かめの日記

2003年02月14日(金) げろ甘京ユキバレンタイン企画

いやっほう、まったり体調不良、
扁桃腺腫れて発熱であたまぐるんぐるん。
・・・ってな訳で、先日の庵ユキネタ以来
頭のなかで京様が
「ふざけてんじゃねェ、燃やすぞ、コラァ!!」
と絶叫なさってるような気がしますのでやっちゃうよ?
(発熱のあまり暴走気味)京ユキ時事ネタ。
うれしはずかし??バレンタイン・・・うわー・・やるのか、自分。
校正無しでお送りしますのでご容赦、御寛容くだされ。
・・・京ユキ嫌いな方と、KOFわかんない人は飛ばしてください。
禁無断転載。私の妄想ですのでご理解を。
後書き、言い訳、反省はまた後日。

〜スペシャル・デイ〜

その日が特別かどうか、なんて。
決めるのは、それぞれ個人の自由で。
製菓メーカーの陰謀だとか、世情に踊らされてとか
斜めに構えてみるより、なにより。
・・・特別かどうかなんて、決めるのは、決まるのは。

その日は、朝から、覚悟はしていた。
年に一度の、欲望渦巻く。
駆け引きと、嘘と本音の入り交じるなか、
誰もが、本心では、たった一つの本当を。
捜すまでもなく、求める唯一の相手はもう
解りきっては、いるのだが。
それでも・・・だから、こそ。
・・・だからこそ、覚悟は、していた・・・。

がさごそ、どざざーーー。
靴箱を開けるなり、雪崩となってあふれ出てくる、
色とりどりの大量の小箱やら大箱、紙袋。
「・・・」
綺麗にラッピングされ、気合いやら何やら、
半ば怨念めいたモノまで漂わせているそれらを、
京は何とも言えない複雑な表情で見つめた。
後ろでは、押し掛け弟子を名乗って憚らない、
京にとっては単なるパシリである真吾が歓声をあげる。
「うわああ、さっすが、草薙さん!!
 もの凄い量ッスね、チョコ!!」
「・・・うるせー」
脳天気なその声にむっつりとワンパンチを喰らわし、
京は持っていた鞄を真吾に押しつけた。
「あだッ・・・痛いッスよ、何ですかいきなり!」
「・・・ソレ、中に詰めて、ついてこい」
そう言って京はもう、真吾には見向きもしないで
すたすたと教室に向かって歩き出してしまう。
「ま、待ってくださいよ〜、コレ、
 草薙さんのつぶした鞄に入る量じゃ無いですって!!」
真吾はそれでもあたふたと押しつけられた鞄の口を開け、
雪崩れたそれらを中に詰めようとして、
その中にはかなり大きい紙袋が入っていることに気づいた。
「さ、流石ッス・・・草薙さん」

真吾が大急ぎでチョコレートを拾い集め、
京の教室までたどり着いてみると、
肝心の京本人はココでも山積みのチョコレートに埋もれた
自分の机を前に立ちすくんでいた。
「・・す、凄い量ですね・・・草薙さん??」
「や、なんつうか・・・
 いやまあ、毎年、大漁ではあるんだが・・・
 ・・・何か、妙に今年は多い様な気が・・・」
「やっぱアレですよ、何年か振りにちゃんと
 草薙さんが居るバレンタインですから!
 女の子達、気合い入ってるんですよ!!」
「・・・ソレを言うな!!」
再び真吾の脳天気な顔面にワンパンチを喰らわし、
京はもの凄い形相で真吾を睨む。
「もいっぺん言ったら、燃やすぞ?
 解ったら、さっさと拾ってココに入れろ」
「・・・はーい・・・」

ようやく袋いっぱいにそれらを詰め終わった頃、
一時限目のチャイム放送が流れ始め、
真吾はあわてて自分の教室へ走っていく。
その日は一日中、京は全くと言っていいほど
授業はそっちのけで、むしろだるそうに過ごしていた。
・・・とは言っても、彼の場合、これが平生ではあるのだが。
ただ、そんな京が人待ち風に、
どこかそわそわとした浮かない態度で居ることに気づいたのは
恐らく、彼を待たせている張本人だけであったろう。
・・・否、そう思っているのは本人たちだけで、
実際は周知の、事実であったのかも、知れない・・・。

一方、ユキは。
朝から、周囲の目がちくちくとこちらを見ているような気がして、
どうにも居心地の悪い思いをしていた。
理由は、解っては、いる。
多分、好奇心と興味から。
今日この日に、自分と京がどういう態度を取るのか・・・。
それを遠巻きに伺われる事は、避けようもない事で。
・・・そもそも京という人物は、自分とつきあう前から
相当量の女性ファンを抱えていたのだし。

・・・朝から、覚悟は、していた。
否、覚悟自体は、もうずっと前、彼が戻ってくる以前から。
・・・しては、いたのだが。
何年か振りに、京が、登校しているバレンタイン。
嬉しい反面、彼女という立場である自分を知りつつも
彼にチョコレートを送りたいと願う女生徒たちの
心情も・・・皮肉なことに、解ってありあまるから。
むしろ平静を装って、などと頭のなかで考えすぎてしまい、
肝心の朝、下駄箱の前で大量のチョコを前にした京に
声をかけ損なってしまって、それ以来。
身動きが出来なくなってしまい、ついに、最終時限だ。
もう、あと数分もすれば授業が終わって、放課後になってしまう。
はああ、と抑えた深い溜息をつき、ユキは頭を抱えていた。

