読書日記

2004年09月13日(月) 益田勝実・編『南方熊楠随筆集』ちくま文庫

益田勝実・編『南方熊楠随筆集』(ちくま学芸文庫)を読んでいるところ。
「履歴書」「人柱の話」「巨樹の翁の話」「今昔物語の研究」「西暦9世紀の支那書に載せたるシンダレラ物語」「伝吉お六の話」「猫一疋の力に憑って大富となりし人の話」「虎に関する史話と伝説民俗」「俵藤太龍宮入りの話」「ダイダラホウシの足跡」「涅歯(でっし)に就て」「無言貿易」「針売の事」「神社合祀問題関係書簡」「解説 野の遺賢 益田勝実」(というラインアップは目次から)
上記のような話や事についての掘り下げた解説話なので時に眠りを催すことありしも、著者の肉声のような言葉が時々はさみこまれるとぐっと読む気になる。
「予もそんな孝行をしてみたいが子孝ならんと欲すれども父母俟たずで、海外留学中に双親とも冥土に往かれたから今さらなんともならぬ。」(232頁から引用)
ほかにも面白い言いぐさがあったが、今は見つけることができず断念。
紹介される話そのものがそもそも面白いからかつい読みふけるということも多々あり。

結局のところ、そもそもの話なので、読んでいる最中に、
「あ、これは大西巨人の『神聖喜劇』を読んでいるのだったかな。」と錯覚することが、しばしばあった。熊楠の文章が『神聖喜劇』中で引用・紹介される可能性はゼロとは言えないから、あながち無茶な連想ともいえないのでは。


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