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かぜに気をつけてね。
外で働いている人がいる。べつに珍しいことでもなんでもないけれど、雨が降っていると、大変だな、寒くないかな、かぜなどひかないといいが、と、余計なことを思う。20代前半の女の子が、会社の制服に透明のレインコートを着て、何かパンフレットを配っていたりすると、もう反射的に受け取ってしまう。晴れの日だったら、ほとんど受け取らず、一礼して通り過ぎてしまうのだけれど。
20前後の男の子が、うわ、さっみーという声でも聞こえてきそうに、大きな看板をかかえ、からだをふるわせて手をこすっていた日には、ホットコーヒーでも差し入れしたくなってしまう(実際はできないが)。高齢の男性が、警備員らしく立っていて、車に指示を出したり無線で連絡をとっていたり、晴れの日と変わらず、屋外で淡々と仕事をこなしている姿にも、おおーと内心で拍手する。
上にあげたのは、わたしが適当に生きていて、見聞きした範囲内のことでしかないのだけれど。世の中には他にも、悪天候の中、色々な仕事をしている人がいるのだろうな、と思う。慣れている人や、平気な人、まれにそのほうがはかどる人もいるのだろう。でも、晴れている状態のほうが快適な仕事や、寒さに弱い人、苦手な人もやはり少なからずいるだろう。そういうひとが、かぜをひいたり、調子を崩したりしないといいな、と、ある日の傘の中でわたしは思った。
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