きーんこーーんかーんこーーん。
無情にも鳴り響くその音に現実に引き戻され、
ユキは途方に暮れる。と、その時。
ざわ、と教室中が、どよめいた。
周囲の視線の集まる一点、その場所には。
「・・・よう」
朝見たときよりも、更にいっぱいに膨れあがった
大きな袋を抱えた真吾を後ろに従えた、京がいた。
何処か照れたような、怒ったような顔で
こちらに大股で歩いてくると、ユキの目前で立ち止まり
「帰るだろ?」と、顔をのぞき込んでくる。
「・・・ん」
何故か顔が赤らんでしまい、慌てながらユキが立ち上がると
京は殺人的な一睨みで周囲を蹴散らし、
広い肩でユキを隠すようにして教室の外まで連れ出してくれた。

「ありがとう、京」
「カッコいいッス、草薙さん!!」
「・・うっせー、真吾」
「あ、そうですね、折角のところ、お邪魔しちゃ悪いですし
 俺は、この辺で・・・」
気を利かせて去ろうとする真吾の襟首を京はひっつかみ、
「いいから、下駄箱まではついてこい」
と、強引に連れて行く。
着いてみれば、京の下駄箱には、朝同様、フタが開いてしまうほどの
チョコレートが詰まっていた。
「・・・何年か振り、だもんね・・・」
これにはもうユキも、嫉妬も忘れて呆然とする以外に無い。
京はそんなユキに背を向けて、真吾に低く耳打ちした。
「真吾、コレ詰めて、ウチに届けとけ。命令な」
「・・・何か俺、ヒドイ扱いじゃないっすか?」
「つべこべ言うんじゃねえよ!
 ・・・明日の放課後、特別に稽古つけてやる」
「!ほんとですか!?」
「おう、だから今は黙って消えとけ」
「了解したッス!!では、ユキ先輩、また!!」
純粋ながらに現金な真吾は、それだけで元気に駆けだしていった。

「ちゃんと、捕まってろよ?」
「え、何処へ行くの?」
「いいから」
そう言って京は愛車、Z�兇魍蠅蕕擦堂誕�する。
着いた其処は、ユキの家のすぐ近くの公園。
一日中視線に晒されていた圧迫から解放され、
ユキと京はようやく緊張を解き、
いつもの会話を交わすことが出来る心理状態に戻った。
苦笑いをしながら、ユキがつぶやく。
「でも本当に凄い量だったわね・・・
 京の胃の方が心配だわ、私・・・」
「だな・・・ま、心配すんなって。
 覚悟決めて、胃薬用意してあるからよ」
「え・・?」
狼狽するユキの肩に、にんまり笑って京が腕をかける。
「・・・まさか、朝から焦らしといて、
何にも無いなんて事、無ェだろ?」
見る間に耳朶まで赤く染めるユキを、京は心底面白そうに見つめて、
さらなる追い打ちを掛けた。
「あと、去年のとその前のと・・・
 貰いそびれた分、全部部屋から持って来いよ」
「・・・ッ食べる気!?」
それを口にしてから、ユキは思わずしまった、という表情になる。
「へへ・・・やっぱなー・・・
 ユキの事だから、毎年ちゃんと用意してて、
 捨てるに忍びなくて仕舞い込んでるんじゃねえかと思ったんだよ」
「し・・・信じらんない・・・
 普段、我が儘で意地悪なくせに・・・っ
 こ、こんな時だけ・・・」
「そういう男でも待ってたくせに?」
優越で余裕たっぷりの笑みに、
ユキは何故か心臓をばくばくさせながら必死で抵抗する。
「だ、駄目よ、腐ってるかもしれないし!!
 っていうか、黴が生えてるってば、絶対!!」
「だからよ、覚悟決めて、胃薬用意してるって
 言ってるだろーがよ?」
「だって・・・だって、今年は今までの分までって思って
 もの凄く気合い入れて作ったし・・・っ」
「それも全部、ひっくるめて寄越せよ・・・オレの、だろ?」
どういう訳か、溢れてきて止まらない涙をへろりと舐めて京が囁く。
「・・・ずるい・・・!」
「あー、何しろ我が儘で意地悪だからなァ?」
「ずるいと思うわ、そんなの・・・」
何年かぶりの、京の、京らしい意地悪に。
あっという間に埋められていく時間を心地よく感じながら。
ユキは、理由も告げらないままに放置された数年間を、
それでも何も聞かぬままに許してしまう覚悟を、受け入れた・・・。

その日が特別かどうか、なんて。
決めるのは、それぞれ個人の自由で。
製菓メーカーの陰謀だとか、世情に踊らされてとか
斜めに構えてみるより、なにより。
・・・特別かどうかなんて、決めるのは、決まるのは。

そう、いつだって、唯一、そのひとの・・・。


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岸本かめ [MAIL]

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