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2005年10月11日(火) this story/+handy+

何かが、壊れる不安から解き放たれたような気がした。
そんな言葉だった。
窓から差し込む光はなかったけれど、雨音もしなかった。

友達が呼ぶ声が、うるさくって。
そのうちカギをぶち壊して進入してくるんだ。
餌を強請らないでくれ。家にはもう餌がないんだよ。
だからって、買おうともしていないけれど。

お揃いのコーヒーは甘くて、ほろ苦くて。
のろのろ渋滞した道は、なぜか心地いい音楽がひびいていた。
窓を開けると、湿気を帯びた空気が入り込んできたけれど。
雨はもう止んでいた。

思い出すことが、怖かった。
ただただ、怖くてたまらなかった。

あなたがあの日、この時期に起こした思春期に。
今、自分が直面して、硬直した。

メガネの向うの真実を、見てしまった気がしていたのかも。


親指と、人差し指をくっつけて。
片目で。太陽と月をのぞいた。

冬に向かう空気が、心地よくて。
遠くから、キンモクセイが香った。





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