I'm so happy, cos you're so happy.
FKM crew



 「彼」の復帰戦

「ヴァクストゥーム」号が、今日、約1年ぶりに出走しました。機会がなくて触れていませんでしたが、私が出資している競走馬のうちの1頭です。

名手・岡部騎手をパートナーに2勝を挙げるなど、かつてはかなり勢いがあった馬です。ただ、気性が非常に激しいのが玉に瑕で(母譲り)、それが闘争心につながればいい結果を残すのですが、レースが始まる前に無駄に力を発散させてしまうような場面も多く、なかなか扱いの難しい彼(オス馬です)なのでした。

結局、そのマイナス面を懸念した厩舎のスタッフは、2勝目を挙げた直後の一昨年秋、彼を去勢するという判断を下しました。気性に問題のあるオス馬に対して、その気の荒さを抑えるためにしばしば採られる策です。彼が絶好調だった時期だけに個人的には複雑な気分でしたが、「性格さえ落ち着けばもっと大成できる」というスタッフの期待の現われと考えて、自分を納得させることにしたわけです。

ところが、厩舎スタッフの期待に反して、ここから彼(一応「彼」と呼びます)の長いスランプが始まりました。同じ頃、主戦の岡部騎手が休養に入ってしまったこともあり、しばらく他の騎手が手綱を取っていたのですが、それまでの快進撃がウソのような連戦連敗。しかもすべて惨敗です。

どうも気持ちが空回りしているようなのです。感情を表に出さなくなった分、ストレスが内にこもってしまって、うまく気持ちのコントロールができていないのではないかとのこと。失意のうちに彼は、心身を立て直すため、長いリフレッシュ休暇に入りました。

それから1年。同じく長期休養からの復帰を果たした岡部騎手が手綱を取り、今日は万全の体制での出走となりました。休養で緩んでしまった身体も改めて鍛えられ、休み明けでありながら、14頭中4番目の人気。

これで結果が残ればなかなかグッとくる話なのですが・・・結果はやはり13着ブービーの惨敗。「私のことなど知らんぷりで、ただ走っているだけ。気持ちの問題だね〜」とは、彼の絶頂期を知る岡部騎手の言葉です。

難しいですね。彼の悩みはまだまだ続きます。


ブイブイ言わしていた頃の彼(写真はクラブ提供)

(よ)


2004年07月10日(土)
初日 最新 目次 HOME