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2007年03月30日(金)
今月は花粉症とペンキの臭いにやられてしまったために ブログモチベーションが急下降してしまった。 やっと一、二階の工事も終わり、ペンキ臭から解放されたので 書きたかったけど書けなかったことを今更ながらだが書いてみようと思う。
もう一週間も前になるが、初めて東京体育館で開催された 世界フィギュア選手権。 女子フリーでミキティこと安藤美姫が逆転優勝。 浅田真央が2位と史上初となる日本勢の1・2フィニッシュに沸いた。 テレビで観ていたが感動モノだった。 瞬間最高視聴率が50%を超えたのもうなずける。
SPではミスが響いて5位に終わった浅田真央。 フリーの演技は見事にノーミスで史上最高得点を叩きだす。 技術点自体69.64点と驚異的な点数だったので史上最高点も当然。 これでSPとの合計で194.45を記録し2人を残した時点で首位に立つ。
そして最終演技者、大トリはミキティ。 安藤を残した時点で浅田が首位だったので、この時点で日本人の優勝は決定。 後はどっちが優勝するかに焦点が絞られ4分間の演技に見入ってしまった。 最終滑走という緊張が倍はかかるであろう重役だったが、 こちらもノーミスの演技で手堅くまとめて見事にフィニッシュ。 背中が大きく開いたコスチュームが気になってしまったけど…ヾ(^-^;) 。
SPとの合計で195.09を記録して浅田真央を抜いてトップ。 安藤美姫の優勝に浅田真央の銀メダルが決定! 銀盤に舞った2人の少女が日本開催の大会を最高の形で締め括ってくれた。
優勝後のミキティの涙が印象的。 トリノ五輪では不本意な結果に終わり、今は右肩の故障に苦しみ続けるなど イバラの道の連続だっただけに喜びも一段と大きいだろう。 そんな苦難の道を乗り越えたからこそミキティに勝利の女神が微笑んでくれた。 4回転のこだわりを捨てたのも良かったかな? 追いかけての逆転を狙うなら4回転へ挑戦したんだろうが、 あの立場で優勝を狙うなら、あそこは手堅くて問題なしだろう。 浅田真央もさすが天才、見事な追い上げだった。 結果的には2位だがSPで失敗し5位という出遅れを考えると驚嘆モノ。
さて、女子フィギュアでのショートプログラムのジャンプのエレメントは A.コンビネーションジャンプ B.ステップからのジャンプ C.アクセルジャンプ 以上の3つが課題となっている。 このうち女子はCのアクセルジャンプはダブルに限るとなっているので、 全員ダブルアクセル(2A)を跳ぶ。 だが、もしもこの規定を男子同様にトリプルアクセル(3A) もしくはダブルアクセル(2A)に変更したら 浅田真央に敵う相手はいなくなってしまうだろうと考える。
なぜならSP順位の基礎点(2Aは除く) キムヨナ 3F+3T /3Lz 14.5点 安藤美姫 3Lz+3Lo /3F 15.5点 カロリーナコストナー 3F+3T /3Lz 14.5点 キミーマイズナー 3Lz+3T /3F 14.5点 浅田真央 3Lz /3F+3Lo 15.5点 中野友加里 3Lz+2T / 3F 12.8点
各ジャンプの基礎点は以下のとおり 3Lz(トリプルルッツ)=6.0点 3F(トリプルフリップ)=5.5点 3Lo(トリプルループ)=5.0点 3T(トリプルトウループ)=4.0点 2T(ダブルトウループ)=1.3点
以上から見ても浅田真央と安藤美姫のジャンプのレベルは世界屈指。 さらに浅田真央は今シーズン、 ●課題Bのステップからのジャンプで3Aをフリーで使用。 ●他選手と違い課題Bのステップからのジャンプをなぜか先に行った。 有力6選手の中で一人だけ順番が逆であった。
これはあくまでも推測だが、 今シーズン 3Lz /3F+3Lo 15.5点→来シーズン3A /3Lz+3Lo 18.5点 にするための布石のような気もする。 もし、ここまでされてしまうと他の選手は浅田真央の失敗を祈るしかなくなるだろう。 たとえ自分が全てを完璧にこなして演技を終えたとしても、 基礎点が低すぎるために絶対に浅田真央に勝てないのだ。 浅田真央のジャンプはこれほどレベルが違う。 なので全世界のマスコミが騒ぐのも実は仕方のないことなのかもしれない。 どこまで、この子は成長するのだろう。 本当に末恐ろしいとマジで思った女子フィギュアだった。
勢いついでにもうひとネタ。 女子フィギュアスケートに於いて、トリプルアクセルは難易度が非常に高く、 成功した選手は限られている。 トリプルアクセル認定者(2007年3月現在…一部微妙)は以下の通り。
●伊藤みどり ●浅田真央 ●中野友加里 ●トーニャハーディング(アメリカ) ●リュドミラ・ネリディナ(ロシア) ●キミーマイズナー(アメリカ)
この6名だけだが、文句なしは伊藤みどりと浅田真央の2人のみで、 他の4人は考えようによっては成功者とは言い切れない面がある。
●伊藤みどり 1992年アルベールビルオリンピックにて、女子で世界初の トリプルアクセルを決めた。文句のつけようがない見事なジャンプだった。
●浅田真央 新採点システム適用後の2004〜2005年シーズンの ジュニアGPファイナル(ISU認定大会)にてトリプルアクセルと認められ さらに加減点(GOE)+0.75の評価を受けたことから、文句のつけようがない。
●中野友加里 2002年スケートアメリカ(ISU認定)にてトリプルアクセルを跳んではいるが 旧採点システムのため判断があいまい。 また、2005〜2006年シリーズGPカナダ大会でトリプルアクセルと 認定されてはいるが加減点が-1.20のマイナス評価しか受けておらず、 トリプルアクセルのミスとの認定であり堂々とは成功したとは言い切れない。
●トーニャハーディング(アメリカ) 1991年全米選手権にてトリプルアクセルを成功とはなっているが、 ISU認定ではなく旧採点方式で断言は難しい。
●リュドミラ・ネリディナ(ロシア) 2002年スケートアメリカ(ISU認定)にてトリプルアクセルを跳び、 きれいに着氷はしているが旧採点システムのため判断があいまい。
●キミーマイズナー(アメリカ) 2006〜2007年シーズンGPフランス大会(ISU認定)にて トリプルアクセルと認定されてはいるが加減点-2.10のマイナス評価しか 受けておらず、トリプルアクセルのミスとの認定であり 堂々とは成功したとは言い切れない。
本当にトリプルアクセルって難しい技なんだと改めて分かった。
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