2007年11月18日(日)
おいこみ


 昨夜は唐突に思い立ってミズナツキPB(第一期)をひっぱりだして見ました。いや、確か夏吉さんが女装してた写真があったよなぁ。あれがしぃナツキのナツキなんじゃないかという目論見で(えー)。でも実際みたらすっごいごっついベルトしているほうに爆笑してそれどころじゃありませんでした。ベルトか!やっぱりベルトなのか!むしろしぃナツキのナツキはプライベートフォトでベッドのうえにねそべっって花を髪に飾ってかわいこぶっているあの写真です。南国の午睡から、花の香りと君の笑顔で目が覚めた……ってむっさんの頭の中のしぃナツキって一体なんなのー!
 そろそろちゃんとしぃナツキを説明したほうがいいかもしれないいやしないほうがいいかもしれない。



 それはさておきー!
 花組さんマイ初日。



 春野さんラスト公演。
 冒頭のマルセイユ駅に立った春野さんの、帽子の陰から片目だけのぞく目が、ものすごく無垢、というか何もなくてびっくりしました。生まれたての何かのよう。この人は最後にもう一度再生しているのかもしれない、それを今私は目のあたりにしているのかもしれないなぁと思いました。もう、なんだろうねあの脱皮感は(脱皮言うな)。





 とはいえオペラは主に真飛壮真飛壮真飛壮でした。



[花組メモ:真飛さんの話]

 というわけで、巷で話題のシモンおやびんの酔っ払い芸なんですが……ごめんなさい、私はどこの志村けんがいるのかと……ああああああ言っちゃった。でもオヤジ芸の方向が同じだったと思う。もういつ「だっふんだ」って言うのかと……あああああ更に言っちゃった。
 しかしシモンおやびんで問題にすべきことはそこじゃなくて!むしろ「あんたどんだけ乙女なの!ドリーマーなのー!」と声を大にしてツッコみたい。知らないうちに事件に巻き込まれて施設に行ってしまった友との最後の繋がりである、手紙の封筒を机の引き出しに大事にしまっていた。最後の手がかり、最後にアイツが触れたその封筒をいつまでも捨てられない。そして再会した友を疑った夜、あいつを好きなのにあいつを許せない俺の、せめて渡すことのできる「金の切れ目」、その封筒にそっとしのばせた。封筒からは、あの日のサボンの匂いがしていた、みたいなストーリーが曝け出さん勢いで見えちゃう辺りとか(あたしだけとは言わせないわよ!)(いや君だけだ)。かたや「せっけん彫刻が得意なんだぜ!」とカジノのルーレット台の上で日曜彫刻家「この仕事をしていなかったら俺はレオナルド・ダヴィンチになれたはず」って目ぇキラキラしちゃってさぁ!……かわいすぎる、おっさんなのにかわいすぎる、そんなおやびんに部下もメロメロだと思います。しかしあんなにいい攻が揃っているのに(むっさん判定ではみつる以外は攻)、おやびんにはジャンヌが目を光らせているので、受ける隙(ってナニそれ!)がありません。そんな感じに真飛さんは新たにおっさん受というジャンルを確立するといい。
 それはさておき、劇中にあったアルテミスとオリオンの物語はそのままジャンヌとシモンの物語でもあるんじゃないのかなぁと。パリで出会った踊り子・ジャンヌにいつものように手を出したら思いっきり張り飛ばされた。こいつ強ぇ!オラ自分より強い奴に会うとワクワクすんだ!(キャラが違います)。でも正に「男の弱さを女の優しさが愛せる」な感じで、出会いの場面を創造、いや想像すると楽しくなります。ゆなひこ君に書いて欲しい。

 で、ショーの話。多分、皆さんが思われているより私真飛さんを見ているんだと思うんですが、ほんとほとんど壮一帆さんとシンメなんでオペラワークがたいへーん(笑)。
 今回の真飛さんの見所はあのピンクの場面だと思います。本当に、最初は笑い飛ばしてやろうかと思ったんですが(こら)、出てきた途端に何も言えなくなっちゃった……な、なんかひさしぶりにおっさんじゃない真飛聖を見た、いやおっさんおっさん言っているのは私だけだから、ひさしぶりにおっさんじゃない真飛聖が見えたというか。びっくりするほどキラキラしていた、無垢だった。舞い散るピンクの花びらのなか「うわあきれいだなぁ」って顔をしていた。そのひらひらした美しいものに恋焦がれる気持ち、けれども彼はその気持ちをまだ恋だとは知ることはない、みたいな?(SS埋め込むのやめてください!)。星組の頃に見えていた「真飛聖の根底に流れるピュアな部分(普段は見えにくい)(いそぎでMAX)」ではなくて、地下できれいに濾過されたものがすうっと自然に地面に染み出てきたようなような、そんな感じ?(伝わりにくい)。とにかくきゅううんとしたね、久しぶりに。でも引き続き真飛さんのテンプレートはおっさんだと言い続けようと思います(ひどい)。どうでもいいんですが、あのラテンの場面はどうも真飛さんだけ腰の落とし方が低いと思うのは私だけでしょうか?



