流灯 - 2004年08月09日(月) 河岸を全速力で走った 橋から橋まで2分かかった さっき流れていった灯篭が ゆっくりとこちらに向っている いくつもいくつも足元を通りすぎた 両岸の道路に屋台が並ぶ 遠くに姉さんが笑っているのが見えた 昨晩母に出してもらった浴衣を着ている 隣には爪楊枝を咥えた男 次の橋はとなり町だ チビがかき氷を落として泣き出すのを 合図に走り出す 橋も足元も暗くて見えない 何か固いものにつまづいて 転びそうになったが走り続けた 灯篭はとっくに追い越した 道しるべはない ...
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