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2004年01月31日(土)
やっと先日、久保田に録画してもらい静岡まで取りに行った 「ハロープロジェクト・スポーツフェスティバル」通称「ハロプロ運動会」の ビデオを一気に見ることができた。 おそらく事務所サイドが想定した以上にブック破りの真剣勝負を かましてしまった臭いハロプロ運動会のビデオは約2時間半、 最後のライブ映像もあり、なかなか楽しく見れたので感想などをダラダラと書いてみよう。 録画してくれた久保田には感謝。
さて感想だが、多くのメンバーが身体の何処かにコンデイション不良箇所を 抱えたまま挑んだであろう11月22日の東京ドーム大会は アイドルの予定調和を超える熱戦だったね。 まさにWWE状態で、自らの肉体を痛めてまで観客をエンターテインする代償として、 のっけからの矢口のいきなりの故障を皮切りに、 ほとんどの競技で怪我人あるいは欠場者の出るサバイバルの様相。 普段、過密スケジュールの中で、あれだけ激しいステージパフォーマンスを 見せているハロプロメンバーだが、やはりスポーツとは使用する筋肉や スタミナも異なっているのは一目瞭然。 しかしアイドルが懸命に顔を歪めながら全力疾走したりなんだりという画は、 今さらながら、この時代にアイドルを全うすることの大変さを実感させてくれる。 可愛いだけではどうしようもないという。 プロレスの技がどんどん派手に高度になってくるのと同じ構図だろうか。 観客・消費者の要求はどんどんエスカレートするというか…。 「え〜私、アイドルだしぃ、走るなんて超だる〜い」なんてほざく子は 瞬殺されてしまう世界なのだろう。 だいたい、かつては運動会をはじめとする学校行事に一切参加せず、 グダグダしていた中澤裕子からして、 自前でトレーナーを雇って準備に務めたらしいという。 その甲斐あって中澤は30歳にして、久々に勝負師の顔になって 各競技で予想以上に活躍。気合いの入った姐さん健在。 そういうマインドがそこかしこに溢れたサービス精神と プロフェッショナリズムに満ちた空間は、見ている側としては面白い。 いや、もしかしたら、ただの負けず嫌いと根性ッコの集まりなのかもしれない。 まぁ、人並み以上に負けず嫌いじゃないとアイドルなんて商売はやってられないだろうけど。 大阪で過呼吸に陥りフットサルを欠場した悔しさをバネにしたかのように 八面六臂の活躍の辻もそうだし、 騎馬戦での微妙な裁定を巡る久々にぶち切れ負けん気の強いモード全開の 石川などの様子を見ると、そんな風に思ってしまう。 普段のニコニコチャーミーの面影がすっかりなくなり、 もの凄い剣幕で抗議をする石川の姿に観客は一部、やや引き気味だったが…。 それを諌めるどころか、同じく納得しない様子で加勢する藤本&中澤。 旧来のアイドルなら絶対NGなシーンだと思うが、 アイドル的可愛さやピュアネスのみが売りではなく、 大人の思惑やメディアの虚飾を超えて滲み出る「人間」が最大の醍醐味であり 魅力だと個人的に解釈するモーニング娘。においては、 名場面とすら感じてしまった。 ライブなどで愛嬌たっぷりに台本通りのMCをこなしているモーニング娘。だが こういう検閲のないモーニング娘。が見たかったのかも。
モーニング娘。が社会現象とまで言われた頃の世間には、 長らく続いてアイドル氷河時代の穴を埋める存在として、 また過去の多種多様なアイドルの色んな要素をサンプリングした、 ある種、洒落&パロディとしてモーニング娘。を面白がりあるいは 懐かしがる風潮があったように思うが、 今や、すっかり単なる色物視、典型的なアイドルへの視線が蔓延しつつあり。 そういう中でモーニング娘。イズムの発露というのは非常に小気味が良い。 どれだけの一般人に伝わるかはわからないが、 モーニング娘。&ハロプロには「一寸の虫にも五分の魂」というか、 世間一般が舐めてかかるアイドル像を超えるプライドや意地、 あるいは、ひたむきさや努力が嗅ぎ取れる事があり、 そこに侠気を感じてしまうことで興味を沸き立たせる。 それがわかり易い形で浮上可能になったガチンコ仕様の今回の運動会は ヒット企画と呼びたいね。
