う た う ひ と 

2003年11月29日(土) 週休一日

よれたニットに
A4の鞄
太いローヒール

クリスマスモードの
この街には
およそ不似合い

だけど
本棚にはツリーもあるし
笑顔で迎えてくれる
パジャマのあなたもいる

ふたりで掃除して
ごはんをつくって
たくさん笑って

そう
毎日がクリスマスのように
ふわふわで
きらきらで
あったかい



2003年11月26日(水) 最後の場所

紅茶色の夕陽に
髪を透かして
ゆっくりと流れる
窓をただ眺める

少しだけ泣いた
君の横顔は
瞼の淵がほの紅く
ひたすらに静か

出逢いの場所と
同じところで
終わりにしようか と
君がそっと云う

冬の気配と風に圧され
僕らの恋は
もうすぐ終わりを告げる
思い出の駅で

こんなに自然に終わってしまう
そのなにもかもを 誰も止められないと
判りすぎてなにも云えなくなるよ
伝えたい言葉はたくさんある筈なのに

出逢いの場所で
君が立ち止まる
おどけて耳を塞ぎ
声もなく呟く

 出逢うこと なかったよね
 なんで出逢ったんだろう

人込みに紛れて
君が消えてゆく
あの日追いかけた
背中が遠くなる























2003年11月02日(日) 述懐

大事にとっておいた
チョコレートが
いつのまにか
ポケットのなかで溶ける

大好きなパイン色の
ドロップが
気づいたら口のなかで
三日月に尖る

そんなこともある
そんなこともあるよ







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あかり [MAIL]

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