| days |
| 2005年02月05日(土) 世界の果て |
| おやすみまたねと手を振る。 改札の向こう側とこちら側とで、手を振る。 改札をくぐる人をよけながら、ホームに続く階段に気をとられながら、ずっと手を振る。 別れがたいというよりも、手を止めるきっかけとか、目をそらして歩き去るきっかけがなく、私たちはずっと満面の笑みを湛えて手を振り続ける。 ほこりみたいな雪がちらちら舞う夜に、真っ直ぐの道をひとりで歩いていた。 街灯はいつもと変わらず等間隔に並んでいて、どこまでもどこまでも果てがなく道を照らしている。 その道がどこまで続くのかとか、その道がどこへ行き着くのかなんて、たまに考えたくないときがある。たとえ、果てがなくても、終わりがあろうがなかろうが、それはたいして気に留める事でもない気がしてきた。 夜の上り電車に乗客の姿は少なく、ただたまに通り過ぎる街の光を眺めていると、どこまでもどこまでもこの電車は走っていってしまえばいいのにと思う。止まる駅さえ知らず、私はふくらはぎに生暖かい風があたることだけに集中する。 電車は、窓から光を漏らしながら、夜の都心を走りぬけ、夜の住宅街を走りぬけ、やがて田畑が広がる風景を走って、夜空を走る。どこまでもどこまでも走り続け、やがて電車ごとじゅんと夜に溶けていってしまうようだ。 映画で見た世界の果ては、薄暗い海に向かって墓石が並んでいる。波が打ち寄せる崖に墓石がたっていて、その墓はみんな海を臨むようにたっている、空に祈るようにたっている。 同じ顔触れの毎日とか、山積みの問題とか、毎日繰り返し訪れる朝と夜とか、世間の狭さとか、閉塞感とか、そんなものをすべて捨ててどこかに逃げてしまいたいと思う。 果てがない、果てがない。 |
| Will / Menu / Past |