「生きていくのに大切なこと」こころの日記
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今日は仕事を休んで日帰り手術を受けました。私は麻酔の初体験をしたのです。 手術室に入って麻酔薬を1�奸�筋肉注射されました。その後数分間は、Dr.や看護婦さんと話をしていました。 「痛くないようにしてね」 「そんなに話が出来てるうちは痛くて出来ないから、まだしないよ。大丈夫だよ」 看護婦さん達の様子もよく見えます。でも手術台の乗っている自分は、その様子を懐かしがる余裕はほんの少し。
そして「なかなか効かないなぁ」とつぶやいたその時、私は突然、スコーンと地球の裏側に落ちていきました。 何処か遠くで誰かが「菅野さん聞こえますかぁ?」と私を呼んでいて、だから私は返事をしたいのだけど、でも…でも…。
どれくらい時間が経ったのか。気が付いたら、いいえ、自分に気が付く前の私は、まるでスポンジの中をくにゃくにゃと散歩している感覚でした。青や紫のスポンジがくにゃくにゃフワフワとそこらへんにあるのです。 思い切りまぶたを開こうとして少し目が開くと、手術室前に居た部屋の風景が、歪んでそこにありました。 「おかしいなぁ。手術室に入ったはずなんだけど、おかしいなぁ。勘違いだったのかな。また間違えたのかなぁ」 「おかしいなぁ。注射をしたはずなんだけど。おかしいなぁ。誰かと話をしてたんだけど。今から手術しに行くのかなぁ」
そこへもう一度、スポンジの国が現れて、私は真っ青なスポンジの小さな穴の中でくにゃくにゃになっていました。 「あー、何がなんだか分からない。私ついにおかしくなったんだ。やっぱり。どうでもいいや。でも、どうでもいいやって…どうでもいいやって言えない。口びる動かない。あれ?ごっくん…出来ない。つば、誤嚥した?肺に入った?大丈夫?」 「うーん、ちょっと待って。ここはいったいどこだっけ?」。 …あーもう、身体がくにゃくにゃ。わけが分かんない。体もスポンジ状態。
もう一度目を開けたら、やっぱり手術前に居た部屋が見えました。 あれ?まっすぐ。やっぱりこの部屋。 点滴ある?しかくいの。たぶん点滴。点滴入ってる? 少ない?なら、手術済んでる。見えない。落ちてる?見えない」 「手、動くかな。人差し指、動いた。中指、動いた。薬指、動いた。赤ちゃん指、動いた。足の指、動いた。指、動くんだ。でも足首動かない。身体動かない。先っちょだけ。手術したんだっけ。今からなんだっけ。ほんとはどっちなんだっけ」
そこから私はもう一度深い眠りに入りました。そしてこのとき、私の耳に自分の深い呼吸の音が聞こえていました。 クーックーッ。ンーっ。…。 この感じ、何処かで覚えてる。沈んでいく。
そうだ、あの時。名古屋へ来たころ、よく眠ってた。どこででも眠ってた。スコンと自分が消えて落ちそうな感覚で深い眠りに入ってた。この音が聞こえてた。息、してたんだ。懐かしい。 確かあの時、私の中でたくさんの私の言葉が飛び交ってた。円卓を囲んでたくさんの私が話をしてた。 それから、時々自分の指が動くのを確認した。生きてる自分を確認した。あの時も生きてたんだ。
今日は? ううん、私だけ。私、大丈夫なんだ。
…… 夕方頃、私はようやくいつもの私に近い状態に戻り、自宅に帰りました。帰る前の診察で体験したことを話すと、Dr.は面白い表現だねと言いました。 手術前には、麻酔で眠って本当に目が覚めるのかと小さなドキドキもあったけれど、大丈夫でした。手術後には患部の痛みよりも麻酔初体験面白さが大きくありました。頭は回っていなかったけれど、面白い体験をしました。 そして、現実のある光景から過去のある光景を思い出し、過去の自分と今の自分を確認した出来事でした。まるで、過去の自分をもう一度見守りに行ったような気分でした。初体験時空を楽しんだ私なのです。
これを読んだ皆さんは、もしかしたら、Mamoちゃんはどこの手術をしたんだろうと興味が沸いているかもしれません。これにまつわるエピソードを、心の整理が付いてから、どこかで書けたらいいなぁと次の自分も思い描いているのです。
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