[花組メモ:壮一帆さんの話]

 思ったよりアンソニー・ヘイワード再演じゃなかったです(最初にそこなの?)。なんというか安藤さんは自分が正しいと信じていた事が結果として悪に傾いてしまった、それでも彼は自分が正義と(愚直なまでに)信じている、あるいは正義だったはずのものが悪になってしまったところから逃れられない哀れなひと、という図式だったんですが、毛利さんは悪い事だとわかっているけれど、それが自分の正義なのだという裏づけをしっかり持っている人。なので安藤さんほど同情の余地がないというか。え?同じに見えますか?私にはちょっとずつ違うように見えました、ちゃんと。なので今回はそのヘタレっぷりと大いに楽しんできたのですが、最後の最後で、小池Tはまたしても壮一帆さんをどん底におとすような事をしましたよ!彼の正義を支えていたもう一つが「父親の遺志」、けれども彼が目的のために選んだ手段は、彼の父親を殺した男達を手を組むこと……っ。最後に「父親の字で書かれた当時の市長を糾弾する為の手紙」を読んでからの舞台上の時間、ってとても短いんですが、毛利さんのあの絶望ときたら!落とすだけ落として拾わない、そこだけは忠実にアンソニー・ヘイワード再演、っていうか小池っちはよっぽど壮一帆さんを落としたいんだな!鬼だな!となった訳です。留置所の夜、何度も何度も読み返した父の「遺書」。誰も間違っていなかったはずなのに、自分だけが気がつくと間違っていた。描いていた未来はすべて消えてしまった、父さん、ぼくは、なにを、どこで、まちがえてしまったのか、おしえてください、とうさん……(SSの試し書きするのはおやめ!)

 それはさておきショーの壮一帆さん。あの銀橋渡りをスカステで見て「私ここで思いっきりときめくんだろうなぁ!」と思っていたら、あの派手なきんきらベストに撃沈しました。な、ナニあれ、おばあちゃんの形見の金襴緞子の帯をリサイクルしましたみたいなきんぴかベスト!キザってジャケットをばさばささせるカッコいいはずの振り付けがすべて「どや、こないだボートで大もうけしてこうたんや」にしか見えなくて!……極めつけ、最後にジャケットを脱ぎ捨てた時「!背中まで金ぴか!!!」(更に壁沈)。いや、普通のリーマンスーツの裏地つきだったらおかしいかもしれないけれどあの金襴緞子ベストだけに、前も後ろもきんぴか、なのに死にそうになりました。
 ところで私、壮一帆さんの帽子から覗く片目、という構図が大好物です。片目だけでもものすごく破壊力、あの怜悧さ。そういうのを堪能できた場面ではあったんですが、きんらんどんす……ああ、なんかもう金襴緞子ベストの記憶しかない!
 そうそう、スカステで見たときはてっきり真飛さんだけが歌っていると思ったSO in LOVE、壮一帆さんもうたっとるじゃないですか!(正に壮 in LOVE)持ちネタとしてマシンガンのタイトルにもしてたんですが、実現していたことに腹を抱えました。


【今日のまとめ】
 壮一帆さんのどこが好きか:内に秘めたものを全く見せないんじゃないかと思わせるところ
 真飛聖さんのどこが好きか:内に秘めたものが知らず知らずのうちに垣間見えてしまうところ



[花組メモ:その他]

・作品総評をしていないのですが、芝居は小池オリジナルに拒絶感がある私にも大丈夫なつくりでした。まあ色々みたことあるものがちりばめられているんですが。何よりも春野さんの「ボンソワール、マルセイユ」あの歌声がいつまでもいつまでも胸に響いているような、そんな気持ちのよい読後感(違)。
 ショーはラッキースターでした。可もなく不可もなく、ってことは実はタカラヅカではほめ言葉になるんじゃないかとちらりと思った次第です。

・マルセイユ石鹸が私には芋羊羹にしか見えませんでした。「寿美礼のサヨナラやしな!いっちょ景気良く差し入れたるか!」って感じに大鳥れいさんからの心づくしなんだと思うことに。

・きっちりシンメで並んだのを見たのが初めてかもしれない……ええっと真野×みつるはアリですか?あの身長差はちょっと萌える(素)。

・そんな感じに今回真野君がいやに目につきました。で、昨日スカステつけたらはからずも真野×城咲新公トーク→新公ダイジェスト→新公全編と全部見てしまったのですが、彼、思っていたより野心のある人かもしれないなぁ。これはタカラヅカヒエラルキーの中での野心ではなくて、男の甲斐性(呑む打つ買う)の方の野心です。単なるヘタレキャラじゃないかもしれない。

・冬コミのネタがひとつ拾えました(ええ?)




 相変わらずの迷走っぷりですが、それでもなんか久しぶりにタカラヅカした気分になって、気持ちが浮き立ちました。やっぱりタカラヅカはいいなぁ。




[伝書鳩返し]

(なんか沈んじゃってすみません)

・>ライトほとんど当たってない一番隅で一人めっちゃ怖い顔しながら酒飲んでるしゅんくん


 ぎゃあ!(それだけ?)(うんそれしか!)セットで明石にも「ぎゃあ!」てできるようです。
 楽しみです、ってコレを楽しみにしているむっさん本当にMなんだなと思われるよなぁ(大丈夫、もう周知の事実)(笑)。
 ご報告ありがとうございましたー。



BACK  INDEX   NEXT