+--- Cinema Memo ---+


■ マトリックス リローデッド 2003年05月27日(火)
『マトリックス』三部作の第二章に当たる今回、ネオはマシン軍団に包囲された“ザイオン”を救うべく、その超人力を全開させる。マトリックスの全貌解明と人類の救済へ踏み出す彼の前には過酷な真実、苦渋の決断が待ち受けていた…。
監督-----ウォシャウスキー兄弟 出演----キアヌ・リーヴス キャリー=アン・モス
音楽☆☆☆☆ ストーリー☆☆☆ 映像・演出☆☆☆☆☆ 俳優☆☆☆ 総合評 ☆☆☆☆

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すご過ぎて笑いっぱなし(マジで)。
個人的には、ドラマとしてはけっこうツッコミどころ万歳な映画だと思うのだけど(とくにセンシュアルなシーン、ラブシーンがからっきし雰囲気下手)、そこはそれ最先端のテクノロジーを駆使して(あみだして)誰も見たことがない映像にしてくれる醍醐味メインの映画だと思うので、思いきり楽しみました。思わずカンフー習いたくなるくらい(笑)、本当にカッコ良かった。
音楽もすっかり気に入り、サントラに聴き入る毎日です。

シネコンが米軍基地の近くなので、アメリカ人のお客さんも多々観に来ていて、決めのシーンとか笑えるシーンになると「イエー!」「ワッハッハ」と賑やかに場が盛り上がり、なかなかアメリカンで楽しい上映でした。この中にはイラクから戻ってきた人たちやその家族もいるんだなと思うと、ちと複雑な気がしないでもないけれど、また生きて映画を楽しんだり笑えたりして、良かったなあと素直にほっとした私だった。

 話はちとズレますが、これに比べるとルーカスはやはりテクノロジーに振り回されている感がある(作品自体の評価とは別に)。これからのCGと映画の関係は、このマトリックス・シリーズの気が遠くなるようなアクションシーンの繰り返し撮影や斬新さ、また指輪のように細部にまで拘った手作り感とか、マニアックなまでの執着・熱意が差別化のキイになってくような気がする。別にルーカスさんも充分マニアックだとは思うけど、やはり彼は「総指揮者」であり、ハリウッドで長く暮した人種特有のある種のクリアさ、クラシックな洗練さが仇になってる気がする…(偉そうですみません。あくまでCGの使い方についての個人の感想です)。
昔のスター・ウォーズのようなマジックタッチというかフロンティアスピリットみたいなものが、いまピーター・ジャクソンやウォシャウスキー兄弟によって受け継がれて世界中の若者を熱狂させている、歴史は繰り返す、という気がします。

ちなみに一緒に観に行った相方は、日本のアニメ・マンガに影響されまくりだね〜という感想(たしかにモーフィアスのひとり次元・五右衛門とか)。しばらくしてポツリと「なんか、化粧品であったよねこんな名前…」そりゃ、アトリックス(ハンドクリーム)!!!!



■ レジェンド・オブ・フォール 2003年05月24日(土)
騎兵隊を退役後、モンタナ州で牧場を始めたラドロー大佐には剛直な長男アルフレッド、自由奔放な次男トリスタン、理想家の三男サミュエルの3人の息子がいた。やがて第1次世界大戦が始まり3人は揃って参戦するが、トリスタンは弟を目の前で殺され心に深い傷を負う。そんな彼をサミュエルの婚約者スザンナは優しく慰め、二人は激しい恋に落ちるのだが、長兄アルフレッドも彼女に恋心を抱いていた…。
監督-----エドワード・ズウィック  出演----ブラッド・ピット アンソニー・ホプキンス
音楽☆☆☆ ストーリー☆☆☆☆ 映像・演出☆☆☆☆ 俳優☆☆☆☆ 総合評 ☆☆☆☆
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アカデミー撮影賞を獲得した美しく壮大な自然の映像が素晴らしい。
トリスタンは幼い頃から父の親友であるネイティブ・アメリカンの長老からシャーマン的な能力を開発されており、少年の頃に遭遇した熊によってさらにその内なる野性が覚醒してしまう。平凡な人生を望んでもそれを許されない悲劇が幾重にも彼を襲う。
おそらく原作はもっと長く深い描写だろうから、駆け足的描写のところもありはしたけれど、脚本がかなりよくて壮大なドラマに引き込まれてしまった(父親役のアンソニー・ホプキンスがいい)。スパイダーマンもそうだったけれど、過度にならない演出や展開で、観ている者に行間を上手く想像させられるのはいい作品の条件だと(私は)思います。

