私季彩々
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2004年12月31日(金) ぁぃぁぃ

 それでは皆様、そして何より私にとって、良い年になりますように。
 来年はしっかり記そう。
 年明けしばらくたって戻ってきてから、すでに縁遠くなってしまった方々含めご挨拶に伺おうかと。
 ではでは〜。 Home&Photo


2004年12月28日(火) ふらら

 さて、1月7日から11日まで珍しく休めそうだ。どうしようかなー、と。ふららー。何となくまた引き篭もってしまいそうな気もするが・・・・。ちょっと出歩いて買い物でもしたいところなのですよね。なんかいい案ありませんかね〜。 Home&Photo


2004年12月27日(月) 鹿目の中

 沈静、横臥、麻酔。区別は曖昧だが用いる薬は々。量の問題である。もちろん薬種によっては到達できる深度は異なる。飛び越えて、さらに深みに入る場合もある。いわゆる不可逆的な「死」である。

 意識の鈍化、無痛覚、無反応。行動の鈍化、起立不能、反射喪失。意識があっても反応が無ければ手術は可能である。痛くても切られるなんて、そんな拷問もあるのだろう。一般に、痛覚を失えばそれに応じた反射も消える。
 が、目の手術などではメスが見えているということも有るようだ。痛みは無いが見える。なかなか壮絶なものである。

 で、保護された鹿を野に返そうと、麻酔を考えた。鹿は牛に近い。であれば、牛では強力に効いてしまうキシラジンがいいだろう。量は・・・、犬猫で使う分で十分らしい。沈静・・・、横臥・・・、とりあえず横になってもらおう。体重は80kgとして0.4ml。いや、少ない。
 で、鹿はおびえて蹴りにくる様子もなく、あっさり筋注終了。効き始める10分間を静かに待つも、意外としっかりしている。この薬、本来麻酔薬ではない。追注の準備をしている間に倒れた。しっかり効いている、というか効きすぎな雰囲気である。

 結局、郊外の水源地近くに放した。途中、ようやく首をもたげた鹿は、脚を曲げて佇んでいた。毛並みはよく、耳も汚れ一つない。ダニ一つついていない。蹄は柔らかく、牛のそれよりもしなやかだった。野生の美しさ。

 軽く叩くと、立ち上がった。ふらふらしていたが、倒れることはなかった。そのまま少し離れたところでじっとしていた。腹まで達する雪は冷たかろうに。生き延びることは容易くない。

 麻酔一つとっても簡単ではないが、獲たものは非常に大きい。出来ることはそれなりに有るものだ。何となく、あの鹿の目を見ながら、少し脂っぽい毛をなでながら、考えた。その後食べた食事屋で手を拭いたら、手拭は随分と黒くなった。それは何より嬉しいことでもあった。  Home&Photo


2004年12月26日(日) 一人手に上昇気流伝え燃ゆストーブ点す時わずかなり

 何故かガスが出ない。いつからだろう。ストーブの火で間に合わせていたからさかのぼれない。昨日焼いた手羽元も、もやしも、そうだった。カップメンもかけていた薬缶で間に合った。そう考えると理想的な生活かもしれない。

 仕事をしていれば、一日に1時間とはつけないストーブで部屋が温まるわけも無く、さっさと布団に入るのが私の生活。これではいけないと思いつつ、猫を足元へ追いやって布団三昧の生活は10年を越えるかと。寒すぎる部屋というのは、あまり創作的ではないようだ。

 そう考えると、古き人々は何故このような厳寒地で暮らそうなどと考えたのだろうか。雪深き中、保存食で食いつなぎ、同じく必死に生きる野の獣を獲り、感謝を捧げ、火を頼りに春を待つ生活。
 火の揺らぎに、凹凸の多い人の顔は美しく濃淡が浮かぶ。そこで語られる言葉達は、日々の退屈を越えて重厚な物語になるのだろう。文字の力を借りずして、言葉本来の魂が宿るのはそんな夜かもしれない。

 生きる必死さと生きる余裕と。火はどちらも提供してくれるだろう。寒すぎる部屋に灯る火は何よりありがたい。今の私には、もう少し長く点けて置くべきなのだろう。


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2004年12月23日(木) 傲慢

 私は知らないが、確かに存在する欲望にみちた空間。明るく陽気に、普段満ち足りたような男達が目を輝かせて夜のススキノへ消えて行き、私はその横を予告もなく通り過ぎていった。新婚さんや彼女の自慢話をしていた連中ばかり。 比較的仁義に厚い性格でいたつもりであった。とくに同性の付き合いは大切にしてきた。それで失った異性関係もないわけではない。
 けれど、今更、裸のおねぇちゃんも無いかなと。どうせなら、綺麗に着飾った、会話の楽しい女性と話したかった。歳はどうでもいい。そんな仲間と過ごしたかったが、そんな感じではなかった。

 どうも最近、いい酒が飲めていない。記憶のない酒が多く、どうやら良くない酒のようだ。しかも、酔えない酒にも面白くないものが多い。これはよろしくない。
 「つまらないのは自分がつまらないからだよ」と言ったのは私だ。今年は結構楽しく過ごしてきたつもりだったが、傲慢が出てきたようだ。それが酒に現れているのだろう。

 同僚に説明を聞き、値段を聞き、ほなさいなら。一度覗いてみるのも悪くないかな〜、なんて思ったのも確かだが、暗い中に原色のライトで浮かび上がっていそうな若い女性の胸が浮かんだ途端、酔いも覚めた。美しいとも思わないし、触れてみたいとも思わないし、そんな同僚も自分も見たくはない。心底つまらなそうにしている自分の顔が、同僚も女性も傷つけそうだ。そうだ、私は実際の女性の体を心底美しいとか思ったことがあっただろうか。自信がない。

 少し強くなった雪をフードで避け、かつて通いなれた道を帰る。昼間見上げた神社や寺院が意外と近くにある。急に寂しくなり、かつてよく寄ったラーメン屋に立ち寄る。哀しいながらも、今日一番おいしいものを食べた気がした。 Home&Photo


2004年12月05日(日) らしい

 急カーブを描いて曲がった台風は、名前をおとなしく変えながら猛威をふるった御様子。東京は夏日と観測史上初めての強風だとか。北海道も大荒れとのこと。久々の休みに遅く起き、つけたテレビの画面は少し狭くなり、交通機関運休のテロップが流れつづけていた。
 早々と引き篭もりを決め込み、無気力を友として布団に戻る。

 水槽からモーターの音が響く。カタカタと軸がずれたのか結構大きい。

 外界は大荒れ、らしい。そう聞いた。一方通行のテレビから。届いたメールは先送り。今日はそんな感じ。私は今日、この世に存在していないようなもの。電気を消費し、灯油を消費し、水を流して、呼吸をする。そんな存在はこの世に無視できないほどいるのだろうか。

 食べるものを探し、いつから有るのかというレトルトは数ヶ月前に賞味期限が切れている。時は止まっているのか、流れているのか、何となくフワフワした違和感。

 ストーブから湯気が上がり、ビールを飲み干す。テレビを消せば、残るものは音のみ。私が眠る時、流れている音。それは確実に存在し、「らしい」では片付けられない、残らないもの。そんなものたちに、同調する波を私は持っているのだろうか。
 とりあえず、耳栓をしているのだが。 Home&Photo


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