その中でもフットサルとアイドルの夢のコラボとなった ハロプロフットサル企画には盛大な拍手を贈りたい。 まぁ、サッカー好きな上にハロプロチームのユニフォームが 前回の日韓W杯に出場していないながらも実力的には申し分のない オランダ代表っぽいオレンジを基調としたものだったっていうこともあるんだけど。 キャプテン&司令塔の吉澤を中心とするハロプロチームの佇まいが アイドルなんてどこ吹く風、緊迫感溢れ気合いに満ちた表情は マジでアスリートの域に達していたかも。 結果は知っているものの、ほとんどW杯を見る心持ちで見てしまった。 改めて面子を見れば、元体育会系部活出身者や野生児が多い。 こういうスポーツ勝負の場が似会うわけかも。 フットサルの練習で少し痩せた?吉澤のルイ・コスタばりの 緩急つけたパスワークや、大阪の無念を晴らすべく好セーブ連発のGK辻などが 繰り広げる、めくるめく熱闘に酔いしれている内に、その瞬間は来た。 吉澤にボールが落ち着くと必ずパスが来ると信じていたか、 特訓を受けたとは言え、華麗にサイドから前線に向けてフリーランニングをした石川に 吉澤の相手の股を抜く(確かそう見えた)絶妙スルー炸裂。 こういう司令塔らしいラストパスが大好きな身としては、 もうアイドルという概念は脳内から消失。 (中田や俊輔もそうだが、やはり永遠のファンタジスタといえばバッジオだな…) 走りこんで来た石川の足元にピタリと収まるナイスボールを 石川が迷いなく大きく右足で振りぬくと、ボールはライナー性の弾道を描いて 相手GKを抜きさってゴール!ハロプロフットサル史上初の得点は、 本番で石川によりスコアされた。 この瞬間、脳内スポーツカフェでサポーター達が一斉に狂喜乱舞。 サンバのリズムがこだました。 それはともかく、ちゃんと見てて様になってて試合として成立している上に 一端のカタルシスまでくれるのだから侮れないぞハロプロフットサル。 さらに、カントリー娘。あさみのラウールのような技巧ゴールも堪能。 前線への飛び出しが素晴らしい里田の決まってれば ファンタスティックだった惜しいシュートにもびっくり。 ここまでプレーで魅せられるなら、本格的にこのプロジェクトは進めて欲しいと願ったら、 なんとマジで大会出場するとは…。また楽しみが増えたかも。
さて、今回のハロプロ運動会@東京ドームの観客動員数は約4万5000人とのことで 大阪に続いて大健闘と言えるかも。 ライブでの動員数低下や、その他の現状からすると 簡単には出てこない数字のような気もする。 コストパフォーマンスがハロプロの通常相場からすると明らかに良い点や フジサンケイグループの後押しも効果的だったとか色々あるだろう。 観客席には家族連れも多数見受けられ、決してコアな固定層だけで 占められたわけでもない様子なので、ここで何を伝えることができたか? 多くの人々は何を感じ、何を見たのか?気になるところではある。 あくまでハロプロを音楽主体のアイドル歌手集団とするならば、 全競技終了後の疲弊した状態で芳しくない音響でのライブは 本末転倒の代物だろうし、総合エンタメ集団とするならば最後におまけまでついて、 お腹一杯の大満足のイベントとなるかもしれない。 個人的には保田がキッズと歌う「ちょこっとLOVE」に感慨深くなり、 怪我で満足に動けないメンバーをフォローしながら歌うモーニング娘。や 各ユニットの姿にプロの非情と凄さを実感できてオツだった。 総じてパフォーマンスの内容や種類より、 その姿勢=アティテュードに終始、一貫したもの〜エンタメの覚悟〜を感じれたので良い。 さて、あまりにも故障者・怪我人が続出した為に、 同じノリで今年も運動会が開催されるかどうかはわからないが 次もあるような含みも最後の方のMCにあったような…。
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