CT画像撮影はかなり大掛かりな装置に乗せられる。仰向けに寝るとちょうど頭がホルダーにはまるようになっている。そのホルダーにガシッとベルトで固定されると、巨大なドーム状の撮影装置の中に「ズンズン」とベッドが移動していく。
頭の部分が入ると、「それでは撮影を始めます。2、3分で終わりますからじっとしておいてください。」とマイクで話し声が聞こえる。目をつぶっているが、ヒューンと高速で回転するような音がしだした。一定時間ごとにベッドがわずかずつ移動している。 この装置では頭を輪切りにした画像を見ることができる。したがって頭全体を見ようとすると、輪切りの数が多くないときちんとした診断をすることができない。そのため小刻みに動かしながら撮影枚数を多くしていくというわけだ。
撮影が終わるとしばらく待つことになる。それでもたいした時間ではなかったと思う。2、3人の診察を待った後、呼ばれた。いや、呼ばれたのではない。じつはこの病院、拡張リニューアルされてそんなに日数は経っていない。それにともなっていろいろな処理がコンピュータ化されているようだ。 普通の病院だったら次々と患者の名前を呼ばれて診察室に入っていくのだが、これらが部屋の壁にかけられた液晶モニターによってわかるようになっている。現在診察を受けている人の番号と次に入る人の番号が表示されているのだ。
ほどなく私の順番がきて診察室に入った。頭部の断層写真が数十枚、壁際のモニターに映し出されている。おそらく昔だったら、撮影されたフィルムを撮影室から持って走ったにちがいないが、今ではこういう類のものは電送される。即座にパソコンの画面なり、大型液晶モニターなりに写すことができるわけだ。
診断は「神経痛」である。障害を受けた抹消神経を修復するビタミン剤と書かれた錠剤と、痛み止めの薬をもらって病院を後にした。
しかしこれで頭痛が治ったわけではない。診察してもらっただけなので、痛みはなにも変わらない。このままでは仕事も何もできる状況ではない。したがってそのまま以前に通っていた整骨院に直行となった。
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