やなせ的今日のキーワード。

2001年08月18日(土) 祭りの、終わり。

とうとう、この日が来る。
今日は、歌謡ショウの千秋楽だ。
朝、急用で呼び出されて、いきなり予定が狂う。
ったく、後30分遅かったら行かなかったぞ。
雨の中、開場くらいに、劇場近くに着く。
9日の間で、7日も通った劇場だ。

祭りというものは、始まるまでが一番ワクワクするものなのだと思う。
文字通り指折り数えてみたり、それがあるから何かを頑張れる。
何かを作ろうって気も起きる。
馬鹿馬鹿しいことをやってみたりする。でも、本人は本気だ。
そうして、祭りが来るのを、もっと楽しみにするのだ。
時は過ぎていく。
遠かった出来事は、目前に迫っている。

祭りは、始まってしまえば、まるで日常に感じる。
楽しいのは確かだ。毎日、楽しんだ。
でも渦中にいると、その実感が、湧いてこない。
時は、過ぎていく。
実感が湧かない自分に、少し呆れる。

祭りはクライマックスをむかえる。
その直前は、どんなことがあっても、どう平静でいようとしても、
何故か鼓動が速まるのを、抑えられない。
千秋楽は、特別だ。きっと、普通の人は入れない空間。
だからこそ、笑えるところがある。
そんなことが、あってもいいじゃないか。
だから、この空気を今、思う存分楽しむんだ。
時は過ぎていく。
もう、頭の中に入ってるシナリオも残り少なくなってくる。

そして、祭りは終わる。
言葉では、言い表せないことがたくさんたくさんある。

歌謡ショウが終わったら、たくさんひとりごちようと思ってた。
たくさん笑った。感動した。
そして、劇中劇のラストのマリアとさくらは、
どんな絵よりも、美しかった。
今、祭りが終わったら言おうとしていた言葉は、効力を失う。
ただ、千秋楽は特別なのだと、その想いだけが残っている。

終わりよければ全て良しという。
良かったんだろう。
色々なコトが。
そう、その前に何を葛藤しようと全てもう、どうでもいいこと。

祭りは終わった。
場の空気に感動して、劇場で涙を流したのは、もしかしたら
初めてだったのかもしれない。
それほど、あの空間は異様だった。
そうとしか表現できない。
それほど2200人の気持ちが、「どこか」で微妙に繋がっていた。

言いたい事は、たくさんあった。
でも、残った言葉は、たった一言。
至極平凡な言葉。
「ありがとう」と。

自分にとっての、胸が高鳴るその空間。
自分が好きだから、だから、良い。
劇中劇、海神別荘の公子の言葉を借りれば
人は自己、自分で満足すればいいのだから。
そこには愛する者がいれば、いい、と。
願わくばまたあの空間を、感じたいと思う。

いやァ、それにしても、今日最前列。ど真ん中近く。
って、なんでステージにカメラが(^^;;
アレがDVDに使われてたら、映るぞ、オイ(==)


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