫姫子
たぶん最新刊。観月流を継ぐ美貌の能楽師をめぐる男たちの嫉妬と欲望を描く山藍ワールド。何よりもイラストの小林智美さんにびっくり。同人誌以外でこんな絡みシーンを見たのは初めてじゃないかな。
『ドラキュラ公 ヴラド・ツェペシュの肖像』/篠田真由美
書評UP済み。
『信長―あるいは戴冠せるアンドロギュヌス』宇月原晴明
書評UP済み。
書評ページはこちら


2004年01月20日(火) 今週の偏っている読了本・・私的覚書<1>

書評は、宇月原晴明氏『信長―あるいは戴冠せるアンドロギュヌス』、
篠田真由美氏『原罪の庭』(建築探偵シリーズ)
『ドラキュラ公―ヴラド・ツェペシュの肖像』更新。
書評ページはこちら
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私的覚書/2004.01.09まで
「琥珀の城の殺人」/篠田真由美
→デビュー作。随所にちりばめられた伏線が見事。ストーリーはありがちかも。探偵にもう少し魅力がほしい。
「祝福の園の殺人」/篠田真由美
→舞台となっている17世紀イタリアの雰囲気が鮮やか。胡散臭い探偵もお気に入り。建造物の秘密を追跡していくあたり、「建築家探偵」シリーズの片鱗を感じる。ただし謎解き部分までイタリア語の知識が必要なのは如何なものか。
「夜想曲」「歪んだ真珠」「棘のある木」<闇を継承する者日影成璽>シリーズ
/山藍紫姫子

→山藍さんだあ(笑)。人を殺すことも厭わないノワールな刑事がいいかも〜。でも近親相姦ネタは生理的に苦手。それなのに続きが気になる。出るのか?
「死刑執行人サンソン 国王ルイ十六世の首を刎ねた男 」/ 安達正勝
→17〜18世紀、フランスの死刑執行人の一族サンソン家の評伝。国王ルイ16世を処刑したシャルルが中心。ついうっかりするけど、死刑執行人にも感情があるのだった。

☆「今週の偏っている読了本・私的覚書」は書評するまでの本当に私的な覚書です。でも全部書評するとはかぎりませんので、念のため(笑)。
それにしても、しみじみと偏っているなぁ……。


2004年01月11日(日) 「BENT」――渋谷パルコ劇場にて

極限の世界で
人間がどれほど愛を必要とし、
愛を与えることができるのか、
人間の「尊厳」、そして「愛」。
それが『ベント』である。――「BENT」HPより。
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作:マーティン・シャーマン/訳:青井陽治/演出:鈴木勝秀
キャスト:
椎名桔平/遠藤憲一/高岡蒼佑/佐藤誓/永島克/東地宏樹/篠井英介
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ナチスが絡んでいるので映画の方は腰が引けて見ていないのだけど、舞台なら(暴力シーンとか血糊とかの)リアリティが薄まるから大丈夫かなーと思って、観に行ったのだけど――甘かった……。

■あらすじ
ナチス支配下のドイツで、強制収容所に連行されていったのはユダヤ人だけではない。同性愛者もその対象とされた。彼らはユダヤ人の黄色の星に対して、ピンクの三角の印をつける。そして彼らはユダヤ人より酷い最低の扱いを受けていた。

やくざな生き方をしてきた同性愛者のマックス(椎名桔平)は、恋人ルディ(高岡蒼佑)がダンサーとして働くゲイ・クラブで乱痴気騒ぎを起こす。クラブで拾った男と一夜を共にするマックスだが、翌日には激しい二日酔いで何も覚えていなかった。
そこに同性愛者狩りのナチス親衛隊が乱入、男は射殺されてしまう。
マックスとルディの逃避行がはじまる。

だが2年後、2人はとうとう捕らえられてしまう。
列車で護送される途中、ルディはナチスになぶり殺しにされ、マックスに瀕死のルディを殴るように強要。彼は自分が生きのびるために、ルディを殴り続ける。

強制収容所に送られたマックス(椎名桔平)は、やはり同性愛者のホルスト(遠藤憲一)と出会う。
ただ岩を右から左へ、左から右へ移すだけの無意味な重労働を繰り返すだけの日々。たとえ休み時間の3分間ですら、男たちは離れて直立したまま、話すことも、顔を見合わせることも、人間らしい行動のすべてを禁じられる。

