| 2008年01月22日(火) | ||
| 僕、まだ君について伝えたいことを伝えていない | ||
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さー、新公の話するよー!(腕まくり) (とはいえ最近のわたくしはことに星組に関しては曲解捏造妄想抜きで観れなくなっているというか冷静に客観的に観れなくなっているというかとにかく世間とは百万光年ぐらい離れ去った感想を述べるのは言うまでもないということを心におとめおいていただければと)(何その予防線)(色々思うところがあるみたいですよ?) 実にいい新公でした。 [星組新公メモ:夢乃君の話] 正直、麻尋を観にいったというのが正直な目的なんですが(笑)、まず幕開けの夢乃君にぐあんとやられました。何がすごかったかと言うと、幕開けでちゃんと場を取りに行ったって事なんですよ。間違いなくプロローグで場内つかんだと思います。厳密に言うと、オセロの四隅を最初に押さえた感じ?結果として「夢乃聖夏の舞台」をベースに作り上げることができたと思います。で、そのベースがひいては「悪役であるティリアンが主人公たる物語」の説得力を醸し出していたんですよね。本公演のトウコさんがその演技力とか経験値とかで構築している「悪役が主人公たる物語」を物理的に場所取りすることで成立させおった!とびっくり。おかげでぐいぐい引き込まれました。舞台と客席の間の見えない壁のない舞台、場内隅々まで「夢乃聖夏」でした。 と、同時に思った事は、この脚本(の特にプロローグ)が実に良く出来ているなぁと。あれだけみっしり詰め込んでいるから、脚本通りにまっすぐやるとみっしりつまったものがちゃんとできるんです。 で、イキナリ落とすのですが、正直な話夢乃君の舞台人としての技術点はそんなには高くないんですよ(いいところもたくさんあるけれど)、けれども最初に「場」を取った事で私的にはもうオッケーでした。歌を外そうが台詞をトチろうが全然気にならなかった。それぐらいみっしりと場を占有していたと思うよ?それだけでも私すごく彼を褒めたい。 最初に配役が出た時に、ビジュアルは夢乃君にぴったりだけどその内面(星組のイイ人)は厳しいなぁと思っていたんですね。まっすぐ、朴訥、それが彼の私のイメージです。ところがフタを開けてみたら夢乃君は自分のその内面の性質を役作りじゃなくて、舞台への取り組みに生かしたんだなぁと。ただまっすぐに脚本に取り組んだんだなぁと、それがものすごく効果を生んでいる。なんだかものすごく好感を持ちました。 「夢乃聖夏の舞台」として観てしまったので、逆にその役作り的にはあまり注目していませんでした(私的にはいい意味でする必要がなかったの)。でもあまりにも抽象的な感想ばかりで申し訳なくなってきたので、これだけは。ラブシーンがいい感じにエロかったです。自分の身体がいかに活きるかを知っているなあと思った次第です。 [星組新公メモ:麻尋君の話] じゃ、本来の目的に戻って麻尋の話を。 プロローグで登場した時の麻尋の佇まいがあまりにもアレで思わず「うわ!」と口に出ましたごめんなさい。説明しがたいあの存在はなんなんだろうね、華とか存在感とかそんな言葉とは別物みたいな、やっぱりMだけが感じる何か? が、そんな説明しがたい存在の麻尋は完全にプロローグで浮いてました。なんか違う掲載誌の人が出ている!みたいな(笑)。で、その時点もう既に夢乃君が舞台を「とったどー!」だったので、ええ?麻尋これでどうアプローチしていくの?と思っていたらプリマスであっさりとシフトチェンジしましたよ。すごい。以下プリマスの愛されおぼっちゃんからリヴェンジ愛されキャプテンまで無理のない流れでした。スカステでムラの映像を見たとき、ルミナス君にしては腹にいちもつ抱えてそうだなぁと思っていたんですが(笑)、大丈夫だった。かわいかったよー! スカステのインタで「自分には歌いこんでしまう癖がある」と言っていたんですが、それと同時に彼は演り込みすぎるキライもあるんですよね。私は彼のそんなところがすごく好きなのですが、結局その演り込み感が腹にいちもつタクラミ系に見えちゃう要因でもあるんです。でも今回はそれがすごく生きていた。ルミナス・レッドのリヴェンジ。海賊になってセリ下がって登場する時がいつもの演り込みすぎでものすごく暗い獰猛な顔をしていた。同じ復讐に燃えるでもれおんレッドのほうは外に向かっているのに、麻尋レッドの復讐は内側に内側に向かっていた。うわ、そんなに演りすぎちゃダメだって!と最初慌てたのですが、それが逆に海賊一味の求心力になっていた。