SA◎駄記録集
〜脱力万歳〜

2007年02月15日(木) 正岡子規「犬」

うーん。重い。
児童向けの小説ということですが、
ラストが重い。
文体も読みにくいし。

勝手に要約すると、

「昔、天竺の王様の犬を殺した者が死刑になり
 それだけでなく日本の寒い所の犬に生まれ変わった。

 山の中で食べるものもなく
 姥捨て山に捨てられたひとを喰う浅ましさだった。

 八十八人目を喰った時、己の罪深さを突如として悟り
 東の一番星に懺悔した。
 次の世では人間に生まれ変わりたいと願った。

 七日七夜お通夜を通すと小さな阿弥陀様が夢に現われ
 信心怠りなく勤めよ、とお告げがあった。

 犬は一念発起し、
 人間に生まれ変わりたいという未来のために
 八十八箇所の霊場を廻った。

 残りあと一箇所というところで力尽きた。
 お地蔵様が大願成就と約束してくれたので
 犬は喜んで果てた。

 やがてどこからか八十八羽の鴉があらわれ
 犬の屍を喰うと、その有様を見た旅僧が
 哀れに思って埋めてやった。

 お地蔵様が言うには、八十八羽の鴉は
 犬が食った人々が復讐のためにきたのだから
 勝手に食わせておけば過去の罪が消えて
 未来の障りがなくなるものを…

 一見、土に埋めてやるのは慈悲なようで
 かえって慈悲でない。
 これでは来世人間に生まれ変わっても
 病気と貧乏で一生苦しむだろう」
 
あわれなり。


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