休み時間3分――男たちは離れて直立したまま、顔を見ることも手を触れることもなく、言葉だけで愛を交わしていく。

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まずびっくりしたのは、ゲイ・クラブのショーのシーン!
哀愁を帯びた歌声とともに客席から、ゲイ・クラブの経営者・グレタ(篠井英介)登場。そして6人のダンサーのダンスシーンとなるのだけど、衣装も踊りもすごくセクシーで、最初は目のやり場に困ってしまった(笑)。台詞に「綺麗な身体だなー」とかあるだけに美しい男性揃い。
さらに、篠井さんの下着姿(女装)が、すごいインパクト。背中も脚も細くて、それなのにごつごつしていなくてとても綺麗で、眼福、眼福(爆)。ぜひ美容方法を教えてほしい……。

が、しかし、うっとりしていられるのはそこまで。
収容所では延々と、淡々と会話が続く。それを飽きさせないで見せるのは役者の力量なのだろう。
男たちの、手も触れず直立不動のまま、言葉だけで愛を交わす、その切ないばかりのラブ・シーンが胸に痛い。

いろいろ考えさせられる舞台で、人によって受け取り方が違うのは当たり前だけど、
極限状態にあって「生きのびる」ためだったら、人間はいくらでも卑しくもずる賢くもなれる。または、そうならなければ生き抜けないのかもしれない。
だが、「生きる」ために必要なのは「愛」というより、まだ人を愛せるという「自分の心」なのだ――これは私の受け取ったメッセージ。

篠井さんの2役は人間の二面性を表現しているのだろうけど、なんとも皮肉な演出。重い舞台だったけれど、素晴らしい作品でした。


2004年01月09日(金) 『私説三国志 天の華・地の風』書評・その2

快楽読書倶楽部>
江森備氏『私説三国志 天の華・地の風』6〜最終巻の書評UP。
「同性愛がなければ」という怨嗟が絶えない、いわくつきの作品ではありますが、旋律のある文体は戦場のみならず、政治経済を語っても色っぽい。
きちんと資料を踏み台として、文化の描写や時代の言葉遣いなど、細部をもゆるがせにしない著者の姿勢に目を見張ります。


2004年01月03日(土) お正月と箱根と山藍さん

あけおめ。
ことよろ。

以下略(おい!)。


あーあ、箱根駅伝が終わってしまった。
「しょせん関東のローカル駅伝」といわれようと、好きなものは好き♪
出雲より全日本(共に学生駅伝)より、駅伝は箱根なのだ!!
↑でも全部見ている(笑)。

どこも混むからという公式理由で、実は年々出不精に拍車がかかっている私の「お正月の理想的な過ごし方」といったら、元旦の実業団と2、3日の箱根駅伝を心置きなくTV観戦すること。
三が日は、たとえ前日夜更かししても目覚ましをかけてちゃんと起きて、スタートからしっかり観る真面目なファン(?)である。
特に箱根の駅伝コースは家から比較的近いのだけど、行っている間に情勢が動いていたりするから、沿道応援もパス。
当然、家族からは呆れられている。でも、めげないもんっ。

しかし、ついに今年の箱根が終わっってしまった。
お正月=箱根駅伝の私にとって、正月も終わった気分。

来年まで先が長いなー…と意気消沈していたのだけど、ふと年末(それも31日)に友人から本がドンと送られてきたことを思い出した。まだ箱の封も切っていない。
いそいそと中を覗いたところ、なんと山藍紫姫子氏の、いわゆるYAOI本がどっさり入っていた……!!
中には読了済みの作品もあったし、私の書棚奥深くしまってある本もあるのだけど、同人誌も入れると15冊は下らないと思う。

嫌いじゃないけどねー、新年早々に読むのは、さすがの私も躊躇うものがある。知っている方は分ると思うけど、かの山藍紫姫子氏ったら…ムニャムニャなんだぞっ。正月早々サカっているわけにもいくまい(爆)。
心につぶやきつつ、だがしかし、つい手にとってしまったのだった……次のレビューはこれだな。

そんな素敵な友人を持ったおかげで、今年も煩悩の火は消えずに済むことでありましょう。
なにはともあれ、今年もよろしくお願いします。


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