「キャプテンのリヴェンジの為に!」が「思いつめてひとりでそのまま何も考えずにティリアンに向かっていきそうなレッドを、そんな死に急ぐ様を見ちゃいられないとばかりに学生仲間が慌てて放っておけないと海賊仲間になった」「キャプテン、まずは海賊としての足固めをしようぜ!試しに女装海賊なんてどうだい?」もちろん本編では女装海賊じゃないんですけれど、新公版のチームレッドならそれもありえたなかなぁと。ぶっちゃけ麻尋レッドは総受だったんですよ。復讐の情念とその陰の脆さ。本当に諸刃の剣で、そりゃ皆放っておかないよおけないよ海賊になってそれでレッドの気がすむなら俺も海賊になるよ! ……ってな具合に麻尋のレッドには色んなドラマが見えました(私だけがな)。 もう「暮れなずむ夕陽を背に帰る場所を失くした旅人の安らぎの歌」と歌われれば、甲板に佇み暮れ行く夕日を眺めるレッドと、「キャプテンまたティリアンの事を考えているのかな」「きっとおやじさんのことを思っているんだよ」声をかけるにかけられない仲間たちはそっと見守るだけ。ふとレッドが振り返ると、皆慌てて甲板掃除始めたり、剣の稽古を始めたり何事もなかたったようなそぶりでレッドに気を遣わせまいとするんだけれど、レッドはそんなみんなに気づいている。けれども自分のこのうちへうちへと向かう憎悪の炎をどうすることもできなくてもてあまして。そんなレッドが唐突に現れた少女、ジュリエットへの想い(最初は保護者愛)をきっかけに、次第に外へと気持ちを開き始めるんですよ。学友が共に海賊となってくれたその優しさに気づく、「無茶するな」と殴ってくれたブラックの優しさに気づく、ああ自分は今までどれだけ甘えさせてもらえていたのだろうか。ティリアンを刺し違えて死んでもいいと思ってきた。けれども今はもうそうは思わない。俺はまだ皆に何も返していないのだから ……ってな具合に麻尋のレッドには色んなドラマが見えました(私だけがな)。 つーか麻尋が出てくるだけで釜が回るというこの恐怖!助けてドラえもん!(助けません) でもこれは決して私の妄想癖がひどいからじゃなくて、麻尋がそれだけのモノを見せてくれたんですよ!よ!よ!アタシ嘘ゆってないもん!アタシにはそう見えたんだもん! 麻尋がすごく良かった事を伝えたいだけなのに、なんでこんな意味がわかんなくなってるんだろう(自業自得)。 足りない、言葉が全然足りない。 じゃあ、とりあえず麻尋が好きな事を伝えたいと思います。 麻尋が好きだー、すごく好きだー! (何この放送事故) 気を取り直して。 [星組新公メモ:その他メモ] ・きとりんのギルダもドラマチックで面白かったです。というか出てきた瞬間に女海賊としての貫禄とか迫力より「狂気」を感じました。海に魅入られた女というよりウェサン島と私の海になんらかのトラウマを抱えてそうな。で、そんな狂気のギルダを前にしても、場内「とったどー!」な夢乃君が怯むわけもなく。きとりんが思い切りやっていたのが良かったです。 ・本公演初見時からずっとジェラードでSS書ける!と感じていたのですが、新公で再認識しました。というかやっぱりしぃちゃんのあの発声は色んなものを邪魔しているような(素)。という訳でどいちゃんのジェラードもドラマチックで面白かったです。しぃちゃんのジェラードが父性を全面に出しているのに対して、どいちゃんは父性を封印しようとしていた。もっというと、イザベラとはただひとときの過ち(あるいは思い出)があるだけで、それ以外はプラトニックなんだろうなぁと。やっぱりどいちゃんお芝居上手い。 ・アヲノのペネロープもまた解釈が違って面白かったです。まりえちゃんのペネロープより「わかっている」感じが。「エドウィンには感じなかったわ」がまりえちゃんの場合「(ぱちくり)」なんですが、アヲノの場合「(こっちのほうがイイ!)」というニュアンスで(笑)。でもアヲノペネロープが良かったのが、ティリアンを刺すときに泣いていたんですよ。「わたくし鷹を飼ってみたいの」が、挑発でもなんでもなく、哀れその鷹に踏みにじられた女の嘆きって感じで、すごくかわいそうで、それがすごい印象的でした。 あと大輝真琴君がうまかったとか、碧海君がやっぱりうまかったとか、せあらが自分を知り尽くした役作りでいいなと思ったとか、久城彬枠を取りに行っていると思ったみやるりが違うところ向かい始めたかなとか(意外に彼は骨太だよね)、色々あるんですが、もうとっちらかりすぎたんで寝ます。 |
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