| 2002年03月02日(土) |
食べ物の値段について |
先週は地獄の編集週間だったが、仕事中に岡島食品館の中に入っている某パン屋のシュークリームを食べる機会があった。値段は1個130円と、世間に普通出回っているシュークリームの中では、高級品にあたるだろう。 しかし、食べても何の感動もなかった。ただのシュークリームだった。とっさに口走ったのは「シャトレーゼ(洋菓子量販店)のシュークリーム(当時は半額の1個25円)のほうが美味しい」という言葉だった。先輩から非難されたが、僕は嘘はついていない。
ちゃんと言えば、「この某パン屋のシュークリームに130円も費やすのであれば、シャトレーゼのシュークリーム25円を5個食べた方がよい」ということである。単にそれら2つのシュークリームを比べれば、当然某パン屋のシュークリームの方が美味しいに決まっている(100円以上も違うのだから、某パン屋のシュークリームの方が美味しいに決まっている)。しかし130円と25円という値段を考慮すれば、某パン屋のシュークリーム130円は値段不相応である。だからシャトレーゼのシュークリームの方が美味しいと言ったのだ。
もっとわかりやすい例で言えば、今も話題の「牛肉」。外国産牛肉の安くて美味しいものと、和牛なのに肉が固い(そりゃ偽装だろ!と言いたくなるくらいの肉)ものを比べた場合、両者を単純比較すれば固い和牛の方が上だとしても、美味しさや感動は、安くて美味しい外国産牛に軍配が上がるのではあるまいか。「どうせ安い肉だから」とくくって食べる美味しい肉と、「和牛だから美味しいに決まっている」とくくって食べる固い肉。どう考えても前者の方が感動がある。
僕が参加している「グルメマップ作成」の委員の間で不評の「すき屋」や「吉野家」、「松屋」。先日の入稿の際に秋葉原の「松屋」で牛めし(並)を食べた。普通の味だった。白石氏の言うとおり「そんなレベルの牛丼は自分で作れ」級かもしれないが、290円という値段だからこそ許せるのである。某食堂で牛丼を食べたことがあるが、値段は600円。味は「松屋」より上でも、軍配は「松屋」290円に上がってしまう。
食べ物の「美味しい」「不味い」を比べる時、技術的に同じであるとすれば、高級材料を使った物が美味しいのは当然である。しかし僕は、以上に述べてきたように、値段との相応で決めるべきだと思うのだ。特に僕のような貧乏学生にとっては!
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