続々・不良主婦と呼ばれて@USA
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米国在住数十年国際結婚美人妻<←嘘>自堕落日常日記


2003年09月09日(火)  二人、別々の道

4年前の夏、旦那の弟が仲良しの友達を連れて家に2週間滞在したことがある。
その義弟の友達は、見かけもちょっとワルげなら言うこともまた一丁前な大人びたことを言うような子だったけど、所詮15歳の男の子、私からしたらくだらない事をして義弟といつも遊んでいて、人懐こい一面もあって、可愛いと思えるようなところもあった。
実際、義弟よりも家のことを手伝ってくれたし、ちょっと重いものを持とうとするとスッと手を貸してくれるようなやさしい子だった。
それから2年後。高校卒業を前にして、義弟はミリタリーに入る道を選び、その友達は漠然と音楽が好き、DJがしたい、有名なアーティストになりたいという夢を持ち、全く別の道に進むことになった。
実際その子は、17歳にして地元のクラブや音楽シーンでは注目されるようになり、徐々に音楽の分野で頭角を現していたらしかった。
一方義弟は、地味で過酷なミリタリーのトレーニングへと、故郷から遠く離れたところへ旅立った。

そんな彼らの近況。
義理の弟は現在、6ヶ月という予定でアフガニスタンに駐留している。
20歳の誕生日も、サンクスギビングもクリスマスも年末年始も向こうで、過酷な砂漠の中で迎える。
もう一人の彼は、サンクスギビングもクリスマスも年末年始も、20歳の誕生日どころか、18歳の誕生日さえ迎えることはなかった。
義理の弟が故郷を発ってすぐ、トラブルに巻き込まれて命を奪われた。
自分の好きな音楽が原因で、才能があったがために、たわいもないことでいとも簡単に、あっという間に命を奪われた。
私の家で寝泊りし、私の作ったご飯を食べ、私の子供を抱っこしたこともある人間が、少年が、数年後にそんな死に方をするなんて、今でも現実というよりもテレビか映画の中の出来事のように思えてしまうことがある。

夕べ、音楽チャンネルのニュースで犯人の公判での姿を見た。
今でも無罪の主張をしている様だけど、早く重い刑が決まって、アフガニスタンの義弟に知らせられたらいい。





↑Guilty until proven innocent の反対か。
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