自分のことは棚に上げといて・・・
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2002年03月09日(土) 『終わりよければそれでよし』なのか? 「月と貴方に花束を」志村一矢

 シリーズ6冊目で最終巻。


 普段は「あとがき」を読んでから本編を読むわたしですが、
今回は珍しくエピローグから読み始めました(爆)

 どれだけ私がこの最終巻を心待ちにしていたかがわかるエピソードですね(ウソツキ)

「オール・リ・セット」&「リ・ボーン」

 生まれかわった深雪と冬馬が昔の約束を果たすべく約束の木の前で、花束を受け渡す。

 感動的なラストシーン。
 いや、ホントきれいにまとまったラストだと思いますよ。
 (個人的にはあそこで桜の魂を深雪に乗り移させた展開には、いまひとつ納得はいってませんけど・・・)


 物語にきちんと収拾をつけていくにはこの流れにならざるをえないのだろうと思います。


 でも、その昔新谷かおるの「エリア88」の最終話を読み終わった時のような虚脱感にとらわれてしまったのも確かですけど(あー、歳がばれるね)

 全てを背負って最後の戦いに臨んだシンが、最愛の女性涼子の元へかえっていくラスト。
 戦いに身を投じていたころのシンが望んだ結末。
 けれど、彼には戦友たちとの記憶は一切残されて居なかった。
 彼の歴史から、戦いに身を投じていた時代は削除されてしまっていたのだ。

 雑誌掲載時にはそのラストがとても悲しく思えて仕方がなかった。



 そんな事を、このエピローグで思い出してしまった。
 けれど、「エリア88」のあのラストも、このエピローグも本当の意味でハッピーエンドなのかもしれない。

 と、思える自分がチョット不思議(苦笑)

 だって、人の心はすべてを背負って生きつづけるには、やっぱり弱いものだから…。

(それすらも乗り越えて欲しいと思ってしまうのは、物語の主人公に理想をおしつけているだけなのかもしれない)

 彼らは普通の男の子と女の子になって、普通の恋愛をしていくのだろう。
おそらくそれが作者が望んだ彼等の「幸せ」なのでしょうから…。



 今のわたしは『ま、深雪ちゃんが幸せなら他はどうでもいいや』な人なのでそれで全然OKなのですが何か?(爆)

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川崎ゆう |HomePage

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