私が自分の手首に初めて包丁を当てたのは、小学校3年生の時でした。その22年後、私はその時と同じ包丁を持ち両親の眠る寝室の前を行ったり来たりしていました。私はいつも死にたいほど苦んでいて、そして私を苦しめている両親の事を殺してこの世から消してしまいたいほど憎んでいたのです。 けれど私には両親を殺害することが出来ませんでした。あの時親を殺すことが出来なくて、出来ない私が居てよかった。 私は、自分を殺してしまう事が出来ない私だったから、両親を殺すことも出来なかったのだろうと、今そんなふうに思います。 そして今、私の身体を作る細胞の一つ一つが 「生きたい」と感じている事を実感しています。8:00