う た う ひ と 

2003年08月30日(土)

あなたのいない世界を
思うだけで
すべてが停止し
ひたすらに涙が流れます

あなたのいない世界を
生きられる
そんな強さは到底
わたしにはありません
出会いの瞬間に
あなたが奪ったから
だからあなたはけして
先に行ってはいけないのです

あなたの寝息を
なんども確かめる
そんな夜はひどく長く
息をひそめてやり過ごすのです



2003年08月29日(金)

かなしい夢を見た朝は
あなたに会いたくなる
あなたの笑顔に夢が
溶けていく気がする

 ”かなしい夢は人に話せば
  消えてしまうから大丈夫”

ゆっくりと首をかしげ
ゆるく微笑む
その空気になにもかもが
赦される気がする

うれしい夢を見た朝は
あなたに会いたくなる
あなたの弾む声が
楽しさを現実にする

 ”うれしい夢は人に言ったら
   消えてしまうから 言わないで”

人差し指を立ててわらう
あなたがしんそこいとおしい



2003年08月20日(水) 日々

日々安穏 過ごす耳に
誰かが唄う

 ”嗚呼 縁踏んだ 縁踏んだ”

日々平穏 気づかぬ歩に
ひやりと沈む

 ”縁踏んだ 縁踏んだ
  嗚呼 畳の縁踏んだ”





2003年08月13日(水) 出会い

胸ぐらを
きゅっと
柔らかくもしっかりと
摑まれたような

甘くて強いお酒を
嗅ぐのならば
たくさん空気を混ぜ込んで
ふわりと嗅いだろうけれど

気がついたときには
此処に居た
あなた と云う
存在のひかりに寄せられて

そんな 自然な力を
人は 運命 と 
呼ぶのでしょう







2003年08月07日(木)

ネガティヴになりそうなとき
蝉の声が責める
夏を生きてない僕を
今を愛してない僕を

朝焼けの空には
予感がある 気配がある
何かが動き出す
僕の外と内で

戸惑っても逃げないで
蝉の声が諭す







2003年08月03日(日) カレンダー

時計とカレンダー
正面に据えたくせに
ため息が出るから
見ないようにもしている

決戦のときはもうすぐ
準備なんてできちゃいない
待ってくれるはずもない
胃薬は欠かせない

でもね

いつなら勝負できるの?
いつならカンペキなの?
自分で聞いてみては
ぐうの音も出やしない

・・・ちぇ

これはすべて
好きこのんで選んだこと
わざわざ自分を
そこに投げ出したのよ

だから
うんと楽しみましょ
たまにしかがんばらないけど
必死な自分はちょっとかわいい





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あかり [MAIL]

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