2009年06月07日(日)
かわいいいきもの


 微妙にプチ不調が続いています。うんまあその原因に飲み過ぎがあるのは否定しませんが(真顔)。風が吹けば桶屋がもうかる、じゃないけれど、ほんと身体がダメになると全部ダメになるよなぁと、常々思います。
(余談ながら私は割と大きくなるまで「風が吹けば〜」を「風が吹くとお桶が転がってぶつかって壊れるから桶屋がもうかる!」と思っていました)(短絡的過ぎる)。


[伝書鳩返し]

・>六実さまの今の本命さんを思うと、非常に言い出しづらかったのですが…
 >オグリ!できる限り観てください…っ。

 決断の最後の一押しとさせていただきました。ありがとうございます。
 という訳で出来る限り観て来た(笑)詳細は以降に。


 良く「雪組公演中なのに他組の話題ですみません……」とはばかられる伝書鳩をいただくのですが(笑)、その辺は別回路なので全然平気、むしろカモンなのですよ。
(っていうかそんなに雪組(つうかナツキさん)に猫まっしぐらに思われてるって事か……(まあそれはそれで否定はしない)(笑))。


 という訳でオグリ!です。


[花組メモ:オグリ!総評的な何か]

 結局オグリは3回見ました。土曜の夜と日曜ダブル。日曜夜以外は現地調達でした。正直体力的には相当しんどかったんですが、それでも観たかったので久しぶりに無理しました。

 そんな日曜のダブルを検討しはじめたのは、実は初見の幕あがってすぐだったんですね。いや、あの幕あがった時の舞台美術にまずやられました。お話だよ、と始まるあの導入部にも。ちょ、まだそこ壮一帆さんまだ出てきてないのに!(笑)。でもそんな高揚感をこんなに味わったのはすごい久しぶりです。それぐらい、舞台美術と演出が秀逸でした。
 だから鬼鹿毛のセットとか、数々の演出とかに笑いがおこったのが非常に解せない(笑)。えー、笑うとこじゃないじゃないか。あの子供時代の操り人形も、蛇の模型も、馬術披露を表現したおもちゃ仕掛けもすごく斬新、そういうとこにも「わー!」と高揚。なのになんで皆「ちょ、おま」的に失笑するのかなあと思ったところで、思いついたのが、「これ、タカラヅカじゃないからだ(後述)」と。多分、冒頭で私が高揚したもの、どっちかというと私の舞台好きな部分が反応したんじゃないかと。マドガワさんが、「そうだよな、タカラヅカだったら子供も馬術も実際に人(出演者)つかうよな(だから笑いがおこったんじゃね?)」と言っていたのひどく納得。
 まあそんな訳で私的にはあの舞台美術も演出も大いにありです。やっぱり鬼鹿毛の存在が際だっていました。ものすごくリアルに作り込んでいますよね。一番ぐっときたのがオグリ復活後の帝との謁見場面。あの場面が、声だけで鬼鹿毛がどおーんと存在だけしている。ありえない場面なのに、あの鬼鹿毛が帝の象徴となっていて(藤京子さんがじっと頭を下げているのも効果的)、背景の竹のセットが光って、セットと演出だけですべてを表現してしまった(主要人物が出ていないのに)。すげー!かっけー!!
 鬼鹿毛がリアルな反面、蛇とかおもちゃ細工とかがちゃっちかった(あえてそうしているんだと思った)のは逆に効果的だったかな、と。だってこれ「お話だよ、エエー」なんだもの。

 なんだかベタ褒めで申し訳ないんですが、とにかく壮一帆さんがどうこうの前に、ほんと舞台としてよかったと思ったのです。思い返しても、鬼鹿毛の首からオグリが後光背負って出てくるところとか、みぞろがの池を表現する為に背負い籠から薄布を引いて横切る場面とか、毒を盛られて倒れたオグリに横山パパが杯から酒をかけるところとか、車を引くという場面の真横にぶん切られた構図とか。そういう「絵」がものすごく印象的な舞台だったなぁと思ったのです。もう一回ぐらい見たかったなぁ(まだ見たりないのか!)


 で、前述した「タカラヅカじゃない」と思ったのは、まぶっちゃけスターシステムをガン無視しているところなんですが(実質二番手は不在、だよ、ね?)、もう一つ思ったのは、「タカラヅカとして成立させるのだったら、照手姫との再会で終わらせた方が正解じゃね?」と。ラブロマンスとしてHAPPY ENDで終わらせた方が、多分この作品の「タカラヅカじゃない」部分をそこでごまかせたと思います。正直私は、照手姫との再会以降は蛇足に思ったのですが、キムシンがやりたかったのは「オグリ」の上演で、その為にはそこが必要だった、て事だよ、ね?
 最初は「馬頭観音の祭りで始まったのだから、馬頭観音に帰結させなくちゃオグリとして意味がないのか」と思っていたのですが、もう一つ、帰結していたのが、照手姫が横山パパの命乞いをする「どんな親でも親は親」なのかなぁと。ちょっとうろ覚えなのですが、一幕でオグリが似たようなことをゆっていた、よね?(確か鬼鹿毛乗りこなしおめでとうパーティに呼ばれるところ)。そういう因果関係が古典説話である「オグリ」のキモなんだろうなぁと思った次第です。

 で、この因果関係について、マドガワさんが収集した話をいろいろ教えてもらったのですが(いちいち名前だして悪いわね)、72人の妻を契っては投げした事は噂にならないのに、蛇と契った事が噂となり追放までされる忌み事とされたのは、蛇は水神の象徴で、その蛇と契ったことでその共同体に水害とかをもたらすから、オグリは追放されざるを得なかった、とか。地中から復活直後のオグリの様は、その後三郎がのたれ死んでもいいから「逃げよ」と去った、そののたれ死に後の姿とリンクしているとか。その他いろいろ、きっと民俗学とか詳しい人が見たらいろんな因果関係(リンク)がはられているのに気づくんだろうねぇと。
 ちょっと歌舞伎みたいだなあと思いました。大学の時、歌舞伎の脚本読解みたいなゼミをかじっていたときがあって、その時思ったのは、現代の私たちから見ると「Aというモチーフが出てくるときに必ずBというモチーフもでてくるけど何で?」と思って調べてみるとちゃんと理由(背景)がある。当時の人たちにはそういう背景がすでに知識(常識ともお約束とも)として備わっているから(AといえばB)、それで納得してみているんだなぁと。

 まあ、そんな事も含めて「タカラヅカじゃない」と思った訳です。
 でも舞台としてすごく面白かったです。早くも今年のベストバウにノミネートです。



 それで肝心の壮一帆さんの話をしていないのですが(笑)。でももうほんと壮一帆さんにアテガキ過ぎてもうどこからツッコでいいかわからないほどで。もうほんとどんぴしゃにハマりすぎた。そして相変わらずドSで思わせぶりでけれども達観していてもうますます好きにならざるを得ない!どうしてくれよう!


 ジャッキーがちょう楽しみです。



[花組メモ:オグリおまけ]

 どの回か忘れたのですが、舞台挨拶で壮一帆さんがいきなりコメントをみつるに振って「え?あ??」とあわてている間に「それではそういうことで」とバッサリぶったぎったのが、相当Sで震えました。ええっと壮みつるはアリですか?お気楽いい加減な壮課長(でも本当はすごい仕事ができる)の元で振り回されつつ面倒を見るリーマンみつる。そんなみつるの部屋に毎晩押し掛けて風呂入ってビールが冷蔵庫にないと文句を言ってその後(略)。……そういうリーマンBL漫談が浮かびました(沈めてこい)。






BACK  INDEX   NEXT