馨絵詞〜かおるのえことば
楽しいことも、そうではないことも。

2003年03月10日(月) 3月9日〜日付変わって2次会…新2年生へ

新2年生へ。

今の君らほど恵まれた環境ってのはそうあるものじゃありません。
ラクチンの極みです。
羨ましいほどに。
そんな中での愚痴や弱音なんて、ほとんど全部甘えです。
のっけからきつくてごめんね。

まあ、たまには愚痴も良いですけどね。
耐えるばかりが美徳じゃないですね。
稲葉も何も知らないくせに映画企画なんか立ち上げて、先輩や同輩からいろいろ突っ込まれ、
岡山さんや中津殿と愚痴りあったり慰めあったりしたっけ。
へへ、上と言ってること全然違うね、へへへ。

でも恵まれてるのは本当ですよ。
いま、べディックに名を連ねている人たち。
プライベートは知りませんが、学生生活という点では確実に幸せですよ。
実感、ありますか?

   ◆

だけど幸せって転がってるものじゃないんです。
降ってくるものじゃないんです。
そういうのもあるけど、ここで言ってるのはちがう。
幸せの出所をたどって行くと、必ず誰かにたどり着くんです。
ほんとだよ。

少し具体的に言うなら先輩にたどり着くんです。
芝居をやれたのも映画を撮れたのも、そして芸祭やれたのも君らの先輩が頑張ってるからなんです。
現場で一緒の先輩なんかだと、その辺とても分かりやすいですね。
でもね、「組織」になると現場だけじゃないんですね。

現場のために、見えないところで走ってる人がいます。
あなたのために、泥をかぶっている人が、泣いている人がいます。


それでいてあなたの前では笑っている人がいます。


入部して11ヶ月、ここまでべディックにいて彼らの恩に浴せざるはなし。
それだけは知っておいて。
無理に感謝する必要は無いけど、彼らの働きを無下にはするな。

   ◆

なあんてさ、本当はわざわざ書くまでも無いことなんです。
いずれ嫌でも痛感することだもん。

だって、ひとつ先輩になるんだし。

新2年生の中にも芸プロとか新歓プロとか新歓隊長とか…すでに動き始めている人もいるしね。
そうそう追いコン直前までリー研だったそうで、お疲れ様です。

上からの恩は無理に感じなくてもいいです。
無視しなければそれでいいです。

また、上からの恩は、上に返す必要はありません。
ありがたく頂いときなさい。
そのかわり、下には必ず伝えなさい。
情の引継ぎが組織の長い歴史を繋いでいるんですからね。
稲葉もあなたも、みーんな中継ランナーなんです。
……っていつか同じことをこの日記で言ったなあ。

現執行部の先輩達は、まだ慣れないながらも、みんな君達のために頑張ってますよ。
誰ひとり欠けることなく。
役付きの人も、そうでない人も。

現執行部代は稲葉が会長の年に入部して、3役はみんな稲葉と一緒に芸プロで遊んでた。
さらに物井前会長の教えをいろいろ受けてる。
自慢の後輩なんだ。
彼らを先輩に持ててる君らがメチャクチャ羨ましい。

だから彼らを裏切るようなことは許さないからね。

難しく考えなさんな。
楽しく笑って過ごしていればそれでいいから。
面白い映画やお芝居を創っていればそれでいいから。
恩返しはしなくて良いけど、そうしてることが恩返しだから。
そして何より、これから入ってくる後輩のためになるから。

先輩裏切るのもダメだけど、後輩を裏切るのもダメだからね。
後輩は映画を、芝居をやりたくて入ってくるんだ。
そのときに「今は芝居やれる環境じゃない」なんて死んでも言うな。
実際すぐにはやれないかもしれないけど、それは君らの都合。
後輩はそんなの知ったこっちゃないからね。

頼むよ。

   ◆

……っていうことを追いコンの席で口で言いたかったんだ。
でも緊張してもいたし、なによりこんだけ長々と喋ったら顰蹙(ひんしゅく)だもんねえ。

ああ、喋ったら喉が渇いた。
ウーロン茶持ってこい!


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稲葉 馨

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