DAY BY DAY
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2004年06月02日(水) なにのための涙だろうか?

田中一村展を見に行ってきた。

この春から各所で目にし、人から話を聞く度に
すごく見たかったのですが、何度かそのチャンスを逃していたので、
ようやく会いたかった人にめぐり逢えるような
そんな思いで出かけて行きました。

ほどよい広さのフロアに掲げられた絵の数々・・・
その人の歴史でもあるような絵を丹念になぞりながら、
最後にたどり着いた奄美大島での絵のフロア・・・

そこに展示された絵の、その美しさに、その力に、
その込められた魂にただただ圧倒され
見ていると何故か涙がでてきた。

絵を売るために絵は描かず、清貧の暮らしを貫き通した人と
聞いてはいたのだが、そのほとばしるような絵への情熱を
目の前にして、言葉もなく、
その独特の不思議な世界に引きずり込まれるような感じがした。

絵というものに正直に向き合い、
生涯をかけた姿はあまりにも清すぎて、潔い。
そこにたどり着くためには
沢山の迷いもあったのかも知れないけれど、
奄美時代の絵にそれは微塵も感じられなくて、
ただ狂おしいほどの情熱と、絵を描く事のみに生きている人の
ピュアーな精神だけがあるような絵だった。

私の涙はなにだったのだろう。
きっとそれは自分の内に向けられたものなのだろう・・・。


shinobu |HomePage