うーん。重い。 児童向けの小説ということですが、 ラストが重い。 文体も読みにくいし。
勝手に要約すると、
「昔、天竺の王様の犬を殺した者が死刑になり それだけでなく日本の寒い所の犬に生まれ変わった。
山の中で食べるものもなく 姥捨て山に捨てられたひとを喰う浅ましさだった。
八十八人目を喰った時、己の罪深さを突如として悟り 東の一番星に懺悔した。 次の世では人間に生まれ変わりたいと願った。
七日七夜お通夜を通すと小さな阿弥陀様が夢に現われ 信心怠りなく勤めよ、とお告げがあった。
犬は一念発起し、 人間に生まれ変わりたいという未来のために 八十八箇所の霊場を廻った。
残りあと一箇所というところで力尽きた。 お地蔵様が大願成就と約束してくれたので 犬は喜んで果てた。
やがてどこからか八十八羽の鴉があらわれ 犬の屍を喰うと、その有様を見た旅僧が 哀れに思って埋めてやった。
お地蔵様が言うには、八十八羽の鴉は 犬が食った人々が復讐のためにきたのだから 勝手に食わせておけば過去の罪が消えて 未来の障りがなくなるものを…
一見、土に埋めてやるのは慈悲なようで かえって慈悲でない。 これでは来世人間に生まれ変わっても 病気と貧乏で一生苦しむだろう」 あわれなり。
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