Mimi の映画感想記

2006年07月10日(月) Good Night, and Good Luck

2005年、米国
監督・ジョージ・クルーニー

赤狩りの行われていた1950年代米国の、実話をもとにした映画作品。
共産主義者を根絶やしにすべく強攻策をとっていたマッカーシー上院議員に対して立ち上がったCBSニュース番組のキャスター、エド・マーロウ(デヴィッド・ストラザーン)とプロデューサー、フレッド・フレンドリー(ジョージ・クルーニー)。

主役のデヴィッド・ストラザーンって今まで見た事無い役者だと思っていたが、出演作品を見たら結構TV作品に出ている人らしい。
しかしアメリカの俳優の多さにはいつも驚かされる。
キャスターらしいはっきり聞き取りやすい喋り方と、いかにもな言い回しがえらく格好良かった〜〜!!
米国の公式サイトに行くと冒頭にそのスピーチの一部が流れる。うう。かっこえぇ〜〜。


Good Night, and Good Luck 公式サイト


映画自体はごく地味な作りで、派手なアクションも展開も無い。
上院議員と真っ向から議論を戦わせるシーンとか裁判のシーンとか、ハリウッド映画なら必ず作りそうな場面も一切無い。
ただただエド・マーロウが己の番組を通し、ジャーナリズムの正義と自由を武器に戦うのみである。

でもそれがまたストイックな感じでとても良かった。
役者の雰囲気も合ってたし。
この役をジョージ・クルーニー自身がやらなかったのは大正解。監督・主演、ってなると大抵ダメになるしね。



ところで本筋とは関係ないが、公式サイトでもエドがタバコを持っていて煙をくゆらせているが、全編通して煙い映画だった〜〜〜。
50年代だからしょうがないのだけど、TV番組の本番中もタバコを吸いながら放送していて今の常識からするとびっくり。
以前、50年代のインタビュー番組というのをアメリカで見た事があるが、その中でも実際にタバコを吸いながら喋っていたから当時はそれが普通というか、おそらく「カッコイイ」スタイルだったのだろう。


全体に抑えたトーンの映画で、結構好みであった。
ものすごくいい、とは言えないが、当時のいきさつを知る米国人が見るとおそらくすごく感動するんだろう、という感じ。
デートには向かない映画だと思うけどね。





"We must not confuse dissent with disloyalty. We must remember always that accusation is not proof and that conviction depends upon evidence and due process of law. We will not walk in fear, one of another. We will not be driven by fear into an age of unreason, if we dig deep in our history and our doctrine, and remember that we are not descended from fearful men - not from men who feared to write, to speak , to associate and to defend causes that were, for the moment, unpopular. GOOD NIGHT, AND GOOD LUCK."



2006年07月07日(金) ディープエンド・オブ・オーシャン

原題 The Deep End of the Ocean (1999、米国)

3歳の時に誘拐された次男が、9年後、ふとした偶然から発見されて家族の元に戻ってくる。
しかし、空白の時間を埋め家族の再生を果たす道のりは困難だった・・・

という家族ドラマ。

ミシェル・ファイファーが母親役だがあんまりたいした事無かったな〜。
父親役のトリート・ウィリアムズは独断的な父親像をうまく演じていた。
警部役で出て来たウーピー・ゴールドバーグは、なんのために出てたのか良くわからん。

秀逸だったのは子役たち!
長男(19歳)を演じたジョナサン・ジャクソンが思春期のナイーブさと危うさを見事に体現していた。
ラストではジョナサンの演技で泣かされちゃったよ〜〜。

次男は3歳を演じた子もほんっと〜〜〜〜〜にかわいくて、こりゃ思わず誘拐しちゃうよなという感じだったけど、12歳を演じたライアン・メリマンが良かった!!
明るくて素直で、ああ、大事にされて育ったんだな〜〜という少年を演じてイヤミが無かったので、ちょっと陳腐な良い子すぎる台詞もむしろ似合っていて好感がもてた。

しかし、ミシェル・ファイファーの苦悩が多分メインだったのだと思うのだが、長男を主役にすえた方が良かったんじゃないかなあ。
登場人物それぞれに良く描けていた(いささかどれも典型的過ぎるきらいはある)が、そのせいでちょっと散漫な印象。

でも、息子を持つ母親としては感情移入しまくりで後半20分くらい泣きっぱなしだった私から言われたくないか。



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