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2005年04月10日(日)  桃色の空
風が強く吹いてカーテンを揺らす。
日曜日の午後、床に寝転がってカーテンが揺れるのを見ていた。
ベランダに干したTシャツが揺れるのを見ていた。
ここから見える小さな青空にピンクの花びらが舞っているのもよく見える。
小さくて白い虫みたいな、季節外れの雪のような。
風にあわせて、空から地面に地面から空に向かって、強く舞ったり弱く舞ったり、低い建物にも高い建物にも公平に満遍なく、白い花びらが舞っては落ち、また舞っては落ちていく。
暖かい陽がさす床に、真っ白い花びらが舞ってきた。1枚2枚と床に転がっている。
また、びゅんと風が吹いたらその花びらは外に出て行った。

歩いて散歩に出かける。
池袋の東側には、お寺がいくつかありその境内には大きな桜がたっている。
あずま通りから狭い路地に入り、墓地に沿って歩くとお寺の境内に抜ける。
満開の桜の木の下で、たくさんの人が石垣に腰掛けて桜を楽しんでいる。
空が桃色だと思った。
そこにいるすべての人間がため息をつき、一様に桜を見上げる。
小さな子供がはしゃいで、その父親がカメラをかまえてその子を追いかける。

散る花びらは誰の上にも公平に落ちてくる。
桜は毎年春に咲き、そして散る。
どうしてそれほど律儀に毎年毎年咲き続けるのだろう。
そのサイクルはどうしてそれほど正確なのだろう。
桜を見て春が来たのだと日本人は季節を感じる。
誰にも公平に季節は訪れ、誰の上にも公平に桜の花びらは舞う。

どうして散るのに桜は咲いているのだろう。
どうして死ぬのに人は生まれるのだろう。
誰にも公平に命を授けられ、誰の上にも公平に死はやってくる。

時間の進む正確さは、一体なんの意味があるのだろう。
どうして人は生まれてどうして死ぬのだろう。
なんのために生きるのだろう。

散る桜は、美しいと思うより淋しいと思える。
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