徒然エッセイ&観劇記
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2003年12月08日(月) 長州藩を訪ねて〜〜松陰に学べ!

<11月29日〜12月1日>

中国地方の方までバビューンと新幹線で岡山まで飛びましてな、岡山城に行きました。再建されたやつで、中にエレベーターがついている・・・(興冷め)イマイチなりね〜。
そっからまた山口県を通って、どこだ?えーと長門湯元温泉っちゅとこで一泊。
生まれて初めての「ふく刺し」は「ほほぅ」って味でした。

電車は全部で5時間くらい乗ったみたいです。半分寝て、半分読書してました。三浦綾子さんの「塩狩峠」
本屋で見かけたら、椎名林檎ちゃんの推薦文が付いてたんで、なんとなく読んでみようかと。うちの母様が三浦さん好きなんです。別にキリスト教じゃないんですが。
このお話は教科書にも載ってるらしく(私も習ったのか?覚えてねぇ)いかにも教科書的な文章でした。

「あら、おとうさま、どこかお悪くって?」
おさげ髪に白いリボンをつけた待子が、貞行を見た。
「うむ。どうも肩がこるねえ」
貞行は、めっきり娘らしくなった待子を見て微笑した。

みたいな。
こういう小説の文章って、私は教科書とテスト問題でしかほとんど読んだことがありません。小説、ってものがあまり好きじゃないし。読んだものっていえば、もうちょっと現代的にトンがってる奴ばっかなんですよ。
本当こういう正統派は久しぶり!

描かれている時代がちょっと古いのも良いです。明治維新のちょっと後。古き良き厳しき日本のかほり。
この時期の士族の喋り方っていいですね。男子は格好良いし。女の人の丁寧語なんてもう、朗読したくなっちゃうわ。
もっと日本文学とか読むべきよね、私・・・。

まだ読了しておりませんので、内容についての感想は差し控えます。

で、一泊した後、二日目はまず「金子みすず記念館」へ。
詩、まじまじ読んだの初めてなんですが、なかなか和んでいいですな。この記念館は今年出来たばっかりだそうで、手をかざすと上から光が射して、手の平に詩の文字が映し出されたりとか、椅子に座ると詩を朗読している声が聞こえたりとか、凝っていて興味深かったです。
26才で子供のために自死してしまうなんて・・そして生まれ故郷で死後に花と咲くというか、徹底して祭り上げられることに。
みすず記念館へ行く通りには、普通の家の軒先にも必ずみすずの詩を書いたものがぶらさがっているんです。協力強制!!
恐ろしい気合を感じました。でもまぁ、微笑ましい気合といえます。何故ならちゃんと実を結んでいる。
みすずさんに優しいなと思ったのです。何ていうんだろ、こう、直感的に。展示物とか見ても。
本人に優しくない記念館や、歴史に無礼な観光地ってたまにあるじゃない?
でも、みすず記念館は良かったんですよ。こういうんだったら、利用されつくすのもいいかもしれない、うん。

さてさて、次なる行く手は萩。ここ連日東京は雨ということで心配だったのですが、奇跡的に山口の方は晴れまして、メインイベントである萩の自転車探索!!が思う存分出来ました。
自転車はレンタルするのですがぁ、これが年季が入っていて、ブレーキがキーキー言ってねぇ・・椅子は錆付いて高さ調節出来ないし。いつから使ってんだよぅ。あんなんレンタルするだけで儲けられるんならいいよな、フン。

萩は、言わずと知れた長州藩の街。高杉さんちと木戸さんちと、伊藤さんちを訪ねて、最後に松陰神社に行きました。神社の中には「吉田松陰博物館」という、紙芝居的に蝋人形が置いてあって、場面場面、松陰さんの生涯を辿りながら死まで辿る構成。
牢獄の中で一年で四百冊だか五百冊だかの本を読んだそーです。やっぱ偉人は違いますね!
松陰神社にはもう一つ、「松陰遺墨展示館」という小さな部屋があって、ぬぁんと松陰先生が死の直前に書いた直筆の遺書が!!
すげーー。
でもたかが百年ちょっとしか経ってないんだから、こういうの残っててもおかしくないんだよね。
字が上手すぎて(ていうか行書が読めなくて)直筆のまんまじゃ理解不能なんだけど、とにかく松陰さんの大和魂はまだ息絶えていないと思いました。

いや、でもどうかな、今の日本って・・全体としてみて、松陰先生の言う大和魂は活きていると言えるだろか?
それは疑問だ〜!!!♪(BY奥田民生)
御免ね松陰先生。私は私がとても恥ずかしい。
そして私は、今後もこの恥ずかしいと思う気持ちを忘れてはいかんだろう。

と胸に刻んだところで、今回の旅行記は終了します。


身はたとえ 武蔵の野辺に朽ちぬとも 留めおかまし 大和魂 (吉田松陰)


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