日経BP社の「MASTERS」という雑誌を定期購読している。この本はどちらかというと50代以降の年齢向けといってよい、第二の人生について考える内容が多い作りとなっている。
この雑誌の能書きはこうなっている。 「仕事も遊びも人生を極めたいアクティブシニアのための情報誌です。「自由に働く」「自在に遊ぶ」「豊かにコミュニケーションする」の3つをキーワードに、人生の達人(マスターズ)を目指すシニアに役立つ情報を提供します。」
今月の特集は題して『道楽人生』。 道楽とはいわば男性の代名詞のようなものである。女性で道楽というのを聞いたことがない。言いかえれば少年時代をそのまま引きずって生きているのが男かもしれない。
で、話はそうではなくて本の最初を飾るマスターズ列伝として取り上げられた人。それは誰かというと歌謡界の大御所「田端義夫」。もう80歳を超えているが、現役の歌手である。最近になってCDをリリースしている。 『島育ち』でデビューしてから、かれこれ60数年がたつが、年齢を感じさせない歌声とステージでの振る舞いはこれぞ芸人と呼ぶにふさわしい人物だろう。
題字は『歌にいき 恋に生きる ”情”の唄人』とある。 夫婦の仲について語っている。 「夫婦ってのは、どんなべっぴんでもね、一番男が負けるのは、やっぱり女の情ですね。それに引きずられて長続きしますよ・・・」とある。 女性にもてるコツについても語っている。あれもねえ、やっぱり自然体ですよ。と。
じつは「田端義夫」といえば私にとって思い出があるのだ。 学校を卒業してから、あるキャバレーでアルバイトをしていた。いわゆるバンドマンであるが、その時「田端義夫」の伴奏をしたのだ。トレード・マークの「オッス!」の掛け声とともに、ぼろぼろになったエレキギターを真横にかかえてヒット曲を歌い続けた。 「MASTERS」にもこのギターを抱えた氏の写真が載っているが、ほんとにぼろぼろなのである。ビスを取り外したのか穴がぼこぼこあいているし、塗装ははげはげ。俗に言われるオールド・ギターというのではなく、氏とともに「戦った」ギターなのである。
人生を戦った人は美しい。そう感じる記事であった。
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