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  2003年03月06日(木)   「アカデミー賞−オスカーをめぐる26のエピソード」  

もうすぐ、2002年のアカデミー賞の発表である。
映画は大好きだけれど、最近、アカデミー賞には、
あまり、興味が無くなっている。
B級映画や、ミニシアター系の映画の方が最近の
好みだからかもしれない。
それでも、作品賞受賞作を調べてみると、
意外と結構、受賞作を映画館で見ているので、
自分ながら、驚いてしまった。

もう、10年以上前の本だけれど、
思い出したように時々開いているのが、
この本「アカデミー賞−オスカーをめぐる26のエピソード」。
もともと映画は好きだったけれど、
映画の本当の面白さを知ったきっかけ、
真に映画への目を開かせてくれたのが、
大学生の頃にあった、「シネマクラシック」という、
ハリウッドの古い白黒映画時代の名作を特集した企画だった。

フレッド・アステア、マルクス兄弟、オーソン・ウェルズ、
マリリン・モンローやヒッチコックの映画を映画館で見ることができた。
今でこそ、手軽にビデオやDVDになって、自宅で見ることができるけれど、
それでも、スクリーンで見られたのは幸運だったと思う。

私の贔屓する今は亡きスターたちは、どうやら、
オスカーにあまり縁はなかったようだ。
この本の、『オスカーをとれなかった人々』の章によると、
ヒッチコックは監督賞に5回ノミネートされたが、
監督賞は取れずに、功労賞(1967年)をもらっているだけだし、
オーソン・ウェルズは1970年の、グルーチョ・マルクスは1973年の
名誉賞を、それぞれ“お詫び”の意味でもらっているに過ぎないのだそうだ。
また、モンローの場合は、さらに悲惨で、ノミネートすらされず、
臨んだもの(オスカーと赤ん坊)が手に入らない苦しみの中、破滅していく。
もちろん、オスカーを手にした名優たちのエピソードは、
どれも興味深い。
26のエピソードは、かつての名優たちの受賞の軌跡を記している。
 
また、最近、あまりアカデミー賞への興味の薄い私でも、
映画雑誌のみならず、ファッション雑誌でも特集の組まれる、
授賞式での「セレブのファッション」は、楽しみだ。
さすがと感心させられるセンスから、
それはそれで楽しませてくれる悪趣味なドレスまで、
見所に事欠かない。
こんな風に、ハリウッド・スターたちのドレスが華美になり、
熾烈なファッションの闘いが始まったのは、
1952年に授賞式がテレビ中継されるようになってからだという。
(/『授賞式はファッション・ショー』)

『アカデミー賞の誕生』
『オスカー像』
『赤狩り時代のオスカー』
など、久々に、アカデミー賞の歴史を読み返しながら、
3月24日の授賞式を今年は見てみようかなあと、
思ったりしている。ファッションも気になるし、
もちろん、受賞のスピーチも、聞きたいし。
過去、数々の感動を伝える名スピーチも、紹介されている。
(/『名スピーチ』)

しかし。
最近、興味が薄かっただけあって、(「千と千尋の神隠し」が長編アニメ
映画賞部門でノミネートされていること以外)ノミネート作を知らない
ところが、ちょっと困りものである。
(シィアル)

※参考
第75回アカデミー賞 ノミネーション
アカデミー賞[作品賞]受賞リスト 


「アカデミー賞−オスカーをめぐる26のエピソード」
 著者:川本三郎 / 出版社:中公新書