だいたい若い頃のブラピの映画はあまりにミーハーに騒がれ過ぎていたので「ケッ」という感じでスルーしてたのだけれど、この歳になるとわりと楽に「へえ〜、可愛いやんけ」という感じで素直に観られるものである。



■ ポリス・アカデミー シリーズ 2003年05月20日(火)
一般市民から募集された警官志願者が集うポリス・アカデミーを舞台に繰り広げられる珍騒動の数々を描いた大ヒットコメディ・シリーズ。
監督-----ヒュー・ウィルソン他 出演----スティーブ・グッテンバーグ
音楽☆☆☆☆ ストーリー☆☆☆ 映像・演出☆☆☆ 俳優☆☆☆☆ 総合評 ☆☆☆☆
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このシリーズは病的に好きだ。大人になって見ると細かいネタ(お下劣な)も通じて、昨日も笑いっぱなしである。ジェンダーや人種差別に反対する意も、笑いに絡めてさりげなく上手く描いてあったんだねえ…。
確かこの映画が公開された頃はLAはオリンピックがあったり、マイケル・ジャクソンやヴァン・ヘイレンのツアーがあったり、街としてすごく盛り上がってる反面、過去のシリアスな暴動の後遺症がまだそこかしこに見え隠れしていて、そういった懐かしさと生々しさを感じました。
といっても、それは今この歳で見たからであって…当時ローティーンだった私がもっとも感銘を受けた(?)のは当然「ブルー・オイスター」(ロブ・ハルフォードみたいなハードスタイルのゲイが集まるお店)ネタだったのは言うまでもない。そんでもってやたらFGTHの「リラックス」が使われてたり、やけに男の裸シーンが多かったり、大人になってから見てもいろいろ趣深い映画なのであります。
※一番面白いのはやっぱり第1作目。過激さもバカさ加減も群を抜いてる。



■ ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔 2003年05月02日(金)
旅の仲間は離散し、指輪を捨てる旅を続ける決意を固めたフロドとサム。ふたりの前に、かつての指輪保持者ゴラムが現れる。サルマンが支配するアイゼンガルドのオルサンク、冥王サウロンによってモルドールに建造された暗黒の塔バラド=ドゥア――二つの塔が手を結び、闇の勢力は中つ国の完全支配に乗り出す…。

監督-----ピーター・ジャクソン 出演----イライジャ・ウッド イアン・マッケラン

音楽☆☆☆☆ ストーリー☆☆☆☆ 映像・演出☆☆☆☆☆ 俳優☆☆☆☆ 総合評 ☆☆☆☆.5

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仕事+私事が立て込んでいて、観るのが遅くなってしまった「二つの塔」。こういう大作にハマると厄介なのよネ〜と前作のときは抑えていたタガがついに外れ、先月以降立て続けに三度観て前作DVD4枚組みの方購入(今更ですが)。

思ったのは、この作品は本当に細部にまで製作者側の熱意と愛情が染み込んでいるなあということ。コップひとつ、衣服のボタンひとつにしてもオリジナルに製作されているのは本当にすごい。監督はスタッフに「これは実在の歴史劇の映画化であり、アイテムは発掘品の再現である。そのつもりで作ってほしい」という指示を出したというけれど、まさにそんなリアルさが徹底されている。ゆえに「エイリアン」「スターウォーズ(EP4〜6)」に通じる、手作り職人芸的なスタッフの団結と迫力に裏打ちされた名作といえると思います。

自然を盛り込んだ美しい映像とダイナミックな物語に胸打たれ、ガンダルフが登場する度に涙、涙。ラスト近くのサムのセリフにもまた涙。
こんなに何もかも忘れて物語に没頭できる幸せな映画はそれほどない。原作とはかなり変わっている部分もあるのですが(賛否はあろうが)脚色ってそういうものだし…。とにかく大画面で観られるうちは何度も観ておかねば!!と思わせる。

私見としては黒髪の殿方をあえてプラチナ・ブロンドに染めるエルフのキャスティングにツボを突かれまくり(^^ゞ ハルディアと、これも王道っぽくて距離を保っていたレゴラスに、とうとうよろめいてしまう始末さ…(^^;
あと、ローハンに入城してセオデン王と対面するときの一行が「水戸黄門」に見えてしまうのは私だけ?(笑)
http://www.lotr.jp/



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Written by S.A. 
映画好きへの100の質問



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